遺産調査 : 記事一覧
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認知症の伯母の多額の預金が引出されたことが相続時に判明した【Q&A №582】

2017/09/20


【質問の要旨】

窓口出金時の付添人を調べる方法はあるのか?

記載内容  認知症 引き出し 騙された

【ご質問内容】

 遠方の伯母が認知症になり、嫁ぎ先の地で数年の療養を経て、半年前に亡くなりました。
 相続にあたり銀行に確認したところ、療養中、自分で歩けないにも関わらず誰かが付き添って窓口へ行き預金を引き出していた(8年前)ことがわかりました。

 私は時々伯母の様子をみに行っていたのでわかるのですが伯母は多額の現金を使うことなく死亡しており、誰かに騙されて預金を引き出したこと、引き出した現金をその誰かに取られてしまったことを疑っております。
 相続人として問い合わせましたが銀行からは預金引出しの状況を教えてもらえず、事件性を考え警察に相談に行きましたが、
回答がありません。誰が現金引出しに付き添ったか知りたいのですが、銀行から書類等見せてもらう方法はないでしょうか?

 伯母の亡き夫の親族が伯母の近くに住んでいて入院や施設入所時保証人になっていたのでもしかして伯母は騙されたのではと思うと悔しくてなりません。以上宜しくお願い致します。

(太郎)



【あなたが伯母さんの相続人であれば、調査できます】
 あなたが伯母さんの相続人である場合には、他の相続人の同意などはなくても、あなた一人で、被相続人である伯母さんの預金の取引内容を調査することができます。
 かなり昔には、ほとんどの金融機関が相続人全員の同意がない限り、履歴の開示請求には応じませんでした。
 しかし、平成21年に最高裁判所で、相続人全員の同意がなくても、被相続人の預金の取引内容を開示しなければならないとの判断をしました。
 この裁判例以降、現在は、ほぼ全ての金融機関が単独請求の場合でも、履歴の開示をしています。
 
【取引内容調査の方法】
 まず、取引履歴(その金融機関での入出金、振替等の取引内容がすべて記載された履歴)の開示には、あなたが相続人であることを裏付ける資料(被相続人の除籍謄本、あなた自身の戸籍謄本)とあなたの本人確認資料(運転免許証など)が必要となります。
 ただ、金融機関によっては、そのほかに実印や印鑑証明書等がいる場合もありますので、取り寄せる前に必要書類を問合せておくとよいでしょう。
(なお、被相続人の預貯金履歴手続については(Q&A №98Q&A №205ほか参考カテゴリ:「遺産調査」に詳しく記載しているのでご参照ください)
 
【取引履歴を取得出来たら、使途不明金を絞りこむ】
 伯母さんの金融機関の取引履歴の取り寄せができたら、次に怪しい出金がないかどうかを検討します。
 履歴の摘要欄や支払時期などを見ても使途がわからず、他の金融機関に移された形跡もないような出金があれば、それは不正出金の可能性があります
 ただ、生活費の出金もあるかもしれませんから、ある程度、多額の出金に絞るといいでしょう。
 
【次に出金手続きの確認をする】
 取引履歴には、出金方法も記載されている場合が多いと思いますので、それを確認します。
 出金が窓口でなされていれば、払戻伝票を取り寄せて筆跡を確認するといいでしょう。
 また、ATM出金であればどこのATMが使われたか、伯母さんは当時ATMを使用できるような状態だったか等を検討していくことになります。
 これらの作業をしていく中で、使徒不明金を把握していきます。

【付き添いで来ている本件のような場合は・・】
 ただ、今回のケースでは、被相続人が金融機関に行ったが、その際、付添人がいたということです。
 そうすると、払戻手続きをしたのは、被相続人の伯母さん自身であり、払戻伝票の筆跡は伯母さんの可能性が高いということを考慮しておく必要があるでしょう。
 伝票だけでは付添の人が誰であったのか、又、その人が引き出したお金を使ったのかどうかは判明しないことが多いです
金融機関としては本人が来て、手続きをしている以上、そのお金が誰に渡ったのかなどは、手続き外のことであり、《関知しないこと》という態度をとります。
 これらの点を考えると、単なる履歴照会では問題は解決しないと思われます。

【弁護士の知恵を借りるのがいいでしょう】
 付添の人が誰であったのか、払戻された金銭は誰に渡ったのか、そのような点まで調査するのはかなりむずかしい作業です。
 できれば、早い段階で、相続に詳しい弁護士に相談されるといいと思います。
 弁護士は、法律に基づき金融機関等に対して調査することができます。
 本件ケースでは、詳細な事情を説明して、弁護士の知恵と能力を使うことを考えられるといいでしょう。

(弁護士 岡井理紗)
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
13:57 遺産調査 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

生前財産調査【Q&A №581】

2017/09/19


【質問の要旨】

存命中の祖父の財産調査はできるのか?

記載内容  存命中 財産調査

【ご質問内容】

 祖父が高齢で事情があり今何をしてるかわからずです。
 土地や通帳など大まかな事しかわからず細かく知りたいのですが調べて頂く事は可能でしょうか?
 費用は大体どれくらいになりますか? 
 ご相談に伺いたいと思っておりますのでご連絡宜しくお願いします。

(馬渕)



【生前の調査はできないのが原則】
 お祖父さんとあなたの関係がわかりませんが、仮にあなたの父方のお祖父さんとすれば、お父さんが将来の法定相続人になります。
 お父さんが死亡され、あなたがお父さんに変わって代襲相続人になり、お祖父さんの財産を確認したいのかもしれません。


 ただ、金融機関等の立場から見れば家族や将来の相続人といえども他人であり、個人情報管理に厳しい現代において、金融機関等が個人情報を他人に開示することは、まずありません。
 そのため、被相続人本人がご存命のうちに家族が財産調査をすることは、原則としてできません(この点は同種の質問が当ブログ№370№485にもありますので、ご参照下さい)。

 ただ、例外的に家族が財産調査できる場合としては、
①本人から委任状をもらった場合
②本人の成年後見人になった場合

の2つの場面が考えられます。

【委任状をもらった場合・・・判断能力が「ある」場合】
 もちろん、体調が悪いなど銀行に出向くことが難しい方のため、各金融機関では本人の委任状を提出した場合に家族や専門家(弁護士など)が代理人として情報の開示請求や預金の出し入れを行うことを認めるケースがあります。
(この点については、どのような手続きが必要か、予め金融機関に確認されるといいでしょう)
 多くの場合は、預金口座のある銀行に対し、届出印を押印した委任状と本人確認証などを提出して代理人として認めてもらい、取引履歴や通帳の再発行などを行い、情報開示を受けることになるでしょう。

 もっとも、高齢者の方の場合は、ご本人に判断能力が「ある」ことが前提となります。本人が認知症などで物事を理解できない状態にあるにもかかわらず委任状を書かせても、委任が無効になる場合があります。このような場合は、次に述べる成年被後見人制度を利用することになります。

【成年後見人になった場合・・・判断能力が「ない」場合】
 他方で、本人に判断能力が「ない」場合には家庭裁判所に申立を行い、成年後見人を選任してもらうことで、本人の代わりにあらゆる財産管理・調査を行うことができる権限を持つことができます。
 成年後見人とは、家庭裁判所が選任した代理人であり、本人に代わって物事を判断するほか、本人に代わって預金の出し入れや不動産の管理処分も行う財産管理権限があるため、存命中のご本人の財産調査をすることが可能となります。
 ただ、親族間に(将来の相続などで)争いがある場合や不正出金の問題がある場合等は、成年後見人に第三者の専門家(弁護士や司法書士)が選任されることがあります。

 その場合は事情を説明して財産調査をお願いするしかありませんが、たとえ家族の希望でも調査を行うかどうかはあくまで選任された成年後見人が判断することですし、又、その調査結果については、後見人があなたに教えてくれることはないと考えておくといいでしょう。

【結局のところは・・・】
 以上のとおりであり、もし、お祖父さんに判断能力があるのなら、その委任状を得て、金融機関に調査するしかありません。
 又、お祖父さんに判断能力がないということなら、あなた自身が成年後見人になって、お祖父さんの財産を調査するしかないという結論になります。

(弁護士 北野英彦)
大澤龍司法律事務所
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10:52 遺産調査 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★名義貸し預金の調査はできるか【Q&A №548】

2016/12/13



【質問の要旨】

名義貸しの預金は誰のものか

記載内容 名義貸し 借名預金 履歴

【ご質問内容】

母が子や孫の名前で定額貯金をし、満期が来たのでそれぞれの名義の者が勝手に払い戻してしまいました。

母は名義を借りていただけだとメモで残していたので、母の死後、相続人同士で話し合って等分に分けることになったのですが金額もバラバラのようだし、ウヤムヤにしたいようです。

母の預金の履歴を調べる方法はあるのでしょうか

やっぱりもう無理なのでしょうか。

名義貸しとか税金の払い方とかのこともよくわからず要領をえない質問ですみません。

よろしくお願いします。
 
(あきらめかけてる相続人1)







【名義人にしか開示しないのが原則】

本件のように、別人の名義で預金をする(例えば親が子供の名義で預金する)ことが、昔は多く行われており、「名義貸し預金」「借名預金」などと呼ばれていました。

このような名義貸し預金は、預金をした(=お金を出した)人物と口座の名義人が一致しないため、取引履歴の開示請求を受ける金融機関も慎重な対応をします。

実際には名義人である子どもさん自身が履歴照会を求めれば、金融機関は誰がお金を預けたかはわかりませんので、名義人の照会には問題なく応じます。

反面、お母さんが自らのお金を預けたとしても、名義が他人であれば、お母さん(その相続人であるあなた)が請求しても、他人名義であるというそれだけの理由で金融機関は取引履歴を開示しない可能性が高いです。

なお、本件のような名義貸し預金(借名預金)の払戻手続や一般論については当ブログQ&A №300に記載しておりますので、合わせてご参照ください。


【名義人の承諾をとるしかない】

もし、名義人(子どもさんら)の了解がとれるのであれば、金融機関としても名義人の了解があるのですから、履歴を開示することに同意するでしょう。

開示に際して、具体的にどのような同意手続きが必要かは金融機関により異なります。

そのため、同意が取れそうな場合には、予め、金融機関に必要書類等を確認されるといいでしょう。


【お母さんのいた場所で通帳を探す】

被相続人が他人名義で預金を作っていた場合、相手方からはその名義人に贈与をしたのだという主張が出されることが多いです。

そのようなケースでは、私は通帳や印鑑を名義人に渡していたのなら、贈与の可能性が高いが、これらが被相続人の手元にあれば名義を借りただけだと判断することにしています。

もし、お母さんが単に子供さんの名義を借りただけというのであれば、預金通帳やその取引印はお母さんの手元にあるはずですので、それを探して、履歴を確認されるといいでしょう。

もし、通帳も印鑑も子どもに渡していたというのであれば、それはお母さんから子供への生前贈与だったとされる可能性があり、その場合には特別受益の問題が発生します。

なお、お母さんの手元に通帳が見つかった、あるいは少なくともお母さんが死亡するまでは通帳がお母さんの手元にあったというのであれば、生前贈与ではなく、遺産の一部になり、相続の対象になります。

遺産分割協議をしても、話し合いが進まないような場合には、早めに法律相談され、遺産であるとして証拠を残す方法や、解約された預貯金についての保全措置の要否、今後の取るべき方策等も弁護士にお聞きになるといいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)

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16:02 遺産調査 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★不正出金とその調査【Q&A №537】

2016/10/24



【質問の要旨】

交通事故で長年寝たきりだった祖父の遺産は調査できるのか?

