遺留分  : 記事一覧
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20年前の土地売買と特別受益【Q&A №513】

2016/06/29



【質問の要旨】

祖父の土地を叔母たちが売買で手に入れたら、相続はないのか?

記載内容  売買 特別受益 

【ご質問内容】

私の母はわたしが5歳の時なくなりました。

それから30年後母かたの祖父が亡くなりわたしが代襲相続することになりましたが。

2人の叔母はすでに祖父の土地を売買で手にいれていて、土地の登記も済んでいました

日付を見ると20年前に土地は祖父から叔母たちのものになっています。

この場合わたしには土地の相続はもうないということでしょうか

よくわからないので、教えていただければありがたいです。

(たんぽぽ)







【不動産の移転が贈与でない限り、特別受益にならない】

お祖父さんの遺産が叔母さん2人の名義になっているようですが、それが贈与で移転されたものなら特別受益の問題になります。

しかし、売買で移転したのであれば、特別受益の問題は発生しません

ただ、当時の相場から見て、特別に安い金額で売買されたというのであれば、その相場価額との差額分が特別受益となる可能性はなくはありません。

しかし、特別安い金額であったという点は、あなたの方で証明する必要があります。

その証明ができないとすると、お祖父さんの土地は既に生前に叔母さんらに売却されており、その登記も完了している以上、この土地は遺産にはならないでしょう

(弁護士 大澤龍司)
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
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10:39 遺留分  | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

遺留分と養育費の相殺【Q&A №501】

2016/05/12

 【質問の要旨】

別居中の妻が死亡したが、婚姻費用と遺留分はどうなるか

記載内容  婚姻費用 養育費 相殺

【ご質問内容】

家内と中二の子供と別居3年後に家内死亡。

審判(算定表)による婚姻費用を死亡前月(高二)まで支払。


遺言により、遺産(5千万)は全額子供が相続。

私(家内死亡前から病気で失業し借金生活)は、遺留分(1/4=1250万円)を求めて本人訴訟を起こすも、子供(義母と同居し私立大学卒業)側は、高二から大学卒業までの生活費や学費である養育費の実費(1600万円)と遺留分の相殺を要求。

(1)遺言書の内容(子供の生活費や大学進学費用に使え)は、母子の約束で扶養料を先渡しする義務(相続債務)とみなされるのか。

(2)私は無収入で数千万円の借金があり扶養能力はないが、借金より少ない遺留分をもらえば、多額の遺産のある子どもに対して養育費支払い義務があるのか。(子供の生活水準の方が高い)

(3)もし養育費の支払いが必要な場合は、

(ⅰ)月10万円の未払婚姻費用を基に、19歳までの生活費(大学費用含む?)を遺留分から控除するのか。

(ⅱ)20歳以上も、上記金額を大学卒業歳まで適用?

又は子供の主張する実費を遺留分又は遺産?から控除するのか。

十分な資産がある20歳以上の子供に、養育費の支払いが必要か。

(ⅲ)養育費が相続債務とみなされる場合は、養育費の半分が家内の債務で遺産から控除され、私の半分は扶養能力があれば遺留分から控除されるという考えか。

(ⅳ)上記に限らず、どのように考えるが正しいですか。

(オーくん)







【婚姻費用は妻の死亡により消滅する】

あなたは別居中の奥さんに対して婚姻費用を支払う義務を負っておられるようですが、この義務は奥さんが死亡した時点で消滅します

なぜなら、婚姻費用は婚姻があることを前提とするものですが、奥さんの死亡により婚姻そのものがなくなるからです

ただ、奥さんが死亡するまでに未払いの婚姻費用があれば、それは既に生前の婚姻期間中に発生した請求債権(未払い婚姻費用請求債権)として相続の対象になります。


【養育費の支払いについて】

婚姻費用の中には、実質上、未成年の子供の養育費分も含まれています。

奥さんの死亡により、死亡後の婚姻費用の支払いは不要になりますが、今度はあなたと子供さんとの養育費問題が現実化します

子供さんから請求されれば、親であるあなたに養育費の支払義務が生じる場合があります


【本件の場合の養育費支払いの要否について】

では、子供さんの言うような養育費の支払いが必要なのでしょうか。

収入及び時期と言う2つの面で支払い義務の履行を拒む理由が考えられます。

まず、収入の点からは次のように考えるといいでしょう。

養育費の支払いは支払い義務者である親に収入があることを前提にしていますが、あなたに収入がないというのであれば支払い義務は発生しないということになります。

次に時期的に言えば、養育費の支払いなどについて調停が申立される場合、支払いの開始時期はその調停申立のあった時期だとされています。

養育費の発生時期については、請求のあった時点以降であるという考えも強く、この考えに従えば請求前の過去に遡っての請求はできないということになります。

又、月毎に支払われる定期給付債権であるとして、民法169条の短期消滅時効の適用を受けるとして過去5年間の分だけの請求を認める考えもありえます。

これらの点の詳しいことを知りたければ、別途、養育費についての文献やネット検索をされるといいでしょう。

なお、子供に財産があるということだけで、養育費の支払い義務が免除されるということはないと思われますが、この点も別途調査されることをお勧めします。

又、成年に達した後の大学終了時点までの養育費の支払いの要否や学費分まで支払いの要否についても別途調査されるといいでしょう。


【遺留分減殺請求により得た利益をどう考えるか】

あなたとしては、今回遺留分減殺請求により収入を得ることになります。

しかし、あなたとしては養育費の算定の基礎となる収入は給料等の継続的な収入であり、遺留分のような一時的な収入とは言えないと主張することも可能です。

養育費算定表には給料年額あるいは自営業者の年収入額を前提として算定グラフが作られているからです。

ただ、このような主張に対しては、給料や自営での収入ではなくとも、親であるあなたが収入を得ているのであれば、給料等の収入に準じるものとして、算定される可能性もありえます。

その場合には、その収入のあった年度については、遺留分減殺請求額を前提にして計算された養育費を支払い、その翌年以降は無収入として養育費の支払いを拒むということを主張されえるといいでしょう

なお、無収入であっても《潜在的稼働能力があり、就労が困難といえないような事情がある場合には、ある程度の収入があるものとして、養育費が算定される可能性がありえますので、この点も併せご留意ください。


【遺留分と養育費の相殺との関係】

結局、前項の後段の前提(遺留分の支払いのあった年度にのみ、それを前提として養育費を支払う)というのであれば、その年度の養育費額のみが相殺の対象なり、その分が遺留分から減額されるという結論になるでしょう。

(弁護士 大澤龍司)

大澤龍司法律事務所
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16:40 遺留分  | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

遺産の土地を妹の義父が借りていた【Q&A №450】

2015/06/03



父が私の妹の義父に土地を貸与していました。

そのような土地の賃貸借が生前贈与に当たりませんか



記載内容

  義父 贈与 同一 


【質問詳細】
 
 昨年、父が亡くなりました。

 父は生前に公正証書遺言を残していました。

 その遺言には、妹に全ての財産を相続させると記載されています。

 相続人は、私と妹の二人です。

 私は遺留分減殺請求を行う予定です。


 ところが父の生前、父と妹の義父(妹の夫の父親)との間で相続対象の土地の借地権契約をしたそうです。

 妹の義父はその土地にアパートを建てて他人に賃貸をしていました。妹の義父はその後1年足らずで死去しその後、妹の夫がアパート及び借地権を相続しております。



 妹からは、私が遺留分減殺請求をしても、相続対象の土地の借地権割合が60%なので、私が請求できるのは、底地割合の40%の遺留分(4分の1)、つまり1/10しかないのだから諦めろと言われてしまいました。

 借地契約書や地代をどの程度収めていたか等は、これから相手側に問いただす予定でおり、借地権の有効性を確認する予定です。


 上の経緯は、相続発生後に私が遺留分減殺請求を行う事を前提に、私の遺留分をなるべく小さくするために、妹らが対策を考えて借地契約という形をとったのではないかと考えています。



 このような場合、借地契約を締結したのは妹ではなく、その義父ではありますが、借地契約そのものが妹への生前贈与に当たらないでしょうか?


(asw32mk)







【借地権であるかどうかの確認が必要】

 質問でも記載されていますが、お父さんとお義父さんとの間で土地使用がどのような契約をしているのかを確認する必要があります。


 契約書が作成されているかどうか、作成されているのならその内容、更に署名がお父さんの筆跡であるのかどうかも確認されるといいでしょう。


 なお、賃料が支払われているのか保証金等は差し入れられているのかも調査の対象とする必要があります。





【遺産内容の確認も必要不可欠】

 遺産は不動産だけということのようですが、やはり預貯金等の銀行関係の調査が必要でしょう(調査方法についてはブログQ&A №417をご参照ください)。


 預貯金の取引履歴を確認すれば、預貯金の不正引き出し等がわかり、遺産額が増えますが、それだけではありません。


 契約時に保証金等の支払いがあったのか毎月、賃料が入ってきているかどうかが確認できます。





【保証金や賃料の支払いが発見できない場合でも役に立つ】

 取引履歴に賃料が記載されていないとすると、土地は借地権でなく、無償使用(使用貸借)である可能性があります。


 その場合、借地権額は更地価額の60%程度、使用貸借額なら10%前後ですので、遺産の対象となる土地の価額がアップします。


 なお、念のために言えば、あなたが知らない隠された預貯金口座が存在し、そこに賃料が入金されている可能性もあります。


 この場合にはそこの多額の預貯金が存在する可能性があります。


 また、保証金等の契約時の支払い分がないかどうかも確認する必要がありますので、取引履歴の取り寄せは必要不可欠です。





【法定相続人以外の人に対する贈与】

 ほとんど保証金を取らずに、しかも定額で借地権を設定したとしても、その相手がお義父さんのような法定相続人以外の方であれば特別受益の問題は発生しません


 遺留分減殺の場合、第三者に対しても請求することができます

 ただ、借地契約の内容があまりに不当で、地主であるお父さんにとって不利な内容であり、《まるでただ同然のような条件で貸している》というのなら、贈与とみなすことも不可能ではないでしょう。


 ただ、遺留分減殺請求自体がなかなか難しい手続きですし、ましてや本件は第三者との間で賃貸借契約を装ってというような難しい案件ですので、相続に詳しい弁護士に事情を詳しく説明され、そのアドバイスを受けるといいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)
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10:22 遺留分  | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

遺留分減殺は単独で登記できるか【Q&A №399】

2014/09/04
 実父の公正証書遺言により、第三者に遺贈されてしまった遺産のうち不動産に対し、法定相続人が遺留分減殺請求権の行使をし、その帰属範囲内の割合で共有(同?)登記し、それを継続させる事は可能ですか。

 遺言執行者には、遺言作成を依頼された弁護士が指定されており、受遺者は早急に遺産を売却し金員を手に入れようと遺言執行者の助言のもと、その土地建物に出入りし、動産の処分も行っています。

 法定相続人としては、それらの行為や目的にでき得る限り対抗しようと考えています。
 現在のところその土地建物の名義は実父のままで、建物の評価は略無いと思いますが、部屋に私の所有物を長年保管しております(使用借権としても専有面積は帰属範囲内の割合です)。
 
