その他 : 記事一覧
 | HOME | Prev »

【非相続案件】後見人の弁護士による被後見人の普通預金の取引履歴調査について

2017/08/02
当ブログは、相続問題に関する質問のみを受け付けております。
今回、《お母さんの成年後見に関するご質問》であり、特に相続に関する法律問題を含んでいないご質問をいただきましたが、相続以外のご質問に関しては回答は控えさせていただいております。
何卒、ご了解ください。
 ただ、せっかくのご質問ですので、以下に簡単に弁護士のコメントを付し、回答に代えさせていただきます。

 また、ご質問いただきましたフアクト様宛にメールを送信いたしましたが、エラーで返ってきてしまったため、こちらに掲載させていただきます。



 認知症の母に、今年から法定後見人に裁判所が選任した弁護士が担当することになりました。
 最近になって、この弁護士が、後見人開始前の被後見人の普通預金の履歴調査をしていますが、これは、裁判所から行うように言われているのですか、教えてください。
 2年前までは、母も多少の物忘れは、あったものの認知症はなくて自分で預金管理をしていました。
 介護を実際にしている家族としては、疑われているようで、あまり良い気持ちは、しません。先方の後見人の弁護士から問い合わせがあれば、以前の管理は、母本人が行っていたと回答します。
(フアクト)


【弁護士コメント】
成年後見人の業務は、原則、就任した以降の財産の管理をします。
過去の履歴を取り寄せるというのは、就任前の使い込みの事実を疑っているからである可能性があります。
当事務所が扱った案件で、成年後見人が過去の分まで調査したケースがありましたが、その場合は1000万円近くの多額の引き出しが問題とされ、家庭裁判所と協議をした上での後見人の動きでした。
もし、口座からの多額の金銭の出金があるのなら、後見人に使途を説明して、わかってもらうようにするといいでしょう。
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
15:04 その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

母、兄家族と同居の独身女性【Q&A №574】

2017/08/01


【質問の要旨】

実家を出ていけといわれたが、どうすればいいか

記載内容  同居 相続対策

【ご質問内容】

 60年住み慣れた家を出て一人で暮らしてと兄より言われて困惑
 実家は母屋と離れの部屋もある。
 相続対策として何か出来ることは
 父の死後、家屋・土地が兄の名義になっているかも?
 家を出て生活する予定にしていなかったため蓄えもなく長年勤めた仕事も定年退職し現在パート勤務。
 10年後を考えると・・・

(十年後不安)





【不動産登記簿で家がだれの名義かを確認する】

1)登記名義がお父さんの名義のままの場合
まず、家の全部事項証明書(登記簿謄本ともいいます)を取り寄せして、所有者が誰かを確認する必要があります。
もし、家の所有権登記がお父さんの名義のままであった場合、遺産分割が終了していないと思われますので、あなたは家の所有権の4分の1を相続で取得していることになります。
そのため、「相続して、家の共有者であるはずの私がなぜ、家を出ていかないとだめなのか」という理由で弟さんに反論されるといいでしょう。
なお、下記3)項に記載した「お父さんから住むことを認められた」ということも、併せて主張することが可能です。

2)登記名義が3人の共有名義の場合
登記が法定相続人3人の名義になっている場合は前項と同じく、「共有者である私がなぜ、家を出ていく必要があるのか」という反論をされるといいでしょう。

3)登記名義が弟の単独の場合
弟さんの単独所有に登記されている場合には、共有であることを前提とする反論はできません。
しかし、その場合には《お父さんとあなたとの間で、「無償(ただ)で実家に住んでよい」という暗黙の合意ができていた》(これを法律的には「黙示の使用貸借契約が締結されていた」といいます)ということで反論されるといいでしょう。
実家の所有権がお兄さんに移っていたとしても、使用貸借契約は存続しており、お父さんの家に住まわせるという約束はお兄さんに引き継がれます。
参考までに言えば、あなたの無償で使用する権利がなくなるのは、
① 借主であるあなたが死亡する
② 使用貸借の目的が定められていたのなら、その達成されるまで

のいずれかです。
・・・例えば、《結婚するまで住んでいいよ》とお父さんが言ったのであれば、結婚で使用貸借契約は終了するということです。
以上の①又は②の事情がない限り、あなたは法律的には家を出ていく必要はありません。
そのため、あなたはお兄さんに対して、実家に住む権利を主張することができるということになります。


【相続対策としてできること】

実家不動産がお母さん単独の名義になっていた場合には、お母さんの元気なうちに実家不動産の生前贈与を受けておくか、あなたに相続させるという遺言書をお母さんに書いてもらうという方策を考えてもいいでしょう。
又、仮にお母さんの単独名義ではなくとも、お父さんの遺産分割が未了なら、お母さんに《私の遺産はすべて相談者の方に渡す》という趣旨の遺言書を作ってもらってもいいでしょう。


【お母さんを味方につける】

お父さんの遺産分割が未了であるかどうか、又、お母さんがどの程度の力をもっているのか、判断能力に問題はないか等、考慮するべき要素は多いのですが、可能ならお兄さんに対抗すると言う意味でも、又、あなたに有利な遺言書を書いていただくと言う意味でも、お母さんを味方につけるといいでしょう
なお、現実的な解決としては、母屋と離れがあるということですので、お兄さん家族とルールを決めて、母屋と離れとに住み分けるということも考えていいでしょう。
ただ、お兄さんの圧力が強い場合には、相続に強い弁護士に相談し、場合によれば依頼することも考える必要があります。
その際、弁護士に今回の居住問題だけではなく、お父さんの遺産分割がどのようになっているのかの説明をし、分割未了であれば必要に応じて、遺産分割の依頼も考えておくといいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
11:15 その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

共有名義の地代【Q&A №568】

2017/05/18


【質問の要旨】

共有名義の土地の賃料を分配した時に、贈与税の支払いが必要か

記載内容  共有 地代 贈与税

【ご質問内容】

相続して共有名義になっている土地の地代が入ります。

一人が代表して受け取り、確定申告して固定資産税と所得税を払っています。

地代を他の相続人に分配する場合、贈与税は掛かってきますか

(もん)





【詳しくは税理士に相談する必要があります】

 まず、今回のご質問は贈与税にかかわる税務の質問であり、弁護士の専門分野ではありません。

 ただ、せっかくご質問をいただきましたので、わかる範囲で簡単に回答しておきます。

 正確なことを知りたい場合には税理士に相談されることをお勧めします。

【共有土地の賃料分配に贈与税はかかりません】

 遺産分割前の賃貸不動産で発生する賃料については、平成19年の最高裁の判決(参照最判平成17年9月8日民集59巻7号1931頁)で

①賃料は遺産ではない。
②賃料は各法定相続人が各々の法定相続分に応じて取得する。


という判断が出ています。

 そのため、集まった賃料から必要経費を引き、その残高を法定相続分に応じて配分する場合、それは各人の有する不動産持ち分に応じた当然の収入であり、贈与ということにはなりません。
 そのため、贈与税はかかりません。

【共有者それぞれが確定申告等をしたほうがよい】

 現在は、一人の方が代表して確定申告をし、固定資産税や所得税を支払っているとのことですが、本来は各共有者が法定相続分に応じて、その取得した賃料を個別に確定申告をするべきものだと思われます。

 代表して一人の方が確定申告をしている場合、税務上、どんなリスクがあるかを知りたいのなら、一度税理士に相談されることをお勧めいたします。

(弁護士 岡井理紗)
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
13:48 その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★遺産分割協議書の無効の判断材料【Q&A №564】

2017/04/18


【質問の要旨】

遺産分割協議書は無効になるか

記載内容

 遺産分割協議書 無効

【ご質問内容】

姉2名対私1名で亡父の遺産分割について双方弁護士を立てています。

調停に行く前の段階で、相手方が弁護士を解任し違う弁護士を立て日が浅い中、今度は遺産分割は姉2人で折半となっており終了したと、新しい相手方弁護士から自分の署名捺印がある遺産分割協議書が当方弁護士宛に送られてきたのです(電話で聞かされたので、まだその文書は見ていません)。

父が亡くなった直後(まだ争いの無き時期)に入院費などの支払いが早急に必要だと口座の解約を迫られ、あと亡父と同居の下姉も不動産の登記を変えないと問題だと急かし、その為の手続きに必要だといくつか捺印や書類を渡してしまったのですが、それが遺産分割協議書だったのだろうと当方弁護士に無責任だと叱られました。

登記も解約も済んでいて、確認しなかった自分の落ち度と反省しています。

相手方と妻との(自分が言うと感情的になるので、妻が代わってと前置きしています)携帯メールの送受信(協議書が書かれたと推定される日付の後日に送信された相手方からの相続放棄するかどうかの伺い、相手方が少しはこちらに遺産を分けてやるつもりだといった文面で残してあります)、前任の弁護士さんは協議書に一切触れずこちらへの分割案があった(不平等で金額に争いはありますが)ことなどで相手方にはじめから協議書の認識があったか怪しく思えるのですが…。

そんなことで無効などを争える材料になりそうでしょうか。

(niko)






【登記が完了しているということから推測できること】

既に登記が完了しているということから見て、遺産分割協議書が作成されていること、それにあなたの実印が捺印されていること、更にあなたが印鑑証明書を渡しているものと思われそれらの書類により相続登記がなされたものと思われます。


遺産分割協議書をまず確認する必要がある】

あなたの依頼された弁護士は遺産分割協議書を入手されているということですので、その遺産分割協議書を見せてもらって、あなたがその書類に署名・捺印(署名がない場合でも有効です)をしたのかどうかを確認しておきましょう。

もし、署名があってもあなたの筆跡でなければ、分割協議書は無効になる可能性が高いです。


【遺産分割協議書と知って捺印した場合】

具体的な例で考えましょう。

あなたが捺印したときには、遺産分割協議書と題名があり、遺産内容も記載されていた場合は原則としてその協議書は有効です。

あなたの側としては、内容を見ていないので、有効なものではないと主張することになるでしょう。

しかし、遺産分割協議書というのは重要な文書とされていますので、相手方から《重要な文書だから、内容を見なかったはずはない!そんな逃げ口上を言うな!》という反論が出てくるのは必至であり、遺産分割協議書が有効とされる可能性が高いと思われます。


【内容が記載されていなかった場合】

あなたが捺印した書類には、表題の《遺産分割協議書》の記載(印刷)はあったが、その時点では内容は全く記載されていなかったような場合は、遺産分割協議は無効になる可能性が高いです。

しかし、内容は書かれていなかったのだということは、あなたの側で証明する必要があります。

題名だけで、内容がなかったという証明は、なかなかむずかしいと思われます。


【遺産分割協議書というものには捺印をしたことがない場合】

今回のケースは、白紙にあなたが捺印(あるいは署名も)した後で、遺産分割の内容を印刷されたものかもしれません。

このような場合でも、遺産分割協議書という文書にあなたの実印を押捺されているという外形がありますので、あなたが内容をわかって捺印した有効な文書だという推測がされます。

この推測を破るためには、質問に記載されていたような従来の経過(相手方の前の弁護士が遺産分割協議に触れていないこと)やメール等の内容も主張していく必要もあります。

ただ、私は、このような場合には、いつも、その遺産分割協議書を何度も、何度も確認し、その書面自体でおかしな点がないかどうかを確認しています。

印鑑と本文が重なっているかどうかとか、印鑑と本文との間に不自然な空白がないか等、その遺産分割協議書自体でおかしいと思われる点を探します。誰が言った、言わないということも必要でしょうが、なによりも分割協議書自体もおかしい点があれば、それを強く主張されるとあなたの有利に話が展開されることもあることを記憶されておくといいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)

大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
17:39 その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

葬式費用の負担者と香典の取得者【Q&A №560】

2017/02/16


【質問の要旨】

父の葬儀の喪主が叔父、葬儀費用は遺産から払ったが、香典は誰が受け取る?