記載内容 不正出金 医療費 成年後見人

【ご質問内容】
初めまして。

突然ですが祖父の遺産についてご相談があります。

私の父方の祖父が最近亡くなりました。
父には妹が二人居て三人兄弟です。

祖父が12年ほど前に交通事故で植物人間状態になり、ずっと寝たきりで最近亡くなり
ました。
祖父が寝たきりの状態の管理は全て次女に任せていたみたいです。
そして遺産整理をしてたところ、年金を二ヶ月で45万円をずっともらっていたはずな
のに祖父の口座には預金が全くなかったらしいです。
次女に聞いたところ医療費で消えたと言っていましたが寝たきりの状態なのにそこま
で費用がかかったとは自分は思えないのです。
しかも交通事故で寝たきり状態になったので加害者からの保険金が4000万円ほど入っ
てきてたそうです。

そこで質問なんですが

①本当に医療費で消えたのかを調べられる手立てがあるのか

②調べるとしたら父はどうしたらいいのか

を簡単に教えて頂きたいです。

よろしくお願いします。


(ゼン)







【成年後見人に確かめるのが一番、早い】

お祖父さんが交通事故で植物人間状態になった、損害賠償で4000万円をもらったということですが、もし、その点が間違いないのであれば、お祖父さんには成年後見人がついているはずです。
賠償額が極めて多額ですので、4000万円は保険会社が支払ったものと思われます。
保険会社としては、当然、交通事故の被害者であるお祖父さんの状態―植物状態で意識がなく、判断能力(意思能力)がないことを知っていますので、お祖父さんに成年後見人がついていない限り決して示談はしませんし、また、賠償金も支払うこともありません。
成年後見人の選任される場合には、家庭裁判所は必ず法定相続人であるあなたのお父さんの意向を確認しますので、お父さんに聞いて見られるとご存知だと思います。
成年後見人がついているのであれば、その成年後見人が(少なくとも成年後見人に就任以降の)お祖父さんの財産管理をしていますので、その内容の開示を求めるといいでしょう。
なお、お祖父さんが死亡し、相続が開始したのであれば、成年後見人から法定相続人に対して、通常の場合、財産引継ぎ等に関する連絡が間違いなくあるはずだということも覚えておいていいでしょう。


【成年後見人がつく前の取り込みの可能性があった場合の対処】

成年後見人が就任する前に、お父さんの妹が預貯金を使いこんだ可能性があるのであれば、お祖父さんの金融機関の取引履歴を調べるといいでしょう(調べ方については本ブログの相続問題Q&A№98に詳細に記載しておりますのでご参照ください)。
金融機関がわからない場合には、まず郵便局、そして郊外であれば農協等はかならず調査の対象にする必要があります。
なお、金融機関の調査ではどこの支店かというところまで調べる必要があります(但し、金融機関によっては全国の支店での口座の有無を照会してくれるところがあるが、それはごく一部のみです)。
支店がわからないのであれば、年金を受け取っていたのであれば、その年金の受け入れ口座を社会保険庁に確認することから、被相続人の口座が判明する場合があります。
また、同様に電気やガス等の引落口座を調査することにより、口座が判明することがあります。



【医療費の確認方法】

《本当に医療費で消えたのか》を調べるのなら、お祖父さんの入通院していた医療機関に医療費がどれだけ支払いされていたのかを確認されるといいでしょう。
お父さんは被相続人であるお祖父さんの法定相続人ですので、病院は回答をしてくれます。
ただ、その際、法定相続人であることの証明を要求されますので、予め戸籍や除籍謄本を用意されておくといいでしょう。
なお、死亡時の病院はわかっているが、それ以前の病院がわからないというのであれば、死亡時の病院のカルテも取り寄せが可能ですので、そのカルテの中の病歴等の欄を確認すると、それまでに治療を受けた病院等が記載されていることが多いです。


(弁護士 大澤龍司)

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14:13 遺産調査 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★古い取引履歴を請求したい【Q&A №531】

2016/09/27

【質問の要旨】

古い取引履歴の開示請求をしたが、拒否された

記載内容 取引履歴 不正出金 拒否

【ご質問内容】

金融機関に相続人(本人)は、取引履歴の開示請求を、平成21年2月16日に求めたが、時効と言われ拒否された

長男夫婦共犯者の窃盗です兄弟姉の3人は、相続してません。

なお、長女は、精神障害者で生活保護にされ…母親契約で受取人は長女、また年金も38年掛けていた 

経歴(被相続人名義の経歴の開示を見れば、一目瞭然です。

被相続人死亡は昭和57年4月17日 相続手続きせず、昭和60年3月23日まで動きあり

残高、76円です と三井住友銀行が言った…平成21年1月22日の最高裁判決に矛盾を感じています。

(囲碁ばか)






【平成21年の最高裁判例の理解について】

今回の質問に記載されている平成21年1月22日の最高裁判決は、共同相続人の一人でも単独で取引履歴の開示を請求できることを認めたものであり、相続に関する極めて重要な判例です(詳細はコラム【相続判例散策】履歴照会に全員の同意不要参照)。

ただ、この判例は、何十年前の履歴であってもすべて開示せよと命じた判例ではなく、被相続人が無くなった直後(2ヶ月後)に開示を請求したものであり、請求した期間も死亡直前の6ヶ月程度にとどまるものです。

参考までに言えば、過去どこまで遡って照会に応じなければならないかという照会期間についての最高裁判例は当事務所の利用している判例検索で調べても見つけることができませんでした。


【一般には、履歴照会の回答は5年から10年以内の範囲である】

金融機関が履歴の照会に応じるのは、原則として申請日から5年ほどさかのぼった分であることが多く、特段の事情があるということであれば10年ほどはさかのぼるという扱いをする場合が多いです。

今回のあなたの請求では、昭和60年ころの取引履歴を平成21年になってから請求されたということであれば、すでに約25年が経過しており、金融機関としては関係資料及び取引履歴は廃棄済という対応をしています。

弁護士が、弁護士会を通じて金融機関に取引履歴の照会を出すことがありますが、その場合でも10年以上前の履歴が出ることは極めて少ないです(但し、この点は金融機関の扱いが一律ではなく、これまでの経験から言えば、三井住友銀行などは10年を超えて遡った分を提出してきたことがありました)。

あなたとしては、履歴がなければ長男の窃盗(不正出金)を暴くこともできず、納得しがたいところかもしれませんが、以上が取引履歴照会に関する実情です。


【なぜ銀行は古い取引履歴を出さないのか・・私の推測】

金融機関としては、最近はコンピューターで取引履歴を管理していますが、それとともに出金伝票などの文書を保管していますが、その情報あるいは文書の量は膨大なものになります。

そのため、一定の期間が経過した分については順次、削除あるいは廃棄している可能性があります。

金融機関がどの段階で削除しているのかは必ずしも明らかではありませんが、商法上の請求権は5年間、又、民法では10年間が消滅時効期間ですので、この長い方の10年間をめどに抹消及び廃棄している可能性があります

ただ、以下は私の推測ですが、不法行為の損害賠償請求権は最長、行為時点から20年間は消滅せず、金融機関としてはその間は請求されるリスクがあります。

そのため、金融機関は20年間は資料を保存している可能性があります(ただ、出金伝票などは電子ファイル化して保存している可能性が高いと思われます)。

ただ、10年を超える古いデータまで開示するという扱いをした場合、これに応じる金融機関の手間がかかりすぎるために、開示はあくまで10年を限度としているのではないかと思われます。

繰り返しますが、これはあくまで私の推測ですが、参考になれば幸いです。

(弁護士 大澤龍司)

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16:56 遺産調査 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

証券会社に対する調査方法【Q&A №528】

2016/09/07



【質問の要旨】

国債や株の取引記録を取りたい

記載内容 証券会社 取引記録 取り寄せ


【ご質問内容】 

銀行預金の取引記録は取れました。

国債と株をやっていたと聞いていましたが、口座番号がわかりません。

証券会社も定かではありません。

どのように取引記録を請求すればいいですか?
(ねこ)







【支店まで調べる必要がある】

証券会社に調査をかける場合は、少なくとも取引支店名まで判明している必要があります。

支店さえわかれば、当該支店はその支店での被相続人の取引内容をすべて教えてくれますので、顧客番号や取引の種類などはわからなくても結構です。

そのため、まず、支店名までなんとかたどりつくように努力する必要があります。


【まず、被相続人の自宅の郵便物を調べる】

被相続人が国債と株をしており、証券会社と取引をしていた可能性があるというのであれば、その証券会社から被相続人に対して取引明細書等の取引内容の通知が送られていることが多いです。

そのため、被相続人の住んでいた家に送付されてきた郵便物を確認しましょう。

取引通知書やダイレクトメールなどがあれば、その送付をしてきた証券会社の支店に照会を掛けられるといいでしょう。

なお、郵便物だけではなく、自宅にある書類も念を入れて探しておくと、意外なところから証券会社の判明のヒントが出てくる時もありますので、根気よく調査されるといいでしょう。


【預貯金の取引履歴から調べる】

預貯金の取引記録を入手されているのであれば、念のために、入金の備考や適用欄に《配当》の記載があるかないかを確認しましょう。

配当の記載があれば、株を保有しておられたのであり、証券会社と取引していた可能性が高いです。

次に入金欄を見て、ある程度多額の入金を探してみましょう。

送金で入金されている場合、金融機関にその送金を誰がしたかを照会すれば、証券会社が判明する場合があります。


【自宅や職場の近くの証券会社を探す】

郵便物や預貯金の取引記録でも証券会社が判明しないような場合には、最後の手段として被相続人の自宅及び職場周辺の証券会社を調べるしかないでしょう。

ただ、金融機関と異なり、証券会社数は限られていますので、もし、株を保有し、あるいは国債を持っていたことが間違いないというのであれば、手間はかかりますが、被相続人が行っていた可能性のある地域の証券会社の各支店を軒並み調査する必要があるでしょう。

(弁護士 大澤龍司)

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★亡母の賃貸物件の地代の入金口座を探したい【Q&A №515】

2016/07/01



【質問の要旨】

地代の受取口座を調べることはできるか

記載内容  使い込み 不正出金 相続人の口座

【ご質問内容】

母の口座を探しても地代の受取口座が見当たらない

どうやら預金管理の姉がほかにプールしている口座があるらしい。

弁護士にお願いすれば、疑わしい姉名義か同族会社名義の口座(3つぐらい銀行支店名推定)を調査いただけるか

口座の有無、死亡日の残高や過去10年の取引履歴など。

参考ー土地母所有50坪。上物貸ビル7F建(同族会社所有運営)母の地代 年3百万円、H14~計45百万円

H14 父の死と母のひとり暮らし

H17 母要介護中度

H20 脳梗塞入院 意思疎通困難

H28 母死亡89歳

(神原哲)







【他人の口座は確認できない】

金融機関は他人の名義の口座を開示してくれません

兄弟姉妹であってもお姉さんは他人です。

そのため、他人であるお姉さんの口座をあなたが確認することはできません。

(参考までに言えば、相続の場合には被相続人の口座を相続人が調べることができます。これは相続人は、法律上は被相続人と同一人とされているからです。)

調停や裁判になって、相手方に弁護士がついたような場合、弁護士間の交渉で相手方から同意を取り付けて預貯金の履歴を取り寄せしたり、あるいは裁判所から相手方を説得してもらい、相手方が取り寄せした預貯金の履歴を裁判で出させるという方法も考えられます

しかし、これらはあくまで相手方が任意ですることであり、こちらから請求しても相手方や裁判所がそのとおりするとは限らず、むしろ取り寄せに協力しないことの方が多いです。


【私ならこんなやり方でする】

いま、問題となっているのが、賃料が誰の口座に入っているのかという点であれば、私なら次のようなやり方をするでしょう。

① まず、お母さんの持っていた不動産を調査します。

これは市町村に問い合わせをすると回答してくれます(当ブログQ&A №482及び【コラム】名寄帳の取り寄せ参照)。

② 判明した不動産を現地調査し、建物の場合には居住者を、又、土地の場合には土地の賃借人を探し出します。

③ その後、その建物や土地の賃借人に賃借条件や支払方法、口座等を確認します。


【その後の手続きは・・・】

賃料の振込先がお姉さんの口座であると判明した場合、次にどのような手続きを取るかですが、この点については、専門家である相続に詳しい弁護士と相談し、仮差押え等の法的手続きを先行するのかどうかを含めて検討されるといいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)
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80年前になくなった祖父の遺産調査【Q&A №504】

