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父の遺産遺留分について【Q&A №637】

2019/02/19


【質問の要旨】

夫が借りたお金が遺留分に影響するか

記載内容  遺留分 自己破産 借りた 

【ご質問内容】

実父が生前に夫が父に自己破産時に借りたお金は私の遺留分から引かれるのでしょうか?

637


(ナナ)



 ※敬称略とさせていただきます。


【父が夫に貸した金銭の扱い】
被相続人があなたの夫に貸した金銭は、父の夫に対する貸金であり、貸金債権として遺産に含まれます。
そのため、当然、遺留分減殺請求をする際の基礎財産に含まれます。

【遺留分減殺との関係について】

今回の質問では、遺留分が問題となっていますので、遺言書等で特定の人に多額の財産がいくようなケースなのでしょう。
もし、あなたが遺留分減殺請求をする側であれば、父から夫への債権も含んだうえで、遺留分額を計算するといいでしょう。

【あなたが遺留分請求するとき、夫の借金で相殺されることはない】
他の相続人(例えば兄とします)が父からの遺産を全部相続するケースで言えば、あなたは遺留分額を兄からもらうことができます。
この際、権利関係を整理すると次のようになります。
 ・あなたは兄に対して遺留分を請求できます。
 ・兄は夫へ貸金請求ができます。
夫とあなたとは夫婦という関係であっても、借金などの債権関係では、まったく別人として扱われます。
夫が借金をしていても、法的にはあなたがその借金を支払う義務はありません。
そのため、兄が、夫への貸金があることを理由にあなたへの遺留分を減額しようとするなら、《その貸金は夫に請求するべきものであって、遺留分の減額事由にはならないし、相殺もできない》といって、遺留分全額をもらうといいでしょう。
大澤龍司法律事務所
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16:33 遺留分 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

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2019/01/23
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委任状無しに多額の払い戻しをするのでしょうか【Q&A №636】

2019/01/17


【質問の要旨】

委任状なしに払い戻した銀行の姿勢

記載内容  委任状 払戻 不正出金 

【ご質問内容】

父の相続に際し、多額の使途不明金問題が発生しました。
相続人は、兄、私、妹の3人です。母はすでに亡くなっています。
父は生前、軽度の認知症がありましたが、兄一家と同居していました。
父の取引履歴を取り寄せたところ、一度に300万、400万、500万、600万という高額な払戻し(現金で持ち帰り)があり、全て一つの銀行です。
銀行に伝票をとりよせたら全てが兄嫁の筆跡でした。
そこで銀行に、父が引出しの際に同席したかどうかを確認すると「同席はしていないが、同居のお嫁さんだから問題ない。父には電話確認した。」と回答されました。
さらに引出しの際の委任状も開示を求めましたが、「同居のお嫁さんだから委任状の必要はない」と回答がありました。
私としては、数百万もの大金をたとえ同居人であっても口座名義人でない人に渡す銀行の対応に驚いているのですが問題ないのでしょうか?

636


(みい)



 ※敬称略とさせていただきます。

【基本は通帳と印鑑の一致で確認】

最近の金融機関は本人確認が厳格になってきているため、大口の金額を窓口出金する場合、本人確認や委任状を要求することが一般的になってきています。
 他方で、未だに同居の親族の出金について、本人の体調不良などを申し出れば、委任状がなくとも親族の本人確認証(免許証等)を確認して出金に応じるようなケースも相続案件で見られます。
 しかし、銀行が通帳と届出印鑑の一致を確認していたのであれば、よほど無権限であることを疑わせる特殊な事情がない限り、引き出しについて銀行の責任を認められることはありません。
もちろん、なにか疑わしい事情があれば裁判所も銀行の責任を認めることはあるでしょうが、やはり例外的と考えざるを得ません。
それくらい通帳と届出印鑑を持参した、という事実は重いのです。

【委任状ではなく「父の意思確認」の有無が重要】

しかも、銀行は「父には電話確認した」と一応の本人確認手続を行った事情があるようですので、本人の意思確認もしているようですから、これらの立証を崩さない限り、銀行の出金手続が違法であるとは言いにくいと思われます。
 厳密に言えば、重要なのは委任状の有無ではなく、「父の意思確認」の有無なのです。
本人の意思確認ができたのであれば、委任状でも、電話確認でも、あるいは本人同席の下で伝票記載を兄嫁が代行しても構いません。
 本件で銀行に対する責任追及、というのは難しいでしょう。

【問題は本人の意思が反映されたか否か】
 
仮に銀行の手続に問題があったとしても、結局のところ本人の意思が反映された出金であれば問題ありません。たとえば、父が兄嫁に対し「全額引き出して構わない。」とか「贈与する」などという意思を伝えていれば出金は権限に基づく適法なものということになります(実際上このような事態は考えにくいかもしれませんが)。
 そのため、今回は銀行に対する責任よりも、兄嫁(ないしその夫である兄)に対して引き出した預金をどこに移動させたのか、どのような使途に使ったのか、という点を問い質していくことが現実的な方策といえるでしょう。