 審判までは一人で戦うつもりですので、法的知識や権利のある遺言執行者らの対抗にも有効な手立てをご教授ください。

記載内容

遺留分 登記 単独申請 仮差押 原則1年以内 執行者への通知
(金にならない相談者)


【遺留分権利者単独で遺留分の登記はできない】
 日本の登記制度は原則として登記を受ける権利者(今回はあなた)と登記手続きを行う義務者(今回は遺贈を受けた第三者)との共同申請が原則です。
 ただし、例外として、共同相続人のうちの一人が単独で法定相続内容通りの相続登記ができます(末記の条文をご参照ください)が、ご質問の《遺留分減殺を原因とする登記》は《相続登記》ではないため、遺留分権利者が単独ですることはできません。
 そのため、登記をするためには登記を受ける権利者(今回はあなた)と登記手続きを行う義務者(今回は遺贈を受けた第三者)との共同申請が必要であるという結論になります。

【遺留分の登記を実現するための方法】
 あなたが遺留分の登記をするためには、受遺者に対して裁判を起こして判決を得て、その判決に基づいて遺留分だけあなたが移転登記するということになります。
 ただ、判決が出るまでには(事案によって異なりますが)通常、1~2年程度かかります。
 今回のケースでは、受遺者が遺贈の対象となった不動産の売却を急いでいるようですので、判決を待っていられないでしょう。
 そのような場合には、不動産について遺留分があるので売却をしないようにという手続きとして仮差押申し立てをすることも可能です。
 手続きとしては、裁判所に書面を提出し、裁判所と面談して仮差押決定を出してもらう必要がありますので、ぜひ、相続に詳しい弁護士に相談し、仮差押えの手続きを委任されるといいでしょう。

【家への立ち入りはやむを得ない】
 次に、受遺者のお父さんの自宅への立ち入りですが、受遺者は登記を受ける前であっても当該不動産の所有権を有していますので、家への立ち入りを禁じることは難しいでしょう。
 なお、あなたの所有物が無断で処分された場合には、その分は所有権を侵害されたとして損害賠償の対象になることはあり得ます。

【現在、早急にとるべき行動について】
 ご存知だとは思いますが、遺留分減殺請求は、原則として、相続開始から1年以内にする必要があります。
 もし減殺請求をしていないのなら、早急に内容証明郵便で受遺者に対して減殺請求通知を出されるといいでしょう。
 次に、遺言執行者に対しても、遺留分減殺をした遺留分権者の立場で、受遺者に当該対象物件全部の移転をしないように申し入れておくことも考えられます。
 ただ、遺言執行者としては《とりあえずは受遺者に単独登記をするので、あとは受遺者と遺留分権利者とで争ってくれ》という対応をする場合が多く、あまり効果はないかもしれませんが、遺留分権利者としては、そのような申し入れもすることも一方法でしょう。
 いずれにせよ、遺留分にかかわる問題は難しい点が多々ありますので、早期に弁護士に相談されるといいでしょう。

《参照条文》
不動産登記法63条(判決等による登記等)

   1項 ・・・・(省略)・・・これらの規定により申請を共同してしなければならない者の一方に登記手続きをすべきことを命じる確定判決による登記は、当該申請を共同でしなければならない者の他方が単独で申請することができる。
   2項 相続又は法人の合併による権利移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができる。
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16:43 遺留分  | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

夫に遺留分を渡さない方法【Q&A №381】

2014/06/03
 勤務地の関係で、結婚してから夫とは同居をしておらず、養ってももらっていません。お互い一人暮らしのような状態です。
 このような場合でも、別居中に私が先に亡くなった場合、夫に遺留分を主張する権利や受け取る権利があるのでしょうか。
 夫は主張してこないとは思っていますが、私自身は「夫にお金が渡る=夫の死後は夫の家族に渡る」ということで、夫の家族や夫には1円も渡したくないのが本音です。
 自分の親、兄弟(その子供)のために役に立てたいのです。

 遺言書には「自分の血縁関係のある者に相続させたい」「共有財産がない」「婚姻期間が短い(2年)」ということは書いていますが、遺留分については受取人次第という部分もあるようで、裁判まではしないと思いますが、遺留分を夫に渡さない方法はないものでしょうか。

記載内容

廃除 欠格
(アクア)


【別居していても夫には遺産が行くし、遺留分も請求できる】
 《勤務地の関係で、結婚してから夫とは同居をしておらず、養ってももらっていません。お互い一人暮らしのような状態です》ということであっても、戸籍上、夫であれば、あなたの遺産を夫は取得します。
 又、あなたが遺言書でご主人以外の人に遺産を相続あるいは遺贈した場合、ご主人としては、遺留分請求(主張)をすることは法的には可能ですし、あなたの遺産を受け取る権利もあります。

【遺留分請求をさせない方策としては遺留分放棄の審判申立をする】
 ご主人に遺留分放棄をさせない一番確実な方法は、生前の《遺留分》の放棄をさせることです(民法1043条。条文は末記のとおりです)。
 あなたとご主人は互いに法定相続人という関係にあり、ご主人が死亡すればあなたがご主人の遺産を受け取ることにもなります。
 ご主人としても、あなたに遺産を渡してたくないというのであれば、互いに遺留分を放棄しあうということで合意されてはいかがでしょうか。
 ただ、生前の遺留分放棄については、次の点をご注意ください。
① 家庭裁判所の許可を受ける必要があります。
 裁判所に申し立てをした場合、大阪家庭裁判所の扱いとしては、まず放棄する人に対して書面で、放棄の意思があるかどうかを確認し、場合によっては、裁判所に出頭を求め、遺留分放棄する人から事情を聞くこともあります。
 あなたの場合には夫婦関係を説明し、互いに遺留分放棄をするのだという回答であれば、書面審査で放棄が認められる可能性があるでしょう。
② 又、裁判所が認めるのは、《遺留分》の放棄であり、《相続分》の放棄ではありません。
 そのため、あなたが遺言書を書かない、あるいはあなたの遺言書が無効になると、ご主人は法定相続することになります。
 そのため、間違いのない遺言書をつくる必要があります。
 若干の費用がかかっても、公証役場で公正証書遺言をお作りになることをおすすめします。

【ご主人に遺産を与えないためのその他の方策について】
 当ブログQ&A №379が今回の質問とよく似ています。
 その中で、《ご主人に遺産を与えないためのその他の方策について》説明しています。
 ご参照ください。

参照条文②:民法第1043条(遺留分の放棄)
1.相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生ずる。

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10:46 遺留分  | コメント(1) | トラックバック(0) | 編集

後妻からの遺留分減殺請求【Q&A №369】

2014/04/28
 去年10月末に主人が亡くなりました私は後妻で先妻との間に50代の息子二人おります遺産相続で法定相続分侵害されています預金四分の一しか戴けないので遺留分を請求したいと思っています
 平成23年8月に公正証書で土地は主人名義 建物は私の名前で建築しました
 土地使用賃貸契約書を結びました
 存続期間は平成22年から私が死亡するまでとなっています
 私の公正証書には私が死亡したら長男に寄贈するとなっています登記はしていません
 建物の税金は私が払っています
 家の建築費用1800万の内1千万は私のお金で800万は主人のお金です
 遺留分請求の時、主人が出してくれたお金は私の相続財産に含まれるのでしょうか
 入籍したのは去年の1月で公正証書作成したときは旧姓になっています 贈与にもなるのでしょうか心配しています宜しくお願いします

記載内容

遺留分 法定相続分 建築資金 特別受益 借地権 遺留分算定の基礎遺産
(ピーコママ)


【あなたの遺留分は4分の1】
 遺言で、本来の法定相続分よりはるかに少ない財産しか相続できない場合には、遺留分の問題が発生します。
 あなたは、配偶者ですので法定相続分は2分の1です。
 配偶者の場合、遺留分は法定相続分の半分の4分の1になります。

【遺留分を侵害されているかどうかを判断する】
 遺留分を侵害された場合には遺留分減殺請求をすることができます。
 この場合、あなたのもらえる具体的な遺産額が、ご主人の全遺産の4分の1に達しないのなら、あなたの遺留分は侵害されていることになります。
 そのため、全遺産額がいくらになるのかが重要なポイントになります。
 遺留分を計算する前提となる遺産には、ご主人の死亡当時の遺産だけではなく、生前に受けた特別受益も加算されます。

【かなりの特別受益が遺産に加算される可能性がある】
① あなたの場合、生前にあなた名義の建物建築費として、ご主人が800万円を出したというのであれば、その800万円が生前贈与になり、特別受益として、遺産に加算される可能性が高いです。
② 又、ご主人の土地上にあなたの建物が建築され、その建築の際、土地使用契約が締結されたというのであれば、あなたに借地権が発生しますので、借地権がご主人からあなたに与えられたとして、その借地権相当額が、特別受益として遺産に加算される可能性が高いです。
③ そうすると、
  遺留分算定の前提とされる遺産額=
    死亡当時の遺産額+
    借地権の設定後の土地価額(更地価額の約40%)+
    前記①の800万円+
    借地権価額(借地権が設定されている土地の更地価額の約60%)
です。
 この4分の1があなたの《遺留分額》です。
 この《遺留分額》とあなたが遺産からもらえる分(全預貯金の4分の1+前記①の800万円+借地権価額の合計額)を比較し、《遺留分額》の方が多い場合には、遺留分減殺をすることができ、不足分をもらうことができます。
 しかし、そうでない場合には遺留分減殺請求ができないことになります。
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16:38 遺留分  | コメント(2) | トラックバック(0) | 編集

孫への贈与と遺留分減殺請求【Q&A №353】

2014/03/06
 姉が一人おり姉には成人した子供が一人。私は現在海外に住んでいて父の死後、母と姉家族が同居。以前母から手書きで不動産の1~2(同居している家等)を姉に、3,4を私に、5の土地を孫(姉の子)にと書かれたメモを受け取り母の意思ならば従う気持ちでおりました。今回姉の話で私に相続させると書かれてた土地の1つを母の弟がお金が必要で自分の土地と母の土地を合わせないと売れない事を理由に要求して来た結果、印鑑を捺して売った。姉夫婦が面倒な対応を引き受けたと聞き初めて知らない間に売られていた事を知りました。孫の大学の学費は母が全て出したと母がしっかりしている時に母から聞いており、今回ご相談したい気持ちになりました理由は今回の訪問時『孫に不動産の全てを譲る。』と母の直筆で書かれた紙を私に見えるように貼ってあるのを見たからです。このような状況から全ての不動産を姉や姉の子供の名義に私の知らぬ間に(母の捺印済みで)変更されていた場合、私への遺産相続のはどうなるのか?そうなっていた場合私が母の意思であった一部でも相続できる為の手段と裁判になった際の費用等をご教示頂きたく、何卒宜しくお願い致します。
 母や姉に直接この話を問うことは姉の性格上、そして母が老人特有の物忘れもありますので、100%理路整然と話をできない状態にもなって来ております為、不可能だと考えております。

記載内容

 贈与 遺言書の有効要件 遺留分減殺請求 自筆のメモ 貼り紙 意思能力
(涙)


