"認知症"に関連する記事一覧
 | HOME | Prev »

認知症の母と公正証書遺言【Q&A №562】

2017/03/27


【質問の要旨】

複雑な内容の遺言書と、長谷川式認知スケールの点数

記載内容 認知症 公正証書遺言 無効


【ご質問内容】

去年4月に認知症と診断された母がおります。不動産と預貯金があり、診断される以前から、家をついだ長女にたくさんのこすと、次女にも口頭では伝えておりました。

が、次女の配偶者がいろいろと言ってきたため、12月に公正証書遺言を専門家と相談して作成しました

内容は、不動産はそれぞれこれは長女に、あれは次女にと記載されており、預貯金は、割合で書かれてあるとのことです。

不動産は、かなりの数があり、1つずつ指定しているので、細かい内容になっていると思われます。

認知症の場合、細かい遺言書は無効になりやすいともきき、不安です

なお妹の遺留分はちゃんとみたしております。

長谷川式での数値は11月で17でした

この遺言書の無効の裁判を妹におこされると仮定して、いま現在対処方法はあるのでしょうか?

また裁判をおこされた場合、勝てる可能性は、どのぐらいなのでしょうか?

(プリン)





【公正証書遺言は有効とされる可能性が高い】

お母さんは、公正証書遺言を作成されているようですが、公正証書遺言を作成する際には、裁判官や検察官を何十年もした経験のある公証人が関与します。

遺言書作成時には、公証人が遺言者であるお母さんに直接会い、遺言書が遺言者の意思どおりであるかを確認するとともに、遺言者に判断能力があるかどうかも確認します。

もし遺言者に判断(意思)能力がないというのであれば、公証人は遺言書を作成しません。

そのため、公正証書遺言が作成されているというのであれば、その公証人が意思能力ありと判断したということであり、それが無効とされる可能性は少ないと考えていいでしょう。


【長谷川認知スケールの点数が17点なら有効の可能性が高い】

お母さんは、遺言を作成する1か月前にした長谷川式認知スケール(満点30点)で17点だったとのことです。

これまでの裁判例から見れば、意思能力があったと判断される可能性が高いといえます(【長谷川式認知スケールと意思能力についての裁判例一覧表】参照)。

ただ、意思能力は長谷川式の点数だけで判断されるわけではありません。

たとえば、遺言書の内容が、例えば《全遺産は長男に相続させる》という簡単なものであれば点数が低くとも有効になる可能性が高くなり、逆に複雑な相続を定めていれば、それがわかる意思能力が必要とされるために、点数が高いことが要求されるということになります。

また、次項に記載して事項をも含めての総合判断ということになります。


【意思能力についての他の判断資料について】

なお、意思能力の判断資料としては、上記の長谷川式認知スケールだけではなく、病院に入院し、あるいは施設に入所などされていた場合には、その病院でのカルテ、施設の介護日誌などでお母さんの言動が記録されていることも多く、それも意思能力の有無の判断資料になることを憶えておかれるといいでしょう。

また、現在、お母さんに判断能力があるのなら、その元気な姿をビデオで撮影する等して将来の訴訟等に備えるといいでしょう。


【勝訴の可能性について】

意思能力の有無は長谷川式のテストやカルテ等の内容も含めての総合判断ですし、又、相手方の妹さんの主張や提出する証拠を見て、裁判所が最終的に判断するべきことですので、現段階で勝訴の可能性を聞かれたとしても、回答できません。

一般的に言えば、意思能力に関する裁判はなかなか難しいことが多く、当事務所で意思能力を争った訴訟でも、裁判官が迷いに迷ったことが判決内容から窺えるものすら存在するほどのものだ、ということも付言しておきます。

(弁護士 岡井理紗)
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
09:54 遺言 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

兄の使い込みと居直りへの対応【Q&A №561】

2017/03/07


【質問の要旨】

不正出金を取り戻せるか

記載内容 凍結 預金 不正出金

【ご質問内容】

父親が昨年秋に死去しました。

私の兄は、管理していた父親名義の預金通帳からの使い込みが判りました

現在兄は遺産分割協議に協力しないばかりで困っています。

父は預貯金や株を所有していました。

父が10年前に脳梗塞発症後、半身不随になった後、24時間完全介護の老人ホームへ入所しました。入所時から、兄が、父親の全財産の管理を兄が預かっておりました

当時から兄はATMで現金を引き出しており、毎回限度額上限いっぱいの50万円や100万円の金額で、ホームの兵庫から遠く離れた東京の兄自宅近くのATM引き出してました

その金額が、10年間6000万円を超。父の同意が、有ったのか分からない一括保険金払い3000万円一括保険金払年金型生命保険にも入っています。

この保険からの年金の入金は、父の口座入金でしたが、保険金払い受取人が兄。

この年金の振り込み口座からも、兄は引き出しておりました。

父親の死後になって、心当たりの銀行証券会社に問い合わせたところ、わかりました。

兄は、死亡届を金融機関に未提出

父の死後の翌日や翌々日もATMから50万円や100万円単位で引き出していたのが判明しています。

私が金融機関に、死亡届を取引明細取り寄せと同時にしたことにより、父親の預貯金口座から、現金の引き出しが出来なくなった兄は激怒してます。

兄からは連日の暴言メールで、私は仕事も手につきません。

夜も眠れません。

兄は「お前はいらぬ事はせんでいい。お前の下らん策で迷惑きわまりない。」と、激しく私をなじる一方です。

遺言状も存在しないようです。

私はどうすればよいでしょう。

父の遺産を私が一部でも引き継ぐ事は諦めて、凍結した銀行口座を解除して兄に任せるべきなのでしょうか?

せめて、今ある預貯金のみの50%の分割で我慢すべきなんでしょうか?

(はなこ)






【あなたはお兄さんと同じ割合の遺産をもらう権利があります】

遺言書がないケースでは、あなたはお兄さんと同じ割合でお父さんの遺産をもらうことができます。

又、生前にお兄さんがお父さんの口座から無断で出金していたのであれば、お父さんはお兄さんに損害賠償請求ができることになりますが、その損害賠償請求する権利はあなたにも相続されますので、生前の引き出し分についてもあなたはお兄さんに請求することが可能です。


【わかっているすべての金融機関にも連絡をしておく】

お兄さんが、お父さんの死亡後もお父さんの遺産を引き出しているようであれば、わかっている金融機関の全てにお父さんが死亡したとの通知を出す必要があります

死亡の連絡があれば、金融機関は口座を閉鎖しますので、ATMでの出金を停止します。

利用しているかどうかわからなくても、その可能性があれば、死亡通知をし、遺産からの出金を停止させる必要があります。


【生前の引き出し分の調査】

前記のとおり、お兄さんの生前引出分は損害賠償請求権として遺産になります。

ただ、いつ、どの程度の額の金銭を引き出されたのか、その引出をお兄さんがしたのかをあなたの方で証明する必要があります

そのため、金融機関に対して入出金の取引履歴の調査をするとともに、大口の出金については誰がその手続きをしたのかを確認するために預貯金の払戻票などを取り寄せし、お兄さんが引き出したということをはっきりさせておくといいでしょう。

ATMの場合には、筆跡などは残りませんが、取引履歴を見るとどこで出金したのかがわかりますので、その取引履歴を証拠として準備しておくとよいでしょう。


【カルテの取り寄せも考える】

お父さんは脳梗塞であったということですが、もし、判断能力がないような状態であれば、お兄さんが出金した金銭の返還請求がしやすくなりますので、入通院された病院のカルテを取り寄せしておくといいでしょう

カルテにはお父さんの判断能力がわかる資料が多数、記載されていることが多いです。

お兄さんはお父さんの依頼で出金したという反論をすることもありえますので、そのような場合に備えて準備をしておくといいでしょう。


【保険契約及びその一括払い金の出金の調査も必要】

保険金の契約書にはお父さんの署名があるはずですので、保険会社から契約書の写しをもらって本当にお父さんの筆跡かどうかを確認するといいでしょう。

又、保険金の支払いが併せて一括支払いだとすると、預貯金から引き出して支払っていると考えられますので、預貯金を確認するとともに、その払戻票の筆跡を確認し、お父さんに無断でお兄さんが手続きをしたという証拠を集めておくといいでしょう。


【急いで手続きする必要があるのなら、弁護士に早期に相談を】

お父さんの遺産をお兄さんが勝手に動かしているように思われます。

お兄さんが預貯金から引き出した金銭をどのように使っているか、あるいは保管しているのかは明らかではありませんが、既にかなりの部分が消費されている可能性がありそうですし、出金分を隠している可能性もありそうです。

裁判に勝ってもお兄さんがお金を持っていないとお金を回収できません。

そのため、できるだけ早く、弁護士と相談され、お兄さんの財産を押さえる手続き(例えば仮差押手続き)などを考えられるといいでしょう

お兄さんの金融機関の口座がわかっているとすれば、それを差し押さえる方法はないのかどうか、また、これからの遺産分割協議を円滑に進めていくためにも、弁護士に相談され、必要に応じて早期に依頼をして、対処方策を講じることをお勧めします。

(弁護士 大澤龍司)

大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
18:01 遺産分割 | コメント(1) | トラックバック(0) | 編集

相続制度見直し:配偶者に対する新優遇案【コラム】

2017/03/07
相続制度見直し:配偶者に対する新優遇案


【配偶者に対する新優遇案が出されました】

現在の相続制度の見直しがされており、法制審議会の相続部会で審議されています。

平成29年2月28日、法務省から新たな案が出されました。

その内容は配偶者を相続上、現在より優遇しようというものです。

具体的に言うと、

①結婚から20年以上過ぎた夫婦間で

②居住用の建物や土地を

③生前贈与や遺言遺贈を受けた場合

これらの贈与や遺贈の対象の不動産を遺産の計算に含まないというものです。

贈与者あるいは遺言者としても、このような贈与等は、遺産の計算に持ち戻さない(含めない)という意思があるだろう点を根拠にする提案です。


【現在の相続制度との比較】

現在の相続制度では、亡くなった方(被相続人)と一緒に住んでいた配偶者が、これからもその家で暮らしていくために家を相続した結果、他の遺産をまったく相続できないというケースがありました。