(弁護士 北野英彦)
大澤龍司法律事務所
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相手の説明の変更について裁判への影響【Q&A №635】

2019/01/10


【質問の要旨】

不正出金を追求する方法

記載内容  遺産分割 引出し 頼まれた 

【ご質問内容】

昨年86歳で亡くなった母の遺産分割で、母と同居していた弟夫婦から相続放棄を求められています。
理由は「母の財産はほとんど無いから」との事です。
(父は他界しており、母の遺産の相続人は私と弟の二人だけです。)
そこで、弟夫婦に対して母の財産管理について確認すると「私達は母の通帳を管理していない。母が亡くなって初めて母の通帳を見たら残額が無くなっていた。」や「預金については母が自分で引出しをしていた。私達夫婦は関わっていない。」とメールで回答が来ました。
私としては、母が父から3000万円もの預金を相続したのに、わずか2年で使い切るなど考えられませんでしたし、母には比較的多額の年金収入もあり預金を崩す事も考え難いので、母の取引履歴と引出し伝票を取り寄せました。すると引出しのほとんどが弟の勤務先近くのATMで月に数十万円も引き出されており、ATMで引き出せない額については弟の筆跡のある伝票が出てきました。
それを弟夫婦に伝えたところ、「全ての引出しは母の頼まれたからです。」とメールで回答が来ました。
今回教えて頂きたいのは、2点あります。
(1)これだけの証拠で裁判で戦えるのでしょうか?
私が証明できるのは、①母の預金を弟が引き出した事、②それが多額過ぎる事(不自然だというとこ)だけです。
(2)上記の通り、取引履歴を取る前と後で弟夫婦の回答が変わっています。これは裁判で使える事なのでしょうか?

【補足】

ご質問させて頂いた内容について、お伺いしたい内容が明確でなかったかと思い、補足させて頂きたく投稿致しました。

真にお伺いしたい事は、取引履歴の取得前と後で、相手の説明が変更となることについて裁判にどう影響するかどうかです。(まだ裁判はしていませんが)

〈取得前の弟の説明〉
母の財産管理については「関わっていない。残高も知らない。引出しも行っていない」という説明

〈取得後の弟の説明〉
「全て母に頼まれた。引き出したお金も全部母に手渡した」という説明
に変わりました。
この変化について裁判に影響はありますでしょうか?

635


(はって2344)



 ※敬称略とさせていただきます。

【弟が出金したことについては、ある程度証拠がそろっている】
出金状況については、すでにだいたい調査をされ、弟の勤務先近くのATMや、弟の筆跡の出金伝票でもって出金されたことが明らかになっているようであり、弟も自身が出金したことをメールで認めているようです。
他に母の有していた口座はないか、追加の調査が必要となる可能性はありますが、それを除けば、「弟が出金した」という事実については、証拠がある程度そろっているといえます。

【ただ、出金した金員を弟が取得したことの証拠は不十分】
ただ、使途不明金の返還を求めるためには、弟が母の預金を出金したという事実だけでは足りません。
現在、弟は「母に頼まれて出金した」という主張をしているようであり、「出金した金員は母に渡したから何に使ったかは知らない」といわれてしまえば、出金した金員を弟が取得した事実については、あなたが立証しなければなりません。
この立証はなかなか難しく、
① 出金金額が多額であるか(一般に月に十数万円程度なら生活費相当額と判断されやすい)
② 母が金員を必要とする理由があったか
③ それまでの母の出金態様と弟が出金を始めてからの出金態様に変化があるか
等の事実をうまく利用して、母が使ったとの弟の証言が不自然であることを主張していくことになります。
また、当時母に意思能力がなければ、弟に対して出金を依頼するということも不可能ですので、もしもその可能性があるのであれば、当時の母のカルテや診療記録を取り寄せして確認することが必要になります。

【弟の説明が変わっていることも不自然さの証拠の一つにはなる】
最後に、あなたによる調査前と調査後で弟側の説明が変わった点ですが、事実を隠蔽しようとしている節が見受けられ、発言に信用性がないということで、他の証拠と合わせて、弟が出金した金員を取得したことの証拠の一つにはなりえます。
ただ、発言の変遷だけで、弟が取得したことの立証ができたとはいえませんので、あくまでも上記に述べたとおりの他の事実と合わせて、効果を発揮するものといえるでしょう。

(弁護士 岡井理紗)
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年末年始休業案内

2019/01/08
本年の業務は12月28日(金)の午前まで、
新年の業務は平成31年1月8日(火)から
とさせていただきます。

そのため、上記期間中に頂いたお電話・FAXまたはメールについては、1月8日(火)以降に順次返信させていただきますので、予めご了解くださいますようよろしくお願い申し上げます。

また、上記期間中は「相続問題Q&A」の回答期間が伸長しますことを、予めご了承くださいますようお願い申し上げます。
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