【メモは遺言書にはならない】
 遺言書が有効であるためには最低限、①日付があり、②氏名が自書され、③印鑑が押されていることが必要です。
 お母さんが不動産を、法定相続人であるあなたやお姉さん、お孫さんに分けるとの手書きのメモを書いていたようですが、単なるメモでは遺言書にはなりません。
(又、仮に遺言書であっても、該当不動産が売却されているのであれば、遺言書のうちのあなたに不動産を相続させるという部分は効力を持ちません。)

【貼り紙も遺言書にならない】
 《『孫に不動産の全てを譲る。』と母の直筆で書かれた紙》が貼られていたとしても、冒頭に記載した遺言書の有効要件を充たしていない限り、それは単なる《貼り紙》であり、遺言書ではありません。
 そのため、お母さんが死んだ後、お姉さんがこの《貼り紙》を根拠にして、お孫さん(お姉さんの子)に不動産を相続(遺贈)させることはできません。
 あなたとしては、遺言書ではないのだから、そんな貼り紙はなんらの効力がないということで対応されるといいでしょう。

【遺言書が存在する可能性もあるが・・・】
 ただ、お姉さんの動きを見ていると、遺産である不動産を全部、取り込みたいようです。
 このような状勢からいえば、既に要件を充たした自筆の遺言書あるいは公正証書遺言が作成されている可能性も否定できません。
 お母さんの死後、遺言書が出てきて、そこには、遺産の全部をお姉さん側に相続させる(遺贈する)というような内容だった場合でも、あなたには《遺留分減殺請求権》があります。
 この権利は、本来の法定相続分(本件では相続人はお姉さんとあなたの2人なので2分の1)の半分(4分の1)の限度で、遺産をもらえるという制度です(「相続コラム:遺留分とは」参照)。
 ただ、遺留分減殺請求ということになると、専門家である弁護士の助力が必要であると思われますで、遺言書がある事が判明し、その内容があなたに不利ということなら、早めに相談し、必要に応じて委任をされるといいでしょう。
 なお、弁護士費用は、弁護士により異なり、又、あなたが受け取る金額によっても違いますが、総額でいえば、あなたが受け取る金額の10~20%の程度のことが多いでしょう。

【遺言書を無効にする証拠を集める】
 判断能力がないときに書かれた遺言書は無効です。
 現状では、お母さんが《老人特有の物忘れもありますので、100%理路整然と話をできない状態にもなって来ております》ということのようですが、もし、可能であれば、お母さんの判断能力を調べるテスト(「相続コラム:意思能力と長谷川式認知スケールに関する判例の紹介」参照)を受けて頂くことも考えておくといいでしょう。
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遺留分の請求期限はいつまで。【Q&A №316】

2013/09/24
  
7年前に 祖父が亡くなり 公正証書により 父と叔母が相続しました。その後 金額
に納得出来ない叔母が、遺留分を請求するしないで父と揉めてしまい 大げんかにな
り それきりになっていました。そして 今年 父が亡くなり 父の財産は ほぼ私が相
続しました。祖父の相続の遺留分請求期限である10年までは あと3年あるわけですが
叔母が 私に遺留分請求をする事は可能ですか?

記載内容

時効 除斥期間 1年 遺留分減殺の意思表示期間


(らふ)


【原則1年で請求できなくなる】
 まず、遺留分減殺請求は請求者(今回は叔母さん)が遺留分の侵害されたことを知ったときから1年以内に請求しなければなりません。
 又、仮に相続の開始や遺留分の侵害を知らなくとも、被相続人の死亡から10年が経過すれば遺留分減殺請求はできなくなります。

【叔母は遺留分減殺請求をしたのか】
 質問では、公正証書遺言があり、叔母さんがその内容に納得できないということですので、叔母さんとしては遺留分の侵害されたことを知っていることでしょう。
 そのため、叔母さんとしては、その遺留分の侵害を知って1年以内に遺留分減殺の意思表示をする必要があります。
 もし、その意思表示をしていないのであれば、10年を待つまでもなく、遺留分減殺請求はできなくなります。
 質問では「遺留分を請求するしないで父と揉めてしまい」とありますが、請求したのかどうかをはっきりと確認する必要があります。

【父の地位をあなたが引き継ぐ】
 お父さんの地位を相続人であるあなたが引き継ぐことになります。
 そのため、叔母さんが遺留分減殺を請求していた場合、あなたは叔母さんと遺留分減殺の交渉をする必要があります。
 念のために言えば、叔母さんが遺留分減殺請求をしていなかった場合には、あなたが叔母さんと遺留分について話し合う必要はありません。


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養育費は遺留分から控除できるか【Q&A №314】

2013/09/11
 
主人は再婚です、子供一人いて離婚し、私と結婚しました。
 私たち夫婦には、子供はいません。
 別れた子供が、高校卒業後、専門学校へ行く学費を2年間 毎月6万送金しました。
 この度、遺言書を作成しました。
 遺留分で、その分差し引いて貰えますか。


記載内容

養育費 学費 未成年 特別受益 専門学校

(あさちゃん)


【扶養義務の履行は特別受益に当たらない】
 父親は子に対して養育義務がありますので、養育費として相当な金額の支払いは、特別受益にはなりません。
 養育費としてどの程度が相当かは、家庭裁判所で用いる次のような養育費算定表がありますので、ご主人の収入を前提にこの表で判断されるといいでしょう。(養育費・婚姻費用算定表
 本件で問題となる専門学校の学費は、養育費としての送金だと思われます。
 そうすると、未成年者に対する父親としての扶養義務の範囲内での送金として扱われる可能性が高く、扶養を超える特別受益となることは少ないです。

【遺留分でも考慮されない】
 養育費が特別受益になった場合には、遺留分の算定の際にその受益分が遺産に持ち戻され、遺留分として受け取ったという扱いになります。
 しかし、前記のとおり、毎月送金した金額を特別受益とするのは難しいので、子どもの遺留分を減らすことはできないでしょう。
 参考までにいえば、学費で特別受益に該当するには、私立の医科大学・医学部のように多額の入学金や高額な学費を支払った場合などのかなり特別な事情が必要でしょう。


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10:21 遺留分  | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

生前贈与を無効と主張するためには【Q&A №301】

2013/07/18
 実の父が3年前に亡くなりました。義理の母が父の意思とは反して生前分与をしました。
 実父は2年入院してその間に書かせたものと思われます。
 法律では全て財産を受け取ることを禁止していると聞いたのですが私の財産を主張することは出来ますか?

 もし生前分与の字が父のものでなければそれは無効に出来ますか?

記載内容

生前贈与 遺留分 自筆

(情けない儀母)


【生前贈与が無効となる可能性があります】
 お父さんの意思に反して、預金の引き出し・不動産の登記名義移転等の生前贈与行為を義理のお母さんが勝手に行なっていた場合、そのような行為は無効です。

【問題はお父さんの意思に反していたという証明ができるかどうか】
 ただ、問題はその証明ができるかどうかという点です。
 生前贈与の形をとっている場合、これを無効と主張するには次の方法があります。

① 意思能力がない場合
 お父さんが、生前贈与当時、たとえば医師の指示を全く理解できない、見舞いに来た家族が誰かわからないなどの症状があり、認識・判断能力を有しなかった場合には、意思能力がなく、その行為は無効です。
 この点の証明としては、病院のカルテ等が役に立つでしょう。
(なお、質問の中に《法律では全て財産を受け取ることを禁止している》との記載がありますが、これは意思能力がない場合には、財産の贈与等の行為をすることができないという意味でしょう。)

② 意思能力があった場合
 質問にも「書かせた」と記載されているように、贈与の際に書面が作られていれば、その筆跡を調べる必要があります。
 また、たとえば預金の引き出しされている場合には、その払い戻し請求書の筆跡を確認し、お父さんの筆跡ではないという証明をする必要があるでしょう。
 裁判所としては、筆跡だけではなく、贈与があった当時の諸般の事情を検討しますが、筆跡が違うということは贈与無効を証明するためのきわめて重要な証拠になるでしょう。

【生前贈与が有効な場合には遺留分請求ができるが・・】
 お父さんの意思に反するとまでは言えず、贈与が無効とは判断できない場合もあるでしょう。
 なお、参考までにいうと、そのような場合には、相続人である子には、父親の遺産に対しては遺留分という最低限度の持分が残されており、贈与された財産の中から遺留分を侵害された限度で遺産を取り戻す権利を有します(遺留分減殺請求権と言います)。
 遺留分減殺をすると、子の場合には法定相続分の2分の1が返還請求できます(なお、計算例としては当ブログQ&A №177Q&A №272などもご参照ください)。
 ただ、この減殺請求は生前贈与があったこと(正確にいうと遺留分を侵害されたこと)を知って、1年以内にする必要があります。
 本件では3年前にお父さんが死亡されているので、減殺請求ができる時期を過ぎている可能性もあります。
 生前贈与の無効を主張するとともに、万一に備え、遺留分減殺請求ができるかどうか、早急に弁護士と相談されるといいでしょう。


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16:54 遺留分  | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

全財産を生前贈与した兄の相続【Q&A №277】

2013/05/15
 兄が2年前に胆のうがんで余命宣告され、今年の1月に亡くなったのですが、2年の間に兄の妻が名義変更を兄にせまり、土地や預貯金の名義を全て、兄の妻名義に変更しました。

 兄には子供がいないのですが、生前の名義変更のため、兄弟への相続はないと考えるしかないでしょうか?

 また、故祖父名義の土地と家があるのですが、兄が生きている時は兄が権利書等を管理していて、口頭で、亡くなった後は私に任せると兄の妻の前で言っていたのですが、兄の妻は今になって聞いていないといって、祖父母の位牌や権利書を渡してくれません。いつまでも空き家にしておくのも近所の方に心配されているので、何とか早期解決したいのですが・・・方法はあるのでしょうか?