また、自宅以外の他の財産が少ない場合には、家を相続したことによる代償金という形で、他の相続人にお金を支払う必要があるというケースもありました。

これに対して、今回の新優遇案では、自宅の贈与等を受けていても、配偶者は自宅を取得分とカウントされずに、別途、他の遺産についても自分の相続分に応じた遺産をもらえることになります。


【弁護士コメント】

残された配偶者優遇策としては法定相続分を上げるということも考えられますが、反対が多いようです。

そのため、居住用不動産に限定して配偶者を優遇しようとする考えがだされています。

たとえば、配偶者が相続開始時に被相続人所有の建物に無償で居住していた場合には、

①遺産分割により当該建物の帰属が確定するまでの間、その建物を無償で使用することができ、その間の使用料は遺産分割で取得すべき財産額に算入しないとする案や、

②終身又は一定期間、配偶者にその建物の使用を認め、長期居住権の財産的価値相当額を相続したものとして扱う(建物の所有権額よりは低額になる)という案もあります。

それらに比較すると、今回の新提案はこれらより一歩踏み込んで、残存配偶者が財産を多く取得できる方向での提案です。

ただ、

①結婚から20年以上過ぎた夫婦に限っていること

②被相続人から贈与や遺贈という積極的な行為が必要である

などの要件が必要とされています。

上記の要件が必要とされている点では、他の案よりもハードルが高くなっていますが、逆に、生前贈与や遺贈があれば、その額を遺産の計算に持戻すことなく、家の所有権を取得できるというのは、配偶者の優遇策として進んでいるといえるでしょう。

多数の賛成者があるようですので、今回の提案が立法化される可能性も高いかもしれません。
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
16:20 相続コラム | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

20年前に妻に名義変更された土地は遺産か【Q&A №529】

2016/09/21

 【質問の要旨】

20年ほど前に父から母へ名義切り替えした不動産は、父の遺産か

記載内容 名義 贈与 土地

【ご質問内容】

父が他界し、遺産相続について質問です。

実家は土地も建物も父がなくなる随分前に(20年程前)母名義に切り替えしておりますが、父の遺産に含まれるのでしょうか?

名義は母なので、父の遺産には含まれないのでしょうか?

教えていただけますか。

宜しくお願い致します。

(ふーちゃん)






【他人名義の不動産は被相続人の遺産に含まれないのが原則】

元々はお父さんの所有であった不動産が、生前にお母さん名義に移転されていた場合、その不動産は原則として、お父さんの遺産に含まれません。

ただ、債権者対策として偽装登記したとかいう事情があり、かつ、その事実を証明することができるのであれば、遺産に含めることが可能です。

ただ、現在の名義人としては、そのような偽装登記ではなかったのだと主張する場合が多いでしょうから、話し合いがつかなければ、最終的にはお母さん(登記名義人)を相手に、「この土地はお父さんの遺産である」という訴訟を起こして決着をつけざるを得ないでしょう。

なお、20年ほど前の移転ということですが、その時点でお父さんが認知症にかかっており、意思能力(判断能力)がないような状態であったというのであれば、(それも証明が必要ですが)その不動産の移転は無効であって、お父さんの遺産に属するということになります。


【夫から妻への不動産の移転の場合】

お父さんがお母さんに不動産を移転したとしか、質問には記載されていません。

何を原因とする移転なのかは、移転の際の事情をお母さんにお聞きになるとともに、不動産登記簿謄本(全部事項証明書)を取り寄せて、登記原因を見れば判明しますが、おそらく、贈与で移転されたものと思います。

ご存知だとは思いますが、婚姻後20年間を経過した後の夫婦間での居住用不動産等の贈与はその不動産価額が2000万円以下なら贈与税が全くかかりません。

そのため、お父さんとしてはその制度を利用し、贈与税を支払うことなく、お母さんに不動産を贈与したのだと思われ、それ以外の売買などというのが原因となる可能性は極めて低いでしょう。


【特別受益等の問題が生じるが・・】

仮に被相続人であるお父さんからお母さんへの贈与があった場合、その贈与は特別受益になり、お父さんの遺産分割の際に、遺産に持ち戻して計算することになります。

この特別受益については当ブログQ&A №164Q&A №334をご覧ください。

(弁護士 大澤龍司)
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
10:11 遺産 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★姉妹の預かり金【Q&A №523】

2016/08/01



【質問の要旨】

認知症の人にお金を支払う場合

記載内容 認知症 預かり金 不正出金


【ご質問内容】

母の姉が、元気な時、家族がなく1人身ですので 入院されたとき もしもの時を考え母に相談し お金を預けていました

が、退院されてそのお金を返したいと思っているのですが 今少し痴呆症でありまして

お金を返す時に返しました、受け取りましたと言う文章で残したいのですが

どういう書き方でかわせばよろしいでしょうか


亡くなられた旦那さんの家族があり そちらが 管理する事になるみたいなので

後々 金銭でもめないように したいので どうか、良い方法教えてもらたく相談いたしました。

(樋口)







【金銭の支払いの証明は領収書でする】

金銭を支払った時に、その金銭の支払いの証明をする一番の証拠は領収書です。

領収書の書き方は、ご存知のように、領収書(もちろん、受取書でも結構です)と記載し、受け取った日付、金額も記載した上で、但書で何の返還分かを明らかにし、受け取った人の署名・捺印をすることで完成します。


【認知症が疑われる場合の配慮】

ただ、今回の場合、お母さんのお姉さん(以下、伯母さんと言います)は認知症の可能性があるようです。

認知症があり、しかもその程度がひどい場合には、伯母さんに判断(意思)能力がなく、金銭を受け取る能力なしとされることがあります

又、領収書を作っても、そのような文書を作る能力がないとして、領収書が無効になることもあり得ますし、そもそも、本当に金銭を支払ったのかという点でさえ、疑われる場合もあることを考慮しておく必要があります。


【認知症がひどい場合は成年後見人が選任された後に支払うのが無難】

ただ、認知症といっても様々の程度がありますので、どの程度の症状かを確認をされるといいでしょう。

一般には、伯母さんと話をして会話が成立するかどうかを基準とされるといいでしょう。ただ、日常会話が成立しても、それが直ちに意思能力があるとはいえません。

今回のような、認知症であることははっきりしているようなケースであれば、例えば長谷川式認知スケール等のテストを受けておれば、その点数を聞いて、認知症の程度の判断材料にするといいでしょう(【コラム】意思能力と長谷川式認知スケールに関する判例の紹介)。

認知症の症状が重い場合には、成年後見人が選任されるまで、支払いをお待ちになるのが無難でしょう


【認知症が軽い場合の対応】

認知症の程度が軽い場合には、まず、支払ったということが客観的にわかるような支払い方にするといいでしょう。

具体的に言えば、支払いのときに伯母さんから領収書を受け取るとき、第三者を立ち会わせ、その人のサインをさせるという方法が考えられます。

又、伯母さんの金融機関口座がわかるのであれば、返還金をその口座に送金することも一方法でしょう。

但し、この場合には、お金を送金したという事実がわかるのみで、どのような原因による支払いかがわかりません。

この点をカバーするためには、送金前に、伯母さんに《○年○月○日に貸した金銭は私の××口座に送金してほしい》というような文書を差し入れてもらい、その実行として送金したという形を取るといいでしょう。

伯母さんがそのような文書を書かないということなら、伯母さんの言葉としてそのようなことを言ってもらい、ICレコーダーに残して、万が一の時の証拠として残しておくといいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)

大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
17:43 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★土地の売買と認知症について【Q&A №522】

2016/08/01



【質問の要旨】

認知症の父の土地売買契約書を偽造

記載内容  認知症 告訴 偽造

【ご質問内容】

私は、父の相続人です。

父が生前土地を売る契約をしていました。

父は当時認知症で、土地の売買契約書は父の妹が偽造して作成していました。

この契約を解除できないかのご相談です。

その土地は、現状地目とも田で、買い主がマンションを建てる目的で購入しました。

契約当時認知機能検査MMSEは10でした。

又、父の妹を有印私文書偽造罪で告発は出来ないでしょうか。

よろしくお願い致します。

(choco)







【無効を主張できる可能性があります】

ご指摘の通り、妹さんがお父さんの署名押印(さらには印鑑証明書も無断取得している)を偽造したのであれば、その契約は無効です。

実際の立証は簡単ではありませんが、もし偽造やお父さんが意思能力を欠いていたことを立証することができれば契約が無効であることを主張できるでしょう.