記載内容 香典 葬式費用 喪主

【ご質問内容】

母とは離婚、片親だった父がなくなり、葬式をあげる事になりました。

24歳の姉と21歳の私(2人姉妹)は知識も、まとまったお金も無いからと、何も費用などの相談も無いまま父の弟である叔父が喪主を務め、葬式費用も返してくれればいいからと立て替えてくれました。

後日かかった費用の領収書を受け取り、返すように言われ葬式費用は遺産から返したのですが、この場合香典は誰が受け取るべきですか

実際に喪主を務めた叔父が香典を受け取るとしたら、父の葬式なので葬式費用は私と姉で叔父に返すべきなのですか?

(麗華)





【葬儀費用は喪主が負担する】

葬儀費用は被相続人の死亡後に発生するものであり、相続債務ではありません。

そのため、当然に遺産から支払われるべきものではなく、喪主が負担するものです。

したがって、今回叔父さんが喪主を務めてくれたのであれば、本来は叔父さんが費用を負担するべきだということになります。


【喪主が負担した葬儀費用の請求】

今回の事案とよく似た裁判例として、次の裁判例があります。

【相続判例散策】兄弟の葬儀費用等を負担した場合に、その費用を甥姪に請求できるのか(名古屋高等裁判所 平成24年3月29日判決)

この裁判例は、《兄弟の葬儀費用を負担した場合に、その費用を甥姪に請求できない》と判断しましたが、その理由は、《葬儀は行うか否か、どの程度の規模にするか、どこまで費用を掛けるかは喪主が決定するのだから、喪主が費用を負担するのが妥当》というものでした。

この裁判例に従うと、やはり叔父さんが支払った葬儀費用をあなた方に請求することはできないという結論になりそうです。


【香典は葬儀費用を負担した者が取得する】

ただ、本件では、あなた方に代わって叔父さんに喪主を務めていただき、葬儀費用を支払うことについてあなた方が納得して遺産から葬儀費用を支払ったようです。

このとき、香典は誰が受け取るべきなのかが問題になりますが、香典には葬儀費用等の出費に対して金銭面で助けるという意味もありますので、本来香典は葬儀費用を負担した者が取得するべきだといえるでしょう。

本件において、あなた方が遺産から葬儀費用を支払ったのであれば、香典収入は叔父さんに渡すのではなく、遺産に含めるべきだと考えられます。


【本件ではどうする?】

そのため、今回の質問のケースでは、本来は、あなた方は叔父さんに葬儀費用を支払う必要はありませんでした

ただ、既に葬儀費用を支払った(もらった遺産からその分を返した)というのなら、葬儀費用の返還をしてもらっても良いということになります。

しかし、現実問題としてはそのような要求を出しても、応じてくれないでしょうから、せめて、香典は引渡すように請求されるといいでしょう。

(弁護士 岡井理紗)

大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
14:41 その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

【Q&A №546】に関する再質問

2016/12/13

被相続人に対する求償権【Q&A №546】に関する再質問


【再質問】

ご回答のご説明わかりやすかったですが、私の説明が良くなかったようです。

相続対策として長男は祖父の養子となっていました。

質問の被相続人は父で、祖父が亡くなった際に父と長男(養子)は質問の賃貸マンションを相続しました。

長男は共有者ではありますが、父の生前に父が収入と費用、債務、税金などを支払う事を同意していたと思います。

申告していないですが現金で毎月8万~15万受け取っていました。(ただ現金手渡しなので証拠がありません)

ご回答にあるように請求が10年で債務や固定資産税を引けば相続財産がなくなるような額にはならないと思います。

残念なのは月々支払っていた現金が振り込みでないため、母の証言だけなことです。

これが実証できれば合意の証拠にもなりますし、請求金額からも差し引くことができます。

この主張はしていくつもりですが、良い方法があればご教授いただけると幸甚です。

(mujun)







前回の回答では、売買で取得したことを前提としていました。

しかし、今回の再質問では、お祖父さんの亡くなった際にお父さん(今回の被相続人)とその子(祖父の養子にでもある)が相続でマンションを共有取得したという前提ということが判明しました。

この点に関する回答は次のとおりとなります。

【金銭支払いの合意がある場合】

お父さんが賃貸収入を全部もらうこと、費用や債務、税金は父が負担すること、更に金銭をお兄さんに支払うことが合意されていたのであれば、マンションの利用に関してはその合意で解決していることになり、定められた以上の請求はできないということになります。

ただ、その合意に基づく支払いがされていないとすると、その支払いのない分がお父さんの債務になります(兄から父に対する合意に基づく金銭支払い請求権)。

なお、参考までに言えば、この請求権は5年で消滅時効にかかります。

次に、お父さんとお兄さんの合意が証明できない場合には、お兄さんからお父さんへの賃料相当の金額を返還せよという請求権(不当利得返還請求権)が成立する余地があります。

この場合の消滅時効の期間は10年間になります。


【支払いの証明はなかなかむずかしい】

支払いの証明は金融機関を介しての送金なら証明は簡単ですが、現金で手渡しということであれば、それを証明するのはなかなか困難です。

おそらく領収書もとっていなかったでしょう。

証拠としては、お母さんの証言しかありませんが決め手にはなりません。

又、8万から15万円と幅があるのも気になります。

いずれにせよ、お母さんから事情を詳しく聞き、矛盾のないように整理した上で、お兄さんの代理人に説明して、納得してもらうしかないでしょう。


【無償使用という話があったという展開は・・】

お父さんが賃料の全額を取得しているにもかかわらず、持ち分をもっているお兄さんがそれになんらの異議を唱えなかったというのであれば、それも不思議な話です。

ただ、マンションの使用に関する合意の証明ができない場合には、お兄さんとしては無償でマンションを父に貸したという主張もできるかもしれません。

しかし、この場合、お兄さんがマンションを無償でお父さんに貸与したことから、お父さんの遺産が増えたという主張(兄の特別寄与)が出てくる可能性があります。


【弁護士と相談することも考える】

いずれにせよ、本件については解決の妙策はなさそうです。

できれば相続に詳しい弁護士と相談され、具体的な事実を説明した上で、お兄さんの代理人に対する対応を決められるといいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
16:33 その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★内縁の妻からの葬儀費用の請求【Q&A №547】

2016/12/07



【質問の要旨】

内縁の妻が立て替えていた葬儀費用と入院費用を回収できるか?遺族年金はどうなるか?

記載内容 葬儀代 喪主 内縁の妻

【ご質問内容】

内縁の夫がなくなり(重婚的関係)本妻が体裁もあるので喪主を努めたいと言い、本妻が喪主、施主が内縁の妻で葬儀を終えました。

葬儀費用はとりあえず施主が払いました。

葬儀費用は折半(口約束)と約束したのに払ってくれません。

そのほかに入院費もかなりの金額を内縁の妻が払いました内縁の夫の遺産から、葬儀費用、入院費用を請求する事は可能ですか?

また、葬儀費用、入院費用、をもらうことにより、遺族年金の申請をするにあたって、内縁の妻の証明に不利になりますか

(ban)






【入院費用は相続債務であり、返還請求ができるが・・】

内縁の夫の入院費は本来その夫が支払うべきものであるのが未払いになっているものですから、相続の債務であり、遺産から支払う必要があります。

そのため、相続人に立替入院費の支払いを請求できます

なお、その請求先は法定相続人全員であり、支払いは各法定相続分に応じた分です。

そのため、子がいる場合であれば、法律的に請求できるのは、配偶者である妻に対しては立替分の2分の1のみです。


【葬儀費用について】

葬儀の喪主は妻であり、施主は内妻であるあなた、費用はあなたと妻と折半するとの口頭の合意があったにもかかわらず、妻の方が折半分の支払いに応じないという前提で考えると、折半の合意が成立したことが証明できれば、あなたは妻に半額を請求することができます

ただ、口頭ですので、《言った、言わない》の議論となり、結局、合意の証明なしとして、内妻であるあなたの請求が認められない可能性も高いでしょう。


【遺族年金の請求について】

遺族年金については厚生年金保険法により、《配偶者》が第一順位の受給権を有しています(厚生年金保険法第59条の2項。末記条文を参照)。

民法における配偶者は戸籍上の妻のみですが、この厚生年金保険法における《配偶者》には、戸籍上の妻のみならず、内縁の妻も含まれます(末記の厚生年金保険法第3条を参照。なお、以下においては厚生年金保険法の配偶者の意味で使用する場合には《配偶者》と記載します)。

今回の件では、戸籍上の妻が存在し、かつ、内縁の妻も存在しますので、《配偶者》に該当する人が2名になり、どちらが《配偶者》と扱われるのかという問題があります。

仮に戸籍上の妻がいても、《事実上の離婚状態》であり、かつ、あなたが夫の収入で生計を維持しているという立場であれば、遺族年金をもらえる立場になります(平成27年10月2日大阪地裁の判決が参考になります。⇒【相続判例散策】戸籍上の妻と内縁の妻、遺族厚生年金の受給者はどっち?参照)

上記裁判例も参考にして述べれば、《事実上の離婚状態》とは、婚姻関係が実体を失って形骸化し、かつその状態が固定化して近い将来に回復される見込みがない場合をいい、具体的には次のようないろんな事項を検討した結果で判断されることになります。

①別居期間 ②別居の経緯 ③別居期間中の婚姻当事者の婚姻関係修復の努力の有無 ④別居後の経済的依存関係の有無(婚姻費用的なものを支払っているか) ⑤別居している夫婦の連絡あるいは面会状況 ⑥夫の内縁の妻との生活状況