2016/05/23



【ご質問の要旨】

80年前死亡の祖父の遺産調査

記載内容  大昔 土地 名寄

【ご質問内容】

父は祖父を亡くしたのが6歳の時で、幼いので相続は受けなかったのですが、亡くなってから60年後に、祖父名義のままの土地があると、祖父の所在地だった役場から連絡が入り、所有権移転をその頃に致しました。税金も取られない価値の土地でした。

父は淡々としてましたが、私にとっては会ったこともない祖父のぬくもりのようなものを感じました。

所有権移転してから何十年もたってから、本当は他にもあったのではないかと、気になってまいりました。

質問:祖父が亡くなった頃、どのような財産を所有していたかを調べることは出来るのでしょうか?本当はもっとあった等。80年前でも。
追記、父は一人っ子でした。

父が30過ぎて既に祖母も亡くなっていて一人きりになっていました。親戚に(騙されたのか?)東京でもう活躍してるし、本家とも遠く行き来ないのだから戸籍を移籍しなさいと言われ、東京に移したそうです。

私の考えでは、何か臭います。考えすぎや、ドラマ的な事を期待しすぎなのでしょうか(^^ゞ

(そばつゆ名人)







【不動産の調査は名寄帳でする】

遺産にどんな不動産があるかを調査する場合、市町村に問い合わせをします。

具体的な手続きとしては、被相続人に課税されている不動産があるかどうかを確認するため《名寄帳》を取り寄せします。



【80年前の不動産所有状況はわからない】

80年前にお祖父さんが所有していた不動産を確認することはできません。

その理由は、《名寄帳》には保存期間があり、市町村によって異なりますが、5~10年程度で廃棄してしまうからです。


【現在のお祖父さん名義の土地であれば判明する】

ただ、80年前の所有土地ではなく、現在もお祖父さん名義のままである土地ということであれば、名寄帳の取り寄せで回答が返ってきます

なお、名寄帳が廃棄されていないのであれば、残っている限度での所有土地が判明します(例えば、平成18年当時の被相続人名義の土地と指定すると、その時点での被相続人名義の土地についての回答が返ってきます。


【可能性のある市町村に問い合わせる】

問い合わせは市町村単位でします。

念をいれるのなら、近隣の市町村にも名寄帳の取り寄せの手配を考えてもいいでしょう。


【手続き及び取り寄せ費用について】

多くの市町村では名寄帳は無料ですが、一部の市町村では有料になります(数百円程度です)。

なお、具体的な手続きは予め市町村に電話で問い合わせをされるといいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)
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★税務調査で判明した口座【Q&A №480】

2015/12/03

 税務署は被相続人の口座を教えてくれないのでしょうか。

【ご質問内容】

相続が始まると、税務署は被相続人のみならず家族名義の銀行から証券会社の口座をすべて把握するというような話を耳にしたのですが、だとするならば、せめて被相続人の口座ぐらいは相続人に知らせてくれないものでしょうか?

【Q&A №98】預金の取引履歴を調べる方法を読みますと、「どこの金融機関だけでなく、支店名も調査しましょう。」とあり、口座を見つけるのも苦労する様子が伝わります。

果たして税務署は本当に全ての口座を把握しているのでしょうか?それとも知っていても教えてくれないのでしょうか

記載内容 税務署 相続税

(磯野家)





 今回は税理士業務の問題ですが・・

今回の相談は税務調査の話です。

そのため、詳しいことが知りたいのであれば、税理士にお尋ねいただく必要があります。

ただ、弁護士の理解している限度で以下の回答をします。

【税務署は調査結果を教えてくれないが、修正申告でわかる場合がある】

相続税の未納付がないか、あるいは申告された相続税の内容に誤りがないかどうか、税務署が調査することがあります。

その際、税務署は被相続人のみならず、必要に応じて家族名義の金融機関口座や証券会社などの取引内容を調査することがあります。

ただ、税務署はあくまで徴税の都合で調査するのであり、その内容は他の相続人に教えてくれません

【過去の経験からいえば・・】

私(大澤)は過去に一度、税務署に《節税された可能性がある》との情報提供をしたことがあります。

遺産総額が億を超す事件であり、相手方が被相続人の預金を取り込んだケースでした。

そのとき、税務署は調べた結果を教えてくれませんでした。

ただ、隠された財産がある場合には、通常の場合は修正申告が必要となります。

その際、共同相続(要するに相続人が複数)であれば、隠した人以外の相続人も相続税を支払う必要があり、そのために修正申告書に捺印をする必要があります。

その修正申告書に、新しく記載された財産があれば、それが税務調査で新たに判明した財産だということがわかります。

その限度では、遺産の詳細がわかることになります。

ただ、民主党政権下で国税通則法等の税務関連法が改正されましたので、取り扱いが変わっている可能性もなくはありません。

詳しくは税理士にお尋ねください。

【税務署がすべての口座を把握しているわけではない】

十数年前の話ですが、私が破産管財人に選任された破産事件について、破産者が財産隠しをしているのではないかとして、大阪の全金融機関に対し、関係口座の有無について照会を出したことがあります。

この時には、大阪管内の支店ベースで約900店舗の金融機関がありました。

合併等で現在はそれよりも少なくなっているでしょうが、いずれにしても支店数が膨大です。

税務署がその全てに調査を入れていることはまずないと思われ、被相続人や問題となる相続人の全部の口座を調査・把握している可能性は極めて少ないでしょう。

(弁護士 大澤龍司)

大澤龍司法律事務所
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叔母が、私のゆうちょ口座を調べると言っている。【Q&A №477】

2015/10/28



叔母が、母の財産のことで私のゆうちょ口座の出し入れを調べると言うのですが、勝手に私の口座の確認などできるのでしょうか?


弁護士を通すとできるのでしょうか?

記載内容 家族 口座 調査

(みち)







 他人の口座は、その本人の同意がない限り調査できない
 
あなたの預貯金がどの程度か、どのような入出金をしているかはあなた個人の重要な秘密です。

金融機関はその内容を把握していますが、これをあなたにだけ明らかにするものであって、それ以外の人に明らかにすることはできません。

もし、金融機関がそのような預貯金情報を漏らした場合、あなたとしてはその金融機関に対して損害賠償をすることができます。

従って、伯母さんがあなたの同意なしに、ゆうちょ銀行のあなたの預金の残高や取引履歴を調べることはできないということになります。

また、伯母さんが弁護士に依頼したような場合でも事情は同じです。

弁護士は、弁護士法という法律で、弁護士会を通じて金融機関等の預貯金の照会をする等の手続きを取ることができます。

しかし、仮に弁護士照会を使っても、他人であるあなたの預貯金残高や取引履歴を取ることはできませんので、安心されるといいでしょう。


【遺産調査では回答してくれるが・・】

参考までに、遺産での金融機関に対する調査のケースにも言及しておきます。

遺産の場合、死亡された方(被相続人)の預貯金についての残高や取引履歴を、その相続人が知ることは可能です。(Q&A №362参照)

これは被相続人の財産は、その死亡により(法定相続分に応じて)、相続人の財産になるからです。

この場合は、被相続人の遺産が自分のものになっているのですから、結局、自分の財産内容を調査することになり、金融機関としても照会を拒む理由がなく、照会に応じて回答してきます。

もちろん、相続人ではない人が、被相続人の預貯金の照会をした場合には、金融機関は回答を拒否することになります。

なお、裁判や強制執行等の場合には上記とは異なる対応をする場合がありますが、この点は裁判等になったときにあなたの依頼した弁護士と相談されるべきことでしょう。


(弁護士 大澤龍司)

大澤龍司法律事務所
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遺産調査の弁護士費用【Q&A №385】

2014/06/11
 祖母がなくなりました。

 私は相続人のうちの一人なのですが、別の相続人が財産を管理していたため、遺産の額が把握できないでいます。

 かなりの額の財産があったはずなのですが、管理していた者は遺産はほとんどないと言っています。

 祖母の現時点の遺産額の把握と、口座の過去の入出金記録を調べて資産の推移を確認したいです。

 ただし、どこの金融機関と取引があったのか、私の方では分からないです。

 弁護士さんに調査していただく場合の費用を知りたいです。

 現時点では裁判は考えておらず、調査だけお願いしたいとおもっています。

 それから、調査していただいた結果は、今後裁判になった場合、証拠として採用してもらえるのでしょうか?

記載内容

弁護士費用 預金 取引履歴
(孫)





【調査に関する弁護士費用について】

 弁護士で相続調査だけを受任するケースは多くはありません。

 当事務所では、以前は遺産調査だけを受任することもありましたが、現在は、遺産調査及びその後の事件の受任をワンセットにして50万円(税別)で事件を受任しています。

 他の事務所でも調査だけを受任しているケースは少ないと思います。いずれにせよ費用は事務所により異なりますので、もし、具体的な料金を知りたいというのであれば、各事務所のホームページを調べたり、直接電話で確認されたりするといいでしょう。

 なお、参考までに申し上げれば、現在の弁護士費用の基準としてよく用いられる(旧)大阪弁護士会の報酬規程では《調査案件》については着手金や報酬を記載していませんでした。

 弁護士は調査をするのではなく、事件を解決する役割だという理解からでしょう。


【弁護士の調査はどこが違うのか】

 弁護士でなくとも、法定相続人であれば、遺産の調査は可能です。

 ただ、どのような調査をしたらいいのか、そのためにどのような手続きをするのかについては弁護士の方が詳しいでしょう。

 又、出てきたデータからどのような結論がでるのか、それを法律的にどのように請求していくのかという場面では弁護士でしかわからない点が多数あります。

 現在は裁判までお考えではないということですが、もし、相手方の法定相続人等が遺産の内容を明らかにしてくれないのであれば、そのような案件は話し合いで解決することは困難な場合が大半です。

 早期の段階で、相続に詳しいお近くの弁護士に依頼し、調査と事件の受任もしてもらうのが望ましいでしょう。


【調査結果は当然、証拠となる】

 裁判や遺産分割調停になった場合、調査した資料は証拠として提出することが可能ですし、場合によれば決定的な証拠になることもあります。

 今回の質問の場合、取引のあった金融機関(正確に言うと支店)を発見できるかどうかが重要なポイントですので、その点に重点を注がれるといいでしょう。
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★存命中の母の取引履歴を調査する方法【Q&A №370】

2014/04/30
 夫の転勤の関係からずっと母親と妹夫婦が母親の家で同居して暮らしていました。

 5年ほど前から母親が認知症になり、私も働いていたことから面倒を妹夫婦にお願いしていました。

 先日、急に妹が癌でなくなり妹の夫から母親名義のわずかな預金通帳を渡されました。

(後から聞いたのですが1年ほど前から癌の宣告受け、余命1年と医者から言われていたそうです。)

 もともと郵便局に1000万以上の預金があり、母は、借家・駐車場や年金・父の戦争の恩給などもあったことからある程度収入もあり、通っていた介護施設等も安価であったことから明らかに預金の残高が少なくなっているようです。

 母の死亡保険の受取人も勝手に自分の娘に書き換えたりしていたことから、余命が短いので母の預金や財産を自分の娘に残そうとしたようです。

 まだ認知症の母がおり私が面倒を見る必要があるので、可能であれば母の口座履歴と妹家族の口座履歴から不正引き出し等がやり取りなどがなかったかを確認 したいのですが可能でしょうか。

記載内容

生存中 被相続人 預金調査 取引履歴 代理人
(ピトニオ)