【立証のポイント】

今回の契約無効を立証するに当たっては、お父さんの意思能力の程度が重要となってきます。

具体的には、お父さんの認知症の進行程度や判断能力の状況を病院や介護施設から取り寄せた記録(カルテや看護記録)で分析し、売買契約当時、お父さんが契約の意味を理解したり、印鑑証明書を自身の判断で取り寄せたり(あるいは妹さんに依頼したり)することができたかどうかを確認していくことになります。

そのほか、おそらく司法書士の先生が登記手続に関与しておられるでしょうから、本人確認や契約立ち会い時のお父さんの状況、さらには当時お父さんが署名押印した(とされる)書類の筆跡なども確認し、お父さんがこの契約にどのような関与をしたのかを確認していくことが必要と思われます。

 
【告訴と代金の返還について】

本件では有印私文書偽造罪のほか、買主の方に対する詐欺罪が成立する可能性もあります。

ただ、警察はこういった親族間での問題になかなか立ち入らず、実際に立件する可能性は極めて低いのが現状であることはご理解ください(買主の方が詐欺だとして告訴すれば話は違ってきますが。)。

他方で、契約無効を主張した場合、土地は相続財産として戻ってきますので、その後に遺産分割を行うことは可能です。

ただ、契約が無効であれば(当然ですが)お父さん(あるいは妹さん)が受け取った売買代金を買主の方に返還しなければなりません。

この点にはご注意ください。

(弁護士 北野英彦)

大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
17:40 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★母の預貯金を成年後見人に取り戻してほしい【Q&A №519】

2016/07/11



【質問の要旨】

母名義の預金を成年後見人は取り戻してくれるのか

記載内容  成年後見人 不正出金 取り戻す

【ご質問内容】

アルツハイマーの母は実家で一人暮らしをしております

子供は私と姉の二人姉妹です

父(認知症)は5年前に他界いたしました

姉とはこの亡父の遺産(家屋・土地・融資産を姉が相続するという公正証書あり)のことで 私から家裁に申し立てをする関係となり 一応和解はいたしました 

現在母の介護に関することは母とは別居の姉が施設通所の手配等をやっています

ご相談したいのは 介護が始まってから 姉が母の金融資産すべてを自宅に持ち帰り管理し始めました

これまでそれらの開示を求めましたがそれには応じませんでした

姉は母から預かるように頼まれたと言います

実は 亡父の時も 公正証書を作成し 生前中に父名義の預貯金を全額おろしそれを自分名義の口座に移しておりました

恐らく 母にも同様のことをしている可能性が高いです

母に成年後見人を申し立てることを考えましたが 述べたように母名義の預貯金は前述のようになっているなら管理するものはもう0、ないという事態も十分考えられます

また、アルツハイマーの母は自分で判断は出来ません。相手の言いなりに行動します。

父の時と同様 母に姉はすべてを自分に預けることを一筆書かせているでしょう

このような状況でも母の預金を母名義に成年後見人で戻すことは可能ですか

アドバイスをよろしくお願いいたします

(林檎)







【預金の取り返しは難しい】

成年後見人は本人(お母さん)の権限のほぼすべてを代理する権限を持っていますので、理屈上はお母さん名義の預金をお姉さんから取り返す権限もあります。

たとえば借用書も整った相手から貸し金を返してもらう場合や、交通事故の加害者に対して損害賠償請求を行う、というように相手方の責任がはっきりしている場合であれば、後見人が積極的に権利を行使してお金の支払を請求するケースは確かにあります。

しかし、成年後見人があえて親族内での紛争を起こしてまで不正出金の取り返しに動き出すことはごく例外的なことであり、そうそう見ないケースです。 

というのは、お母さんが自分の意思で(意思能力を失う前に)お姉さんに預金を預けたのか、それとも無断で不正出金をしているのかは外形的にはわかりにくく、明らかな証拠をつかむのが難しいからです。


【お父さんの話は別問題】

ただ、今回はお姉さんがお父さんの相続について周到な対策を整えて遺産を独り占めした経緯があるようですので、お母さんの預金についても同様の不正出金をしている可能性が高いようです。

しかし、法律上はそれだけで不正出金があると断定できるわけではありません。あくまでお父さんの話とお母さんの問題は別物だ、ということです。

もしお姉さんの不正出金を明らかにしたいのであれば、お姉さんの預金引き出しがお母さんの意思に基づかないものであったことを確証づける証拠が必要です。

ただし、確証があっても、後見人は家庭裁判所の監督の下に動きを取るため、家庭裁判所がどのような判断をするかにより後見人の動きが変わってくる可能性があることはご理解ください。

(弁護士 北野英彦)
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
10:29 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

死因贈与予定の土地を今から勝手に使って良いか【Q&A №514】

2016/06/30



【質問の要旨】

死因贈与の土地を使用している

記載内容  認知症 成年後見 死因贈与

【ご質問内容】

平成25年8月母は認知症で意思能力がないということで、家裁の調停により、畑は妹に贈与する契約をしました

ところが、妹は、その土地を仮登記をして、農業振興地域の畑30ヘクタールの真ん中をコンクリート4メートルと倉庫を改修して我が物顔で、使用しております

財産管理は、成年後見人が行っていますが、事前に私に相談があった時には、保全管理をお互いにしようということだったのですが、こうしたことは、許されるのですか。

(タック)






【贈与がないことが証明できれば、調停も贈与も無効】

お母さんに意思能力がないのであれば調停ができませんし、調停が成立したとしても有効な調停ではなく、効力がありません。

そのため、調停調書に贈与(あるいは死因贈与)するような内容が記載されていても、意思能力がなかったのだとして、贈与(死因贈与)の無効を主張すればいいでしょう

ただ、意思能力がなかったということは証明する必要があります。

お母さんのカルテや介護記録を取り寄せして、証明手段とするといいでしょう。


【死因贈与と生前の使用】

 《死因贈与契約した土地を相続人は自分のものとして使用できるか》という質問ですが、前項と関係なくお答えします。

仮に死因贈与があったとしても、その効力は死亡したときから発生するものです

そのため、死因贈与があるからといって、生前に使用することはできません。

ただ、生前に使用している場合には、お母さんとの間に賃貸借や使用貸借契約が締結されている場合が多く、相手方がこれらを使用する法的根拠として主張してくる場合が多いです。


【成年後見人と財産管理】

お母さんに成年後見人がついた場合、成年後見人はお母さんの財産を誠実に管理する義務を負います。

ただ、それはあくまでお母さんに対してであり、あなたに対してではありません。

あなたと成年後見人との間に《財産保全》についての話があり、現在、後見人が財産管理を十分にしていないということであれば、裁判所にこのような事情を説明する書面を提出し、成年後見人がきっちりと財産管理をしてもらうことを求めていくといいでしょう

(法的にはあなたにはそのような申し出をする権利や権限はありませんが、財産管理が不十分だという報告書が出てくれば、裁判所としては後見人から事情を聴取する程度のことはすると思います。)

(弁護士 大澤龍司)
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
16:16 遺産 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★成年後見人に対する損害賠償請求【Q&A №509】

2016/06/17

※同じ方から2つに分けてご質問いただきましたが、回答は1つにまとめています。

【質問の要旨①】

後見開始前の不正出金はどうなるか

記載内容  時効 後見人 不正出金

【ご質問内容①】

認知症の母に成年後見人が付いています。(弁護士)

弟2人が、成年後見が開始される2ケ月前、母が認知症になったのを境に、母の預金、国債、年金型生命保険を2,700万ほど勝手に解約しています。

財産保全処分の審判も、成年後見申したてから1ケ月ほどで出ました。

成年後見人と面談しました弟達は、母がくれると言ったので、もらっただけだと言いました。

解約したもので300万で、それ以前にも3000万ほど預金を引き出しています。

2人は、3000万円は母から贈与されたお金だと、認めたとのちに、成年後見人からお聞きしました。

ですが、現時点でも預金が、1億以上あるため返還請求はしないという後見人の判断です。

弟達がもらったというお金は遺産相続時に特別受益として扱う物との判断です。

そこで質問なのですが、現在成年後見人が返還請求をしないと、このお金が、不当利得というものに当たる場合時効がくると、3000万+3000万のお金は遺産相続時には無効になるのでしょうか?

裁判所に申し立などした方がいいのかと思っていますが、よく判りません。教えてください。


【質問の要旨②】

自分が受取人であった保険を成年後見人が解約した

【ご質問内容②】

母に,成年後見人(弁護士)がついております。

母の財産に生命保険の、変額個人個人年金保険GFというものがあり、母自身で加入しました。

一時払い方式で500万円支払、目標額550万円年金支払い開始日 平成29年4月21日となっています。

母がもしも、平成29年4月21日までに亡くなると、死亡保険金受取人である私が550万円を受け取る事になっていました。

平成29年4月22日以降は母の年金として支払われるという保険です。

成年後見人の元に保険会社から目標金額に達したので、年金受け取り開始日を早めることができる旨連絡がありました。

このまま置いておいても1円も増額しないと思い込まれ、解約手続きされ、1年後5、503、630円振り込まれました。

3、630円増額されていました。

母から私に残す保険だからと、聞いておりました。

最近、後見人になぜ解約したのか聞きましたら、【置いていても1円も増額しないと勝手に思い込みました。】と言われました。

平成29年4月21日までにもしも母が亡くなったら、遺産相続の分に組みこまれるお金でなかったが、現在は組み込まれています。

私が遺産相続人になった時には、成年後見人にこの保険の解約の損失550万円を損害賠償できますか?

(アン)






【債権は10年間の時効で消滅】

弟さんたちが引き出した多額の預金が、お母さんの意思に基づかない場合(お母さんが認知症で判断能力がない場合を含みます)、お母さんは引き出した弟さんに対して不当利得返還請求をする権利(債権)を持つことになります。

この権利は10年で時効にかかりますので、お母さんが長生きした場合、時効消滅する可能性があるというのは質問で指摘されているとおりです。


【就任前の不正出金についての成年後見人の動きは鈍い】

不正出金の被害者はお母さん自身であり、あなたとしては法的には何らの権利もなく、後見人が動かない限り、不正出金分の回収もできません。

成年後見人にはお母さんの財産を保全すると役目がありますので、お母さんの預貯金からの不正引き出しがあれば、引き出した者に対して返還を請求するべきだとも言えます。

しかし、成年後見人は将来の財産保全に動くが、過去の財産の散逸については中々動こうとはしないというのが実情です(正確に言えば、後見人次第です。私の経験でも後見人が過去の不正出金を取り戻したというケースが1件だけですが、ありました)。

なお、成年後見人は裁判所が選任するものであり、後見人が職務を果たしていないのであれば、裁判所に事情説明書的なもの(上申書という題名でよい)を提出し、その中でどんな不正出金があったのかを証拠をつけて提出するといいでしょう。

成年後見人が成年被後見人の財産を横領していたというケースですが、裁判所の後見人に対する監督が不十分であったことから後見人の監督裁判所に損害賠償を命じた判決もあります。

参考判例:広島高判平成24年2月20日
家事審判官が、成年後見人が被後見人の財産を横領していることを認識していたのに、これを防止する監督処分をしなかったことは、家事審判官に与えられた権限を逸脱して著しく合理性を欠くとして裁判所の責任を認めた。


そのため、上申書が出てくれば、裁判所としても、そのまま放置するのではなく、後見人から意見を聞く可能性が高く、場合によれば後見人が不正出金分の回収に動き出すことも考えられます。