単に別居して長期間経過しているというだけで内縁の妻が遺族年金は受けることのできる《配偶者》になるわけではありませんのでその点をご留意ください。

なお、遺族年金の支給を受ける要件として、死亡した者の収入により生計を維持していることが要件となっています。

さて、入院費や葬儀費の請求すること自体は、遺族年金の受給と直接関係しません。

ただ、もし、あなたが独自に多額の財産を有しており、それで入院費を支払い、又、葬儀費を支払ったというのであれば、《死亡した夫の収入で生計を維持したとは言えない》ということで生計維持要件を欠き、受給できなくなる可能性があります

(弁護士 大澤龍司)


厚生年金保険法

(遺族)
第五十九条  
遺族厚生年金を受けることができる遺族は、被保険者又は被保険者であつた者の配偶者、子、父母、孫又は祖父母(以下単に「配偶者」、「子」、「父母」、「孫」又は「祖父母」という。)であつて、被保険者又は被保険者であつた者の死亡の当時(略)その者によつて生計を維持したものとする。ただし、妻以外の者にあつては、次に掲げる要件に該当した場合に限るものとする。
(略)
2  前項の規定にかかわらず、父母は、配偶者又は子が、孫は、配偶者、子又は父母が、祖父母は、配偶者、子、父母又は孫が遺族厚生年金の受給権を取得したときは、それぞれ遺族厚生年金を受けることができる遺族としない。


(用語の定義)
第三条
2  この法律において、「配偶者」、「夫」及び「妻」には、婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含むものとする。


大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
15:47 その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★叔父の葬儀費用を請求したい【Q&A №545】

2016/12/02



【質問の要旨】

連絡がとれない相続人に葬儀費用を請求できるのか

記載内容 お葬式代  請求

【ご質問内容】

叔父のお葬式代について質問があります・・・ぜひ回答ください。
まずは必要な情報としてプロフィールを見てください。

【叔父】
離婚歴あり娘が4人で叔父は今は独身
叔父や私たちは娘さんたちとは離婚したあとに連絡先を知らずにとれない状態です
でも娘さんたちが叔父の財産を引き継ぐとおもいます。

【私の父】
・叔父からみたら弟で男兄弟は父だけ。他の兄弟は叔父からみたら姉が4人います。
お葬式の喪主は父がしてお葬式代を父がだす形になるとおもいます。
ちなみに娘さんたちは探す予定です。財産分与の件もありますので。

ここから質問です。質問は3点あります。

① もし娘さんたちが見つかり、この場合は財産を引き継ぐ娘さんたちにはお葬式代は請求できないんでしょうか

② もし請求ができたら回収できる確率はどれくらいでしょうか?
(前例などあればいけるとおもっていますがこのような少し変わった事例などで裁判費用を回収できたということがあったのなら助かります)

③娘さんたちが叔父の財産を引き継ぐ引き継がないなどの2つのパターンでも請求ができるできないとかなどの選択肢が変わるようなこともあるんでしょうか。

お手数掛けますがどうぞ回答の方をよろしくお願いします。

(ゆき)







【叔父さんが死亡したときの相続関係】

叔父さんが遺言書を作成せずに死亡した場合、配偶者はないため、その遺産は叔父さんの娘4人(以下、娘4人と言います)が法定相続します

あなたのお父さんは、上記娘4人が全て相続放棄をしない限り、相続人になりません


【葬儀費用の負担について】

相続債務であれば、遺産から支払いを受けることが可能です。

例えば、叔父さんの治療費などが生前に支払いされていないのであれば、相続債務として、叔父さんの相続人である娘4人が支払義務を負います。

しかし、葬儀費用は被相続人の死亡後に発生するものであり、相続債務ではありません

葬儀費用は喪主が負担するものです。

お父さんが喪主になるのであれば、葬儀費用を負担することになります。


【喪主が負担した葬儀費用の請求】

葬儀費用は前記のとおり相続債務ではありませんが、法定相続人の一人が喪主になり、葬儀費用を支払った場合、その費用の分担を他の相続人に請求可能かという点については、他の法定相続人が葬儀に出席している場合には、その葬儀費用が適正であり、かつもらった香典額を差し引いたうえで、他の相続人に分担してもらうことが実務上、多いです

この場合、遺産分割とは別に、その葬儀費用を別途支払いするというのではなく、遺産分割での取得額から分担額を減額するということが多いです。


【今回の質問のケースで葬儀代は請求できないか?】

しかし、今回のケースは喪主が法定相続人ではないため、遺産分割の中で葬儀費用を分担するという実務と同視できないでしょう。

今回のようなケースに参考になる過去の裁判例としては、次の裁判例が参考になります。
【相続判例散策】葬儀費用を甥姪に請求できるのか(名古屋高等裁判所 平成24年3月29日判決)

この裁判例は、《兄弟の葬儀費用を負担した場合に、その費用を甥姪に請求できない》と判断しましたが、その理由は、《葬儀は行うか否か、どの程度の規模にするか、どこまで費用を掛けるかは喪主が決定するのだから、喪主が費用を負担するのが妥当》というものでした。

この裁判例に従えば、娘4人に葬儀費用を請求するのは法的にはむずかしいという結論になります。

ただ、前記判例では甥姪2人のうち、1人は葬儀に参加していたようですが、2人ともにつき、葬儀費用の分担をする必要はないとの判断でした。

もし、娘4人が葬儀に出席していたのであれば、法的にはむずかしい点はあるものの、請求し 、支払いを拒否されたのに納得できないのであればあきらめるというが妥当なところだと思われます。

なお、お父さんには、葬儀代は返還してもらえない可能性があることを前提に、葬儀の規模や費用を判断するようにアドバイスされるといいでしょう。


【叔父さんが生きているのなら】

ただ、叔父さんが現在も生きておられ、かつ判断(意思)能力があるのなら、現時点で叔父さんと話をし、葬儀費用を預かるといいでしょう。

この場合、葬儀費用としてお金を預かることを明確にし、もし、金銭的に過不足が出た場合にどうするかという点も書面などで明確にしておくといいでしょう。


【娘らが相続放棄をした場合】

仮に4名の娘全員が相続放棄をした場合には、お父さんらの兄弟が相続人になる可能性があります。

この場合、喪主であるお父さんから、遺産分割の際に、葬儀に出席された他の法定相続人に対して葬儀代の分担を求められるといいでしょう

(弁護士 大澤龍司)

大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
11:09 その他 | コメント(1) | トラックバック(0) | 編集

口頭での分割協議と数次相続【Q&A №544】

2016/11/21



【質問の要旨】

口頭では遺産分割協議がすんでいるが、登記はしていない不動産について

記載内容 数次相続 未登記 固定資産税

【ご質問内容】

父親が10年前に死んだのですが、そのとき 相続人が母、姉2人の私だったのですが、貯金1000万円は母に相続し、不動産は私が相続、口頭でも相続協議分割は成立するので、その時に相続協議分割は成立したと思ってました

そこで、その時以来、父名義の不動産はすべて私所有になったと思ったのですが、私の名義変更はしませんでした

それで、固定資産税は、母あてに送ってきて、母がなくなる前1年間ぐらいは私が母名義の、固定資産税を払ってました。母が死んだのですが、相続税のお尋ねと申告書が一緒に送られてきました。

1.この場合、相続税のお尋ねの欄の母の相続財産は、父名義の不動産を書くのでしょうか?

母の相続財産の欄の不動産名義の先代名義の欄に私の父名義になっているのですが、私所有なのでかかなくてもいいのですか?

2.税務署は、固定資産税の支払いが母になっていたので、すべての不動産が母所有だとして、相続税をかけてくるのでしょうか?

市役所から送られてくる固定資産税には、母現所有と書かれてました。このことは、相続税がかかる場合に影響をあたえるのでしょうか?

3.母が死んだので、この際、父名義から私名義に不動産を変えようと思って姉2人ににいったら、今度は法廷相続分の3分の1よこせ、応じなければ変更に同意しない、といいだしました。

このことは、相続税のお尋ねに記入する場合、影響を与えますか?

(gjghjkghk)







【法律問題についてのみ回答します】

今回の質問は税務署からの《相続のお尋ね》にからむ税金の問題と遺産分割協議の成立に関する法律の問題との2つの側面があります。

当ブログは法律面での相談を扱っておりますので、遺産分割協議について回答します

なお、税金については税理士等、税務の専門家に相談されることをお勧めします。


【お父さんの遺産分割協議が成立の証明がむずかしい】

10年前に死んだお父さんの遺産分割については、あなたは《相続分割協議》は成立したと判断されているようです。

しかし、相続分割協議(遺産分割協議)は口頭でも成立しないわけではありませんが、遺産という通常は多額な財産の分配問題であることや不動産の登記手続きを伴いますので、書面化するのが通常です。

しかも、単に書面化するだけではなく、法定相続人全員が署名して実印を押し、かつ印鑑証明書も添付して、誰が見ても間違いなく合意されたことが証明できるような形にして残します。

今回の質問の場合、あなたが口頭で成立したと理解していても、該当する不動産が10年間も未登記であることや、現時点ではありますが、他の2人のお姉さんが法定相続分を主張していることを考えると、遺産分割協議が成立し、あなたが不動産を単独で取得することを証明することはむずかしいと思われます。


【お父さんの遺産分割協議がない場合のお母さんの遺産】

仮にお父さんの遺産分割協議ができていないとした場合、お父さんの不動産のうち、その2分の1がお母さん、残りは姉妹3人で各6分の1ずつを共有することになります。

なお、遺産の分割は分割協議や家裁の審判で決定されることです。

協議合意等が存在しない以上、市役所からの書類に「母所有」との記載があっても、又、固定資産税の関係で誰が支払っていたとしても、お母さんの単独所有にならず、お母さんの遺産にあるのは、お父さんの不動産の2分の1でしかありません。


【今後、お父さんとお母さんの双方についての遺産分割協議をする】

前記のようにお父さんの遺産分割協議はされていないということになると、お父さんとお母さんとの双方について遺産分割協議をする必要があります。

もし、その遺産分割の合意ができればその旨を、又、合意できなければできないでとりあえずは法定相続分で分割したとの想定で税理士さんと相談されるといいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)

大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
17:24 その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

第三者の寄与と遺言【Q&A №532】

2016/09/29



【質問の要旨①】

相続人の配偶者が費用負担すると寄与分になるか


【ご質問内容①】

被相続人(父)の介護費用(老人ホーム入居関係費用、医療費など)の一部、不要となった父所有の家屋の固定資産税や解体費用、家財道具の撤去費用などを相続人である子(女)の配偶者(夫)が負担した場合、将来被相続人が逝去時、相続される過程の中で寄与分として認められますか?