【生存中の母の口座は他人の口座なので、調査はできない】

 まず、お母さんが存命であるという前提であれば、お母さんとあなたは親子でも別人です。

 そのため、金融機関や保険会社(以下、金融機関等といいます)としては、あなたの照会に対して、別人であるお母さんの口座の内容を開示することを拒否しますので、調査はできません。

 これは、あなたが弁護士に依頼しても同様で、お母さんの口座の調査はできないという結論になります。



【通常は代理人としての調査も考えられるが、本件では・・】

 ただ、金融機関によっては、お母さんの委任状があれば、あなたをお母さんの代理人であるとして、預貯金口座の取引履歴などを回答をしてくれる場合があります(ただ、全ての金融機関等が同じ扱いとはかぎりません。又、代理人からの照会に応じるとしても、必要書類としてどのような書類がいるかも金融機関により異なるので、事前に電話等で確認する必要があります)。

 しかし、本件ではお母さんは認知症であるとすると、あなたに委任するだけの意思能力はないという結論になり、結局、委任状による照会もできないという結論になります。



【後見人として調査するということも考えられるが・・】

 お母さんの認知症であれば、後見人になり、調査をするということも可能です。

 しかし、あなたが、お母さんの後見人選任申立をしても、あなたが後見人になることは難しいでしょう。

 その理由は、あなたが後見人予定者として裁判所に申し立てをしても、他の法定相続人が同意しない限り、裁判所はあなたを後見人に選任せず、第三者(司法書士や弁護士等)を選任する可能性が極めて高いからです。

 後見人は、お母さんのための財産管理をする役割ですので、仮にお母さんの金融機関の取り引き履歴を調べても、他人であるあなたに知らせることはできないからです。



【今、するべきことは・・】

 以上に説明したように、結局、現時点では金融機関に対して、お母さんの口座を調べる方法はありません。

 ただ、お母さんではない人が、預貯金を引き出しているというのであれば、該当金融機関等に《お母さんではない他人の行為での、預貯金の出金や解約に応じないよう申し入れをする》しかないでしょう。

 参考までにいえば、このような申入れは内容証明という形で証拠を残しておかれるといいでしょう。
 
(弁護士 大澤龍司)
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★預金の取引履歴を調査する方法【Q&A №362】

2014/04/03



被相続人の預金が生前に勝手に引き出された可能性があります。

預金の取引履歴を調べたいです。

解約済みの定期預金等含めて、調べることができますか?





ご質問詳細

 父方の姉が亡くなり、子供おらず旦那も先になくなっている為、父方の兄弟で相続することになりました。
 
 ただ、亡くなった姉は生前入院していたので、兄弟がお金の管理もしていたようです。

 いざ、遺産整理をするとなったのですが、管理をしていた兄弟から通帳の開示もなく、簡単に記入した紙切れ一枚に遺産の内容が書かれていただけでした。

 どうやら途中で引き出してる可能性が多々ありそうなので、正しい銀行の履歴を調べたいのです。

 特にすでに生前に解約済みのゆうちょの定期預金の取引履歴?残高を調べたいのですが、できますでしょうか。

 調べ方を教えて下さい。

 また、取引履歴とは入出金振替などすべて開示していただけるのでしょうか。

 よろしくお願いします。

 なかなか、郵便局での開示請求に手こずっております。

記載内容

不正出金 預金 取引履歴 ゆうちょ銀行 最高裁判決 全員の同意
(りき)





【調査は可能です】

 かなり以前には相続人単独での開示請求を認めない金融機関も多かったのですが、平成21年に相続人単独による開示請求が最高裁判決により認められました(最高裁判決については「【相続判例散策】履歴照会に全員の同意不要」 参照)。

 そのため、現在では、法定相続人であることを裏付ける戸籍や除籍謄本を提出することにより、被相続人名義の預貯金の取引履歴を調査することが可能です。

 《ゆうちょ銀行》についても、同様に開示をしてもらえます。

 相続人本人が請求する場合でも、又、代理人として当事務所が請求する場合でも、ゆうちょ銀行が回答をしなかったことは一度もありません。




【開示される内容は・・】

 なお、取引履歴には、入出金だけではなく、振替も記載されており貯金の動きがすべて記載されています




【手続きは・・】

 取り引き履歴の開示に必要な書類としては、法定相続人であることを証明する被相続人の除籍謄本やあなたの戸籍謄本免許証などの本人証明書類は、まずどこの金融機関でも必要でしょう。

 そのほかに実印や印鑑証明書等がいるかどうかは、金融機関に異なる場合もありますので、必要書類を問合せておくとよいでしょう。
(なお、手続については(Q&A №205Q&A №98ほか参考カテゴリ:「遺産調査」に詳しく記載しているのでご参照ください)

 ただ、弁護士なら回答するが、相続人が照会する場合には相続人の全員の同意をもらってきて欲しい、という金融機関も中には存在します(Q&A №342ほか)。

 このような場合には、いかなる理由で当該金融機関が開示を拒んでいるのかといった理由を聞いた上で、相続に強い弁護士に相談し、そのアドバイスを受けて対応されるといいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)


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10:41 遺産調査 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★預貯金の調査・・・金融期間の書類の開示について【Q&A №348】

2014/02/26
 銀行に預金取引履歴書を取り寄せてたところ、父が亡くなる前、使途不明金1000万円があることが判明しました。
 そこで相続人(5名)のうち誰が窓口で預金を引き出したのかを知るために銀行に預金払戻請求書、委任状、本人確認書の提出を書面で請求しました。

 銀行に手紙(書面)送付後、1週間経過して銀行の担当者から次のような電話連絡がありました。

 その内容は、
・父(死亡前)の預金払戻請求書、委任状については相続人全員の同意がないと提出できない。
・預金取引履歴書は開示書類であるが預金払戻請求書などは開示書類ではない。
などといって、依頼書類を出そうとはしません。

 時期が来れば弁護士を通じて銀行に再度依頼交渉することも考えていますがそれ以外に、銀行に対して預金払戻請求書などの依頼書類を提出させる方法があれば教えて下さい。

 また、相続人全員からの依頼ではなくて、相続人の一人から依頼請求しても銀行はそれに応じなければいけないと思いますが、どう思われますか。

 宜しくお願いします。

記載内容

取引履歴 払戻請求書 預金
(山ちゃん)


【最高裁判例は開示履歴に関するものである】
 今回の質問者の方としては、《預金払戻請求書》が誰によって作成されたのか、その筆跡等を確認し、被相続人以外の人が作成したものだという証明をしたかったのでしょう。
 質問者の方もご存じでしょうが、被相続人の貯金の履歴照会については、共同相続人全員の同意は不要であり、共同相続人の一人から照会でも、金融機関は開示しなければならないという最高裁判例(平成21年1月22日判決)が出ています(「【相続判例散策】平成21年1月22日 最高裁判例」参照)。

【最高裁判例は《預金払戻請求書の開示》についてはなんら言及していない】
 ただ、そこで争われたのは、《取引履歴の開示》であり、《預金払戻請求書》の開示にはなんら触れられていません。
 上記判例は、金融機関の処理事項としては「預金の返還だけではなく、振込入金の受入れ、・・・・定期預金の自動継続処理等、委任事務ないし準委任事務の性質を有するものも多く含まれている」とし、金融機関としては「預金の増減とその原因等について正確に把握するとともに、金融機関の事務処理の適正さについて判断するに必要不可欠」な取引履歴を相続人に開示する義務があると述べています。
 この趣旨からいえば、金融機関としては、預金の減額の原因となる《預金払戻請求書》についてもそのコピーを開示するべきだと思います。
 あなたとしては、この判例の趣旨を説明し、金融機関を説得するしかないでしょう。

【弁護士に依頼して、弁護士会照会を利用するのも一方法】
 金融機関が非開示を続けるのであれば、弁護士に依頼して、弁護士会から照会をかけるという制度があります。
 弁護士会という公的機関を通じて照会するのですから、回答されるかもしれません。
 それでも非開示というのであれば次の手段をとるしかないでしょう。
①金融機関相手に情報開示を求める裁判をする。
②取り込んだと思われる人を相手に不当利得返還訴訟をし、その訴訟の中で裁判所を通じて《預金払戻請求書》の取り寄せをする。

【履歴開示に関する判例の動向】
 前記判例後、平成23年に履歴開示についての東京高裁の判例が出ています。
 開示に否定的な内容ですが、この点については別途「【相続判例散策】平成23年8月3日 東京高裁」に記事を掲載しますので参考例としてご覧ください。
大澤龍司法律事務所
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11:51 遺産調査 | コメント(1) | トラックバック(0) | 編集

遺産分割後の情報開示はできないのか【Q&A №344】

2014/02/13
 父が亡くなり遺産分割は終了したのですが、ここに来て被相続人が2つの銀行に預
金を持っており1つの銀行の預金を隠して遺産分割を終了した事がほぼ明るみになり
ました。

平成21年1月22日の最高裁判例では、遺産分割協議前の被相続人の預金開示は相続人1
人でも開示可能との判例が出されたようですが、遺産分割後では被相続人から権利が
移行しているのを理由に銀行は被相続人の預金開示を拒んでいます。

これからどのような戦いをしていけばよいのでしょうか?
遺産分割の無効を訴えて行けばおいのでしょうか?
御教授願います。

記載内容

名義変更 預金 情報開示 照会
(キューブ)


【取引履歴の開示は相続人一人でも請求できるのが判例だが・・】
 質問に引用されている判例(最高裁判決平成21年1月22日)により、相続人であれば、他の相続人の同意なしに預貯金口座の内容(履歴等)の開示を請求することができ、金融機関はこれを拒むことはできません。

【遺産分割後は事情が違う?・・・他の相続人が預貯金を取得する場合】
 ところが質問では、遺産分割が終了しているようであり、そのことを理由に金融機関があなたに対する履歴の開示を拒否しているようです。
 金融機関の立場に立ってどのような拒否理由があるかを考えてみましょう。
 まず、遺産分割協議により、開示を請求している預貯金口座があなた以外(たとえばAさん)が取得すると合意される場合があります。
 この場合にはその預金は既に被相続人のものではなく、Aさんという人の口座ともいうべきもの(要するに他人の口座)ですから、金融機関としては、その口座の履歴の開示を拒否することもできるという判断も可能かもしれません。

【遺産分割の対象となっていない預貯金は被相続人のもので開示が必要である】
 しかし、質問では遺産分割の対象となっていない預貯金の開示を拒否しているようです。
 被相続人の預貯金で遺産分割の対象となっていないのであれば、現在も被相続人のものですので、金融機関としては開示を拒否する理由はないと考えられます。
 あなたとしては、この点を根拠に金融機関に開示を請求するといいでしょう。

【それでも金融機関が開示に応じない場合には】
 あなたが頑張っても金融機関が開示に応じない場合には、一度、弁護士に相談されるといいでしょう。
 弁護士は弁護士会を通じて金融機関に照会をかけることができます。
 この照会は弁護士法という法律に基づく照会ですし、弁護士会から照会の書面が行きますので、金融機関が回答をする可能性もあると思います。
 なお、それでも、開示を渋るようであれば、弁護士が直接金融機関と交渉して、開示させるように働きかけることもできます(前記判例が出る前には当事務所でも、直接金融機関に開示するように説得し、これに応じて開示された場合もあります)。
 それでも開示しない場合には、弁護士から《開示しないと損害賠償請求をする》との内容証明を金融機関に出すという手も考えられます。
 遺産分割無効訴訟をするというのは最後の手段になりますが、無効を主張できるだけの根拠があるかどうか、弁護士と協議が必要でしょう。
 いずれにせよ、あなたとしてはできるだけの努力をし、その後は弁護士と相談して、対策を考えられるといいでしょう。
 なお、同種の問題を当ブログ、Q&A №342【遺産相続後のトラブル】でも取り上げていますので、ご参照ください。
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11:08 遺産調査 | コメント(1) | トラックバック(0) | 編集

★遺産分割協議後の取引履歴開示請求【Q&A №342】

2014/01/29
 12年前に父が亡くなり、兄の言葉だけを信じて遺産相続協議分割書を作成して相続は済みました。
 しかし、ここへ来て実家を手放すと言っております。

 兄は金がないと言ってますが、不動産収入もありそんな訳はないと思っています。
 そこで、父の亡くなった頃からに遡って、当時の父の預金通帳の開示を銀行に求めましたが、遺産協議分割書にサインした事で遺産相続者全員のサインがないと、開示出来ませんと言われました。
 つまり、相続が終了した段階で父の預金通帳も兄の通帳に名義義変更されたからと言う事らしいですが、そうなのでしょうか?
 仮にそうだとしても、相続前の父の預金通帳を知る権利すらないと言う事なのでしょうか?
 また、弁護士が入ればお見せする事も出来るような事も言っておりました。

 そこも道理がいかないと思いましたが、弁護士のご意見をお聞かせ下さい。

 また 実家土地は兄の名義ですが、建物は母親の名義なので勝手に処分は出来ませんが、母共々大変困っております。
 それから、税務署にて約12年前の相続税申告書を確認出来ますか?