【特別受益と消滅時効】

不正出金分を返還請求する権利は10年で時効にかかりますが、特別受益には時効はなく、10年以上前の生前贈与分でも遺産に持ち戻されます。

ただ、特別受益は被相続人の意思に基づく贈与などで問題にされるものですが、質問の場合は被相続人の意思とは関係なく引き出されたものであり、特別受益ではなく、単なる不法行為等の請求権の問題にすぎないと見れば、10年間で消滅時効になるということも考えられますので、ご留意ください。


【後見人の保険解約等の行為には口は出せない】

お母さんが生きておられる以上、あなたはお母さんの財産について、法的には何らの権利権限もありません。

後見人としてお母さんの財産の維持・保全という立場で対応すればよく、あなたの保険金受け取りにまで配慮して保険を維持する義務はありません。

ただ、お母さんとしてはかなりの財産をお持ちであり、判断(意思)能力があった当時にあなたのことを思って保険に入り、あなたを受取人としていたのであれば、財産が極端には減ったような場合ではない限り、保険解約をする必要もないようにも思います。

しかし、仮に後見人が保険解約をし、それによって受取人であったあなたが損害を受けることになるかもしれないとしても、あなたが法的に損害賠償できません。

このことは、お母さんが、判断能力がある時点で保険を解約した場合に、あなたがお母さんに損害賠償をすることができないのと同じことだと思えば理解がしやすいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
14:30 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

認知症の母が亡姉の相続人となった【Q&A №500】

2016/05/11

 【質問の要旨】

認知症の母の姉の相続問題

記載内容  認知症 後見人 判断能力

【ご質問内容】

母が認知症で施設にいます。

姉がなくなり相続が発生しました


姉の上にも長女がいて母と長女の相続になります。

長女と姉の周りには不動産関係の友人がリフォムや介護や高額定期の更新とかまでを管理していたので、法定後見の申し立てて財産を取り戻しました。

しかし今回は母に成年後見人の必要性が考えられて、弁護士に相続のみの依頼も考えましたけど、社会福祉協議会は家庭裁判所への相談を進められて当然に家庭裁判所も成年後見人の申し立てを、念頭に認知症の診断を主治医に作成することを勧められました。

後見申し立ては姉のものを自力でやりましたので手続きには問題がありませんけど、母は相続のお金で在宅介護を希望しています。

成年後見人を選任しないで息子である私が弁護士に依頼しても依頼する弁護士が正しく選定できるか成年後見が優先するかは判断ができません。

社会福祉協議会の話では第三者的な立場で成年後見を家裁に申し立てることを進められています。

弁護士を使い相続ができても将来は私の兄弟と争う結果になりかねません。

成年後見が妥当でしょうか?

(noumihaisou)







【あなたが弁護士に依頼することはできない】

お母さんに成年後見の申立をするのか、あるいはあなたが弁護士に依頼するのかどうかを悩んでおられるようですが、現在のあなたの立場では、お母さんの財産の管理を弁護士に依頼することはできません

お母さんの財産の管理を依頼することができるのは、その財産の持ち主であるお母さんだけです

※注:参考ケース
私(弁護士大澤)が経験したもので、相続人である母親ではなく、その息子が母親の相続問題を弁護士に依頼したというケースがありました。
母親は植物状態で寝たきりであるということを聞いておりましたので、不審に思って相手方の弁護士に「先生は誰から委任を受けたのですか」と尋ねましたところ、「息子さんが事務所に来られた」ということでした。
さらに聞いてみますと、弁護士は母親とは全く会っていなかったことが判明しました。
このような案件では相手方弁護士は依頼者である母親からは委任を受けていないことになり、それにもかかわらず代理人として行動したことについては弁護士会で懲戒の対象とされるものです。
そのため、私が相手方弁護士に対して、母親の代理人を辞任すること及び早期に母親の後見申立をすることをアドバイスして、相手方弁護士がそれに従われたことから、結局、成年後見人が選任され、結局、遺産分割問題も早期に解決することができました。



【成年後見人選任の申立をするのが望ましい】

あなたとしては、お母さんの成年後見人選任の申立をするか、申立をしないでそのまま放置しておく(ということは遺産分割ができないということになります)かのいずれかの選択肢しかありません

現在、3人姉妹(①お母さん②そのすぐ上のお姉さん③更にその上の長女)のうち、(上記②の)お姉さんが死亡されたことにより、既にその(上記②の)お姉さんの遺産分割問題が発生しています。

長女さんの周りに問題のある不動産業者がいるというのであれば、その人物がいつ、相続問題に介入して遺産の取込や横領等の不審な動きをするかもしれません。

その点を考えると、早期に成年後見人の申立を家裁にして、あなたが成年後見人になられることをお勧めします

もし、あなたが後見人に選任されない場合でも、弁護士等の専門家が成年後見人に選任され、その人が相続問題を解決してくれるはずです。


【成年後見人になってすぐ遺産分割解決の手配をする】

あなたが成年後見人になれば、あなた自身の意思で、弁護士に上記②のお姉さんの遺産問題の解決を依頼することもできます

その(上記②の)お姉さんの遺産分割を早期に解決し、お母さんが希望する《相続のお金での在宅介護》を実現されるのが、息子さんとしてのあなたとして、今、早急にとるべき方策でしょう。

(弁護士 大澤龍司)

大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
16:42 遺産分割 | コメント(2) | トラックバック(0) | 編集

認知症の診断と遺言能力【Q&A №497】

2016/04/04

【質問の要旨】

認知症との診断書がある場合、遺言は無効か

記載内容  成年後見 意思能力 回復

【ご質問内容】

姉が、母を連れて、認知症の専門医のところに行き、26年9がつ

その診断結果が、

MMSE 29     17(母の数値)   5

1日常の意思決定を行うなめの認知能力
 見守りが必要

2 自分の意思の伝達能力
 具体的な要求に限られる トイレ食事とか

になってました。

それで、姉がそれをもとに、成年後見制度を申請しようとしたのですが、結局しませんでした。

母は、認知症でしたが、買物もでき、自分で判断できる状態で、この診断書とだいぶ、ちがってました。

そして、26年11月に「すべての財産を私に譲る」、という遺言書をかきました。

28年3月

母は、延命治療をやるかどうか聞かれたとき、やらない、といい、おおきな病院に転院しようとしたのですが、その時の紹介状には、(一般医)「軽度の認知症であるが、日常会話もでき、判断能力はある」とかかれてました。

転院はしなかったのですが、このような状態の場合、遺言書はゆうこうでしょうか?

遺言状を執行した場合、姉が認知症の専門医の、26年9がつの診断書をたてに、遺言無効の訴えをおこしそうなので。

成年後見制度を利用できるような状態の場合だと、遺言は無効になるのでしょうか?
(fgfhh)







【認知症だからといって、必ずしも遺言は無効にはならない】

認知症といっても程度があります。

軽度の認知症の場合には遺言をする能力は認められます。

また、成年被後見人がついた場合でも、その方が判断能力(意思能力)を回復した場合には、医師2名以上の立ち会いをし、一定の方式を条件に遺言を有効とする制度も認められています(成年被後見人の遺言制度 民法973条)。

従って、認知症だからといって、遺言が認められないわけではありません。


【認知症の程度を判断する基準・・MMSEと長谷川式認知スケール】

判断能力を判定するものとして、長谷川式認知スケールがあります。

このテストは、30点満点で認知症の程度を示すテストであり、日本で多く採用されています。

今回、認知症専門医で検査されたMMSE(ミニメンタルステートメント検査の略称)というのは、長谷川式にはない図形検査や自発的に文書を書かせるような質問も存在しますが、検査の年月日や場所等の質問をする等、長谷川式と同じ部分も多いです。

長谷川式と同じく30点満点であることや上記のように質問内容がほとんど重なっていることなどから見て、長谷川式認知スケールとほぼ同様のものと考えていいでしょう。

これまでの裁判例を見ると、長谷川式認知スケールについては10点あたりが遺言能力の境目になりそうです。(この点については【コラム】意思能力と長谷川式認知スケールに関する判例の紹介および【長谷川式認知スケールと意思能力についての裁判例一覧表】をご参照ください。)

お母さんの検査結果がいくらなのか、質問ではわかりにくいですが、仮に17であれば遺言するに足る判断能力がないとは言えない可能性が高く、また、5であれば、よほどのことがない限り遺言能力がない可能性が高いという結論になるでしょう


【紹介状の記載から見た場合は判断能力がありそうだが・・】

お母さんの転院の際の紹介状には「軽度の認知症ではあるが、日常会話はでき、判断能力はある」との記載があるということですので、その約1年半前の遺言書作成時、お母さんは遺言をするに足る判断能力があったように思われます。

しかし、その際、どんな検査をしたのかも知りたいところですし、また、一旦、MMSEで、仮に5点だとされたのであれば、どうして判断能力が回復したのかの説明も必要でしょう。

いずれにせよ、どの時点で認知症のテストをしたのか、どのような検査結果が出たのか、また、入院しているような場合にはどのような言動をしていたのかをカルテや看護記録から探る等、事実を確認して、その結果を総合して判断をするしかないというのが回答になります。

(弁護士 大澤龍司)

大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
14:54 遺言 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★亡母の預金を使い込んだ兄の言い分【Q&A №495】

2016/03/10

【質問の趣旨】

建築費用は貸金か贈与か?遺産を公平に分配するには?