記載内容

判断能力 生前贈与 約束 口頭 

(みっちゃん)


【全財産の生前贈与の場合、兄弟の相続権はない】
 遺産分割は被相続人が死亡時点に所有していた財産について、それを引き継ぐ人間を決めるというものです。
 本件質問のように、お兄さんがその財産全部を、奥さんに生前贈与した場合、その財産は相続の対象にはなりませんので、あなたとしては相続するべき財産がないということになります。
 なお、死亡直前の生前贈与ですので、遺留分減殺請求ができそうですが、残念ながら被相続人の兄弟には遺留分は認められておりません。
 結局、あなたとしては預貯金の生前贈与に対して、相続分割については対象となる財産がなく、遺留分請求も認められないために、打つべき方策がないということになります。

【祖父名義の土地建物の贈与の証明ができるか・・】
 お祖父さん名義の土地と家については、その相続人が相続します。
 そのため、本来ならあなた方のお父さんやおじさんやおばさんが相続人となりますが、今回の質問ではこのような点の記載がありませんので、お祖父さんの不動産の相続人はあなたとお兄さんだけであるとして回答します。
 お兄さんが≪口頭で、亡くなった後は私に任せる≫と言っておられたようですが、この趣旨を贈与だと理解できるのであれば、お兄さんの死亡を条件としての贈与だということになります。
 その前提で考えると、贈与が認められた場合には、お兄さんの死亡後は、その不動産のうち、お兄さんの有する持ち分はあなたが取得することになります。

【問題は、贈与を証明できるか・・】
 しかし、お兄さんの前記発言があったことや、その発言の趣旨が贈与であるということは、あなたの方で証明する必要があり、それができないと贈与は認められません。
 贈与に関する書面などは全くなく、お兄さんの奥さんが、お兄さんの発言を否定しているのであれば、証明は難しいのではないでしょうか。
 お兄さんの相続人が、あなたとお兄さんの奥さんであるとすれば、あなたとしては、お兄さんの奥さんと話し合いをして、この土地と家をどう引き継ぐのかについて合意しない限り、名義を換えることはできませんし、売却もできないでしょう。
 奥さんとの話し合いをするのが最も早い解決ですが、それが困難であるとすれば、お祖父さんの遺産について、その分割についての調停の申立てをし、家庭裁判所で調停委員に入ってもらって、問題を解決するのがいいでしょう。


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15:01 遺留分  | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

生前贈与・遺贈と遺留分の計算【Q&A №272】

2013/04/22
祖母がなくなりました。祖父は、すでに他界しています。そして祖母が亡くなる前に私の母(祖母の娘)が亡くなっていますので遺産相続人の中の一人になります。母には姉、弟がおります。
 遺産1200万のうち母の姉は500万生前贈与し、あと700万残ってますが母の姉が言うには祖母の遺言状を持っていて祖母が亡くなったら200万母の姉に渡すというものらしいです。なので、さらに200万もらうつもりだと言っています。母の弟も私に200万のみ渡すと決めているみたいです。
 私は、このまま叔母叔父のいうまま200万で納得するしかないのでしょうか。祖母は叔父と同居していました。叔父叔母は結託しており叔母は200万を後で叔父に渡し叔父500叔母500私200という企みのように思えてなりません。

記載内容

生前贈与 遺贈 検認  

(シンデレラ)


【遺贈を除いた残額を分けるしかない】
 まず、現状を整理しますと、お祖母さんの遺産1200万円の中からすでに伯母(お母さんの姉)がすでに500万円の生前贈与を受けており、遺産としての残額は700万円。そして、その700万円の内200万円がお祖母さんの遺言書により伯母さんに遺贈されると言うことであれば、遺産分割協議の対象となる遺産は500万円ということになります。
 これらの生前贈与や遺贈が特に法的に問題ないということであれば、遺産の残額である500万円を伯母さん、叔父さん(お母さんの弟)、そしてあなたの3人で分割するしかなく、あなたが相続で取得するは約167万円になります。

【遺留分の侵害もない】
 では、遺留分(遺言によっても減らすことができない最低限の相続取分割合)の侵害はないのでしょうか。
 あなたの相続分は、お母さんから引き継いだもの(代襲相続)なので、3分の1の割合となります。
 遺留分は、あなたの相続分の2分の1ですので、6分の1の割合となります。
 今回の質問では、遺留分計算の前提となる遺産総額(残額に生前贈与や遺贈の額を加えたもの)は1200万円ですから、あなたの遺留分はその6分の1である200万円ということになります。
 つまり、叔父さん(お母さんの弟)が考えているように、あなたに残額500万円のうち200万円を渡すということであれば、あなたの遺留分を侵害することもありませんので、法的にはこれ以上の請求は難しいと言えるでしょう。
 ただ、前記の内容はあくまで法の理屈を通した場合の話ですので、遺産分割協議において違う内容を合意することは自由です。

【念のために遺言の有効性を確認しておく】
 ただ、念のために遺言書が法的に有効なものかどうかは確認した方がいいでしょう。
 そのため、きちんと伯母さんから遺言書を見せてもらった上で、全文の自署、日付の記載、押印など遺言の要件を満たしているかどうかを確認しましょう(自筆遺言の有効性については過去の相続Q&Aの Q&A №50Q&A №69 などが参照になるでしょう)。
 もし、遺言書が有効なものということであれば、あなたとしては、叔父さんの言うとおり200万円で手を打つしかないでしょう。


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14:44 遺留分  | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

遺留分放棄に対価は必要か?【Q&A №237】

2013/01/31
 遺留分放棄

 私(既婚女)の実家は代々資産家です。
 独身時に父が亡くなり、私は○千万の預金を相続し、兄と母は土地を相続しました。
 その際母と「(結婚したら)この預金は家を買うのに使う」と口約束をし、通帳と印鑑を預けました。

 その後、私は母の反対の元結婚して家を出ましたが、父の遺産をもらったことや母にも相当な財産がある=お金にかこつけて私達の家庭に干渉し、婚姻生活に支障をきたすので、遺留分放棄をして、実家との金銭的関係を断ち切りたいと思います。

 また、私名義で多額の貯金をし生前贈与しているように母から聞いておりますが、銀行や印鑑、金額などは全く知りません。

 結局、家は私達の自己資金+ローンで買いました。
 母は「家を買うという条件で遺産をわけたのだし、使わないなら名義替えに応じなさい」と言っています。

 遺留分放棄は、相応の対価が履行されている事が条件のようですが、上記のように確かに口座に相応のお金(最低でも○千万の遺産)はあるものの、印鑑や通帳は母が握っており、実質私の管理下にありません。

 遺産+生前贈与の通帳や印鑑を、私が持っていなくても、遺留分放棄は許可されますでしょうか?
 裁判所では、実際に私が管理しているか否かまで調査したり、母親(被相続人)にそれらを私に引き渡すよう命令が出たり、母親に照会などするのでしょうか?

 また、遺産を返せという母に従うべきでしょうか?

 ご教示ください。
(まる)


関連記事

遺留分放棄 預金通帳を預けた 預金の帰属 


【遺留分放棄は対価なくとも許可される場合がある】
 ≪遺留分放棄というのは、相続が開始する前に、あらかじめ遺留分を請求しないということを認めてもらう手続きです。今回の質問は遺留分放棄ということですので、現在、生きているお母さんの遺産についての遺留分放棄という前提で記載します。≫
 遺留分放棄の許可申立を受けた裁判所が注目するのは、放棄の許可申立が、他の相続人となるべき者から不当な強制でなされたものでないかどうかという点です。
 そのため、裁判所としては、遺留分放棄をする合理的な理由があるのか、遺留分放棄をする必要性があるのか、更に遺留分放棄の代償(対価)を既に得ているのかなどを判断材料として、放棄の許可を判断します。
 裁判所HPの遺留分放棄の許可申立書(記載例)(参照 http://www.courts.go.jp/vcms_lf/7435iryubunhouki.pdf">URL:http://www.courts.go.jp/vcms_lf/7435iryubunhouki.pdf)には対価を要求するかのような記載がありますが、許可判断の重要な要素として対価の有無が考慮されることが多いため、わざわざこのような記載をしているものと思われます。
 ただ、対価を受けていることはとても重要な判断材料ですが、絶対の要件ではありません。
 対価を受けていなくとも、遺留分の放棄に合理性及び必要性があれば、遺留分放棄の許可が出ることもあり得ます。

【通帳の引き渡し命令などはしません】
 遺留分放棄の許可申立の当否は、主として提出された資料に基づき判断され、不足や疑問があれば、裁判所から申立をした人に問い合わせがあったり、資料の提出を求められることはありますが、それ以上にお母さんに対し調査が入ったり、通帳を引き渡すよう命令が出たりすることはありません。

【お父さんの預金は誰のものか・・】
 お父さんの遺産のうち、お兄さんとお母さんは土地を相続し、あなたは預金を相続されました。
 ただ、遺産分割の際に「(結婚したら)この預金は家を買うのに使う」と口約束をし、通帳や印鑑を預けたが、その遺産の預金を使わず、自分達のローンで家を買ったことから「家を買うという条件で遺産をわけたのだし、使わないなら名義書替えに応じなさい」とお母さんが言っておられるようです。
 さて、このような状況の中で、《預金の名義を変える必要があるのか》という問題があります。
 いろんな考え方があるでしょうが、次のような考え方も可能でしょう。
 まず、遺産分割で取得した財産が、お兄さん、お母さんとあなたの3者でほぼ金額的に等しいか、あなたの方が少ないようであれば、預金はあなたが相続したのであり、家を買うに使うというのは、あなたが自分の取得した遺産の使途を言ったに過ぎません。通帳等はそれまで、お母さんに預かってもらっているだけという理解も可能でしょう。
 そのような立場から言えば、あなたの方から通帳と印鑑の引き渡しをお母さんに主張することも可能かもしれません。
 逆に、あなたのもらった金額がお兄さんやお母さんよりもはるかに多いということであれば、預貯金の分割のし直しという解決もありそうです。

【ぜひ、弁護士に相談を!】
 あなたの取得したお父さんの預金が誰のものかについては、いろんな見解がありそうです。
 出来れば、法律の専門家である弁護士に相談されることをお勧めします。
 その上で、弁護士の意見を参考にして、調停などによる柔軟な解決を図られるといいでしょう。

 
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16:56 遺留分  | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

後見人に対する遺留分減殺請求【Q&A №232】

2013/01/29
 子供のいない夫婦の遺産相続で痴呆の妻の遺留分について

 昨年叔父がなくなり、実の弟であるわたしの父親が司法書士による、預金及び不動産その他一切の財産を与える旨の昨年の十月に公正証書を作り相続することとなりました。妻である叔母は要介護4で同時に家庭裁判所に成年後見制度を利用し、わたし
の父親を後見人とする申請をし、十二月二十四日に審判がくだされ、わたしの父親が後見人となりました。
 叔父死亡も二十四日です。司法書士さんが死亡を家庭裁判所に届け出て明日家庭裁判所で講習を受け完了する次第です。わたしの父親にはほかに五人の兄弟がいますが、遺留分の請求ができないので心配しておりません。しかし、叔母にも兄弟姉妹がおり、何らかの形で、遺留分の請求をされるかもしれません。
 痴呆であるおばの遺留分の取り扱い、注意点を教えていただけないでしょうか。
 現在叔母は老人福祉施設で生活しています。
 叔父の生前より、わたしの父親が、入院中の叔父に代わり支払い及び面倒をみています。私たち親子は、叔父叔母に世話になり、大変な恩があり、今後もどんなことがあっても、できる限りのことはするつもりです。
 叔母の兄弟姉妹は、会社の倒産等でお金が必要なそうです。なんとか生活しているようですが、痴呆の叔母を利用して遺留分を請求するすべがあるのでしょうか。
 叔母の遺留分は、3/4×1/2だと思います。対抗手段を教えていただければと思います。
 叔父と私が腹を割って、家を守ること、叔母の面倒をみること。そして、祖母の財産わけで喧嘩をし、わたしの父親以外兄弟姉妹には財産をやらない。
 そして、叔母の家には、財産をやらない。という意思だけ確認をし、叔父が腹をくくってくれた次第です。
決めては、叔母の通帳から叔父でも郵便局から預金を引き下ろせなかったことが、叔父の決心につながりました。よろしくおねがいします。
(まろちゃん)