(相続人は専業主婦により収入はなく、かかった費用は夫に委ねざるをえない状況による理由から。)

(九州女児)



【質問の要旨②】

特別受益の持ち戻しを遺言書に記載した場合、有効か

【ご質問内容②】

被相続人より住宅資金の援助として生前贈与を受けたという証明を取り付けるのが困難である場合、遺言書に「遺言者は相続人Aが家屋を購入するに際し、相続人Aに住宅資金として200万円を援助した。

相続人Aはこれを特別受益として持ち戻すこと」と記載した際、遺言書として認められますか?

記載内容 介護費用 援助

(博多っ子)




※同一人物と思われる方から2つに分けてご質問いただいていますが、回答は一つにまとめています。ご了解ください。

【寄与分の問題ではなく、相続債務の問題ではないのか?】

被相続人のお父さんの介護費用(老人ホーム入居関係費用、医療費など)の一部を負担したことについては、被相続人の支払うべき分の立替支払いをしたとして理解することが可能です。

その前提に立てば、寄与分という以前に、被相続人は立替支払いをした人に対して返還債務を負い、この分は相続債務として法定相続人に承継されます。

同様に《不要となった父所有の家屋の固定資産税や解体費用、家財道具の撤去費用など》についても被相続人が立替費用返還債務を負い、これが相続人債務になると理解することが可能ですし、その方が実態に見合うでしょう。


【寄与分としてみた場合の問題点】

もし、上記費用の返還を求めないという前提で出したということであれば、寄与分の問題となります。

寄与分は認められることが少ないですが、例えば、付添看護をしたというような場合には、付添等をした分、ヘルパーの料金の支払いを免れた分程度しか、寄与分は認められません。

ただ、今回の質問のケースは、上記各支払いにより、被相続人の遺産が減少を免れたことが明らかですので、寄与分として認められる可能性はあると思われます。

問題は、寄与分は法定相続人間で認められる制度だという点です。

今回の質問は、法定相続人ではなく、その配偶者(夫)が寄与したという点にあります。

夫婦であり、一体と見て、夫の寄与分も妻の寄与と同視するという考え方が多いようですが、これらの問題点があることを考えれ
ば、やはり前項で記載した立替金返還請求債務として処理するのが妥当だと思います。


【特別受益に関する記載の効力】

遺言の効力を考える場合、

① その記載をして、遺言書全体が無効になるのかどうか?

② 遺言書全体としては無効にならないとしても、その記載が有効なのか?

という2つの方向からの検討が必要になります。

まず、最初の①の観点から言えば、「遺言者は相続人Aが家屋を購入するに際し、相続人Aに住宅資金として200万円を援助した。相続人Aはこれを特別受益として持ち戻すこと」という内容は遺言書本体ではなく、遺言者の希望を書いた《付言事項》というものにすぎず、そのため、遺言書全体が無効になるということはありません

次に、上記②の付言事項として効力があるかという点ですが、仮に上記のような記載をしても、住宅資金を援助した事実があることの決定的な証拠にはならず、又、特別受益になるものでもありません。

前者はそのような事実があるかどうかの問題であり、後者はそのような事実があった場合にどのように法的評価するかの問題であり、いずれも遺言者が決定するべき事項ではなく、最終的に裁判所が判断するべき事項です。

もし、200万円を特別受益したから、その分、その受益者の取り分を減らしたいのであれば、その受益者の相続額を減額した配分の内容の遺言書を作成するといいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)

大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
16:58 その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

預貯金を祭祀の費用として相続人に託したい【Q&A №510】

2016/06/21



【質問の要旨】

祭祀の費用として預貯金を託したい

記載内容  信託 葬儀 

【ご質問内容】

預貯金を相続させるのではなく、葬儀や供養とお墓の存続にかかる費用として、名前を継ぐ者に託したいと思っています。

どの様に遺言書を作成したら良いかお教え下さい。

2名の子供がおりますが。金銭感覚がしっかりし、供養をしている者に預けたいと思っています。

(まさこ)






【遺言で祭祀の承継者を定める】


葬儀・供養及びお墓の存続を託すということですが、そのような役割は法律上、《祭祀の承継者》ということになります。

さて、遺言で《祭祀の承継者》を定めることはできます

但し、当然のことですが、《金銭感覚がしっかりし、供養をしている者》というようなことを遺言書に記載しても効力はなく、具体的な氏名の記載が必要です。


【祭祀の費用のために使用を実現させるには・・負担付遺贈では難しい】

考えられるのは、
 ① 遺言で負担付遺贈をする。
 ② 遺言信託をする。
のいずれかの方法です。

まず、①の方法の場合、遺言で祭祀の承継者に預貯金は相続させる(遺贈する)としたうえで、これらの預貯金は祭祀の実行に使わなければならないという負担も記載しておくことになります。

ただ、質問にあるように預貯金を相続させたくないというのであれば、この方法はとれません。

また、このような負担付遺贈をしても、本当にそのような目的に実行されるのかが疑問です。

さらに、仮に負担が実行されない場合には、法律上は負担付遺贈の遺言の取消を裁判所に請求することも可能です(民法1027条)が、現実問題としてそこまでするような例は少ないでしょう。

そのため、①の負担付遺贈はお勧めできません


【遺言信託の方がお勧め】

信託法は遺言信託という制度を定めています(同法3条2号:末記をご参照ください)。

遺言で財産(預貯金等)を委ねる人(受託者)を定め、その受託者に祭祀の費用として《祭祀の承継者》に金銭を渡すことを委託するのです。

信頼できる受託者に金融資産を託して祭祀のための費用を管理してもらい、《祭祀の承継者》の要請に応じて費用を支払ってもらうのです。

このような定めをしておくことによって、受託者に信頼できる人を選べば、その人がきちんと《祭祀の承継者》に必要な金銭を渡してくれるでしょうし、もし祭祀に使われないのであれば、そのようなお金を支払わないということになります。

次に、遺言では細かなことは定めることは少ないので、生前に受託者との関係で細かなルールを決めておく必要があります。

また、受託者は監督という面がありますので、相続人でない方が望ましいです。

ただ、相続人が遺産分割をする前に速やかに受託者に遺産を移動させる必要がありますので、遺言書は検認という時間のかかる手続きが不要で、速やかに実行が可能な公正証書遺言でするのが望ましいです。

いずれにせよ、遺言信託についての知識がある弁護士と相談され、あなたの希望がかなえられるような方策を考えられるといいでしょう。

【信託法3条2号】
第三条 信託は、次に掲げる方法のいずれかによってする。
二 特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の遺言をする方法


(弁護士 大澤龍司)
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
17:04 その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★子のいない叔父の葬儀、墓をどうするか【Q&A №508】

2016/06/08



【質問の要旨】

遺体の引き取り手がいない、葬式費用を立て替える人もいない、入る墓もない

記載内容  後見人  

【ご質問内容】

叔父(独身、精神病院長期入院)に法定後見人(弁護士)が付いていますが、叔父の死亡時に当然ですが後見人は職務終了になると思われますが、各問題が浮上しますので、対応策をご教示頂ければ助かります。

兄弟は4名(叔父含めて他は没)姪、甥が現在5名

叔父の資産は推定数千万円。姪、甥は叔父の事で仲が悪くなった。

1、叔父の死亡時には誰も対応せず、遺体引き取りが出来ない。

2、葬式をするにも、戒名等代等 誰も立替える意思が無い。

  (立替えた費用が他の相続人の事後合意が取れなさそう)

3、本家の墓には入れそうにも無いので、墓の問題が発生。

(福田)







【相続人に遺体の引き取り義務があると定めた法律はない】

相続人に遺体の引き取り義務があると定めた法律はありません。

そのため、法定相続人である甥姪全員が遺体の引き取りを拒否した場合、最終的には死亡した場所の自治体が火葬することになります。

参照条文:墓地、埋葬等に関する法律第9条:〔市町村長の埋葬又は火葬の義務〕
「死体の埋葬又は火葬を行う者がないとき又は判明しないときは、死亡地の市町村長が、これを行わなければならない。」


ただ、成年後見人(弁護士)としては、遺体の引取りや葬儀を主宰するように甥や姪の方々に働きかけることと思いますが、これも強制ではなく、断られてしまえば自治体に連絡して、火葬することになります。


【葬式費用の立て替えについて】

葬儀費用は相続債務ではありません。

そのため、喪主となった法定相続人が立て替え支払いをして、後日、遺産分割時に返済をしてもらうようなことが多いです。

しかし、厳密にいえば、葬儀費用は相続債務ではなく、支出したからといって、必ずしも遺産から優先弁済を受ける費用とは言えないため、相続人間で遺産争いがあると、後見人も安易に喪主に葬儀費用分を返還するわけにはいきません。

そのため、あなたがもし葬儀を執り行ってあげたいというお気持ちであれば、このようなリスクを覚悟の上で行うか、あまり費用をかけずに行うか、どちらかの方法で処理するしかないでしょう。


【墓地の費用について】

最後に、入るべき墓がないという問題ですが、法定相続人が墓を建立しなければならないという法律はありません。

最終的には、喪主となるべき人が決定することでありますが、その喪主も決まりそうもなく、又、費用負担するべき人はいないというのであれば、もはやどうしようもありません。

そのため、もしあなたが墓地を建立してあげたいというお気持ちがおありでしたら、ご自身の費用で立て替え支出した上、他の相続人(ほかの甥姪)に墓地を建立するための見積書等を提示した上、遺産分割協議を行う際に一定額を控除してもらうよう要求していくほかないように思います。


【遺産は遺産、葬儀や墓は別問題】

叔父さんの遺体を引き取りもしないような状況の中で、遺産分割について争いを続けるということが果たしていいのかどうか、法律問題ではありませんが、検討される必要があるように思います。

遺産問題全体の解決がすぐにはできなとしても、被相続人の遺体の引取りや葬儀の手配については法定相続人間で協議され、何らかの合意をすることはできないのでしょうか。

経費の最低限にしてでも必要な手配を行われることをお勧めします。

(弁護士 北野英彦)
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
17:24 その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

相続人不在の葬儀代や香典の扱い【Q&A No.470】

2015/10/05



相続人のいない従兄弟の葬儀を執り行いました。

従兄弟の財産は、国に没収されてしまいました。

葬儀代だけは戻りましたが、香典分を差し引かれてしまいました。

その後の法要などで、出費がかさみ納得できません。



記載内容

  相続人不在 香典 葬儀費用


【ご質問内容詳細】

 身内が一人もいない従兄弟が急になくなり財産が国に没収されることになりましたが葬儀代だけは戻りました。

 しかしその時に頂いた100万円近い香典を申告したところその分を全部差し引かれてしまいました。

 この差し引かれた分の香典代はそのまま国に持って行かれることは理解できません

 その後永代供養や墓の撤去費用や三回忌など費用がマイナス100万近くかかりました

 裁判所の葬儀時の拠出金等清算完了してもう半年以上たちましたが取り戻せることはできますか。



(マロン)