記載内容 不正出金 親に貸付 寄与分

【ご質問内容】

家内の実父は、約30年前に他界しており、更に1年前に実母も他界しています。

法定相続人は4人です。

長男は、約35年前に実親の家の新築の折、数百万円を借用書も無しに工面したと言っています。

そのお金を今になって「返して欲しい、しかも年5.5%の35年間の複利運用」条件を提示しています。

長男が中心となって作成した父の遺産相続協議の際、そのような負債があることは明らかにしておりません
し、返済請求書もありません。

従って、あたかも親への贈与と思われてもおかしくないものです。負債なら、膨れ上がる前に手の打ちようがあったはずです。

今やその金額は、母親の預金(5千万円)でも不足すると主張する始末です。

まさかと思って、他の兄弟が、銀行(3行)に確認したところ、案の定、母親の死亡1年前からATMから引出限度額で毎日下しており、残額はゼロと判明しております。

亡き母は認知症の為、介護施設に入っており、その支払い等のため銀行カードを長男に預けていたようです。

本件は、母親の預金額に目がくらみ、総取りのシナリオを後付で描いたように思えます。

公平に遺産相続する方法をご教示頂けませんか

(yuzu)







【まず、お金を渡したということを証明してもらう】

最初に、長男さんがお金を貸したかどうかの確認が必要になります

お金を貸したというのなら、当然お金の動きがあったはずです。

長男さんにまず、お金が動いたことの証明を求めましょう。

もし、長男さんがその点を証明できないのであれば、貸金の主張は無視して、遺産分割をすることになります


【贈与か貸金か】

もし、お金をご両親に渡していることが証明されるのであれば、次にどういう趣旨でお金を渡したのかが問題になります。

返還してもらうという前提ではなかったのであれば、長男さんから両親への贈与になりますし、返還してもらう前提なら貸金になります

建築資金ということですから、通常ならかなりの金額になります。

高額の金額にもかかわらず、借用書も作成していない、これまでの35年間返還されていない、という事実を考慮すると、貸金である可能性は極めて低いと思われます。


【複利はまずない】

長男さんは複利を主張されているようですが、そのように主張するのであれば、長男さんとしては貸金であることに加えて利息は複利であり、その利率は年5.5%で合意されていたということを証明する責任があります。

借用書も作らないようなとき、複利というような利息の合意が認められる可能性は皆無に近いと思います。


【貸金や贈与と特別寄与の関係】

仮に贈与があったとすれば、両親はもらった金銭は返還不要ですが、長男さんとしては、そのような金銭をあげたことで、長男さんが特別寄与をしたと主張することができます【コラム】寄与分とは?をご参照ください)。

もし、貸金を立証できた場合には、長男さんはご両親に返還を請求できるということになりますが、ただ35年も前の貸付であれば、特段の事由(例えば時効中断等)がない限り、時効で消滅している可能性が高いです(なお、貸金が時効で消滅していた場合でも、長男さんが特別寄与をしたと主張できる余地があります)。


【今後の取るべき対応について】

お母さんの判断能力がない段階で長男さんが預貯金を引き出していたのなら、お母さんは長男さんに不当利得の返還請求権を持つことになります

お母さんが死亡した場合、その返還請求権は各相続人がその法定相続分に応じて取得し、長男さんに請求することができます

長男さんの態度を見ていると、簡単に返還しそうな感じは受けませんので、遺産分割調停や訴訟等の法的手続きが必要だと思います。

ただ、訴訟して勝訴しても、財産がない場合には強制執行もできません

もし、長男さんの財産(例えば抵当権のついていない土地家屋など)があることが判明しているのであれば、長男さんがその財産を隠してしまう前に、財産の移動を禁止する仮差押え等の手続きを取る必要があります

この手続きはむずかしい点がありますので、弁護士に相談されるといいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
16:30 寄与・生前贈与 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★認知症の母に代わり遺産分割協議書を代筆したい【Q&A No.472】

2015/10/07



父を亡くし、相続人は私と認知症の母二人です。

母に後見人を立てずに、代筆で遺産分割を行うことはできるででしょうか?



記載内容

  認知症 遺産分割協議書 偽造


【ご質問内容】

 父が亡くなりました。

 相続人は、息子の私と、認知症の母の二人です。

 私と母は、相続上、争う関係にあるので、後見人をたてなければならないといわれました。

 しかし、息子は私1人なので、母の財産もいずれは息子が引き継ぐことになるし、ましてや母に不利なことは一切する気もありません。

 できれば後見人ナシで(代筆で)1次相続、2次相続合計で最も相続税が少なくなるような相続分割をしたいと考えています。

 これは、犯罪になるのでしょうか。

 誰も、損害を受けないので、見逃されるのでしょうか。

 証券会社からの通報で、訴えられるのではないか心配です。

 母は、ただいま、病院の療養病棟にて入院中

 身体を動かすこと、意思表示はもちろん、飲み込むことも出来ず、点滴のみにて栄養を得ている状態が半年続いています。

 話を理解しているかも不明です。

 成年後見人が決まる前に、亡くなってしまう心配もあり、できれば、後見人ナシで相続を済ませたいと考えています。

(くんくん)







【成年後見人の選任が必要です】

 認知症にも程度がありますが、お母さんが意思表示できないというのであれば、お母さんは遺産分割協議することができません

 本件ご質問のような場合、代筆して作成された遺産分割協議書には、効力はありません。

 あなたとしてはお母さんの成年後見人選任の申立をし、家庭裁判所が選任した成年後見人との間で遺産分割協議をする必要があります。



【節税目的でも犯罪が成立してしまう】

 本件ご質問のような場合に、あなたがお母さんの署名捺印を代行することは認められません。

 もし、お母さんの代筆をした場合、有印私文書偽造等の犯罪末尾記載の刑法第159条、161条参照)になる場合もありえます。

 なお、節税という理由があっても犯罪が成立することに違いはありません。

 節税をはかる必要があるのなら、成年後見人の選任申立をし、その後見人との間で遺産分割協議し、その際、節税の必要性を説明して、成年後見人の了解を取りつける必要があります



【特別代理人が選任される場合】

 被後見人がお母さんの場合、息子さんが成年後見人になることもあります。

 しかし、今回のように遺産問題があり、利害対立するような場合には、裁判所は遺産とは関係のない第三者を後見人に選任することが多いです。

 もし、仮にあなたが後見人に選任された場合でも、遺産分割に関する限り、あなたはお母さんと利害が対立しますので、裁判所に特別代理人を選任申立をする必要があります

 この場合、あなたは裁判所が選任した特別代理人との間で遺産分割協議をすることになります

(弁護士 大澤龍司)

〔参照条文〕

刑法
159条1項(有印私文書偽造罪)
 行使の目的で、他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

161条1項(偽造私文書行使罪)
 前二条の文書又は図画を行使した者は、その文書若しくは図画を偽造し、若しくは変造し、又は虚偽の記載をした者と同一の刑に処する。

大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
16:42 遺産分割 | コメント(1) | トラックバック(0) | 編集

騙して遺言を書かせると罪になるのか 【Q&A №458】

2015/07/27



【質問のまとめ】

認知症で遺言作成能力がなくなっていた母の遺言書が出てきました。

 三女が下書きをして、認知症の母を騙して書かせたものです。

 そんなものを書かせることは犯罪ではないですか? 



記載内容

  意思能力 詐欺 警察


【ご質問内容】

 母は当時認知症で遺言作成能力はありませんでした。

 診療記録や介護記録や認知症の検査結果があります。

 私長女は母から「三女に下書きをして来たから遺言書書けと言われて書いた」と聞いていましたが、検認時に初めて見ました。

 次女の息子(たった一人の男の孫)に「墓を守って貰いたい為、不動産をその孫の名前にした」と聞いていました。

 その言葉から「孫に遺贈する」内容だと思いました。

 しかし検認された遺言書は遺贈の件も墓の話も一切なく、重い病気にかかっている次女に不動産(仏壇のある古い家)を押し付け、長女と三女に貯金を二分の一ずつ相続させるとの内容です。

 三女は「お母さんの希望を尊重して下書きしてきた」と母に渡したとメールに書いてます。

 要介護5の母は三女の下書き通りに書けば自分の希望通りになると必死で書いたと思われます。

 意思ではないので遺言書を無効にするのは当然ですが、認知症の母に騙して書かせた三女に罪は問えないものでしょうか?

 三女は親のキャッシュカード7枚作成し出金し返していません。

 金融機関の取引履歴でわかっています。

 この使途不明金を有耶無耶にする為にこのような遺言書を書かせたものと思います。



(azurea)








【詐欺になっても、処罰されることはない】

 騙して遺言書を作成させたというのであれば詐欺になる可能性が考えられます。

 ただ、仮に詐欺罪にあたる行為がなされたとしても、親子(法律的に言えば直系血族)間での詐欺は処罰の対象になりません(刑法 251条、244条。末尾に条文を記載しておりますのでご参照ください)。




【対応策は遺言無効と生前の取込分の返還を求める方法で】

 刑法で処罰されないとなると、民事上の対応として次の2つの方策が考えられます。

 ①遺言書の無効を主張する。

 お母さんについて認知症の検査がされているのであれば、その結果によっては遺言が無効とされる可能性があります。

 その検査が長谷川式認知スケールなら30点が満点ですので、10点以下であれば意思(遺言)能力なしとして無効になる可能性が高いでしょう(【コラム】意思能力と長谷川式認知スケールに関する判例の紹介参照)。


 次に、仮に生前に取込(無断出金)された分があるのなら、生前なら、お母さんがその出金者に対して不当利得返還請求あるいは不法行為による損賠賠償請求ができます。

 お母さんが死亡された場合、これらの権利は相続分に応じて相続人が取得しますので、上記遺言の無効とともに、取込財産の相続分に応じた分の返還を求めるといいでしょう。




【弁護士との相談も考える】

 いずれにせよ、認知症の程度の判断、カードでの出金をしたのが三女であるのかどうかなど証明も必要ですし、また、三女の行動から見て、話し合いで簡単に決着がつくようには思われません。

 もし、可能であれば、相続に詳しい弁護士に事情を説明され、とるべき方策を協議されるといいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)



刑法

(親族間の犯罪に関する特例)
第244条
 配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第二百三十五条の罪、第二百三十五条の二の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。

2  前項に規定する親族以外の親族との間で犯した同項に規定する罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

3  前二項の規定は、親族でない共犯については、適用しない。

(準用)
第251条  第二百四十二条、第二百四十四条及び第二百四十五条の規定は、この章の罪(詐欺罪等)について準用する。
>>続きを読む・・・
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
16:19 遺言 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

認知症の人の遺言【Q&A №451】

2015/07/02



【質問のまとめ】

認知症の人の遺言は有効ですか?