記載内容

成年後見人 利益相反 特別代理人 遺贈 

【叔母の遺留分が侵害されている】
 叔母さんは被相続人の叔父さんの妻ですから、法定相続分は2分の1です。
 ところが、遺言により被相続人である叔父さんの遺産は全てあなたのお父さんが取得します。
 そのため、叔母さんの遺留分は侵害されていることになります。
 侵害された遺留分は、あなたの指摘のとおり、8分の3です。

【後見人としては、叔母さんの遺留分減殺請求をする必要がある】
 お父さんは叔母さんの成年後見人ですから、叔母さんのために遺留分減殺請求をするべき義務があります。
 成年後見人としては、叔母さんの財産の管理人として、叔母さんの権利を守る義務があるからです。

【特別代理人の選任申立が必要】
 ただ、遺留分を侵害しているのは、あなたのお父さんです。
 お父さんは、遺留分を侵害された叔母さんの成年後見人でもるわけですから、遺留分について侵害した人である一方、侵害された叔母さんの立場でもあるため、遺留分行使について利害が対立することになります。
 そのため、お父さんとしては、裁判所に《遺留分減殺請求をするための特別代理人》の選任を請求する必要があります。

【遺留分減殺請求された後の権利関係・・・他の兄弟との関係】
 裁判所により特別代理人が選任された場合、その代理人は遺留分減殺請求をし、遺留分に相当する財産をお父さんに請求することになります。
 叔母さんに遺留分相当の財産が戻された場合、その財産は叔母さん独自の財産となりますが、その財産を管理するのは成年後見人であるあなたのお父さんということになります。
 したがって、他の兄弟が叔母さんの財産に口出しすることはできません。
 成年後見人として、特別代理人選任の手続きをしたうえで、叔母さんにかかる費用は叔母さん自身の財産から支出するというのが取るべき態度でしょう。


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★遺留分をもらうための遺産調査【Q&A №185】

2012/08/16
 既に分割されてしまった財産の遺留分請求
 去年の年末に母が他界しました。5人の子供(そのうち私だけが前夫の子供)がいますが、遺言が(見せてくれませんが)があるらしく、私以外の4人に相続させると書いてあるそうで、既に私抜きで4人で印鑑をついて財産を分割してしまったようです。

 なんの財産があったのか全く私には絶対教えてくれません。

 調査会社に依頼して銀行等の財産を調査したのですが、もう既に4人で分けてしまった後なので預金はありませんでした。

 私の分の遺留分を請求したいのですが、このように既に分割されてしまった財産を知るにはもう相続税申告書を開示するように調停で言うしかないのでしょうか。

記載内容


相続税申告書の調査 連絡なき遺言執行 公正証書遺言 遺留分減殺請求 
(はなたれ)


【遺言書の内容を確認する】
 遺言書には被相続人が自分で作成する《自筆証書遺言》と公証人に作成してもらう《公正証書遺言》があります。
 自筆の遺言書の執行をするには、家庭裁判所で相続人全員を集めて遺言書を見せる《検認》という手続きが必要です。
 今回の質問ではそのような手続きがなされていないようですので、公正証書遺言に基づき執行されたのでしょう。
 公正証書遺言であれば、公証役場で内容を閲覧謄写することが可能です。
 遺言書の中には、遺産の内容を記載している場合もありますので、まず遺言書を確認されることをお勧めします。

【相続税の申告がされている場合の調査】
 相続税の申告がなされている場合、共同相続人であれば、調停で他の相続人に提出を求めるまでもなく、税務署で相続税申告書のコピーをもらえます。
 ただ、今回の質問の場合は、あなた以外の人が相続した(ということは、相続税申告書にあなたの記名押印がない)という場合ですが、その場合でも相続税の申告書を見せてもらえる可能性がありますので、是非、税務署に行き、戸籍謄本等の相続人であることがわかる書面や免許証等の本人確認のための書面を示して、コピーを貰えるように交渉するといいでしょう。

【過去の取引履歴の調査も必要】
 遺産調査をされたようですが、死亡時点で預金がなくなっていたとしても、死亡前に多額の預金が出金されていることもよくあります。
 遺留分減殺として、過去の出金分も対象にすることができることもありますので、是非、取引のあった金融機関支店でのお母さんの入出金状況を確認しましょう。

【減殺請求は一年以内に】
 遺留分減殺請求は、遺留分の侵害を知ったとき(通常は遺言の内容を知ったとき)から1年以内に請求する必要があります。
 遺言書の内容が判明し、あなたに遺産が相続されない内容であるのが間違いないのであれば、できるだけ早く遺留分減殺請求をしましょう。



 
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亡き母に代わって父の遺留分を請求できないか【Q&A №183】

2012/08/08
 遺留分減殺請求前に亡くなった場合
 家族は父、母、姉、私の4人です。父が亡くなり、私は姉に遺留分減殺請求をする予定です。
 母は、父が亡くなってから3ヶ月後に亡くなりましたが、遺言書はありませんでした。父が亡くなった時点で母は要介護度5で配偶者として娘に遺留分減殺請求を行うことはできませんでした。
 このような場合、母の遺留分減殺請求分はどうなるのでしょうか。母の遺留分減殺請求分の一部を私が姉に対して主張することはできないのでしょうか。
 回答よろしくお願い致します。

記載内容

数次相続 要介護状態 時効 

(プラン)


【遺留分減殺請求権も相続される】
 亡くなったお父さんの遺言書に《財産は姉に相続させる》旨の記載がある場合、他の相続人の遺留分が侵害されます。
 今回のケースではあなたの遺留分も侵害されますが、お母さんの遺留分も侵害されることになります。
 そのため、お母さんがお姉さんに対し遺留分減殺請求をすることが可能です。
 ただ、今回のケースではお母さんが遺留分減殺請求前に亡くなったので、このお母さんが有していた遺留分請求権が相続されるのかどうかが問題になります。
 この点については、民法で承継されることを前提とした条文がありますので、遺留分減殺請求権は相続の対象になります。
 その結果、あなたは、お母さんの遺留分のうち、2分の1の権利を相続で取得することになります。

【減殺請求はできるだけ早くする】
 遺留分減殺請求は、遺留分の侵害があったことを知ったとき(通常は遺言書を見たとき)から1年以内に行う必要があります。
 そのため、遺言書を見たときから1年以内に、お姉さんに対し内容証明郵便で減殺の意思表示をする必要があります。
 今回の質問では、お母さんが要介護5で請求ができなかったということですが、要介護の理由が認知症などの意思能力のないことを原因とするのであれば、1年間の起算期間が始まらないと考えられます。
なぜなら、お母さんがそのような状態であれば、遺留分を侵害されたことを《知った》とは到底言えないからです。
 ただ、いずれにせよ、遺留分については請求期間が限られていますので、あなた自身の分のみならず、お母さんの原生請求であなたが相続した分についてもできるだけ早く減殺請求をする必要があります。

【数次相続という複雑な問題なので、弁護士に相談する】
 遺留分減殺請求自体はそれほど難しいことではありません。
 ただ、遺留分減殺請求については、いろいろと難しい問題もありますし、本件ではお父さんとお母さんの相続が相次いで生じている(数次相続と呼びます)複雑な案件ですので、念のため、法律の専門家である弁護士に相談され、どの程度侵害されている(請求できる)のか、又、減殺請求の書面の書き方などを相談されるといいでしょう。

http://www.hyogoben.or.jp/">兵庫県弁護士会 http://www.hyogoben.or.jp//

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遺留分の割合【Q&A №177】

2012/07/23
 遺留分の内容
 先日 母が亡くなり、長男が保管していた自筆の遺言状が裁判所で検認されましたが、内容を知っているため欠席しました。内容は、母名義の不動産は全て長男に相続させる とあります。父は既に他界していて法定相続人は私達兄弟姉妹三人のみです。不動産の名義は母と私達の四人ですが、三人の遺留分の割合を教えてください。

記載内容

検認 裁判所 遺留分 

(武ちゃん)


【遺留分は相続分の2分の1です】
 本件のように被相続人(お母さん)の子らだけが相続人の場合、遺留分は、法定相続分の2分の1です。
 本件では、相続人が子供3人ですので、あなたの法定相続分は3分の1ですので、その2分の1(つまり6分の1)があなたの遺留分です。
 他の兄弟についても同様に遺留分は6分の1です。

【母名義の持ち分だけが遺産です】
 質問では、お母さん名義の不動産が問題となっているようですが、遺留分は全遺産についての6分の1です。
 あなたとしても、他の兄弟としても、全遺産の6分の1を遺留分としてもらえます。
 なお、不動産がお母さんとあなた方兄弟の共有名義のようですが、この場合にはお母さんの名義の持ち分のみが遺産になります。


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遺留分減殺調停における財産開示【Q&A №169】

2012/06/28
 遺留分請求調停について
 昨年の10月に父が他界しました。母はすでに一昨年に亡くなっているので、相続人は兄(同居していた)と私の二人で、兄にすべての財産を与えるという遺言が残されていました。遺言の検認後、兄は一向に財産を開示しないので、私は遺留分請求の調停を起こしました。兄は弁護士をつけており、その弁護士に問い合わせても一向に財産を開示してくれません。
最初の調停の時は、財産の開示は税務署への申告書を見るのが最も適しているがまだ作成中で完成してないと逃げられてしまいました。
財産の開示は申告書が最も適しているのでしょうか?
財産の開示をずっと遅らせている相手方の言うなりになるしかないのでしょうか?
こんな調子で、もし相手が欠席したりしたらどうなってしまうのでしょうか?
調停をスムーズに進めるためのアドバイスをお願いします。

記載内容

調停 相続税申告 遺産調査 

(paphio)


【相続税申告書も有効な手段の一つ】
 相続税申告は相続開始後10ヶ月以内に行う必要がありますので、お父様が亡くなられたのが昨年10月であれば、今年の8月頃には申告期限になり、その段階で申告書が手に入るとは思います。
 相続税申告書には不動産や預貯金などの遺産(無価値な動産や形見程度のものは除きますが)は基本的に全て記載されているはずです。
 そのため、遺産内容を把握する方法として相続税申告書が一つの有効な手段であることは間違いありません。

【遺言執行者には遺産目録作成交付義務があるが・・】
 遺言で全財産をお兄さんに相続させるという内容になっていたようですが、おそらく遺言執行者の定めもあり、お兄さんかその関係者が指定されている可能性が高いと思われます。
 法律的にいうと遺言執行者は遺産目録を作成し、相続人に交付する義務がありますが、守らない人も多いです。

【調停の手続内で開示を求めることが必要だが・・】
 相続税申告は遺留分減殺の調停とは全く別個の手続きです。相手方あるいは調停委員に対し、早期解決に必要だと強調して、調停内で情報開示するよう要求する必要があります。
 調停における財産開示は相続税申告後にしなければならない理由は全くありませんので、遺産となる預金通帳や保険の内容開示を要求しましょう。
 ただ、相手方が拒否すれば打つ手はなしというのが実情でしょう。