【葬儀費用は相続債務ではないが・・】

 葬儀費用は相続債務ではありませんので遺産からの支払いはできないというのが原則です(なお、相続税の申告では葬儀費用は費用と控除対象として扱われますが、それは税務の扱いであり、民法上は遺産にかかわる債務とはされておりません)。

 この理由は、遺産から支払われるべき債務は生前に発生したものに限られるのに、葬儀費用は死後に発生するものだからです。

 そのため葬儀費用は原則として喪主が負担することになります。

 ただ、葬儀は①社会生活上で死亡に伴うものであること及び②その額がそこそこ高額であることから、喪主以外の他の相続人も葬儀に参加していたような場合には、公平の観点から法定相続人に負担させることも実務上、よく行われています

 そのため、財産管理人(国)としては、本来は遺産から支出するべきものではないけれども、葬儀費用程度は支出しても差支えないと判断し、あなたに支払いをしたのだと思います。



【香典の扱い】

 葬儀費用は本来、相続債務ではないのですが、公平の観点から遺産からの支出を認めたとすれば、同じく公平の観点から言えば、収入である香典は遺産に入れるべきだという見解になります。

 本来的には喪主が負担すべきとされる葬儀に関する支出である葬儀費用は相続財産から出してもらうが、喪主が受け取る葬儀に関する収入である香典は返さなくて良いというのはやはり公平に反するという結論になりますので、財産管理人があなたから香典分を回収したのはやむをえない処置だったというべきでしょう。

 次の図のような考え方です。

葬儀費用  本来喪主負担  しかし、財産管理人が支出

 香 典   本来喪主の物  しかし、財産管理人の収入



 元々、葬儀費用も当然遺産から出すべきものではなかったのだという前提にたてば、香典で回収を図るという財産管理人の判断もやむを得ないものと思われます。

 経済的あるいは金銭的には損をするような場合もありますが、葬儀に関連する事項は単に経済的に考えるのではなく、社会生活の上でやむを得ずする点もあります。



【法事費用の扱い】


 死亡直後の葬儀費用も原則は相続費用ではありませんので、その後の初七日や四十九日、一回忌等の法事費用についてはなおさら相続費用には当たらず、遺産から支出することは認められません。

 法事費用については、祭祀の承継者が負担するということになります。

 相続人ではないあなたが法事を行うのであれば、その点は予め承知されておくといいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
17:48 その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

内妻が受けた贈与の立証【Q&A No.468】

2015/09/16



 長いあいだ一緒に暮らした彼が亡くなる直前に私に現金を渡してくれました。

 彼の遠い親戚で相続人に当たる人がでてきて、お金の話ばかりします。

 そんな人に法的に権利があって、彼の遺志が踏みにじられるのが悔しいです。



記載内容

  内縁の妻 生前贈与 預金引き出し


【ご質問の詳細】

 肺ガンの余命宣告された彼が、亡くなる前に現金を渡してくれました。

 長い間一緒に暮らし、信頼し合える良きパートナーで、生活費や税金支払い等もその都度頼まれて私がカードで降ろしていました。

 彼の母親の介護も私が引き受けていましたが、後を追う様に数日後、亡くなりました。

 贈与なる最後の預金引出しも私が行い、手渡しで彼から現金を頂きました。

 二人の火葬を行い、火葬費や治療費もその中から支払っています。

 やがて遠い親戚の相続人(50年以上も会っていない従兄弟)が現れ、預金の流れや資産の事ばかり気にしています。

 病床で話合い、互いに納得して頂いた現金ですが、正当な贈与だと確信を持って良いでしょうか?

 私宛のメール(エンディングノートのような内容)に同様の記載があります。

 自分が居なくなった後の生活を心配してくれる感謝の気持が大きく、彼の手で現金の重みを感じ取ってもらってから受け取りたかった事が真実です。

 生前に司法書士に依頼するように言われましたが、在宅緩和ケアで付きっきりの看病の中、法的な手続きする事など考えにも及びませんでした。

 何より相続人となる従兄弟が、故人を偲ぶより、資産の事ばかり気にしている事が腹立たしく、そんな人が法的には権利があり、彼の遺志まで踏みにじられてしまうのは無念でなりません。

 今後どう対処すれば良いでしょうか?

 どうか宜しくお願い致します。

(ラベル)







【内縁の妻は相続では保護されない】

 質問から見ると、あなたは《内縁の妻》という立場になります。

 内縁の妻には相続分はありません。

 もし、内縁関係にあるのなら、彼に遺言書を作成してもらう、あるいは贈与契約書を作成すべきでした。

 あなたとしては相続という主張はできず、生前にあなたに対する贈与があったのかどうかが証明できるかどうかが焦点になります。





【残っている彼の物は相続人に引き渡す必要があります】

 これまで彼に全く見向きも付き合いもなかった親戚が急にお金のことにこだわってくると、今まで介護に苦労されていたあなたが腹立たしく思われる気持ちはよくわかります。 

 しかし、相手方のいとこが相続人(正確には、彼の相続人であるお母さんの相続人)であれば、彼が残した遺産は衣類や家具から預金通帳まで、すべて相続人であるそのいとこに権利が帰属します。

 そのため、法的には相続人から「彼の遺品である預金通帳などを渡せ」と言われれば拒否するのはむずかしいでしょう。





【贈与を裏付ける証拠がどれほどあるかの勝負です】

 あなたが彼の死亡直前に受けた生前贈与ですが、引き出し当時のカルテなどから彼がまだ正常な判断能力を有していたのであれば、贈与として認められる余地があります。

 問題は、彼があなたに贈与したという点をどのように証明するかということです。

 彼からのメールに贈与する理由や動機などが記載されていればそれも証拠となり得ると思われます。

 現時点で彼は死んでいるのですから、残された証拠で反論するしかありません。

 もし、相手方が弁護士を立てて本格的な返還請求を行う可能性が高いのであれば、あなたも早めに弁護士に相談し、どのような手段で贈与を立証できるのか対策を立てておかれるといいでしょう

(弁護士 大澤龍司)
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
13:23 その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

後妻の、祭祀の義務について【Q&A №448】

2015/05/28



【質問まとめ】

祭祀の承継について質問です。

妻と実弟である養子が相続人です。

その養子が祭祀について費用負担等一切を拒否しています。

祭祀の執り行いと費用負担は、妻が行わなければならないのでしょうか?

お骨や位牌は、①父、②父の先妻、③父の先妻との間の子、④父の親のものです。



記載内容

  祭祀 後妻 


【質問詳細】
 
 数年前に母が再婚。

 再婚相手の男性を父と呼びます。

 父も再婚で先妻とは死別、実子も病死。

 先妻が存命中に、父は祭祀を血縁で引き継いでもらうために実弟(既婚、子息あり)と養子縁組してます。

 母と再婚の際、私とは養子縁組してません。

 先日父が亡くなり、最近母と実弟とで遺産分配の目処がつき、祭祀について話合に入りました。

 実弟は祭祀について費用負担も含め一切を拒否、仏壇や墓の処分を要求してます。

 ちなみにお墓のお骨や仏壇の位牌は、父及び実弟の両親と兄弟と、父の先妻と実子のものです。

 祭祀全ての執り行いと費用負担は、母が全て行わなければならないのでしょうか。


(goo)





【祭祀の承継とは】

 祭祀とは祖先を祭る等の宗教的な儀式を行うことであり、それを中心となって執り行うのが主催者です。

 例えば、葬儀の喪主というのをイメージするとわかりやすいでしょう。

 死亡された方の一切の財産は相続人にいくのが原則ですが、このような祭祀に関係する物や権利(例えば仏壇や墓の権利)などは例外として、祭祀を主催する者が受け継ぐことになります。






【指定が無ければ慣習、慣習もなければ裁判所】

 祭祀の承継については民法(末記条文を参照ください)で定められています。

 まず、被相続人の指定があればその人が祭祀の承継者になり、そのような指定がない場合には慣習で決定されます。

 ただ、慣習というものがどのようなものかは必ずしも明らかではありません。

 民法では、慣習が明らかではない場合には家庭裁判所で決めるとされています。


指定  慣習 家裁







【現実問題としては】

 慣習といえるかどうかは明らかではありませんが、普通なら子供(複数おれば長男)か、配偶者が祭祀の主催者となるケースがほとんどでしょうが、現実問題としては、残された遺族間で、他の親族との関係も考慮して決定されるようです。

 さて、本件の質問の回答ですが、《法的には》お義父さんの指定がないのであれば、慣習に従って決定され、それが明らかではないというのであれば家庭裁判所で決定してもらうというのが回答になります。

 ただ、養子であるお義父さんの弟が祭祀の主催者となることを拒否しているのであれば、お母さんが祭祀の主催者にならざるを得ないでしょう。

 なお、祭祀の主催者になったからといっても、法事などしなければならないという義務はありませんので、出すべき費用がないというのであれば49日や一周忌などの法事をしないという選択肢もありえます。





【仏壇や墓の処分について】

 なお、養子であるお義父さんの弟さんは、仏壇や墓の処分を要求しているとのことですが、これらの物や権利は祭祀の承継者が単独で取得します。

 そのため、お母さんが祭祀の承継者となるのであれば、これらの物や権利の維持管理や処分については、養子の意思とは無関係にお母さんが独自に決定されるといいでしょう




<参考条文・祭祀の承継について>

  第896条  相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の

         権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に專属したものは、

         この限りでない。

  第897条  系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣

         習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続

         人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者

         が承継する。

         前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権

         利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。

大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
14:01 その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

相手方弁護士の遺産流用【Q&A №374】

2014/05/20
 ただ今遺産相続調停中なので最初からの詳しい資料は今の弁護士に全部預け直近の
資料しか手元にない。前弁護士は弁護士資格を私の調停中に(私の案件ではない)剥奪されたから。
 父の相続はH20年3月31日に発生。相続人が広島、宮崎、神奈川、だから弁護士に依頼した。相手方の弁護士から相続人代表者(私の継母)選委任状が届き早期解決を(長男が鬱の為今度何時押印が貰えるか分からないその時は損害賠償を請求する)との相手方の弁護士の書状。だから押印したが、その後全相続人の許可なく相手方の弁護士は相続人の一人(S)に株券とMRFの名義変更をした。是を綱紀委員会にかけたが駄目だった。今調停の意見書には其の相続人(S)のMRFの流用が明記された。某弁護士は相続人(S)が勝手にしたことだから自分は関係ないと言っているが、父の遺産(某弁護士が在籍していた事務所の口座だから押印したが音沙汰なしに某弁護士の個人口座(某弁護士は独立したらしいが・・・独立したことは調停の意見書まで知らなかった)某弁護士の意見書や某県の弁護士会の綱紀委員会の内容も提示したい。