毎年遺言書を書いていて複数の遺言書がある場合、どの遺言が有効になりますか?



記載内容

  意思能力 認知症 書き換え 


【質問詳細】

 母が毎年6月に遺言書をかいているのですが、内容は「私に全財産を相続させる」という遺言書です。

①2013年6月

②2014年6月

③2015年6月

3通かいてます。

ところが、母は去年8月に認知症の診断を受けました。

この場合、遺言書は有効ですか?(③の遺言書)

認知症の診断がでる前の遺言書は有効ですか?(①②遺言書)

後で、兄弟から文句がでそうなので。

認知症の場合は遺言ができないのでしょうか?

遺言書は私が預かってます。

私としては、母が死亡したら、③の遺言書をだして、無効にされるより、①か②の遺言書を家裁へ出して、検認を受けたいとおもっているのですが、可能でしょうか?

③の遺言書が無効にされた場合、①②の遺言書を家裁へだすことは可能でしょうか?




(aso)





【認知症でも程度により遺言が有効となる場合があります】

一口に認知症といっても、現れる症状には、軽い・重いの程度の差があります。

そのため、認知症の方であっても、その症状が軽い方は遺言をすることができます

どの程度の症状が現れると遺言できなくなるか(遺言能力がなくなるか)については、認知症のテストで有名な長谷川式認知スケール(30点満点)でいえば、10点以下であれば遺言能力がないと判断される可能性が高いようです(【長谷川式認知スケールと意思能力についての裁判例一覧表】をご参照ください)。




【無効かどうかの判断は・・】

 認知症と診断されたから遺言が無効になるわけではありません

 診断とは関係なく、認知症で意思能力がないから遺言が無効となるのです。


認知症と診断されたが、意思能力あり  遺言できる

認知症との診断はないが、意思能力なし  遺言できない



 意思能力の検査方法としては長谷川式認知スケール以外の方法もありますし、診断書以外の方法(例えば入院の際のカルテに記載された看護師とのやりとりなど)で意思能力の有無が判断されることもあります。




【複数の遺言を検認に持ち込むことも可能です】

 検認手続きとして、裁判所に複数の遺言書を持ち込むことも可能です。

 そのため、古い遺言と新しい遺言の双方を検認に出すことも可能ですし、3通あれば3通とも出すことも可能です。

 遺言は新たに書き換えれば、古い遺言は無効になります(正確に言えば、新しい遺言に矛盾する内容の古い遺言部分は無効になります)。

 そのため、私(大澤)としては、遺言書が複数あるのだったら、すべて同時に検認に出すのが良いと思います。
 
 しかし、特定の遺言書のみを先に出して、その後に他の遺言書を出すことも法的には可能です。

 ただ、後日、追加で出した場合、他の相続人から《なぜ、先に出さなかったのだ。なぜ、隠していたのだ》という不信感を持たれ、遺産分割がいたずらに紛糾することもあるというマイナス点を考慮に入れておかれるといいでしょう。
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
12:10 未分類 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

子どものいない伯父の相続【Q&A №434】

2015/03/09



 子どももおらず奥さんにも先立たれた一人暮らしのおじを近くに住んでいた兄(おじからみたら甥)がいろいろ面倒をみていました。
ここ何年かはがんにかかり病院に連れて行ったりもしていました。

ところが以前からお金に困っていた別の甥が自分が引き取って面倒をみると連れて行ってしまったのです。

それから間もなくおじも亡くなり、保険金の受け取りも当初は兄になっていたのですが、その後どうなったかわかりません。
おじは最近では少し認知症の症状もあったらしいので保険の受取人も変えられてしまっていて、もしかしたら保険会社にお金を借りていたかもしれません。

このまま兄は泣き寝入りをしないといけないのでしょうか。
おじの兄弟はみんな亡くなっているのでむしろ相続放棄をした方がいいのでしょうか。


記載内容

  生命保険の受取人変更 生命保険の調査 相続放棄 期間延長 

(トン子)


【まず、相続放棄をするべきかを考える】
今回の問題について、どのように対処していくべきかを考えていきます。
まず、相続放棄をするかどうかが問題になります。
ただ、そのためには、遺産(資産)と被相続人の債務の内容を確認し、それを比較して判断することが必要です。
これについてはブログQ&A №431に詳しく記載しておりますが、そのポイントは次のとおりです。
① 遺産(資産)と債務の調査をする。
② 債務の方が多い場合には相続放棄の申し出を家庭裁判所にする。
③ 調査に時間がかかる場合には、期間延長(伸長願い)を裁判所に提出する。

【保険会社からの借り入れについて】
 保険会社から借り入れがあるかもしれないということですが、保険会社が保険金額あるいは保険の解約返戻金を超える貸し付けをすることはありません。
 したがって、保険会社からの借入金債務が残ることはまず考えられませんので、この点は安心されるといいでしょう。

【生命保険は、原則、遺産には入らない】
  生命保険の保険金は原則として遺産には入らないというのが最高裁の判例です(この点はブログQ&A №298をご参照ください)。
  ただ、遺産が少なく、生命保険しかない、あるいは遺産額の60%程度を超えるということであれば、遺産とされる可能性もあります。

【保険契約の確認】
  保険契約の内容はどういうものか、受取人の変更がいつなされ、保険金をいつ、誰が受け取ったかなどについては、法定相続人の立場で保険会社に確認されるといいでしょう(その際、戸籍謄本や除籍謄本が必要になりますが、この点は保険会社により要求する書類が異なりますので、予め、確認されるといいでしょう)。
 もし、どこの保険会社との契約かがわからない場合には、弁護士に依頼して、弁護士会照会という手続きで保険協会に問い合わせすることもできます。
 この場合には保険協会に加入している約50社前後の保険会社から、契約の有無や内容、支払い先等に関する回答が来ることになります。

【意思能力がないと受取人変更はできない】
 保険契約の受取人変更が有効になるためには、その変更をする時点で契約者である叔父さんが判断能力(意思能力)を有していることが必要です。
 質問では、《少し認知症》があったと記載されていますが、その程度がわかりません。
認知症でも、軽い場合(例えば長谷川式認知スケール30点満点で15点以上の場合。なお、《【コラム】意思能力と長谷川式認知スケールに関する判例の紹介》に過去の裁判例を整理しておりますので、ご参照ください)には意思能力があるとされることが多いようです。
 もし、おじさんが入院していたり、介護施設に入っていた場合などは、上記長谷川式認知スケール等の知的能力に関する検査がされている可能性があります。
 これらの病院や施設に確認し、検査がされているなら、その結果を取り寄せ、意思能力の有無を判断されるといいでしょう。
【調査に時間がかかる場合には伸長願いを出す】
 相続放棄は相続開始時点から3ケ月以内に家庭裁判所に申し出(申述)する必要があります。
 しかし、上記の各点についての調査をするには時間がかかります。
 そのため、とりあえずは裁判所に相続放棄申述の期間延長願いを出しておくといいでしょう。
 通常は、3ケ月の延長ならほぼ無条件で出ますし、その後も事情によっては同様の期間延長してくれる場合もあります。
 その伸長された期間を利用して、調査をした上で、相続放棄をするかどうかの最終決断をされるといいでしょう。

大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
13:33 相続人 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

大叔母から預金の引き出しを頼まれた【Q&A №427】

2015/01/26



 私の母の叔母は高齢で一人で住んでいました。

 その叔母が脳梗塞で入院しました。

 私は今叔母の面倒を見ています。

 叔母は、私に私に委任状を書いたから、代理人として叔母の普通預金と定額預金のお金を受け取って病院の支払いなどに使ってほしいと言います。

 叔母の脳梗塞はさらに進んでいます。

 普通預金と定額と合わせるとかなりの額です。

 叔母に何かあった場合、相続人は高齢で意識のはっきりしていない母になります。

 私が叔母の委任状で代理人としてその貯金を受け取り、病院の支払いや、叔母の葬儀に使ってお金が残った場合、母にそのお金を返さないと税金もかかってくるでしょうし、叔母が言うように受け取るべきか迷っています。


記載内容

  代理人 財産管理 脳梗塞

(あきら)





【もらうのか、預かるのか?】

 「委任状を書いたから、代理人として叔母の普通預金と定額預金のお金を受け取って病院の支払いなどに使ってほしい」とお母さんの叔母さん(あなたからすれば大叔母)が言っておられるようですが、大叔母さんは払い戻しを受けた金銭をあなたにあげる(贈与)気持ちなのか、それとも預かって欲しいというだけなのでしょうか。

 その点に関する大叔母さんの意志をはっきりと確認しておく必要があります。

 質問からははっきりとしませんので、場合分けして回答します。




【預かる場合の対処法】

 大叔母さんとしては、あなたに財産をあげるのではなく、管理してほしいということであれば、あなたは金銭の保管者になります。

 ただ、金銭についてはトラブルがつきものです。

 大叔母さんの預貯金を全部解約して、あなたの名義で預貯金するような場合には、《大叔母をだまして財産を取り込んだ》などという影口が聞こえそうです。

 法律以前の問題ですが、もしあなたの名義の預金口座を作るにしても、必要最小限の金額を移動するだけにするのがいいでしょう。

 どうしても預貯金全額を預からなければならない必要性があるというのなら、あなた自身の口座とは別に、大叔母さんから預かった分だけの独自の口座を作り、その分からは自分の用途に使わないようにする・・大叔母さんから預かった財産とあなたの独自の財産をはっきり区別する必要があります。

 なお、大叔母さんが認知症など、意思能力が乏しくて、《金銭の管理ができないような状態》だから預からなければならないというのであれば、成年後見人の選任を考えるべきでしょう。