【いずれにせよ、別途調査が必要不可欠です】
 相続税申告書が開示されても、相手方自身の自己申告によるものですので、それを鵜呑みにすることはできない場合が多いものです。
 そのため、相手方に開示を求めることと並行して、あなた自身でもわかる限度で独自に遺産調査を進めることが必要です。
 遺産調査は、一般の方では難しいところがありますので、段取りや手続はお近くの弁護士などに相談されるのがよいでしょう。

 なお、遺産調査のポイントについては、
当ブログ NO.98 ないし NO.158 など(カテゴリ「遺産調査」に収録)をご参照ください。

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遺留分の計算方法【Q&A №166】

2012/06/20
 遺留分減殺請求について

 私は、異母兄弟の子で相続人は数人います。父(妻はすでに死亡)は今年亡くなり、兄は父が亡くなる7年前に死亡、兄には息子A・B・Cがおり、兄が生前中において、父が息子Aに23年前に家を4000万円で建ててあげ、建てた時点で名義を息子Aにしました。その家の土地は父死亡時まで父名義で無償で息子Aに使用させ、父死亡時遺言に息子Aにあげる旨記載あり、評価額4200万円です。父は息子Aの家での同居は全無しです。
息子Aは、もらい分が相続割分を超えています。

<質問>
 息子Aの家に対し遺留分請求できるか?
 また、遺留分請求割は10分の1だが4000万円に対して10分の1でよいのか、それとも?息子Aは、家の土地に対し無償使用になると思うが、請求額算定方法はどのようになるのか。(更地価格の1割~3割とよく書かれているが使用年数もあり算定方法が不明です。請求額はおおよそいくらになるか教えてください。)
 息子B(死亡)の嫁が父と養子縁組をしており、養子縁組後、生前に現金をもらっています。相続遺言書には名前は記載されていません。もらい分は相続割分を超えていませんがその者の現金に対して遺留分請求は出来ますか?
 ちなみに、「遺留分減殺請求書」は内容証明書にて提出済みです。
 お忙しい所済みません、よろしくお願いいたします。

記載内容

無償使用 養子縁組 建築資金

(べる)


【遺留分は遺産総額の10分の1です】
 ご質問にはご兄弟の人数が記載されていませんが、もし5人であれば遺留分割合は10分の1です。
 遺留分は《遺産総額×遺留分割合》によって計算されます。
 あなたが相続できる遺産がこの額より少ないと遺留分が侵害されたことになり、遺留分の減殺請求ができます。

【息子Aに対する建築資金は遺留減殺の対象になる】
 遺留分の計算の前提となる遺産は死亡時の財産だけではなく、相続開始1年前までの贈与も含まれます。
 又、裁判所の見解では、共同相続人であればそれ以前の贈与も遺産に含まれるものとして扱われます。
 息子Aさんは、代襲相続で共同相続人になりますので、23年も前の建築資金の贈与も原則として遺留分算定の遺産の中に入るものと思われます。
 (但し、Aさんのお父さんが生きていた場合には、Aさんは相続人ではないため、その生前贈与を受けた分は遺産に含まれないということになります。代襲相続をしたから生前贈与分が遺産に組み入れるというのはおかしいのでは・・という考えもあります)。

【土地の遺贈は減殺の対象になる】
 遺言によるAさんへの遺贈は遺留分計算の前提となる遺産に入ります。
 そのため、遺留分の侵害があるなら、まず、これが最初に減殺の対象になります。

【土地の無償使用分も減殺の対象にはなる】
 Aさんは土地を無償で使用する権利を得ています。
 Aさんが代襲により共同相続人になったのですから、この無償使用できる権利を設定してもらったことも生前贈与と同様に扱われることになります。
 そのため、この権利の価額が遺産に組み入れられることになります。
 なお、この無償使用の価額については確実な算定式というものはありません。
 土地の価額算定の専門家は不動産鑑定士ですが、仮に3人に鑑定を依頼しても、その価額が一致するということはないでしょう。
 権利の存続期間や使用状態等を総合的に判断して、最終的には裁判所の判断で決定されることになります。

【息子B(死亡)の嫁のもらった生前贈与に対する減殺請求】
 息子B(死亡)のお嫁さんはお父さんと養子縁組をしているので、共同相続人です。
 そのため1年以上前の贈与でも遺産計算に組み入れられます。
 ただ、減殺は遺贈から先に行われますし、そのお嫁さんの《もらい分は相続割分を超えていません》というのですから、減殺の対象になることはないでしょう。

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★減殺請求通知後に判明した価格変動への対応【Q&A №142】

2012/04/19
 


① 四年前に長男に父の遺産分割調停を申し立て和解が成立しました。 (和解条項に流動資産は未解決)
② 昨年から母の遺産分割調停(損害賠償及び不当利得返還)を申し立てましたが、判事の取り下げ要請により、調停を取り下げて、不当利得額等(損害賠償請求を含む)返還請求訴訟をしています。
 現訴訟においても、判事が損害賠償請求(①の計算で算出した母の配偶者からの二分の一分割額)は母が分割請求をしなかったので取り下げるよう指示があり、取り下げました。
③ 取り下げた損害賠償額(贈与分)を遺留分減殺請求額として、長男に内容証明を送付しました。
 その後、現訴訟中に長男が、父が生前中に支払ったとする所有不動産の価値増加と換金性を高めるための資本的支出領収書を提出しました。

③及び資本的支出額を加算した額(相続人の数で按分)を変更した額の遺留分減殺請求書を長男に送付出来ますか?
なお、遺留分については、調停の申立はしておりません。遺留分減殺請求額の変更は可能ですか?


記載内容

遺留分 請求 

(申(さる) )


【遺留分減殺請求には金額を記載する必要はない】
 遺留分減殺請求は金額を記載する必要はありません。
 例えば、弁護士が減殺請求書を送付する場合には《遺留分を侵害されていることが明らかであるので、本書面により遺留分減殺請求をする》と記載します。
 遺留分減殺請求とは、侵害された遺留分を貰いたいということを表明しなさいというだけの意味です。
 だから、遺留分の侵害を知ったが、遺産の内容がわからない場合でも、とりあえず減殺請求は可能です。

【金額を記載した遺留分減殺請求の訂正は可能】
 質問の場合は、遺留分減殺請求に金額を記載されたようですが、その後、新たに遺産が判明したというケースのようです。  
 元々、遺留分減殺請求は、金額を記載する必要はないのですから、前の減殺請求に金額を記載していても、その金額に拘束される必要はなく、金額を変更することは可能です。
 但し、長男の方から、「前と話が違うではないか」などと言われ、交渉はやりにくくなることはありますが、法律的に増額請求ができないというものではありません。

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11:08 遺留分  | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

遺言がある時の遺留分減殺請求【Q&A №135】

2012/04/03



 父が他界し、生前姪が知り合いの司法書士に作らせた公正証書遺言が残されました。
 それによると、姪が遺言執行人。
 不動産を姪に遺贈。
 郵便貯金を父の弟に遺贈。
 銀行預金を息子である私に相続。喪主は私にと書いてありました。
 ただし父には先妻の子供が3人おり、彼らにも遺留分があると思うのです。また、葬儀費用は父の銀行預金から出すと、遺言執行人である姪は言っています。
 父には骨董の趣味があり、生前私によくその話をしてくれていたので形見として欲しいのですが、姪は遺贈された不動産マンションの中にあるものだからと権利を主張しています。
 上記のような場合、まず先妻の子供たちの遺留分は不動産や郵便・銀行全てにかかるのかどのようにすればよいのか教えていただけると幸いです。
 また、銀行預金額が不明なため、金額によっては私も姪に遺留分を請求できるのかどうか、骨董品は分けてもらえないのかも教えてください。
 よろしくお願いいたします。


記載内容

  遺留分 遺留分減殺 遺言 

(瑠依)


【遺留分を請求できる人の範囲】
 遺留分は被相続人の兄弟姉妹には認められていません。
 今回の質問では、法定相続人は貴方(子)、先妻の子3人ですので遺留分が認められます。
 なお、遺留分を請求する場合には原則として被相続人の死亡から1年内に遺留分減殺の意思表示をする必要があります。

【先妻の子は遺留分減殺請求ができるかどうか・・】
 今回のケースでは、子供一人あたりの遺留分は、相続財産の8分の1(1/2×1/4)です。
 もし、先妻の子に全く相続財産が分配されない場合であれば、その人たちは各8分の1を貰えると主張することができます。
 しかし、遺言に記載されていない財産がある場合には、その財産は法定相続の割合で、法定相続人である貴方と先妻の子に相続されますので、これらの相続した財産が全遺産の8分の1以下であれば、遺留分を請求できます。
 
【貴方は遺留分減殺できるかどうか・・】
 貴方が相続で取得する遺産が、全遺産の8分の1以下であれば、貴方も遺留分を請求できます。

【減殺の対象は・・】
 複数の遺贈があるときは、遺留分減殺の対象はその全てについて、それぞれの遺贈の価格割合に応じて減殺しなければならないため、姪、父の弟に減殺請求する必要があります。
 
【骨董品の扱い】
 マンション内にある骨董品は、マンションとは全く別の財産―動産-ですので、姪の方が取得するということにはなりません。
 遺言に記載がないようですので、それらは法定相続分で各相続人が共同相続することになります。
 全相続人が話し合い、遺産分割協議で骨董品を誰に渡すのかを話し合われればよいでしょう。


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10:44 遺留分  | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

亡き祖母の遺産相続【Q&A №119】

2012/02/15


 おととし亡くなった父は長男でしたが、実家の家業(建設業)は長年祖父母と一緒に事業を手伝った次男である弟(叔父)が継いでいます。
 祖父が亡くなった後、兄姉に黙って86歳の祖母を公証人役場へ連れて行き不動産の全てを次男である叔父に譲ると遺言を書かせ、実家の工務店の土地建物を譲りうけすんでいます。実家が市に売却した時のお金(1億5千万)のことをきくと「全部借金を返したからもうない」との一点張り。
 長年、工務店に運転資金を貸したり、連帯保証人になってきた父は浮かばれないと、父の書いた文書が最近出てきて、長女の私と妹は、叔父から墓守のお金だけでも出すように何とかしたいのです。
 お墓は先祖代々の方と父が眠っており、叔父たちは同じ敷地に新しい墓(長男が不慮の事故で死んだ)を作りました。位牌も私の実家にあり、今後の面倒は結婚して姓は変りましたが、私と妹でみるつもりです。
 位牌とお墓をみていく費用をもらう、いい案があれば教えていただきたいのです。あと10日ほどで亡き父の三年祭があり、その時に叔父に問いただしたいのです。叔父の不正(祖母が亡くなったときに預金を「勝手に」ひきだしたことをかくしていたこと)を問いただし、父がどんなに無念だったかを、いいたいのです。


記載内容

  公正証書遺言 遺留分

(あっぷるぱい)


【叔父さんがお祖母さんを公証役場に連れて行って遺言を書かせたという問題】
 お祖母さんの遺言書の内容は叔父さんの意向が大きく影響しているのかもしれません。
 しかし、お祖母さんが最終的に遺言内容を了解したのなら遺言は無効ではありません。