 生命保険の受取人は被保険者によって定められていると思います。
 被保険者の死亡後では勝手に変更など出来ないと思い筈ですが、亡き父の生命保険がどうなってしまったのかと母と問題になっています。
 父の生命保険の受取人が誰だったのか?そして、母だった場合に勝手に受取人を変更する事など出来るのでしょうか?

記載内容

分割前 分割後 弁護士会照会 取引履歴の開示 生命保険の受取人変更
(仕置き人)


※同じ方から2回に分けてご質問をいただきましたが、回答は1つにまとめています。

【預金口座の取引記録(履歴)の開示に関する判例】
 《遺産相続を争っている相続人の一人が、他の相続人の同意なしに被相続人の預貯金口座の履歴(入出金記録)の開示を求めることができるか》という点については、平成21年1月に《全員の同意がなくても金融機関は開示に応じる義務がある》との最高裁の判例が出ています。
 従って、あなたが請求すれば、お父さんの取引履歴は開示されるというのが原則です。

【金融機関に開示を拒否する理由があるのか】
 本件では、既に12年前に遺産分割協議が終了しているようですが、その遺産分割で、お父さん名義の預金は誰が取得することになったのでしょうか。
 もし、お兄さんがお父さん名義の預金を取得することになった場合、お兄さんとしては
① お父さん名義からお兄さん名義に名義変更したのか
② お父さん名義の預金を解約して、お兄さんが払戻し額を取得したのか

のいずれかの方法をとるでしょう。

 もし、上記のうち、①の方法をした場合、その口座はお兄さんの名義の口座になり、お兄さんの同意がないと開示はできないと金融機関が主張するかもしれません。
 ただ、お兄さんの口座というのであれば、ご質問にあるような《相続人全員の同意》が必要なのではなく、お兄さんだけの同意でいいと思われます。
 又、お兄さんの意思とは関係なしに《弁護士なら開示する》というのもおかしいでしょう。
更に言えば、お兄さんの口座を明らかにせよというのではなく、お父さんの名義であったころの取引履歴のみを明らかにせよといっているのですから、前記判例の趣旨からいえば、相続人一人の請求でお父さん名義の口座の履歴は開示するべきでしょう。
 いずれにせよ、金融機関の対応は不当というしかありません。
 ただ、金融機関の口座管理上からいえば、お父さんの口座は現在では存在せず、お兄さん名義になっているため、お父さん名義の口座検索では該当がないという可能性はあります(しかし、それなら《弁護士の照会なら回答する》ということもおかしいでしょう)。
 ただ、参考までにいえば、前記の判例にかかわらず、一部の金融機関は相続人全員の同意が必要だと、今でも主張して、開示を拒否しています。

【お父さん名義の預金口座を解約し、払戻しを受けている場合】
 通常の場合、遺産分割では、前項の②のように、お父さん名義の預金を解約して、その払戻金を分割あるいは単独相続する場合がほとんどです。
 その場合には、お父さん名義のままで他人名義にはなっていませんので、前記判例によれば、開示をする必要があります。
 従って、この場合も、金融機関の開示拒否は不当ということになるでしょう。

【現実的な対応としては弁護士に依頼するのも一方法】
 金融機関は《弁護士であれば開示する》ということですが、弁護士照会をかけることを前提としているのでしょう。
 これは、弁護士であれば、弁護士会を経由して金融機関に照会をかけることができ、その場合、公私の団体は回答義務があります。
 この制度は一般に弁護士会照会と呼ばれ、我々弁護士が職務上様々な役所や金融機関に問い合わせて事実関係を調査するために法律上認められた権限であり、一般の方には使えない弁護士特有の調査方法です。
 この制度を使った場合には、正当な理由なく回答を拒否できないことから、金融機関の方が「弁護士が入れば」という発言をされたのではないでしょうか。
 あなたが、なぜ12年も前の遺産分割の前提であるお父さんの取り引き履歴を調査するのか、質問だけでは明らかではありませんが、もし、将来、訴訟を考えているのであれば、この際、弁護士に依頼し、弁護士照会をかけてもらうのも一方法です。
 ただ、遺産分割を争うメリットとデメリットを相談される弁護士に確認されたうえで、弁護士照会を利用するかどうかを判断されるといいでしょう。

【税務申告書の保存期間は10年】
 最後に相続税の申告書については、最近は、相続人であれば開示してもらえます。
 但し、相続税の申告書の保管期間は一般に10年と言われていますが、今回のケースでは12年前の申告であり、10年を経過しています。
 念のために保管しているのかどうか、又、開示してもらえるかどうかを実際に管轄税務署に確認されるといいでしょう。

【生命保険の受取人の変更はしないはずだが・・】
 通常、生命保険会社が被保険者の死亡後に受取人を変更することはありません。
 法的に見ても、(死亡保険金であれば)被保険者が死亡した時点で受取人(に指定されていた人物)が保険金給付請求権を取得すると考えられますので、いったん発生した権利を、後から別の誰かが勝手に変更できるということ自体が、理屈の通らないものといえるでしょう。
 もし、納得がいかないのであれば、問題となる生命保険につき、保険会社に照会をかけ、保険契約者は誰か、被保険者は誰か、受取人は誰かを確認し、特に受取人の変更があったのかどうか、あったとすればその手続き関係の書類を取り寄せするといいでしょう。
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内縁の夫が遺産を渡してくれない【Q&A №333】

2013/12/05
 母の叔母の死後に生じた事柄についてお尋ねします。
 大叔母は先夫が戦死した後、長年内縁関係のパートナーと仲良く暮らしておりましたが、先日90歳余で死去しました。籍は入れておらず、子どもはいません。遺言もなかったようです。
 姪である母によると、パートナーは認知症で入院しており、葬儀などは母やいとこの叔母が取り仕切り、相手側のきょうだいは「内縁関係だから」といった冷淡な態度で文字通り、何もしてくれなかったそうです。お墓に関しても取り付く島がないらしく、お骨は母が預かっています。

 問題なのが、大叔母の生前から財産(遺族年金など)はパートナーが管理しており、現在はあちらのきょうだいが「そんなものはない」「叔母さんの入院代に使った」などと言い、叔母固有の財産のことが全く分からないことです。

 母やいとこの叔母としてはせめて、「お墓を建てたり、供養をしたりするお金を渡してほしい」と考えています。
 私は遠方に住んでおり、話を聞いているだけですが、相手側は、おっしゃるところの内縁関係ゆえにパートナーであっても相続できない遺産を、相続の権利のある母やいとこの叔母に返還しておらず(開示さえもしておらず)、窃盗に当たると思うのです。いかがですか。
 大叔母の遺産を調べるには、どのような手立てを取れば良いのでしょうか。大叔父の遺族年金など、少なからず大叔母固有の財産はあると確信しています。

記載内容

内縁 介護費用 不正出金
(きなっしー)


【窃盗にはならないが・・】
 質問には《母やいとこの叔母に返還しておらず(開示さえもしておらず)、窃盗に当たると思うのです》とありますので、この点を先に回答します。
 まず、大叔母さんの財産は生前、内縁の夫が管理しておられたようですので、内縁の夫が預かり続けても、大叔母の意思に基づくものであり、窃盗にはなりません。
 次に、現在、預かり品を内縁の夫の親族が所持している場合ですが、内縁の夫から保管を依頼されているのなら、権限ある占有者から預かったということで窃盗にはならないでしょう。
 ただ、内縁の夫の親族の方が預金を使いこんだようなことがあれば、窃盗ではなく、横領罪等の犯罪が成立する余地があります。
 注意するべきことは、仮に横領が成立するような場合であっても、警察に被害届を提出し、又は告訴状を提出しても、警察がすぐに動くことはまずないということも知っておく必要があるでしょう。

【相続人のみが遺産調査をできる】
 相続人であれば、遺産の調査が可能です。
 そのため、相続人が誰であるかが問題となります。
 被相続人である大叔母さんに子供がなく、大叔母さんのご両親も死亡されている場合には、大叔母さんの姉妹であるあなたのお祖母さんが相続人になりますので、お祖母さんが相続調査をすることができます。
 又、もしお祖母さんのほうが大叔母より先になくなっているのであれば、お祖母さんの子であるあなたのお母さんが代襲相続人として相続人となりますので、お母さんが相続調査ができることになります。

【相続調査の方法】
 あなたのお母さんが相続人だとした場合、あなたのお母さんは遺産を調査することができます。
 相続調査については、金融機関及び支店名を特定して預貯金の調査をするのが基本です。
 もし大叔母の取り引きしていた金融機関がわからない場合には、遺族年金を支給していた機関(大叔父は戦死されているようですので、軍人恩給の場合には総務省恩給局などの可能性もあります)に問い合わせをするというのも一つの手段でしょう。
 金融機関及び支店名がわかれば、その金融機関に「照会の手続きをしたいがどのような書類がいるか」と確認された上で、必要な書類を提出して、取引履歴を開示してもらうとよいでしょう。(詳しくは、Q&A №98 参考カテゴリ:「遺産調査」 を参照ください)。
 次に大叔母さんが不動産を所有していなかったかどうかも確認する必要がありますが、この点は市町村に問い合わせをするといいでしょう(相続コラム「名寄帳の取り寄せ」 参照)。
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無断で名義変更された株式【Q&A №329】

2013/11/25
 相続財産に土地や建物、株があります。
 このうちの株はタンス株でしたが相続人の一人【以後Aとします】が勝手に持ち出し、ほかの相続人の同意なしにAの名義としてしまいました。
 本来同意なしにできないはずですが、預けてある証券会社によると株の電子化の前はできていて、現在Aの同意なしに内容の開示はできないとのことでした。

 このままではAに使われてしまうか他人に譲渡する可能性があります。
 まず弁護士会照会で相続財産を把握しようと思ったのですが、名義を元の被相続人に戻すか、差し押さえるかどちらかができないと照会する意味もないかと思い、その可否をおたづねしております。

 おそらく死んだ人の名義にはできないと思われるので、差し押さえになるかとおもいますが、被相続人のものであり他の相続人が同意していないことを証明できれば差し押さえは可能ですか? またこの場合弁護士を通さず自分ですることはできますか?
 弁護士会照会や調停になると費用が高いため、相続財産の照会をするかなど迷っています。

記載内容

株式 取引履歴照会 無断名義変更

(すぎもと)


【名義の返還より損害賠償を考える】
 遺産である株式については、法定相続分に応じて、各相続人が共有(正確には準共有)しています。
 その株式をAさんが無断で単独名義にしたということですので、他の相続人としては、自分の相続分に対応する株式を、自分に返還せよと請求することができます。
 ただ、株券の電子化により手続きが複雑になります。
 そのため、株券の返還を求めるより、株券の名義の無断変更で損害を受けたとして、損害賠償請求をするのがいいでしょう。