【預かった場合の相続との関係】

 預かっている最中に、大叔母さんが死亡した場合には相続が発生します。

 その場合には、あなたが預かった金銭の残金は大叔母さんの相続人(あなたのお母さん)に渡すことになります。

 預かっているだけであれば、預かった金銭は相続人に渡すということになるだけですので、相続税の問題は発生しません。

 ただ、あなたの名義に移したということで、贈与があったのではないかと税務署から疑われることも考えておくといいでしょう。

 そのため、預かったということをはっきりとさせるために、金銭管理の方法や解約、返還等についてきっちりとした契約書を作成するとともに、あなたの分とは異なる独自の財産であるとして管理をしておく必要があります。




【もらう場合は贈与税がかかる】

 もし、大叔母さんの意志があなたにあげるというのであれば、贈与になります。

 病院の費用を支払うという負担付の贈与となりますし、更には大叔母さんの面倒を見るという負担付の贈与も考えられますので、その点についても大叔母さんの意志をはっきりと確認する必要があるでしょう。

 贈与の場合には贈与税の申告が必要ですが、法定相続人に対して金銭を渡す必要はありません。

 但し、法定相続人から遺留分減殺請求されることもありますので、ご留意ください。

大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
13:11 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

生前の不正出金を防ぐ方法【Q&A №415】

2014/12/05



 私の父は、私たち子どもとは30年前から別居中で疎遠です。父は、5年程前に脳梗塞で倒れ、現在失語症と軽度の認知症を患っています。

 父が倒れて以降、父の家の近くに住む叔父と伯母が父の家を頻繁に訪れ、父に、父の預貯金、証券、財産を全部よこしてくれと迫っているようです。

 お金に対する執着心が強い父は、今は気丈に「誰が渡すか」と言って何とか断っているようですが、叔父も伯母も隙あらば奪ってやるという姿勢で、通帳や印鑑の場所を調べたり、家の鍵まで保管していて、いつ全財産を奪われるかわかりません。

 特にこれから父の認知も進んできますし、子どものときに別居している私達より、近くに住む叔父や叔母の方が事情に精通しているので心配です。

 私達は父の財産がどのくらいあるのか、どこにあるのかも一切知りません。でも、父は公務員でしたし、退職後は市会議員を20年もしていましたし、株でも大儲けもしたと聞きました。また、母と結婚してからも、家に生活費を一銭も入れたことがなく、大変お金に執着していたので、多額の財産があるはずです。この先どうしたら父の財産を叔父や叔母に奪われないようにできるでしょうか。そしてもし勝手もし勝手に預貯金や証券の名義を変えられたりした場合は、取り戻すことはできるのでしょうか


記載内容

  不正出金 無断 名義変更

(香住)


【結局、お父さんに財産管理を確実にするように説得するしかない】
 人間は誰でも、年齢とともに体力も頭脳も衰えていくものであり、あなた方が心配するのもわかります。
 しかし、お父さんの財産は、お父さんが生きている限りはお父さんのものです。
 お父さんが亡くなった場合には子供らの相続人の財産になりますが、お父さんが生きている限り、相続人(正確にいえば《推定相続人》)であるあなたたちには何らの権利もありません。
 そのため、現段階では、あなたたちがお父さんを説得し、死亡時まで財産確保されるようにお願いするしかないでしょう。
 当事務所が相談を受けたもので、お父さんに女性ができ、その女性がお父さんからお金を引き出そうとしているというケースがありましたが、現実に相続が発生していないということで、推定相続人の立場ではほとんど何も手出しができずに困った案件がありました。

【意思能力がかなり衰えた段階では後見人制度等の利用を考える】
 お父さんが認知症などになり、意思能力が衰えてきたときには、すぐさま保佐人や成年後見人の選任の申し立てをし、財産の散逸を防止する必要があります。
 成年後見人が選任された場合には、お父さんの財産は全て成年後見人が管理しますので、財産の散逸を確実に防ぐことができます。

【現時点ではできることは限られる】
 最初に言いましたように、現時点では、あなた方が法的にできることはほとんどありません。
 そのため、お父さんに主な通帳や印鑑を貸金庫などに入れて厳重に保管してもらう、 お父さんを説得して、《財産を取られないように注意してね》と注意するというようなことしかないでしょうが、長年、別居していたあなたたちが言ってもわかっていただけるかどうか、難しい問題があると思います。
 説得をするということであれば、あなた方より、プロの方が上手でしょう。
 例えば、お父さんが懇意にしていた弁護士がいるのであれば、その弁護士からお父さんを説得してもらうという方法もあります。
 弁護士との間での財産管理契約を締結して、プロに財産管理をしてもらい、その後、お父さんが認知症になった場合には、そのまま成年後見人に就任してもらうシステム(任意後見契約)を作るという方向での財産管理を考えれば、更に安心でしょう。
 もちろん、無料ではありませんが、お父さんとしては一種の保険みたいなものですので、その点を強調してお話をされればいいでしょう。

【預貯金や証券の名義を換えられてしまった場合はどうするか?】
 無断で名義を変更されてしまった場合には私文書偽造になり、警察問題になります。
 しかし、そもそも変更されたということがわからないと警察にも相談できないでしょう。
 仮に、そのような無断変更があったとしても、警察沙汰になるのは別として、お父さんが生きている限りは、あなた方のような推定相続人の立場では裁判をすることもできず、法律的にはほとんど何らの手段も講じることができません。
 ただ、お父さんが死亡した後には、法定相続人として、叔父さん等が無断で名義変更して出金したお金の返還請求をすることが可能ですが、それも叔父さん等の手元にお金が残っていなければ取り戻しようがありません。
 そうならないためにも、お早めにお父さんを説得し、なんらかの形で財産管理方法を整えられることをお勧めいたします。 

大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
15:26 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★亡母の年金収入からの支出と特別受益【Q&A №400】

2014/09/10
 11年8カ月間、2病院を継続入院していた母が、95歳10カ月で亡くなりました。
 その間の他の病院、医院への搬送、見守り、介護、諸用事などが、伴いました。
 葬儀終了後の翌々日、遠く離れた都会に住む弟(故人)家族から、遺産について、唐突に詰問するような長電話をうけました。
 亡き弟には2人の子(成人)がおり、二男がその母同席の下、かけたと後日、弟の妻が話しました。
 相続人は弟の子2人と私の3人です。
 母には遺族年金、厚生年金併せて月当たり28万円位(年330万円)あり、自己の葬儀、法要、墓の移転整備費用として480万円残して逝きました。

 母は93歳1カ月時、認知症発症とレセプトにしるされてました。
 入院中の病院への支払いは月約10万円(年120万円位)です。
 
 49日忌法要には相続人の2人は欠席、弟の妻が出席、その際、法要後、用意した書類をみるか、と聞くと、「みなくていい、田舎の風習があるようだから」と、納得したものだとおもってました。
 ところが唐突に、調停を申立ててきましたので、驚いて困っています。
1 2年弱の入院期間中、弟の遺族は延べ……回病院へ顔だしたか? 

 葬儀、墓地の購入、墓の整備、法要関連費用に700万円超の出費です。

 弟の遺族は入院期間中の年金や遺産を公平?に半額分要求です。
 年金からの出費は、病院、後期高齢者保険料、雑費、家族の生活費などです。

 特別受益、持ち戻し免除とか、ご教示のほど、よろしくおねがいします。

記載内容

不正出金 入院費 介護費
(ろうねんろまん)


【特別寄与の主張について】
 お母さんが死亡し、相続人はあなた(法定相続分2分の1)と、亡くなった弟の2人の子供(代襲相続人、法定相続分は各4分の1)という案件です。
 さて、弟さん側はお母さんの面倒をほとんど見なかったようですが、このような場合でも弟さんの子供らには相続する権利があり、その法定相続分は上記のとおり4分の1です。
 親の面倒を見ないのに相続分を請求するのには不満がおありでしょうが、現在の民法の規定では相続人から除外することはできません。
 ただ、あなたがお母さんの面倒を見ていたのですから、遺産の減少を防止し、あるいは遺産を増加させたという点を主張して、特別寄与の申し立てをすることも可能です。
 ただ、一般的には生活の面倒を見たことだけで、特別寄与として認定されることは少ないのが実情です。
 特別寄与と認定されると、遺産の分割に先立ち、その寄与分があなたに支払いされます。

【特別受益について】
 生前、お母さんから金銭等の贈与を受けたような場合には特別受益の問題が発生します。
 あなたの家族の生活費がお母さんから出ているということであれば、この金額が特別受益と主張される可能性があります。
 あなたが生活に困っていたため、お母さんから生活費を援助してもらった、しかもその金額が月額で10万円程度であれば、それは親族間の扶助義務の履行であり、特別受益にはなりません。
 しかし、あなたが生活に困っていない、あるいは毎月もらう額が10万円をかなり超すというのであれば、その10万円を超す総計額が特別受益とされる可能性があります。
 そのため、お母さんが病院費や生活費に使った費用が多く、あなたが生活費としてもらったという金額が少ないという点を証明できるように用意されるといいでしょう。

【持ち戻し免除について】
 特別受益になる場合には、その特別受益額を遺産に持ち戻して(加算するということで、その分、分割の対象となる遺産額が増加します)、遺産分割をすることになります。
 ただ、特別受益になる場合でも、お母さんが《遺産への持ち戻しをしなくてもいい》と言っておられたような場合には、《持ち戻しの免除》の意思表示として、特別受益の持ち戻しをする必要はありません。
 生前に《遺産分割において持ち戻しをする必要がない》と発言したり、書面で書かれたりするような明示の意思表示をする場合だけではなく、状況からみて、そのような意思を推測できる(黙示の意思表示をしている)場合には、持ち戻しの免除が認められます。
 たとえば、相続人が病気や障害のある相続人のためにまとまった財産を生前に贈与しているケースなどは、持ち戻し免除とされる可能性があります。
 また、親と同居のために建物を建設する場合に、その親の敷地を無償で使用する権限をもらう場合も黙示の意思表示とされる場合があります。
 あなたの場合も、万一、毎月の生活費が特別受益に当たるなら、《親と同居してその世話を見ることを条件として援助を受けたのであり、持ち戻し免除があった》と主張されるといいでしょう。