【質問者の立場・・代襲相続人か、相続人か】
 お父さんがお祖母さんより先に亡くなった場合、お父さんの子供(質問されているあなたとその妹さん)がお父さんに替わって相続人になります(これを代襲相続といいます)。
 もし、おばあさんが先に亡くなられているのであれば、お父さんが相続人となり、その後、お父さんが亡くなれば、あなたと妹さんが相続人になります。

【遺言書の内容は不動産に関する記載だけなのか?】
 遺言は全不動産を叔父さんに譲る(相続させる)というのですから、遺産の中に現金や預貯金、株式等があれば、お父さんかあなたが法定相続分で相続できます。
 ただ、叔父さんの話では、既に財産がないと言っているようですが、過去の不動産の売却代金をどのように使ったのかを確認し、叔父さんが勝手に使ったのなら返還を求めることも可能です。
 又、お祖母さんの死亡時点では預貯金がなくとも、それ以前に叔父さんが勝手に引き出したのであれば、返還を求めることも可能です。
 是非、お祖母さんの預貯金口座の取引履歴を調査されることをお勧めします。

【遺留分の請求もできます】
 仮に預貯金など、不動産以外の財産が全くなかった場合でも、遺留分を請求することができます。
 遺言では財産が全くもらえないような場合でも、あなたのような法定相続人に遺産を分け与えようというのが遺留分という制度です。
 但し、この遺留分は、遺言書の内容を知ってから1年以内に請求する(これを遺留分の減殺(げんさい)請求と言います)必要があります。
 お祖母さんの子があなたのお父さんと伯母さんと叔父さんの3人兄妹の場合、あなたと妹さんの遺留分は合計で、叔父さんにいった全不動産の6分の1も請求できますので、位牌とお墓を見ていくための費用としては十分でしょう。

【一刻も早く弁護士に相談しましょう】
 お祖母さんの遺言書の内容を知ってからどの程度の期間が経過しているか明らかではありませんが、ともかく一刻も早く、弁護士に法律相談し、遺留分減殺請求や預貯金等の調査等の必要な手配をしてもらうことをお勧めします。
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10:19 遺留分  | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

遺留分減殺請求書の記載内容と消滅時効【Q&A №54】

2011/01/19

 遺留分減殺請求書のフォーマットですが、全文字パソコンで作成(自筆部分は無し)し、自分の名前の部分には三本版(印鑑証明で無い印鑑)で捺印し、内容証明郵便で送付致しました。
 内容は、祖母が長男に全て相続させる公正証書遺言を残していましたので、これに対し「私は、今般亡き○○が全ての財産を長男である貴殿に相続させる旨の遺言書を作成していたことを初めて知りました。
 しかし、○○の遺言書は、私の遺留分を侵害するものであり、私は遺留分権利者として貴殿に対して、本書をもって遺留分減殺の請求をします。」と書いたものを送りました。
 内容は、これで宜しいのでしょうか?
 又、長男はこの内容証明を受け取っているにも関わらず、話し合いを逃げています。進捗が無いので今後、調停、家庭裁判所にもっていくつもりです。
 遺留分減殺の時効は1年ですが、金銭債権の10年の時効とは、遺留分減殺請求の意志表示をしてから、10年以内に債権を確定しなければ時効になってしまうということでしょうか?


記載内容

  遺留分減殺請求 時効 
(浩ちゃん)


【遺留分減殺請求について】
 遺言書の場合、作成方法が法律で定められており、これに従っていない場合には、遺言書の効力はなくなります。
 しかし、遺留分減殺請求については、特に方式は定められていません。
 本件相談の場合、パソコンで作成して自書部分はなく、かつ三文判を押したということですが、遺留分減殺通知の方式としては十分であり、なんら問題はありません。
 又、遺留分減殺請求をすることもはっきりと記載されていますので、内容としても問題ありません。
 さらに内容証明郵便が長男に到達しているようなので、遺留分減殺通知がなされたことの証明としても十分でしょう。

【消滅時効について】
 遺留分減殺請求は、遺留分が侵害されていることを知ってから1年以内に行う必要があります。
 しかし、減殺請求がなされた後、そのまま10年以上も放置していると、金銭債権については時効で消滅していると主張される可能性があります。
 ただ、遺留分減殺の調停や裁判をしているときには、債権が確定せずに10年が過ぎても、調停や裁判をしたことにより消滅時効が「中断」しますので、時効が完成しません(但し、調停がまとまらないときには、1か月以内に訴えを提起しなければ、時効中断の効力が生じないことになっていますので、この点はくれぐれもご注意ください)。
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14:59 遺留分  | コメント(3) | トラックバック(0) | 編集

昔の生前贈与は遺留分に影響するか【Q&A №53】

2010/12/22
 
 亡き祖母の相続財産の件です。
 祖母と同居していた2男は生前、多額な特別受益を受けていました。民法1030条ですと、1年以上前のものは悪意であることを立証しなければならないと書かれていますが、1044条では、ずーっと遡って相続財産になると書かれていますが、どっちの方で考えればいいのでしょうか?


記載内容

  遺留分 相続人 特別受益 
(コーちゃん)


 今回の質問は民法の条文をよく読まれている方からの質問です。
少し専門的になりますが、お答えします。

【民法1030条では遺留分に算定される贈与は1年前まで】
 民法第8章は遺留分に関する条文を記載しています。
 その中の《民法1030条》は「贈与は、相続開始前の一年間にしたものに限り、前条の規定によりその価格を算入する。当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、一年前の日より前にしたものについても、同様とする。」と定めています。この条文は、遺留分を算定の前提となる遺産の範囲を定めたものであり、生前贈与については、原則として相続開始時点より1年前の分だけを加えることになっています。

【民法1044条、第903条1項では、1年以上の分の贈与も含む】
 ところが、同じ遺留分に関する第8章の末尾に置かれている民法1044条は、同法第903条1項を準用すると定めています。この準用される第903条1項は「共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価格にその贈与の価格を加えたものを相続財産とみなし、前三条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価格を控除した残額をもってその者の相続分とする。」というものです。

【こう考えれば矛盾しない】
 今回の質問は、遺留分の算定の基礎となる遺産に加えられる贈与は、相続開始から1年前の分までなのか、そうでないのかについて、民法の条文(1044条と1030条)が矛盾しているではないかという非常に鋭い指摘です。
 次のように理解すればいいでしょう。
 第903条は相続人の特別受益となる贈与について定めたものですが、この規定が民法第1044条により遺留分に準用されるため、第1030条は相続人以外の贈与について適用されることになります。
 結局、贈与を受けた者が相続人であり、その贈与が「特別受益」になるかどうかで結論が異なってきます。
 相続人の受けた贈与が「特別受益」になるものであれば、1年以上前の贈与も含まれる。
 しかし、相続人ではない人に対する贈与は、原則として相続開始前1年分しか含められないということになります。
 今回の質問では、「祖母と同居していた二男」の贈与が問題となっていますが、この二男が祖母の二男であるなら、相続人になります。この贈与が「特別受益」となるのであれば、1年以上前の贈与であっても遺留分算定の基礎となる遺産に参入されます。
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遺留分と全遺産を調べる方法【Q&A №52】

2010/12/22

父親が亡くなり、公正証書による遺言が発見されました。
(相続人は、長男を頭に4名の兄弟姉妹です)

 その遺言によりますと、長男を除く3人への相続分を明確にし、それ以外の全ての財産(現金・不動産)を長男1人にとの事でした。そう言った事情で、相続財産総額も不詳です。
 しかし、長男には、その他3人の遺留分を超えた額を相続させるとの内容であることだけは確信しております。
(長男は、即公正証書で父親名義の不動産を自分の名義に登記してしまいました。)

 そのような状況において、相続財産総額を調べ、遺留分を超えた分が長男に相続されている遺言内容であった場合、長男に対して遺留分の不足額を請求できるのでしょうか
相続財産総額が不詳なのですが、弁護士さんに依頼すれば判明するのでしょうかご教示願います。


記載内容

  遺留分減殺請求 遺産調査 弁護士を探す 
(ぴーちゃん)



【遺留分減殺請求は早めに】
 お父さんにどんな遺産があったのかを調べた結果、長男の取り分があなたの遺留分を侵害しているなら、遺留分減殺請求ができます。
 ただ、遺留分を侵害されたことを知ったときから1年以内に遺留分減殺請求通知をしないと、時効で減殺請求することができなくなります。
 そのため、侵害している可能性があると思われなら、遺産の調査途中でも、とりあえず遺留分減殺通知だけでもされるといいでしょう。
 なお、この通知が1年以内にされたのかどうかが問題となりますので、通知は内容証明(配達証明付き)郵便でしてください。

【遺産調査について】
 弁護士に依頼すれば総遺産額が判明するのか、という質問についての回答は、依頼する弁護士が相続事件に慣れているかどうかにより結果が異なります。
 相続事件に慣れている経験豊かな弁護士であれば、すぐにお父さんの名義の不動産や預貯金、保険などを調査する手配をします。
 ただ、日本全国の不動産や銀行の調査はできませんので、どこの地域の不動産や金融機関を調べるのか、その絞りこみが重要なポイントになりますので、お父さんがどの金融機関を利用していたのか、又、どこの地域に不動産を持っている可能性があるのかを、あなたから正確に弁護士に伝える必要があります。

 次にお父さんが利用していた金融機関の取引履歴(入出金の状況)が明らかになった場合、この入出金のうち、どの分が生前贈与あるいは相続人が取り込んだ分かの判断するについては、弁護士の豊かな経験が必要な場合が多いです。
 遺産調査のポイントは、どのようにお父さんの遺産を見つけ出すのか、又、金融機関等の生前の引き出した分の中からどれほど的確に生前引き出し分を見つけるかという2点ですので、この点のコツをつかんでいる弁護士に依頼することをお勧めします。

【経験豊かな弁護士をどのように見つけるのか】
 なお、経験豊かな弁護士をどのようにして見つけるのかという点も述べておきましょう。
まず、弁護士と法律相談をして、その回答を参考にして、相続事件に慣れているかどうかを判断する必要があります。
 一人の弁護士に相談しただけではわからない場合には、複数の弁護士に相談し、その中で最も的確な回答をされた弁護士を選択されることをお勧めします。
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遺留分減殺請求はいつまでできるのか【Q&A №51】

2010/12/21

 半年前に、慰留分減殺請求書が届きました。
 その後、相手側からの連絡は何もありません。
慰留分減殺請求書が届き、一年が過ぎると時効になると聞いた事がありますが…本当のところはどうなのでしょうか?