【仮処分や仮差押も考える】
 「このままではAに使われてしまうか他人に譲渡する可能性があります」ということですが、そのような移転の可能性があるなら、仮処分又は仮差押えという手続きをするといいでしょう。
 株券の返還を求める権利があるという前提で株券の移転を禁止する仮処分も考えてもいいでしょうし、損害賠償請求権があるという前提でAさんの財産を仮差押えしてもいいでしょう。
 仮処分や仮差押えは、保証金を積んで、裁判所に株券や財産の移動を暫定的に禁止してもらう手続きですが、このような手続を希望されるのであれば、専門家である弁護士に依頼するといいでしょう。
 なお、仮処分・仮差押えをしながら、訴訟をすることも可能ですが、詳しくは依頼した弁護士にご相談ください。

【株式の履歴は、被相続人の方からの調査を考える】
 前記損害賠償請求や仮処分、仮差押えの手続きをする場合には、株式がAさんに無断移転されたという点だけではなく、いつ、どこのどのような株式が誰に移転されたのかを明らかにする必要があります。
 質問によると、名義移転された株式に対する照会について、「現在の名義人の同意なしに内容の開示はできない」という回答があったようです。
 相続人Aはあなたにとっては他人になりますので、Aさんの履歴であれば、その同意なしには開示されないのはやむをえないところでしょう。
 しかし、被相続人名義の株式の照会なら開示される可能性があると思われます。
 次の事項を照会されるといいでしょう。
① 被相続人保有の株式が現在あるか、あるいは過去10年間の間に存在したかどうか。
② あるとしたらその種類、数量等の明細
③ 現在ないが、過去にあったとしたら、いつ、どの種類の株式及びその数量が誰に移転したのか

 なお、被相続人の照会では、現在、株式がどうなっているのか(たとえば現時点でAが保有しているのか)は明らかにはなりませんが、それでも最小限度の事実は確認できるでしょう。


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後妻が遺産を開示しない【Q&A №328】

2013/11/15
 10月末に父が亡くなり、相続人は息子である私と、父の後妻の二人です。後妻は財産がもうあまり残っていないと言って開示せず、預金を取り込んでいる可能性があります。話合いも無いので調停にもちこむ予定です。
 後妻の預貯金は、名義預金として相続財産に含まれますでしょうか?もしそうでしたら、調停あるいは審判で裁判所が後妻の預貯金を調査してもらえるのでしょうか。あるいは税務署に連絡して、相続税の申告をしたら良いのでしょうか。この点が良く分からず困っております。何卒よろしくお願い致します。

記載内容

被相続人以外の預金の調査 裁判所の調査嘱託 後妻 不当利得 特別受益
(bineko)


【後妻名義の預金は、原則として遺産には含まれない】
 遺産に含まれるのは、原則として被相続人であるあなたのお父さん名義の預金です。
 そのため、後妻さん名義の預金はお父さんの遺産にはあたらないとされます。
 ただ、その後妻さん名義の預金が、お父さんの口座からの振込による入金である、あるいはお父さんの口座から現金で引き出した分を預金したものである、ということも考えられます。
 このような場合、お父さんが自分の意思で後妻さんに贈与するという趣旨であったとすると、それは特別受益の問題になります。
 又、後妻さんがお父さんの知らないところで勝手に預金を引き出したというのであれば、それは不当利得となり、お父さんは後妻さんに対して、引き出した金額の返還請求権を持つということになり、その請求権が遺産になります(この場合は、お父さんが後妻さんに対して有する不当利得返還請求権を、相続人が法定相続分の割合で取得するので、その返還請求権に基づき後妻さんに請求するということになります)。
 なお、お父さんが病気や認知症で意思表示ができない時期に、預金が送金されたり、あるいは払戻しされたりしていれば、お父さんの意思に基づかない預金の取得であり、上記の不当利得返還請求をすることになります。

【裁判所は調査をしない】
 被相続人の預金口座の動きは、相続人であれば照会が可能です。
 しかし、後妻さんの口座の照会には、本人である後妻さんの同意が必要です。
 通常、後妻さんがそのような同意をすることは少なく、金融機関が照会に応じることはないでしょう。
 裁判所はあくまで、各当事者が持ち込んだ証拠に基づいて調停をまとめたり判決を下したりするにとどまり、裁判所が後妻さんの取り引き履歴などの資料を自ら調査するということはありません。
 あくまで、各当事者がそれぞれ調べてきた資料を提出して、それを前提にどれだけ遺産があるのか、その遺産の取り分をどうするのか、といった解決をするのが裁判所であるとご理解ください。
 ただ、訴訟を起こした後に、その手続きの中で、裁判所に対して後妻さんの口座の取り引きのある金融機関に、後妻さん名義の口座の有無及び内容の照会を求める申立(調査嘱託の申立といいます)をすることはできます。
 裁判所が、後妻さんの口座を調べる必要があると判断した場合には、裁判所がその金融機関に回答するように書類を送付してくれ、その結果、後妻さんの口座の動きが判明する場合があります。

【相続税の申告と後妻の財産調査の関係】
 相続税の申告をしたからといって、税務署が後妻さんの財産を調べてくれるわけではありません。
 税務署に、後妻さんが遺産を取り込んでいると申し立てをすることも可能ですが、その額が多額であれば税務署も積極的に動くでしょうが、少額であると税務署は動かない場合も多いです。
 当事務所でも税務署に《遺産がもっとある、相手方が隠している》という申し入れをしたことがありますが、結局、そのケースでは大した財産が出てきませんでした。
 また、遺産額が増加すれば、その内容を税務署から聞くことは可能(正確にいえば相続税の修正申告に漏れていた財産が記載される)ですが、税務署がした相手方の口座の調査結果までは教えてもらえませんでした。

【自力でどこまでの調査ができるかがポイント】 
 遺産調査は自力でどれだけの情報を集められるかがポイントになります。
 どのような手段を尽くして遺産を調査するのか、調査により得た情報からどのような仮説を立て、相手方にどう迫っていくのかが重要になります。
 この点は慣れないとなかなか難しいところですので、紛争を調停や訴訟に持ち込まれる前に、調停・訴訟での方針も含めて一度お近くの弁護士など専門家に相談されるとよいでしょう。
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10:37 遺産調査 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

義母が引き出した夫の預金【Q&A №326】

2013/11/11
 主人が心臓病で1か月前に突然死しました。
 亡くなった日の朝、銀行が開くと同時に主人の母が、定期預金400万円を葬儀費用にあてるためと全額おろしてきました。
 銀行ははじめいろいろと質問をしたそうですが、うまく話をしたら降ろすことができたと亡くなってから1か月後に知りました。
 たとえ主人の母が降ろした預金も妻として私には相続財産となると思うのですが、通帳関係を一切、開示しない母親に対して、妻の私は何も知ることもできず、困っております。
 通帳や預貯金の開示義務をどのように説明、または残りの預金だけでも相続する権利はあるのでしょうか?
 生命保険も親がかけていたため、妻のわたしは何も教えてもらえず、ただ実印、署名をせまられるだけです。
 ご回答よろしくお願いいたします。

記載内容

葬儀費用 開示義務 預金
(みるる)


【相続人となる人と相続分】
 相続人は法律で決まっています。
 第1順位は、被相続人の配偶者であるあなた(法定相続分2分の1)と子(子全部で合計2分の1)です。
 子がいない場合には、第2順位として被相続人のお母さんが相続人になりますが、その場合、配偶者であるあなたの相続分は3分の2で、お母さんが3分の1になります(お父さんもいる場合には、お父さんとお母さんで併せて3分の1になります)。

【あなたの預貯金に対する権利】
 ご主人の死亡後にお母さんが預貯金を引き出されたようです。
 子がいる場合にはお母さんには相続権がありません。
 子がいない場合には預貯金のお母さんは3分の1をもらう権利があります。
 しかし、3分の2はあなたの相続分ですので、お母さんが払戻しを受けた預貯金について、あなたは3分の2をもらう権利があります。
 それ以外の預貯金があるのであれば、それもあなたが3分の2をもらう権利があります。

【預貯金の開示請求について】
 お母さんにどのように説明するかという点ですが、これはあなたにも相続権があり、財産内容を知る権利があるということを粘り強く説明するしかありません。
 しかし、預貯金を勝手に引き出すようなお母さんであれば、預貯金の口座を聞いても、おそらく教えてくれないでしょう。
 結局、あなたが調査してみるしかないでしょう。
 調査方法は、ご主人が口座を置いていたと思われる金融機関支店に問い合わせをする(但し、ゆうちょ銀行は支店を特定する必要はない)ことになります。
 その方法は過去のブログ(Q&A №98 参考カテゴリ:「遺産調査」 )に詳しく記載しておりますのでご参照ください。
 なお、金融機関の中には、相続人全員の同意がないと開示できないというところがあるかもしれませんが、この点については最高裁判所の判決で、相続人であれば取引履歴の開示が可能という判決がでています(「【判例散策】平成21年1月22日 最高裁判例」参照)ので参考にしてください。

【生命保険の調査】
 生命保険について、調査をするかどうかも問題になります。
 通常の場合、契約者が被相続人(すなわちあなたの夫)という場合には、保険会社は契約内容の照会に応じてくれます。
 しかし、生命保険は親が掛けておられたとするならば、その契約の契約者は親、被保険者はあなたの夫、受取人はあなた以外の人ということになります。
 この前提でいえば保険会社は回答をしてくる可能性は少ないです。
 今回の質問では、《お母さんが実印・署名を迫る》と記載されています。
 これは、あなたに何らかの権利があるからだと思われます。
 お母さんが署名捺印を迫る書類を見て、どこの生命保険会社かを確認できれば、その生命保険会社に照会をかける必要があるでしょう。

【専門の弁護士に相談することを検討しましょう】
 お母さんの態度から見ると、あなたが交渉して問題が解決する可能性は少ないように思います。
 できれば、お近くの相続に詳しい弁護士に法律相談し、場合によれば遺産調査やその後の交渉を依頼されることをお勧めします。
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13:01 遺産調査 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

父の退職金振込口座を調べる方法【Q&A №310】

2013/08/30
 
 13年前に退職した父の退職金を振り込んだ口座を調べる方法がありましたら教えて下さい。


記載内容

退職金 預金 調査

(アッシー)


【会社と金融機関に問い合わせる】
 基本的に、退職金は会社からお父さんの指定した金融機関の口座に送金されます。
 そのため調査としては、お父さんの勤務先の会社か金融機関に問い合わせることになります。

【会社に問い合わせる】
 会社が現存しているのであれば、お父さんの相続人であり遺産調査を進めているという事情を説明して振込先口座(おそらくは給与振込口座と同一でしょう)を教えてもらうといいでしょう。
 ただ、会社としては通常の給料については2年の消滅時効、退職金については5年間の消滅時効で支払い義務が消滅しますので、13年も経過したお父さんの退職関係の資料を廃棄している可能性も高いですが、念のために会社に照会されるといいでしょう。
 なお、相続人の立場で問い合わせれば、口座があるかどうかの回答は得られる可能性が高いと思われます。

【金融機関に問い合わせる】
 金融機関に問い合わせをすることも必要です。
 ただ、金融機関に照会をする場合には、お父さんが取引していた支店名まで判明している必要があります(但し、ゆうちょ銀行は郵便局が特定していなくともよいです)。
 金融機関は、支店ごとに預金を取り扱っているため、取引支店までわからないと口座の有無を回答してくれません。
 支店名が不明の場合には、お父さんの自宅の近所にある金融機関の各支店に対し、なかば当てずっぽうに口座の有無及びその取引履歴を照会していく必要があるでしょう。
 ただ、心配なのは、金融機関が照会に応じるのは、原則として現在から約10年前までの取引履歴ですので、13年前の取引履歴が出てくる可能性は少ないということです。
 但し、当事務所の扱った案件では三井住友銀行への照会で10年以上前の取引履歴が出てきたこともありますので、頑張って、照会をかけられることをお勧めします。