記載内容

懲戒 綱紀委員会 不正流用 MRF
(OK=KEIKO)


【入手した書面をどう利用するかは依頼した弁護士と相談する】
 質問では、《相手方弁護士の意見書や綱紀委員会の内容を提示したい》という希望をお持ちのようです。
 これらの書類をどの手続きでどのような段階で出すというのかが質問からは分かりにくいのですが、もし、名義変更をしたS氏に対する不法行為による損害賠償請求訴訟を提起するのであれば、これらの《意見書》や《綱紀委員会の内容》などが役立つかもしれません。
 ただ、現在、調停をしており、あなたが委任されている弁護士がいるのであれば、その弁護士に相談されるといいでしょう。
 あなたの依頼した弁護士が、どの手続きで、どの段階で提出するといいかについて、おそらく、一番良く判断できる立場にいます。
 新たな訴訟を提起するのか、それとも現在の調停の中で、何らかの解決を図っていくのかも、依頼されている弁護士と相談されるといいでしょう。
 今回の質問内容からは以上の回答しかできませんので、よろしくご了解ください。
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
10:40 その他 | コメント(2) | トラックバック(0) | 編集

農地を宅地に転用した場合の扱い【Q&A №331】

2013/11/26
 今年、9月に父がなくなりました。相続人は母、兄弟3人です。
 私は次男で、10年前にとなりの畑を農地転用し家を立てました。名義はまだ父のままです。
 農地転用などにかかる費用はすべて私が払いました。土地の固定資産税も父に払っておりました。
 遺産分割の際は農地としての評価ですか、宅地としての評価になるのでしょうか?
 父は他に農地とアパート3棟所有しております。

 遺産分割の際の知識とさせて下さい。
 ご教示お願いたします。

記載内容

農地 転用 貢献度 固定資産税の支払い 寄与
(ゲンキ)


【基本は相続時の状態で評価】
 相続は、被相続人が死亡した時点でその財産が相続人に引き継がれる制度です。
 そのため、相続開始時(=お父さんの死亡時)に宅地であった場合には、その土地は宅地として扱われ、それを前提にした遺産分割がなされます。
 これを貫くと宅地にして価格をかなり向上させたあなたとしては、「自分が価値を上げた功労も考慮して欲しい」という考えを持たれることと思います。

【寄与分という制度により評価】
 ただ、あなたとしては、農地から宅地にする際に、盛り土をする等の作業を業者に依頼して、その費用を支払ったという場合には、その寄与を認めて、遺産分割に反映させようという制度《特別寄与》があります。
 本件の場合、あなたがその土地の上に(あなた名義の)家を建築されたようですので、他の相続人からは《自分のためにしたのではないか》という苦情も出そうですが、土地が  お父さんの名義であり、その価値が農地より高額になったというのであれば、特別寄与として認められる可能性もあるでしょう。
 特別寄与になる場合には、遺産の分割前にその寄与分相当額が遺産から差し引かれ、寄与分を差し引いた残りの遺産を法定相続人でその相続分に応じて分割することになります。

【固定資産税の支払いについて】
 あなたは土地の固定資産税をお父さんに支払っていたということですが、この分の返還は可能かが問題になります。
 あなたがお父さんに土地の固定資産税分を貸し付けたというような証拠(借用書)でもない限り、あなたが、その土地上にあなた名義の家を建築されているようですので、その固定資産税相当額のお礼としての支払いと考えることになる可能性が高いでしょう。
 そのため、その固定資産税の返還を求めることは難しいでしょう。

【特別受益の主張が他の相続人から出る可能性がある】
 あなたがお父さんの土地上に建物を建築しているのであれば、あなたにはお父さんの土地を使用する権利が発生します。
 賃料を支払っていないのであれば、それは使用借権という権利です。
 お父さんからこの権利をもらったことが、生前贈与的なものとして、他の相続人が特別受益を主張してくる可能性があります。
 使用借権の価額は土地価額の10~30%程度といわれていますが、ともかく法定相続人からそのような主張がでてくることも予め考慮しておく必要があるでしょう。
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
17:00 その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

遺言執行人にかかる費用について【Q&A №176】

2012/07/20
 母が残した公成証書の遺言書により実子である私に銀行預金、母の姉に郵便貯金、姪に不動産が遺贈されました。遺言執行人は姪です。遺言執行にあたり、かかったとされる費用目録が約500万円と通知され、その全てを私の相続分の銀行預金から差し引かれました。母の姉が遺贈された郵便貯金や姪からも平等にかかった費用は分割すべきだと思うのですが、仕方ないのでしょうか?遺言書にその旨の記載はありません。また遺言執行人の報酬を請求すると言われましたが、不動産を遺贈されていても執行人報酬はそれとは別に支払わなければならないのでしょうか?よろしくお願いいたします。

記載内容

遺言執行者 遺言執行費用の負担 遺言執行者の報酬 

(千恵)


【執行費用500万円の確認が必要】
 執行費用が約500万円ということですが、かなりの高額です。
 不動産の相続登記に費用が必要ですが、それにしても金額が高いです。
 どうしてそのような高額な費用が必要だったのか、確認する必要があります。

【執行費用の負担は取得した相続財産の割合】
 遺言執行費用は相続財産から支出することになりますが、その費用負担は、相続人が取得する相続財産の割合に比例した額とするという裁判例があります。
 したがって、あなたの相続分である銀行預金のみから差し引くという姪の主張はおかしいということになります。

【執行者の報酬】
 遺言執行者の報酬は、遺言に記載されているときはそれによりますが、定めがない場合は家庭裁判所に申し立てて決めることになっています。
 姪が一方的に金額を決めるものではありません。
 この報酬は、相続で取得した遺産とは別に受け取ることはできますが、これも執行に必要な費用として相続人が取得する相続財産の割合に比例した額とするという結論になるでしょう。

大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
14:15 その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

認知症の母の相続【Q&A №175】

2012/07/19
 お忙しい所、申し訳ありません。お答えをお願い致します。
 先日、父が亡くなり公正証書の遺言には全ての遺産(土地家屋及び預貯金)を母に相続させると書いてあります。母はかなりの高齢で認知症です。父の遺言通りにしたいのですが司法書士の方に相談した所、私(長男)が「成年後見人」になる方法しかないと言われました。私の友人も親の成年後見人をしており、その友人から「成年後見人」の手続きやその後の家裁に対する事務報告などかなり煩雑な業務がありとてもとても大変だと聞き、腰が引けております。
 他に良い方法はないものでしょうか?
 宜しくお願い致します。

記載内容

成年後見人 認知症 財産管理 

(ゆう)


【成年後見人の選任は必要です】
 お母さんが認知症ということですが、認知症は軽度から重度までさまざまです。
 もし、認知症が重度で、財産を管理するような能力が到底ないということであれば、成年後見人の選任が必要となります。

【成年後見人はだれがなるのか】
 現在、お母さんの財産管理や身の回りの世話は誰がしているのでしょうか。
 お母さんが施設に入っているのだとすると、その費用は誰がどのようにして出しているのでしょうか。
 もし、あなた以外の人がお母さんの財産を管理し、身の回りの世話をしているのであれば、その人に後見人になってもらうという選択肢もあるでしょう。
 しかし、あなたが、お母さんの世話をしているというのであれば、成年後見人となった場合の負担も、裁判所への報告が加わるだけであり、さほど大きな負担ではありませんので、お母さんのためにも是非、成年後見人になるべきだと思います。

【成年後見人は第三者になってもらうことも可能です】
 後見人はお母さんに代わって財産管理をしますし、家庭裁判所への報告も行わなければなりません。
 もし、どうしても苦手だというのであれば、裁判所に後見人を選任してもらうことも可能です。
 後見人選任申立をする際に、第三者を後見人として選任してほしいと申し出ると、裁判所は司法書士などを後見人に選任します。
 後見人の費用は裁判所が決定しますが、通常の場合、月額2~3万円程度が多いようです。

大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
17:22 その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

受取人死亡後の確定年金保険【Q&A №155】

2012/05/28
 受取人が死亡した場合の年金保険の受取について

 姉は確定年金保険に加入しており、毎年決まった時期に保険会社より年金を受け取っておりましたが、昨年亡くなってしまいました。まだこの先5年ほど年金を受け取る予定でした。ちなみに、姉には何十年も音信不通の息子がおります。配偶者とは離婚している状況です。
 この場合、年金の受取人が姉本人であったという事で、残りの確定年金の相続人は音信不通の息子となるのでしょうか。姉の面倒を見ずに飛び出した息子に渡すくらいなら、そのお金で、この先も姉を十分に祭ってあげたいのです。 
 また、もしこのまま保険会社に姉の死亡を知らせず、残りの年金保険を、毎年姉名義の銀行口座で受け取っていった場合、いつか保険会社に姉の死亡がわかったら、訴えられたり返金させられたりするのでしょうか?毎年確定年金を受け取っていた姉名義の銀行口座はまだ凍結されておりません。 

記載内容

確定年金保険 相続人 保険受取人 

(naora)


【確定年金保険とは・・】
 確定年金保険とは、あらかじめ定めた年金の受取期間中は、被保険者が死亡した後も年金を受取れるものです。

【被保険者の死亡後の年金の受取人は誰か?】
 被保険者の死亡後に誰が年金を受け取るのかは、予め、指定されていることが多いです。
 普通の場合は、相続人のうちの誰か一人が受取人と指定している場合が多いです。
 いずれにせよ、誰が受取人と指定されているかを、保険会社に確認する必要があります。

【お姉さんの死亡を知らせず、年金を受け取り続けた場合】
 被保険者が亡くなったことは、保険会社に通知する必要があります。
 その通知を受けた保険会社は、予め指定された死後の年金受取人に支払いを開始することになります。
 死亡を知らせずに年金を振り込ませつづけ、あなたがその年金を使用した場合、お姉さんの息子さんあるいは保険会社から、不法行為あるいは不当利得を理由として返還請求を受けることも考えられます。
 いずれにせよ、保険会社に契約内容と受取人が誰かを確認して、あなたが受取人と指定されていたなら、その保険金をお使いになればいいでしょう。
 息子さんが受取人に指定されているのであれば、保険金は息子さんに支払いされることはやむをえないと考えるしかないでしょう。

大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
17:12 その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

共有不動産と固定資産税の負担について【Q&A №153】

2012/05/24
 使用貸借なし 固定資産税半分負担?

兄弟で親の土地を共有相続しました。

一人がその土地に住んでいます。
土地の利用に関して使用貸借はしていません。
持分の固定資産税の支払いを要求されています。

使用土地代をもらっていないので、代わりに全額固定資産税を使用者(住んでいるもの)が払うのが当然とおもいますが・・・どうでしょうか?