記載内容

  遺留分減殺請求 時効 
(masao)


【「1年間行使しないとき」の意味】
 遺留分減殺請求権は、遺留分を請求できる者が、相続の開始(被相続人の死亡)や減殺すべき贈与等があったことを知った時から1年間行使しないときは、時効によって消滅します。
 これは、遺留分権利者が被相続人の死亡等を知ったのに、1年以上何もしていなければ、時効により遺留分権利者の請求を拒否することができるとしたものです。
 しかし、この「1年間行使しないとき」というのは、遺留分減殺の意思を通知しなければならない期間のことであって、1年以内に調停や訴訟をしたり、遺産を分けなければならないというわけではありません。

【減殺請求後の時効について】
 では、遺留分減殺請求後の請求については時効がないのかという疑問が出てきます。
 裁判例では、被相続人の死亡後、10年以上経過してから不動産の登記手続の訴訟を提起した事案がありますが、このケースでは、遺留分減殺請求された後の登記請求権は時効にかからないと判断されています。
 ただ、この裁判例では所有権が問題となっていましたので、他の権利(例えば、現金をもらう権利)の場合には、民法で定めた10年間の消滅時効が適用される可能性も考えられます。

【ご相談の件では】
いずれにせよ、ご相談の件についていえば、被相続人の死亡等から1年以内に遺留分減殺請求書を受け取っているのですから、その後、その請求者からなんらの動きもなかったとしても、10年間は時効にはならないということになります。
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★遺言と兄弟姉妹の遺留分【Q&A №40】

2010/09/09


私の亡き父の姉が亡くなり、土地の相続をすることになりました。
 叔母は生前私のみに相続させるむねの公正証書を作成しておりました。叔母は結婚しておらず、もちろん子供もおりません。叔母の姉妹(私の父の兄弟姉妹)がいるだけです。
 このような場合、遺産はどのように分けられるのか、また兄弟姉妹には慰留分はないと聞きますがこの場合はどうなのか教えていただけないでしょうか。


記載内容

  公正証書遺言 遺留分 遺留分権者 
(ひろ)


《遺産はどのように分けられるのか?》
 公正証書遺言にあなたのみに相続させると記載していますので、遺産はすべてあなたが単独で相続することになります。
 遺産の中に土地があるようですが、この土地をあなたの名義にするには、司法書士さんに登記手続きを依頼されるといいでしょう。
 なお、自筆の遺言書であれば、家庭裁判所で検認という手続きをする必要がありますが、公正証書遺言の場合にはそのような手続きなしで、登記をあなた名義に移転することができます。

 預金についても、あなたが相続して取得することになりますが、銀行の手続きが必要です。
 公正証書遺言があれば、全部、あなたが払い戻しできるはずですが、銀行としては、公正証書遺言があっても、すぐに払い戻しに応じない場合が多いです。
 銀行から他の相続人になんらかの連絡をしてから、払い戻しに応じるような場合が多いです(他の相続人からクレームが出れば、訴訟をしてくれと言われる可能性があります)。
 いずれにせよ、事前に銀行に連絡し、公正証書遺言があるので手続きをしたいがどのような手続きになるのかを確 認し、払い戻しができないようなら弁護士に相談されるといいでしょう。

《遺留分について》
 兄弟姉妹には遺留分はなく、本件の場合も叔母さんの兄弟姉妹から遺留分減殺請求はできません。
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分割した遺産を渡してもらえなかった場合【Q&A №38】

2010/09/06


経緯: 執行人=相続人の1人
21年6月被相続人死亡。公正証書遺言あり
21年11月申告書第1表のみ開示(遺留分侵害ありと知る)
22年4月相続税申告(未分割分含む)納税。納税後に精算すると口約束。
22年5月執行人へ既分割と未分割の金融遺産の引き渡し請求
22年6月未分割分を等分、他の相続人が相続した貸し金は回収不能(執行人のみ申告前に知る立場にあり)としてゼロ円評価、執行人負担で申告済みの件も他の相続人に負担を求める計算書の提示を受ける。
当方から修正計算書を提示し、精算を請求。
22年8月:執行人弁護士から①遺留分請求権を放棄するなら修正計算値支払う。②不同意なら未分割分は調停に持ち込み、遺留分問題の調停もあるからその後でないと精算支払は不可、執行人が申告時負担済み分を改めて他の相続人にも負担させるがそれでもよいのかと返答
質問:
1相続財産の引渡しに遺留分請求権放棄の条件付けは問題なしでしょうか?
2減殺請求の期限は?
3減殺請求を受けた側から、回避反論等の調停申し出をすることはあるのか?
4未分割分も遺留分の調停後に精算という主張は不当ではないか?
5既分割の確定分さえ支払い拒否された場合取る手段は?


記載内容

  遺留分減殺請求 遺産分割 調停 
(長谷川町子)


《減殺請求の期限は知ってから1年です》
 遺留分請求は、「遺留分の侵害を知ったとき」から1年以内に請求する必要があります。なお、侵害が知らなかった場合でも、相続開始(=被相続人死亡日)から10年が経過すれば、減殺請求はできないことになります。

《遺言執行者が相続財産の引渡しの条件に、遺留分請求権放棄をいうのは不適切?》
 遺言執行者は、遺言を実行するのですが、どこまでの権限を持っているのかは法律ではっきりとは定められていません。
 遺留分減殺請求があれば、執行者は侵害した分に相当する財産を請求者に渡すべきだという考えもありえますが、遺留分を侵害しているのかどうかは簡単には判断できません(例えば、遺産の中にある不動産の評価により、遺留分侵害があったり、なかったりします)。
 そのため、(私が執行者なら)、遺留分減殺請求があれば、調停や訴訟で判断してもらうことにしていますが、執行者の中には、できるだけ円満な解決を図ろうと、相続人間の利害調節に尽力される方もいます。
 ただ、執行者としては「相続財産の引渡しの条件に、遺留分請求権放棄」を強制できる権限はありません。
執行者の方が円満な解決に尽力しようと努力するのはいいでしょうが、中立の立場から離れたり、強制や押し付けをするというのであれば、不適切ということになるでしょう。

《減殺請求を受けた側から、回避反論等の調停申し出をすることはあるのか?》
 減殺請求を受けた人は、通常、請求を無視し続けますので、請求者の方から調停を出すことが多いです。
 しかし、請求を受けた人が調停を出すことは自由であり、法的にはなんら問題ありませんし、ときどきそのような調停をしているのをみかけます。

《未分割分も遺留分の調停後に精算という主張は不当ではないか?》
 (未分割という意味がわかりにくのですが)分割が終了していないのであれば、将来、遺留分調停等で分割ができた段階で精算というのも不当ではありません。

《既分割の確定分さえ支払い拒否された場合取る手段は?》
 (既分割の確定という意味がわかりにくのですが)遺言書に記載されていない遺産について遺産分割協議ができたのに、その内容を実行しないというのであれば、調停あるいは訴訟を提起するしかないでしょう。
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遺留分減殺請求はいつまでできるのか【Q&A №30】

2010/05/27

 相続税申告後、長男が遺産を隠していたことが調査で分かり修正申告がなされました。
 この結果、遺産隠しに関与していない他の相続人の慰留分が侵害されていることが分かりました。
 修正申告の時点で相続発生時からすでに20ヶ月経過していますが、この場合でも慰留分減殺請求が可能なのでしょうか?


記載内容

  遺留分減殺請求 請求期間 遺産隠し 
(Noboru)


 遺留分減殺請求はいつまでもできるのではなく、1年間行使しないときは消滅すると定められています(末尾にこの法律を記載していますので、参考にしてください)。
 そのため、相続開始時から20ケ月も経過している今回の質問のような場合、果たして遺留分減殺請求ができるのかという疑問があります。
 しかし、条文をみればわかるように、その1年の起算時点は、「相続開始」(要するに被相続人が亡くなったこと)を知っただけではなく、さらに「減殺すべき贈与は又は遺贈があったことを知った」ことも必要です。
 質問者の場合は、相続開始は知っておられましたが、「減殺すべき贈与は又は遺贈があったこと」を始めて知ったのは、修正申告の内容を知ったときになります。
 そのため、遺留分減殺請求できるのは、この修正申告の内容を知ったときから起算して1年間ということになります。
 ご質問からは、修正申告の内容を知ったときからどれくらいの期間が経過しているのかは明らかではありませんが、まだ1年以内であれば、遺留分減殺請求は可能ということになります。

☆ワンポイントアドバイス☆
 慰留分減殺請求は、相手方にいつ届いたのかが証明できる内容証明郵便ですることをお勧めします。

※参照条文:民法第1042条(減殺請求権の期間の制限)※
減殺の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。
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★兄が受けた生前贈与と兄の子らの相続権【Q&A №24】

2010/03/03

 父(08死去)が子供に不動産を指定して公正遺言証書に残していました。長兄は父より早く亡くなり(04)生前贈与があり、孫にまでやりたくないと、遺言書を書き換えました。07年に三女が亡くなりこの時点で父の痴呆が少し進み、遺言書はそのままです。
 問題は長兄の子4人が生前贈与は父親が貰ったもので自分達は知らないと言います。(長兄が確かに貰ったと書いたものが残っています)公証人は三女の持ち分を相続人全員で割合に応じてといわれました。
 この場合生前贈与が相続額を上回っていれば長兄の子4人には0円でもかまわないのですか。何人かの弁護士、税理士の方に伺いましたが解釈が皆違います。宜しくお願いします。


記載内容

  遺留分 代襲相続 特別受益
(やさしい大家さん)


【長兄の子が遺産をもらえるのは遺留分減殺請求以外にはない】
 本件では、遺言書がありますので、父親の遺産の分配はこの遺言書に従って行われます。
 父親は、長兄の子に遺産をやりたくないと考え、遺言書を書き換えたのですから、長兄の子が遺産をもらえる方法としては、遺留分減殺請求しかありません。
 なお、長兄の子の遺留分は、4人合計で相続財産×法定相続分×2分の1です。

【特別受益は相続財産に含まれる】
遺留分計算の前提となる相続財産には、父親が亡くなったときにあった財産だけでなく、生前贈与などの特別受益も含まれます。

【長兄の生前贈与は、その代襲相続人である子がもらったと同視される】
父親が亡くなる前に、その子である長兄が亡くなった場合には、その子(孫)が長兄の地位を引き継いで父親(祖父)の遺産を相続できます(これを代襲相続といいます)。
ただ、長兄の地位を引き継ぐことから、長兄が父親から生前贈与を受けておれば、その子の遺留分計算で、子が特別受益をもらったという扱いになります(長兄の子が生前贈与を知っているかどうかは全く関係ありません)。

【遺留分が認められるためには】
 遺留分による相続が認められるのは、遺留分の額以下の相続財産しか取得していない場合です。
具体的に言えば、遺留分が認められるのは、長兄の受けた生前贈与が、相続財産(特別受益と父親死亡時の遺産の合算額)×法定相続分×2分の1で算出される額より少ない場合だけです。
生前贈与の方が多い場合には長兄の子には慰留分は認められず、従って、父親の遺産からもらえる分はないということになります。

【三女の遺産の行方について】
三女は父親より早く死亡していますので、父親の遺言書で三女に相続させると記載がある分については効力がありません。
そのため、遺言書で三女に行くことになっていた財産については、通常の相続と同様に、法定相続分で相続人が相続することになります。

【専門家の意見が違った理由】
 質問では、他の弁護士や税理士に聞いたが意見が異なったと記載されています。
遺留分の計算は、財産の評価が必要です。
そのため、生前贈与や遺産の中に不動産があれば、その価額をどの程度に評価するかによって、遺留分額が異なり、その結果、遺留分の有無という結論が異なってきます。
そのへんが専門家の意見の異なった理由かもしれません。
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