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14:34 遺産調査 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

情報がなくとも遺産目録をつくることができるか。【Q&A №307】

2013/08/26
 伯父が亡くなった際に同居していた方(この方も相続人の1人です)が弁護士を絡めて遺産の情報を集めたらしいのですが、こちらに目録を提示してもらえず遺産分割協議が進まない状況です。

 こちらでわかっているのは、被相続人の住所・氏名の他、家・土地・農地あり JAと郵貯銀行に口座があるという事だけです。

 他の金融機関にも口座があるかもしれませんし、不動産関係でも住所以外の土地については何もわかりません。

 この状況から分割協議用の目録を作るところまでの調査が可能であるかどうかのご相談です。


記載内容

遺産目録 情報 預貯金
(なっく)



【情報がないと目録は作れない】
 現在判明しているのは、金融機関ではJA及びゆうちょ銀行だけ、不動産は住所だけというのであれば、遺産目録を作るのは困難です。
 金融機関に遺産調査をするには、どの金融機関のどの支店というところまで判明している必要があります(但し、ゆうちょ銀行の場合は例外で、各地域を管轄する事務センターの範囲内である貯金の内容が判明します)。
 また、自宅以外の不動産を調査するときにも、最低限、どこの市町村に不動産があるかという程度の情報が必要です。

【それでも何とか努力したいというのなら・・】
 それでも何とかしたいというのなら、以下の方法を考慮されるといいでしょう。
①判明している金融機関の取引履歴から探っていく。
 ゆうちょ銀行やJAがわかっているのであれば、その取引履歴の中に他の金融機関から入金した分がないかどうかを確認するのも一方法です。
②自宅付近の金融機関をのきなみ照会する。
 当事務所が扱った案件で、被相続人の住所の近くの全金融機関(約40社)に照会を出したことがあります。
 その結果、3支店と取引があったことが判明したケースがあります。
③不動産の抵当権から探る。
 また、自宅の登記簿謄本(全部事項証明書)を取り寄せして、金融機関が抵当権を設定しているのなら、その抵当権を設定している金融機関に照会を出すことも考えていいでしょう。
④ライフラインなどから探る。
 水道・光熱費・電話代などは通常、引き落としで支払っています。そのため、これらの料金引き落とし口座がどこかを電力会社はガス会社などから教えてもらうという方法もあります。
 また、年金の受取口座から探るという方法もあります。

【他の相続人から情報を得る方法はないか・・】
 伯父さんと同居していた相続人が、弁護士に依頼して遺産調査をしているのなら、その調査結果を聞くのが一番早いでしょう。
 そのための方策としては、遺産分割調停をし、その中で遺産内容を明らかにしてもらうしかないでしょう。
 ただ、相手方となる(伯父さんと同居していた)相続人が遺産内容を正確に明らかにする義務はありませんので、相手方のいうことを信頼する以外にはないということになります。


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10:34 遺産調査 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

借金を残して失踪した父の遺産調査【Q&A №305】

2013/08/12
 ・相続財産の有無の確認・請求・回収方法
 ・療養中に名義変更された財産が相続財産の対象になるか

<経緯>
 昨年実父が他界(住所は滋賀県)
 私(東京在住)と弟(6年前他界)と妹(東京都在住)は、両親離婚後母の籍に入っている。
 離婚時、父には多額の借金があり、連帯保証人に母がなっていた。離婚成立後、父が失踪、借金は母と私が返済した。
 弟の葬儀に父が出席。借金は返済し終えたことと、弟の遺産放棄手続きのため携帯電話に住所・電話番号を登録。
 父は離婚後、再婚しており、再婚相手の籍にはいった。
 昨年危篤の連絡と、亡くなった旨を電話で現妻から受けたが後、連絡なし。
 今年6月にこちらから配達証明郵便で
「相続財産目録もしくは、財産の明細が判る書類を写しでよいので書面にて送ってほしい」旨を郵送。
 配達記録にて受け取ったことは確認できたが連絡がない。住所しかわからず、電話などの連絡先不明。
 父名義の財産について入院中に名義変更された可能性あり。

<希望>
 母が入院費用捻出の為、相続財産を明らかにしてもらい、相続分があるなら相続したい。
 借金がありマイナスになるなら放棄したい。
 わかっているのは、父の再婚相手の現住所のみ。
 現妻は、父の電話を使って危篤の連絡をしてきているので、こちらの連絡先しっている。

 調査は不可能または、無駄でしょうか。

記載内容

簡単な遺産調査法 借金返済 名寄帳 公正証書遺言 相続放棄期間の伸長


(母子家庭の長女)


【質問を見た感じでは・・・】
 質問では、
①離婚成立当時、お父さんには多額の借金があった。
②お父さんは再婚相手の籍に入った(要するにお父さんは苗字を変えた)。
と記載されています。
 それだけ見ると、お父さんは借金も自ら返済する能力がなかった、債権者から追及を逃れるために苗字を変えた、という可能性も考えられ、多額の遺産がある見込みは少なく、借金がかなりあるのではないか、という可能性があります。
 債務超過の場合には相続放棄の手配をする必要があります。

【簡単な遺産調査方法】
 ただ、上記①及び②だけでは、まだ、お父さんの遺産がないとは確定できません。
 簡単で費用もそれほどかからない方法としては次のようなものがあります。

①お父さんの住んでいた家屋が自己所有か賃借かを確認します。
 この点は建物の登記簿謄本(全部事項証明書)を見て判断するといいでしょう。
 自己所有であれば、遺産がある可能性があります。
 ただ、その建物に抵当権登記が多数付けられていたり、税金その他の差押えの登記があったりすれば、結局かなりの借金がある、あるいは税金も支払えない状況だということになります。

②居住家屋が賃借の場合には、賃料が高そうな物件かどうかを現地調査やネットを利用して調査するといいでしょう。
 高そうな物件であれば、その賃料を払うだけの資力がある⇒遺産がある可能性が高くなります。

③ お父さんが公正証書遺言をしているかどうかを調べるのも一方法です。
 これは相続人であれば調べることが可能です(調査方法は相続コラム「公正証書遺言の検索及び確認について」 参照)。
 もし、公正証書遺言をしているのであれば、そのような遺言をする必要のある財産を持っている可能性が高くなります。

【本格的な遺産調査をするときは、相続放棄期間の延長を申請する】
 本格的な遺産調査には時間がかかります。
 相続放棄の期間は相続開始を知って3ケ月以内という短期間ですので、家庭裁判所に相続放棄期間の伸長願いを出しておく必要があります(この点は、相続コラム「相続放棄期間の伸長」 参照)。

【本格的な遺産調査の方法】
 一般的に、遺産の中心は不動産と預貯金や有価証券です。
 不動産の調査は名寄帳の取り寄せが必要です(この点の詳細は、相続コラム「名寄帳の取り寄せ」 参照)。
 また、被相続人であるお父さんの利用していた金融機関(支店名まで必要)がわかれば、取引履歴を取り寄せ、遺産額を確認するとともに、不正出金がないかどうかを確認するといいでしょう(この点の詳細は、Q&A №98参照)。

【信用情報の調査も必要】
 借金の有無や額の調査も必要です。
 この点については信用情報機関(JICC・CIC・全銀協など)に問い合わせて確認するとよいでしょう。
 このように結局、遺産のうち、資産部分と借金の双方を確認して、相続放棄をするかどうかを判断されるといいでしょう。


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生命保険の調査【Q&A №268】

2013/04/16
 父が他界して相続人は兄と私の2人です。
 兄に生命保険の処理を任していたため父が入っていた生命保険の会社、件数、金額を全く教えてもらえません。
 前に、こちらのブログで出来ると拝見したのてすが、それだけを調べて頂きたいのですが、調べる事は出来ますか?
 兄、私、父の分を知りたいのですが。

記載内容

生命保険 相続人 被相続人以外の保険


(まる)


【遺産調査は受け付けています】
 以前に当ブログをご覧いただいたとのことですが、遺産調査として生命保険の調査だけでも、当事務所ではお受けします。
 まずはお電話等にて直接ご連絡をいただければ、費用等をお知らせします。

【調査できるのはお父さんが契約者の分のみ】
 亡くなられた《お父さん名義》で契約された分については、あなたが相続人ですので、生命保険の調査は可能です(調査の対象となる保険会社は、保険協会に加入している約50社です)。
 但し、《お兄さん名義》の保険契約は、たとえ兄弟であっても個人情報保護の関係で調査できません。
 たとえお父さんがその保険金の支払いをしていても、あくまで名義を基準にして、回答されます。そのため、お兄さん名義の分は調査ができません。
 どうしても、お兄さん名義の保険契約を調べたいというのなら、お兄さんの同意が必要です。
 又、お父さんがあなた名義で契約していた生命保険がある可能性があるのなら、それはあなた自身のご依頼により保険協会に調査することも可能です。

【調査の前に、一度は面談が必要】
 弁護士会の方針で、弁護士は少なくとも一度は依頼者の方とご面談させていただいた上で調査を受任するのが原則となっております。
 そのため、いかに遠方にお住まいであったとしても、一度は当職らとお会いさせていただく必要があります。
この点をご理解いただいた上で、ご連絡をいただければ受任内容や条件等の協議をさせていただきたいと思います。


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母の遺産であることの証明【Q&A №260】

2013/03/18
 母が亡くなり、父と、兄弟3人が相続人です。
 母はパートで9時から18時まで働いていました。
 死亡した年齢は満59歳です。

 父は、母の凍結された銀行口座があるとのことで、署名捺印を押すように言います。
 あまりにしつこいので、私はいくつかの銀行の中で1つはサインしましたが、その他はしていません。残り2、3の銀行口座があると思われます。
 最近も、いくらの預貯金があるのか、遺産はどのくらいあるのかと尋ねましたが、「母さんの預貯金はいくらもない」「親の金を当てにするなんて」などと言われ知らせません。私は法定相続分は欲しいと伝えましたが、その意志はないようです。
 ほかに、父の名義ですが、母も住宅ローンを一緒に支払っていました。この件については、母の遺産であることの証明は難しいのでしょうか。
 母の遺産の手がかりになるものは全て父が持っていて、見せてくれませんし、住宅ローンに関する書類も私は持っていません。

 私の二人の兄弟は、サインしているようです。

 弁護士の先生にお願いしたいところですが、母子家庭でお願いするだけのゆとりが無いのが現状です。

記載内容

住宅ローン 銀行 共有

(雅子)


【原則は名義で決定される】
 まず、住宅ローンを支払っていた自宅があるとのことですが、その名義がお父さんであれば通常はお父さんの遺産とされることになるでしょう。
 ただ、全てが名義だけで決まるわけではなく、息子名義だが住宅ローンは父親が全額支払っていたため、息子名義でも父の遺産であるとされたケースもあります。

【預貯金の履歴で調査する】
 そこで、住宅ローンをお母さんが支払っていたというのであれば、お母さん名義の預貯金口座から住宅ローンが引き落とされていなかったかを調べることが必要です。
 まずは、お父さんがサインを求めてきた、お母さんの銀行口座や、現在判明しているお母さんの預貯金口座の取引履歴を取寄せすることをお勧めします。
 その取引履歴の中で、お母さんが住宅ローンを出していることが判明すれば、お父さん名義でも、実質はお母さんの所有であると主張することになるでしょう。
 もし、お母さんが支払っていたのは、住宅ローンの全部ではなく一部の支払いというだけであれば、その分、共有であるという主張をすることになるでしょう。

【預貯金の履歴は相続人であれば入手が可能】
 相続人であるあなたの立場であれば、たとえお父さんが反対しても資料を銀行からもらうことができます(当ブログ Q&A №98 参考カテゴリ:「遺産調査」  の記事をご参照ください)。