記載内容

固定資産税 使用貸借 共有 

 
(cosmos)


【土地の無償使用は使用貸借です】
 被相続人の親名義の土地に住んでいるということは、相続人の一人がその土地上の建物を所有しているという事案だと思われます。
 「土地の利用に関して使用貸借はしていません」ということですが、その土地上に建物を所有しているのなら、親はその相続人が建物を建てて住むことを了承していたはずです。
 契約書を作っておらず、また、口頭でも使用貸借というような話をしていなくとも、使用土地代(賃料)を支払わず使用しているなら、法律上は《使用貸借》になります。

【固定資産税は誰が支払うのか?】
 遺言がない場合には、遺産である土地は法定相続分の割合で共有することになります。
 固定資産税は所有者に課税されますので、各相続人がその相続分に応じて固定資産税を支払う必要があります。

【使用者に固定資産税の負担を求めてもいいでしょう】
 今回の質問では相続人の一人が賃料の負担なく使用しているのなら、固定資産税を全額負担するのが当然という気持ちは理解できます。
 相続人間の公平性を考えれば、その使用者が全額を負担するべきだと提案されてもいいでしょう。
 ただし、使用貸借は無償で利用できる権利ですので、固定資産税の負担を拒否されるかもしれません。
 そのような場合には、遺産分割調停の申立をして、その土地は使用者である相続人に所有権全部を取得してもらって、あなたの相続分に該当する金銭(代償金)の支払いを求めていくという方法もあります。
 そのようなことも頭に入れて交渉されるといいでしょう。

大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
16:50 その他 | コメント(1) | トラックバック(0) | 編集

養子縁組の取消について【Q&A №146】

2012/05/08


 両親を亡くし、身寄りのなくなった重度知的障害を持つ甥の成年後見人をしていました。その甥は、私の姉が残した財産を相続しているのですが、1年前に養子縁組をしましたので、いずれその財産は、私か私の娘が相続すると思うのですが、それに嫉妬する親戚がおります。
  この親戚と別件でもめていまして、裁判になるかもしれません。このように、何かでもめていたりすると、養子縁組は裁判所が解除することもあるのでしょうか。1年前の養子縁組の際も、当方の財政状況、職歴、学歴など細かく聞かれました。知り合いが、今別件で裁判になったり、親戚が養子縁組に反対したりすると(嫉妬から)、養子縁組を解除させられるかもしれないと言ったこともあり、不安になっております。


記載内容

  養子 
(たか)


【本体は相続問題ではありませんが…】
 今回の質問は相続に少し関係しますが、本体は、成年後見人と被後見人との間の養子縁組の取消の問題です。
 そのため、簡単に回答します。

【養子縁組には裁判所の許可が必要】
 成年後見人が被後見人を養子にするには、家庭裁判所の許可が必要であり、この許可がないにもかかわらず、養子縁組届出がされていたときには、養子の親族から縁組の取り消しを請求することができます。
 これは、成年後見人が不正な財産管理を隠したりする目的で養子縁組とすることなどを防止するためです。

【詐欺等で縁組の取消はできるが・・】
 養子縁組に際して、詐欺や強迫があった場合にも縁組の取消を請求することができますが、「いずれその財産は、私か私の娘が相続すると思うのですが、それに嫉妬する親戚」がいるという状況は、詐欺や脅迫には該当しません。
 また、「別件で(親戚と)裁判になったり、親戚が養子縁組に反対したりすると(嫉妬から)」というような理由で縁組は取消せません。
 なお、親戚の方が、財産目当ての養子縁組であるなどと言い出す可能性があるかもしれませんが、そのような理由でも縁組の取消はできません。
 ただ、成年後見人としては当然のことですが、被後見人の金銭や財産の移動等の収支関係をきっちりと管理されていれば問題ありません。
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
16:10 その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

相続税の基礎控除【Q&A №122】

2012/02/28



 相続人が3人いますが、父が亡くなり、
 母が住んでいる家土地、田んぼを、長男が相続、
 現金になる株などと預金を、母が相続、
 妹は0円の時に、控除は3人分で良いのでしょうか、
 長男は同居していませんので、どの様にしたら、一番税金がかからないのか、相続額が、7000万円以内であれば、税金はかからないのでしょうか。


記載内容

  基礎控除 相続人 配偶者特別控除

(静香)


【相続税の基礎控除額の計算式】
 相続税における基礎控除額は、次の計算式で算定されます。
 《計算式=基本5000万円+1000万円×相続人数》
 この場合の相続人数には、財産を受け取らない人の数も入ります。

【質問の場合には基礎控除額は8000万円】
 ご質問の場合には、相続人が3人ですので、上の式により基礎控除額は8000万円になります。
 もし総遺産額が7000万円程度であれば、相続税は支払う必要はありません。

【相続開始後に相続税額を少なくする方法】
 お母さんが住んでおられる建物の敷地は、相続税の申告では居住用資産の減額等、様々な相続税減額の特例があるのですが、同居していないご長男が相続される場合には、これらの控除は利用できません。
 これに対し、遺産相続により上限はありますが、お母さんの相続額が遺産の2分の1までなら、配偶者控除の特例があり、お母さんは相続税の支払いが不要です。
なお、いずれにせよ、遺産の額が8000万円を超えるのであれば、税の専門家である税理士さんに相談されるといいでしょう。相続税の減額を含め、有益なアドバイスがいただけるはずです。
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
10:02 その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★相続分譲渡と預金解約【Q&A №113】

2012/01/26


 第三者に相続分譲渡をした場合、不動産は名義変更の登記が可能みたいですが、銀行口座の解約引出しは、銀行がやってくれないとの記事を見かけましたが、本当でしょうか?それでは全く意味がないと思います。


記載内容

  相続分の譲渡 共有持分 銀行預金
(サバ)


【相続分の譲渡】
 相続人が持っている相続分を他の人に譲り渡すことを相続分の譲渡といいます。
 相続分の譲渡については、他の相続人に譲渡することはあるのですが、これを第三者に譲渡するようなケースは、当事務所としては扱った経験がありません。
 今回の質問はこの珍しい例に関するものです。

【遺産である預金の解約・払い戻しについての銀行の基本姿勢】
 遺産である預金の解約ですが、銀行としては、相続人全員の同意がないと遺産である預金額の解約には応じず、又、相続人がその相続分に該当する預金額だけでも払い戻せと言っても、応じないのが多数の銀行の対応です。
そのため、相続人全員の同意がない場合には、裁判で判決をもらって、銀行に支払ってもらうというのが実情です。

【第三者への相続分譲渡の場合】
 相続人でも単独では預金を解約できず、又、法定相続分相当額の払戻もできないのですから、その相続分が第三者に移っても銀行の対応は同じでしょう。
 その譲受人が単独では解約できず、又、相続分に相当する預金額の払戻しにも銀行は応じないでしょう。
 なお、銀行としては、第三者に本当に相続分が譲渡されたのか、その譲渡に問題はないのかという、相続とは別の新しい問題点があるため、相続人の払戻請求以上に慎重になる可能性があることも考慮しておく必要があります。

【結論としては・・】
 結局、「銀行口座の解約引出しは、銀行がやってくれないとの記事を見かけましたが、本当でしょうか?」という点については、そのとおりというのが回答になります。
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
16:19 その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

贈与税について【Q&A №105】

2011/12/20


はじめまして、早速の質問で失礼します。
妹が今年、親から贈与を受けて家を建てました。そして、次に親から贈与してもらって家を建てる場合、税金の関係で1~2年は空けて家を建てた方がよいと親から言われましたが、実際はどうなのでしょうか?
お答え宜しくお願いします。 


記載内容

  贈与税
(ミッさん)



【本来は税理士さんに対する質問です】
今回の質問は相続ではなく、税金の問題です。
本来は税理士さんが専門ですが、わかる限度でお答えします。

【贈与税の問題ではないのでは・・】
1~2年の期間を空けたほうが良いというお父さん(あるいはお母さん)のお話ですが、贈与税の観点からはそのような配慮は必要ないでしょう。
贈与税は110万円の基礎控除額がありますが、これは贈与を受ける側の問題で、贈与する側でそのような制限がありません。
例えば、お父さんが妹さんとお兄さんに年間に110万円ずつ贈与をした場合、贈与したお父さんとしては年間220万円の贈与をしたことになります。しかし、贈与税は贈与を受ける側の問題であるため、お父さんはなんら税金がかからず、贈与を受けた妹さんもお兄さんも110万円の基礎控除の限度内ですので、贈与税はかかりません。

【続いて贈与をすると、隠された収入があると疑われるおそれがあるかも】
ただ、税務署としては、お父さんが2年間連続して贈与する場合、特にその金額が住宅建築資金という多額の場合には、税務署としては、お父さんには申告していない収入があるのではと疑い、お父さんの収入について税務調査をする可能性があります。
お父さん(あるいはお母さん)が言っているのはこのようなリスクがあるので、1~2年はあけるようにしたいということかもしれません。

【税理士さんに相談することをお勧めします】
ただ、住宅資金などの贈与については、非課税の特例があり、また、相続時精算課税制度を使えるのであれば特別控除もあります。
そのため、是非、税務の専門家である税理士に相談されたほうがいいでしょう。
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
15:46 その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

将来受け取るお金にかかる税金【Q&A №62】

2011/03/09

 母の他界により遺産相続が生じました。
 主な相続遺産は、母の実家の田畑(現在は母の兄の所有地)が売却された時に、母の兄弟で一定の割合に売却金を分配することを確約(公正証書契約書)した権利です。つまり停止条件付の権利を相続することになりました。
 現時点では将来売却される土地の売却金額を特定することもできないため、売却された時点で私の兄弟間(父も既に他界)の遺産分割協議書を再度作成しようと考えています。
 以上私見ですが、この場合、相続税の延滞金、贈与税とのみなし課税等危惧されることはないでしょうか。留意点等ご意見いただければ幸いです。よろしくお願いします。


記載内容

  停止条件付権利 相続税 贈与税 
(Pchan)


【なぜ、公正証書まで作成したのだろうか】
 おそらく、お母さんのお父さん(以下、お祖父さんといいます)が死亡されたとき、相続問題が発生したのでしょう。
 その解決として、田畑の全部をお母さんの兄(以下、叔父さんといいます)に相続登記するが、将来、田畑を売却する時には売買代金を分けるということで公正証書を作成したのでしょう。

【相続税の申告は必要です】
 公正証書を見ないとはっきりしたことはいえませんが、仮に代金が分配されるはずの土地が特定され、かつ、売買代金の配分率も決定されているような場合には、売買代金がもらえることが確実な権利ということができるでしょう。
 その場合には、その代金を請求する権利は財産的価値を持っていますから、遺産の一部として相続税の課税対象になります。

【将来の贈与税の支払いは不要です】
 お祖父さんの遺産分割の際に公正証書で取り決めをしたということになると、元々お祖父さんの相続に関して相続税が課税されるべきものであって、別途贈与税が課税されるものではないでしょう。このため、将来売却代金があなたに支払われたときにも、相続税と別に贈与税が課税されることはありません。

【遺産分割協議について】
 前項に記載したような財産的価値のある権利を取得したのだとすれば、今回の相続の際に、あなたの兄弟間で遺産分割しておく必要があります。
 売却されたときに相続が発生するのではなく、現在、既にその条件付権利の相続が発生していることになりますので、申告しないと不申告加算税、延滞税等の支払いが問題となります。

【条件付権利の価額はいくらか】
 申告をする場合に、条件付権利の価額をどのように評価するのかという点が問題になります。
 残念ながら、弁護士である私たちには、この点の回答はできません。
 税務のプロである税理士(できれが相続に詳しい方がいいでしょう)に税務相談されることをお勧めします。
 おそらくその税理士も即答できない可能性が高いと思いますが、税務署と協議して適正(税務署が妥当とする)価額を教えてくれるでしょう。
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
17:55 その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

息子名義の土地上にある父名義の自宅建物【Q&A №47】

2010/12/01
 
 私が相続した土地に父名義の家が建っており現在その家には母が1人で住んでおります。家の相続人は私を含めて3人です。兄弟がこの家について話し合いできる様な関係にあれば私が買い取る事も可能ですがそれも出来ません。
母が亡くなった時にこの家は私の土地に建っているから取り壊すように命令出来ますか?
そのような命令はどの様にすればだせますか?
もしそれでも無視されたらどうしたらよいでしょうか?


記載内容

  遺産分割調停 使用貸借 撤去費用 
(yuu)


【あなたの土地と家の関係】
 あなたの土地上の家はお父さん名義ということですので、あなたは地代を受け取っておられないと思います。
 地代を受取っている場合には、土地上の建物所有者が借地権という強い権利を持ちますし、その借地権は相続されます。
 しかし、地代を受取っていない場合は使用貸借という関係になり、原則として、いつでも建物の撤去を求めることができます。
 なお、借地権を消滅させるのには正当な理由を備えなければならず、さらに、借地権の価値として土地の約60%の金額の支払いを要する場合もあります。
 これに対して、消費貸借の消滅の場合には、借地権のような価値はないため、原則としてそのような金銭の支払いをする必要はありません。
 なお、家の撤去費用は、家の所有者が負担しなければならないので、本件において、あなたを含む相続人全員が負担するのが原則です。

【もしお母さん亡くなった場合の建物撤去の方法】
 お母さんが、現在、お父さん名義の家に住んでおられますが、もしお母さんが亡くなった場合、あなたは家の撤去を求めることができます。
 撤去を求める方法としては、本件のような相続がからむ問題の場合には、まずは家庭裁判所に遺産分割調停の申し立てをして、その調停手続きの中で建物撤去の話をするのがいいでしょう。
 経験豊かな調停委員が、ご兄弟を説得して、建物撤去も含めた遺産にかかわる問題を解決してくれるでしょう。
 それでもご兄弟が建物撤去に応じないというのであれば、地方裁判所で建物撤去の訴訟を提起することになります。
 その場合には弁護士に相談されるのがいいでしょう。
 なお、遺産分割調停がまとまった場合や、建物の撤去を認める裁判が確定した後、御兄弟が従わなくとも、強制執行を申し立てし、裁判所の手続きで建物撤去が可能となります。
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
10:41 その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

父が持っていた叔父名義の預金は遺産か【Q&A №41】

2010/09/17


 父が亡くなり、父が管理していた預金の1つに、叔父名義の定期預金の証書と印鑑(父名義の預金の印鑑とは別)がありました。

 銀行に残高を確認したところ、父が亡くなってから1ヶ月少し経って解約されていました。
 その際に銀行で証書に「無効」の判を押されました。

 叔父の主張は、父が叔父の退職金として貯めていた預金で、自分で管理すると使ってしまうので父が管理していたと言っています。そんな話は誰もが初耳でしたが…。
 父は会社を経営しておりまして、叔父は従業員として働いていました。父が亡くなる3年程前に兄が継いで、叔父はまだ働いています。
 叔父の言い分が本当かどうかはわかりませんが、父が個人的に積み立てていたので、会社の帳簿にも載っていないと思いますし、贈与しますといった書類もありません。
 それに、そんな正当な理由がある預金なら、堂々と証書と印鑑を取りに来たら良いのに、知らない間に解約されていた事自体おかしいと思います。

このような場合、叔父には何の責任も問えないのでしょうか?


記載内容

  預金の名義 遺産 不当利得 
(りゅうこう)


【この預金は誰のものか】
 まず、この預金は一体、誰のものかというのが問題になります。
 お父さんが個人的に積み立てていたのであれば、お父さんのものだという可能性が強いのですが、疑問もあります。
 例えば、お父さんが自分(あるいは奥さんや子供)の名義にせずに、わざわざ叔父さんの名義で、しかも自分の使用している印鑑とは別の印鑑を使用しているのはなぜでしょうか。
 又、どうして叔父さんはその預金の存在を知ったのでしょうか(叔父さんの住所に銀行から通知が来たというなら、そのように叔父さんに通知が来るような預金を、どうしてお父さんがしたのかという問題に返っていきます)。
会社には退職金の規定があったのか、叔父さんの給料から何らかの金が天引きされていたのではないか、叔父さんが自分では管理できないどんな事情があったのか、お父さんと叔父さんとの間でどんな話があったのか・・・と聞きたいことが次々と浮かんできます。

 従って、質問に記載された内容だけでは、申し訳ありませんが、誰の預金かを回答することはできません。

【叔父さんに対する責任について】
 お父さんの預金を無断で払い戻ししたのであれば、刑法上の犯罪に問われる可能性がないわけではありませんが、このような事案で警察が喜んで動くとは考えにくいです。
 叔父さんと話し合って円満な話をすることをお勧めしますが、それができないようであれば、弁護士に依頼して、叔父さんに対して払い戻した金銭の返還を請求する手続きをするしかないでしょう。
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
09:59 その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★父親に認知されていない子の相続権【Q&A №28】

2010/03/31

現在妊娠中、予定日まで200日をきっています。今後、結婚(入籍)予定ですが、認知してもらうべきか、しないほうが良いか悩んでいます。認知によるメリット、デメリットを教えてください。

記載内容

  嫡出子 認知 胎児の相続権 
(悩みっ子)


 本コーナーは相続問題に関するご質問を受付しておりますが、子の認知ということで困っておられるようですので、この点を最初に説明し、その後に相続と認知についてお答えします。

【認知をした方がよいのかどうか】
 認知は、嫡出でない子をその父らが、自分の子と認める制度です。
 認知されておれば、生まれてくる子は父親から養育費をもらうことも、遺産を相続することもできますので、たいへん重要な法律行為です。
 今後、入籍予定ということですが、万一、入籍できない事情が発生する場合もありえますので、一刻も早く父親に認知をしてもらった方がいいでしょう。
(参考までに言えば、胎児の段階でも「胎児認知届」があります)。
 なお、質問では予定日が200日をきったということですが、この場合、婚姻後に生まれてきた子は夫婦間の子(嫡出子)であると推定されませんので、その意味でも早く認知の手続をされたほうがいいでしょう。
 認知した場合には、戸籍にまず「父親が認知した」という記載がされるのですが、その後、婚姻されるのなら、その子は嫡出子と同様に扱われます。
 なお、認知せずに婚姻をし、その後に、父親が「父母との続き柄」欄の「□嫡出子」にチェックして出生届を提出すれば、子を認知したことになります。
出生届けの用紙例

【相続における胎児の扱い】
 子が出生前に、父が死亡した場合でも、出生した子には相続権があります。
 ただ、父がその子を認知していないと、親子関係を認めてもらう裁判が必要です。
これは、検察官を相手にしたややこしい裁判であり、しかもこの裁判では親子鑑定が必要であり、そのための多額の費用がかかります。
 その意味でも、是非、認知をしてもらうことをおすすめします。
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
18:11 その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

非嫡出子の相続【Q&A №20】

2009/12/21

 関東在住の主婦です。昨年父が亡くなり、相続問題で悩んでおります。
 私は非嫡出子で認知されています。父が死亡して数ヵ月後に、遺言書と父が死亡した事実を聞かされ、驚きました。
 遺言書は、父がなくなる一年以内に作られたもので、本妻の子供が、家裁の調停を起こしDNA鑑定を望んだため検査をしました。検査の結果、実子であることが判明し裁判は終了しました。
 遺留分の請求も出してあるのですが、遺産は支払われず、話し合いで解決したいの一点張りです。遺産の内容も不確かなので、弁護士事務所に依頼したいと考えています。
 こちらのHPを拝見し、大変誠実な取り組みに救われる思いがしました。ぜひ、関東在住の非嫡出子の相続に詳しい、信頼できる弁護士事務所をご紹介いただけますでしょうか。
 お手数ですが、よろしくお願いいたします。


記載内容

  非嫡出子 遺産調査 弁護士を探す 
(R)



【残念ながら、弁護士の紹介はできません】
当事務所は大阪にあるため、関東の弁護士の事情には詳しくなく、紹介は困難です。
あなたの住んでいる地域の弁護士会(参照:日本弁護士連合会東京弁護士会)に行き、「相続に強い」弁護士を紹介してもらうのがよいと思います。

【非嫡出子の相続に詳しいことは不要です】
 弁護士を選択するについては、次の点を留意されるとよいでしょう。
 まず、非嫡出子については、法律で嫡出子の半分の遺産しかもらえないと定められており、現在のところ最高裁も同様の立場です。
 したがって、あなたが、この法律や最高裁の判例を変更するというのでない限り、「非嫡出子の相続に詳しい」弁護士は必要ありません。

【調査能力に高い弁護士が必要です】
 ただ、遺言書があるということですので、お父さんの意思(遺言)能力を調べる力を持った弁護士を選び、遺言書の効力を否定できないかを考えてもらうことが必要です。
 次に、あなたもおわかりのように、お父さんの財産が隠されている可能性が高いケースですので、是非、隠した遺産を探せる弁護士を選びましょう。
 もちろん、交渉能力が高いことも必要不可欠です。

☆ワンポイントアドバイス☆
 一人だけではなく、複数の弁護士に法律相談し、比較して弁護士を選ぶといいでしょう。
 又、無料や弁護士会の法律相談ではなく、弁護士事務所で相談するべきです。事務所の雰囲気、事務員がしっかりした感じの人か、あなたに対する態度が誠実かどうかを判断しましょう(事務員が遺産調査を手伝うことも多いのです)。
 その弁護士が遺産事件を多数手がけているベテラン弁護士であるかどうかを確認することもお忘れないように。
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
17:35 その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集
 | HOME | Prev »