【履歴から何を読み取るのか】
 取引履歴から何を読み取るのかが重要で、住宅ローンの支払いだけなのか、あるいは株式や証券の存在も判明することもあるでしょう。
 又、新たな金融機関口座が判明すれば、そこから相続人として住宅ローン借入先銀行に問い合わせることができるかもしれません。
 その意味でも、預貯金口座の履歴照会は必要不可欠ですので、是非、ご手配ください。


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★遺産総額を知る権利【Q&A №251】

2013/03/05
 いよいよ遺産分割協議が始まりました。被相続人は父、法定相続人は母、私、私の夫(養子)、妹2人です。夫は相続に無関心で、基本的に私対母、妹2人の対立です。
 私、夫以外は一蓮托生です。妹が勝手に父の預金口座から現金をおろし、母の口座に全てを入れてしまい、母は開示の義務はないと主張し、遺産総額が把握できません。
 また、相続が完了していないにもかかわらず、父の遺産を母のためにという名目で、妹たちは勝手に使っています。彼女たちの主張は、姉さんは土地だけで十分取り分を満たしているし、母の口座に一旦入ったら母のもの、知る権利などないと言い出しました。妙な話ですが、母の口座に父の遺産があることは妹たちも認めています。たとえ現金の取り分がないにしても、遺産総額を知る権利くらいはあると思うのですが。

記載内容

遺産総額 開示 調停
(HO)


【遺産が多額な場合には、税務署から資料を入手する】
 遺産総額が多額で、相続税の申告をする必要がある場合(本件では課税上の遺産総額が1億円以上の場合)であれば、相続税の申告書を税務署で開示してもらい、それで遺産総額を推定することが可能です。

【開示しないのであれば、自ら調査をする】
 相続人は他の相続人に遺産を開示する義務はありません。
 そのため、遺産の内容(不動産や自動車、預貯金、あるいは保険)などは、他の相続人に頼ることなく、自ら調査する必要がありますし、又、他の相続人の同意なく、調査することが可能です。
 具体的には、当ブログの遺産調査関連の記事(例えば預貯金についてはQ&A №98Q&A №158 )をご参照ください。

【調停で開示を求めても・・】
 相手方が情報開示に応じない場合、家庭裁判所で行う遺産分割調停で開示するように要求することも考えられますが、相手方は調停における開示義務がなく、あなたとしては相手方に対する開示請求権をもたないというのが実情です。
 調停委員が、事件解決のために情報開示をすべきであることを相手方に説明してはくれますが、開示義務があるわけではないので、相手方が素直に開示に応じる可能性は少ないでしょう。
 結局、自らの力で遺産を調査するしかないというのが実情です。
 敵である相手方に頼るのではなく、自らの手で遺産内容を把握するしかない、これが遺産分割の一番重要なところです。

【遺産調査を専門家に依頼することも考える】 
 前記の遺産調査は、相続関係の書類の入手や銀行への照会等、手続きが難しいです。
 もし、自分はそのような手続きができないということであれば、相続調査に詳しい弁護士に依頼する等の方法を考えられるといいでしょう。


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生命保険の調査方法と費用【Q&A №226】

2013/01/09
 生命保険の加入会社
 親が、保険に何社も加入してて本人も年を取り自分が何社何件保険に加入しているか分からなくなってます。生命保険協会に相談したところ、災害者なら無料で対応し
ますがそうでないなら弁護士にご相談下さいといわれてしまいました。申し訳ありませんが料金はおいくら程かかるでしょうか。ご連絡をお待ち申し上げます。
(T・K)


記載内容

生命保険 生命保険協会 調査費用 
【本来は相続の問題ではないが・・】
 今回の質問は相続の問題ではなく、生存している方の生命保険の調査ですが、《遺言書の作成のため、生命保険の内容を確認する必要がある場合もあることを考え、回答いたします》。

【生前でも生命保険の調査は可能です】
 加入者本人である被相続人が死亡した場合には、弁護士に依頼すると、弁護士会を通じて、被相続人の生命保険の詳細を確認することが可能です。
 具体的にいいますと、弁護士会を通じて、生命保険協会に弁護士照会を出します。
 日本には約50数社の保険会社があるようですが、その大半の約50社が生命保険協会に加入しており、その加入している保険会社全部から保険契約の有無及びその内容の回答が返ってきます。
 契約者が死亡していない場合でも、弁護士会を通じて照会が可能ですので、調査したい親の方が弁護士に依頼して、生命保険協会に弁護士照会をかけてもらうといいでしょう。

【調査報酬は10万円程度】
 今回のような調査については、調査料金は弁護士により異なり、一定してはおりません。
 当事務所なら実費込で10万円+消費税という程度の価額になりまます。
 この料金を参考に、具体的に依頼される弁護士と相談し、価額交渉をされるといいでしょう。


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★相続人一人による預金情報の開示【Q&A №205】

2012/10/09
 遺産相続
 6月に義父が亡くなり、義母と主人は早く他界しています。
 その娘が孫(娘達)に父親は借金が有るので迷惑を掛けると悪いので相続を放棄するように弁護士を依頼して少額の通帳だけのコピーを添付し書類だけを送付してきました。娘達は借金が有るのだったら叔母さんも放棄すれば良いことにプラスを独り占めしようとしている魂胆が不服です。私(嫁)には遺産相続の権利は無いのでしょうか。
 銀行の開示は相続人の一人でも出来るとインターネットで読みました。可能ですか。どうすればどうぞアドバイスを宜しくお願い致します。

記載内容

預金情報 取引履歴 相続放棄期間の延長 債務の発見

(さっちゃん)


【妻に義父の相続権はありません】
 まず、妻であるあなたに義理の父の相続権があるかどうかについて説明します。
 義父さんが先に死亡した場合であれば、あなたのご主人が相続します。
 その後、あなたのご主人が死亡したのなら、あなたはご主人の遺産を相続することになります(義父さんの遺産もその中に入っているでしょう)。
 しかし、質問の場合は、先にご主人が亡くなっていますので、亡くなったご主人の子であるあなたの娘さんたち(義父さんの孫)が相続します(これを代襲相続と言います)が、あなたには相続する権利はありません。

【今、するべきことは相続の調査・・娘さん一人で調査可能です】
 今回のようにご主人の兄弟(義父の娘さん)が相続放棄を勧めてきたが、それに不審があるというのなら、是非、義父さんの遺産の内容を調査するべきでしょう。
 まず、最初に義父の娘さんに財産が他になかったのか、又、借金の額や相手方、その裏付け証拠を求めましょう。
 これと並行して、娘さんたち(義父さんの孫)は相続人ですので、娘さんたちが金融機関に義父さんの遺産である預金情報を調査することができますので、早期に調査を実行されるといいでしょう(この方法については、本ブログの相続問題、Q&A №98 をはじめとするカテゴリ( 参考カテゴリ:「遺産調査」 )の各記事をご参照ください)。

【相続放棄が可能なのか・・】
 相続放棄は死亡を知ってから3ヶ月以内という短期間しかできませんので、6月に義父が亡くなられたということであれば、すでに相続放棄ができなくなっている可能性があります。
 ただ、万が一負債が残っている可能性も踏まえますと、債務があることを知ってから3ケ月以内は相続放棄が可能になる余地があります。
 又、今から遺産調査をすると、3ケ月以内に調査が完了することは難しい可能性が高く、そのため、予め裁判所に放棄期間の伸長申請も必要になるでしょう(家庭裁判所にこの申請書式を置いていることがあります)。
 これらの点については、家庭裁判所に聞いてもある程度のことは教えてくれますが、できれば法律の専門家である弁護士に相談されることをお勧めいたします。

大澤龍司法律事務所
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15:43 遺産調査 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

遺贈された預金口座の取引履歴【Q&A №203】

2012/09/20
 被相続人の口座開示請求
 被相続人が遺書に相続人Aに贈与すると記されていた預金口座をB相続人が開示できますか、被相続人の死亡時点でその預金はAの預金であり被相続人の口座で無くなるがAの同意なくして開示請求は出来ないと思いますが如何ですか。

記載内容

遺言 預貯金開示 相続人一人からの請求 遺贈を受けた者の預金の開示請求 使途不明出金

(CAT)


【2つの口座の開示が問題となる】
質問の趣旨からみて、
①被相続人の口座の開示請求できるか?
②遺贈を受けたAさんの口座の開示請求はできるか?

という2つの口座の開示が問題となります。

【被相続人の口座の開示請求は可能】
 過去には、相続人の一人から被相続人の預金の開示を請求できませんでした。
 開示を求めるには相続人全員の同意が必要だというのが多くの金融機関の扱いでした。
 しかし、平成21年に、相続人の一人からの請求でも開示しなければならないという最高裁判決が出て、その後は、相続人の一人からの請求で、被相続人の口座が開示されるようになりました。
 相続人は、被相続人の権利義務を承継する立場ですので、この判決は当然のことです。

【遺贈を受けたAの預金の開示は困難】
 しかし、遺贈を受けたAさんの預金通帳は開示請求できません。
 その方が相続人であっても、開示は、Aさんの個人情報であり、金融機関は開示しません。
 ただ、Aさんの預金をなぜ調べる必要があるのでしょうか。
 遺贈があれば、Aさんが取得しているはずであり、それ以上にAさんの遺産を調査する必要はないはずです。

【Aさんの預金を調べたいという意図は・・】
 ひょっとすると、被相続人から生前にAさんが多額の贈与を受けているのではないかというので、調査したいのかもしれません。
 もし、そうであれば、被相続人の預貯金の入出金情報を確認し(これは前記のとおり取り寄せが可能です)、その出金者が誰かを預貯金払戻票の筆跡から特定し、又、預貯金通帳やキャッシュカードの保管状況から確認するしかないでしょう。
 但し、そのような方法で不正出金が確認できたとしても、そのことだけでAさんの預貯金の開示をすることはできないことは前に述べたとおりですが、少なくとも訴訟などはできるでしょうから、訴訟の中で取り寄せの交渉を弁護士にしてもらうしかないでしょう。


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10:52 遺産調査 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

生命保険の調査【Q&A №202】

2012/09/20
 保険金での特別受益
 父が母と離婚してから再婚し6月に癌で亡くなりました。死亡保険には入ってなかったと言われましたが再婚相手の親が保険外交員信じられません。受取人は今の奥様です
が調べられますか多額の保険に入っている可能性がたかいので

記載内容

死亡保険 生命保険協会 弁護士会照会 税金との違い

(みぃ)


【相続人であれば調査は可能です】
 お父さんが契約者の保険について、どのような保険に入っており、その受取人が誰であるか等についての調査は相続人であれば可能です。

【保険会社がわかっていると調査は簡単】
 ただ、日本では(生命保険会社だけでも)保険会社は約50社近くあるため、どこの生命保険会社と契約していたか不明な場合、保険会社をしらみつぶしに調査することが必要となります。
 なお、質問では、再婚相手の親が保険勧誘員ということですので、とりあえずはその親の関連する保険会社を調査するといいでしょう。

【弁護士会を通じた調査手段があります】
 どの保険会社かわからないということであれば、全ての保険会社に保険の有無内容についての開示請求をすることになりますが、これは大変な手間がかかります。
 そのような場合でも、どうしても調査したいというのなら、弁護士に調査を依頼すればいいでしょう。
 弁護士は弁護士会を通じて生命保険協会に対し照会を行うことができます。この場合、約40社から回答がきますので、国内にあるほとんどの保険会社からの回答を得ることができます。
 もし契約保険会社が不明ということであれば、他の遺産調査も併せて、一度弁護士に相談されるのがよいでしょう。

【保険金は遺産ではないが・・・】
 相続税の申告では生命保険金は遺産の範囲になりますが、遺産分割の場合には、生命保険金は遺産には含まれないというのが裁判例です。
 そのため、生命保険があるというだけでは、遺産額が増えるわけではありません。
 ただ、遺産の額と比較して、あまりに生命保険金の額が多いと、遺産の分割に際して考慮されることになります。
 この点については、過去の記事( 参考記事:「生命保険」 )をご参照ください。


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