【葬儀費用等の扱い】
 なお、お母さんは自己の葬儀、法要、墓の移転整備費用としてお金を遺していかれたということですが、葬儀費用は相続の際、債務や費用としては認められない場合もありますし、また、法事費用や墓の移転費用などは相続の費用としては認められない場合が多いです(相続 Q&A №308 をご参照ください)。
 そのため、安易に遺産である預貯金を葬儀や法事等のために使うのはかなりリスク(危険性)のある行動だということも記憶されておくといいでしょう。


※ご質問の文中、一部文字化けしているところがありましたが、ご質問の本旨には影響がないと思われますので、文字化け部分は「……」と表記し掲載させていただきました。
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
13:23 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

遺産に組み戻さない特別受益【Q&A №387】

2014/06/16
 父は高齢ですが、認知症はありません。
 その父が、私の3人いる兄弟の一人だけに現金を渡していたことがわかりました。 贈与税はかからない金額のようです。 
 将来相続問題になった時に、この特定の兄弟だけに渡されていたお金は、遺産に戻し入れることはできますか?父は、あのお金はその兄弟にあげたものなので、戻さなくても良いと言い、必要ならば自筆の遺言を書くと言っています。

記載内容

贈与 免除 持ち戻し
(げんじ)


【まとまった一時金は原則として特別受益になる】
 お父さんが兄弟のうちの一人にお金を渡しており、その金額が贈与税のかからない金額というのですから、110万円以下の贈与があったのでしょう。
 ところで、お父さんが生前にお金を渡しているケースで、生活に困っている子供に毎月10万円程度の金銭を渡しているのであれば、親の子に対する扶養義務の履行として特別受益にならないとされることが多いです。
 しかし、相続人の方に対し、まとまったお金(仮に100万円程度であればまとまったお金と言っていいでしょう)を贈与していたのであれば、原則として特別受益になります。
 その場合、生前に遺産の一部を受け取っていた扱いになります。
 具体的にいうと、その贈与額を遺産に組み入れ(持ち戻しといいます)、その分を、当該贈与を受けた法定相続人の相続分から控除することになります。

【遺産にもち戻しはむずかしい】
 ただ、被相続人であるお父さんが、その生前贈与分を遺産に持ち戻さなくてもよいという意思表示(持ち戻しの免除)をすることも可能であり、その意思表示は書面でなくても認められます。
 お父さんが必要なら遺言書でそのことを明記するということまでおっしゃっているのであれば、持ち戻し免除の意思が明らかですので、特別受益であっても、遺産に持ち戻しはできないという結論にならざるを得ないでしょう。
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
16:59 生前贈与・特別受益 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★★認知症の母の預金引き出しは違法か【Q&A №383】

2014/06/05
  認知症の母の預金を「本人からの依頼」と言って払い戻しをするのは違法でしょうか?

 母は現在入院中の要介護3で認知が進んできております(ここ一年)。

 特に「認知症」の診断は医師から受けておりません(診断を拒否するため)。

 息子である私は遠方のため、近くにいる母の兄弟が世話をしてくれておりました。特に一番下の妹夫婦が頻繁に顔を見せておりました。

 入院費や生活費は母が管理のもと叔父、叔母たちがやってくれておりました。

 最近、一番下の妹夫婦がかなりまとまったお金を口座からおろしていたことが発覚しました(1,000万円近く)。

 問いただしても「姉さん(母)に頼まれたから」の一点張り張りです。

 母はその時々で言うことが違います。

 ただ、入院中の母は使い道がありません。

 依頼認知症の、診断書かなければ窃盗?横領?とかの罪に問うことは出来ませんか。

 開き直っており「やることはまたまだあるからな」と妹の旦那に捨てせりふのように言われました。

 腹も立ちますが、それ以上のことをしてないか(妹の旦那を養子にする、遺言書を勝手に書かせる)とても心配です。

 成年後見人の申請をするつもりですが、認定をもらうまでの間は手のつけようがないのでしょうか?

記載内容

認知症 成年後見人 預金
(るる)





【窃盗や横領に問うことはできるか】

 お母さんの一番下の妹さん夫婦がお母さんの預金を、お母さんの同意なしに勝手に引き出したということであれば、窃盗や横領罪が成立します。

 この犯罪の成立と、お母さんの認知症との関係ですが、お母さんが認知症であり、意思能力がない場合には、窃盗や横領が成立する可能性が高くなります。

 しかし、お母さんが認知症でない場合には、お母さんの同意があった可能性もあり、窃盗や横領の成立の可能性は少なくなります。

 ただ、いずれにせよ、お母さんとその妹さんの関係は、別居した親族(2親等)になりますので、刑法の規定(末記参照条文:刑法第244条2項)により、お母さんの告訴がない限り、これらの罪で処罰されることはありません。

 参考までにいえば、仮に妹さんがお母さんに無断で出したというのであれば、払戻し請求書のお母さんの署名欄は、妹さんが偽造したものということになり、有印私文書偽造及び同行使の罪にも該当します。

 しかし、いずれにせよ、警察としてはすぐに捜査を開始するようなことは、通常は考えにくいです。


【養子縁組や遺言書の作成への対処】

 《妹の旦那を養子にする、遺言書を勝手に書かせる》ことを心配されているようですが、その可能性はありえます。

 そのため、お母さんの認知症の程度がひどく、物事の判断がつかないような状態であれば、早期に成年後見の申立をし、後見人に財産管理をしてもらう必要がありそうです。

 現在は要介護3ということですが、身体障害であるのか、認知症のような精神的なものであるのかはっきりしませんが、仮に認知症により要介護3であったとしても、ただちに成年後見を付することができるかどうか疑問です。

 ただ、成年後見は財産管理がまったくできない場合ですが、それより認知症の程度が軽い(しかし、完全な財産管理ができない)場合には、裁判所に保佐人の選任申立をすることができます。

 保佐人が選任された場合には、お母さんとしては多額の預金を引き出すような場合には保佐人の同意が必要になります(保佐人の同意を得なかった行為は取り消すことができます)。

 裁判所により保佐人が選任されたということなら、妹さん夫婦にとっては強いけん制になり、勝手な行為が収まるかもしれませんので、検討されるといいでしょう。

 なお、金融機関に、お母さん以外の人には支払いしないように内容証明で申入れすることも考えられますが、このような申入れをしても、妹さん夫婦がお母さんに同行し、預金払戻書を銀行員の前で記載させれば、銀行として払戻しを拒否はできず、結局、有効は手段にはならないでしょう。

(弁護士 大澤龍司)


参考条文:刑法第244条(親族間の犯罪に関する特例)
1 配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第235条の罪、第235条の2の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。
2 前項に規定する親族以外の親族との間で犯した同項に規定する罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
3 前2項の規定は、親族でない共犯については、適用しない。



大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
09:54 遺産分割 | コメント(4) | トラックバック(0) | 編集

★兄弟の口座に移した両親のお金【Q&A №382】

2014/06/04
  両親が高齢のため施設に入るにあたり、これまで遠方にいた弟がそちらの施設に入れるという話になり、この度両親を転居させたのですが。 その際今後両親がボケてお金を引き出せなくなるからと、弟は自分の口座に両親の貯蓄したお金と、母親を銀行の窓口に連れて行き定期を解約し1000万円を移しました。 また実家も、今後の病気に備えるということで弟が売却の手続きをし、この度1400万円ほどで売れたのですが、こちらも自分の口座に入れる予定で、こちらには一切渡さないと明言しております。 この場合、両親の名義ではなくなってしまったお金・財産の相続はどうなるのでしょうか 相続そのものが発生しないのでしょうか こちらの言い分は一切を認めないため、本人とまともな対話もできず困っています、彼は両親に出す生活費を切り詰めており、親族のことながらあまりよくない予想を抱かざるおえません。 今後いずれくる時に介護で使いきったと言い切られれば追求も難しく、この場合はどうなるのか教えていただけたらと思います。

記載内容

介護 贈与 預かり金
(立川)


【介護費用の預託になる】
 弟さんとご両親との権利関係としては、ご両親が弟さんに《将来の介護費用》として《金銭を預けた》ということであり、少し難しく言えば《介護費用を預託》ということになります。
 そのため、弟さんとしては、両親の介護のためにのみ、預かった金銭を支出することができるはずです。
 しかし、現実の問題としては、介護のためだけではなく、弟さんの私的な目的に使用されるのではないか、あるいは介護のためと言っても本当に介護のためであることをどのように証明してくれるのか・・・等、いろんな疑問が浮かんできます。
 ただ、ご両親が生きている限り、あなたにはご両親の金銭問題について、なんらの意見をさしはさむ権利はありません。

【弟さんの管理している預託金の返還を求めることは・・】
 現時点では、ご両親は認知症等で物事の判断がつかないという状態ではなさそうですが、将来、認知症になり、その程度がひどくなった場合には、あなたとしては、ご両親につき成年後見人選任の申立を家庭裁判所に提出するという手段があります(その方法はQ&A №280Q&A №349Q&A №376をご参照ください。)。
 成年後見人がつけば、その時点でのご両親の財産は全て後見人が管理します。
 その段階で、ご両親が弟さんに預けていた金銭を、後見人が返還してもらい、その管理下に入れます。
 しかし、弟さんが既に私的に流用していた場合、その分の返還請求を成年後見人がしてくれるかというと、その可能性は必ずしも高くはないでしょう。
 成年後見人としては、とりあえず現在の財産の管理という点に重点があり、過去に散逸した財産の回復というところまでしない場合が多いようです。

【相続が開始したときにはどうなるか】
 お父さんあるいはお母さんが死亡したとき、相続が開始します。
 その時点で、預託していた金銭が残っているのであれば、その金銭の返還を求める権利(預託金返還請求権)は遺産になりますので、あなたは法定相続分に応じて返還請求ができます。
 又、預けた金銭のうち、弟さんが自分の必要に応じて使った金銭があれば、ご両親としては目的外使用として、損害賠償請求ができますので、この権利も遺産になり、法定相続分に応じてあなたが弟さんに賠償請求をすることができます。

【問題は証明できるかどうか】
 ただ、損害賠償を請求する側(あなた)としては、弟さんが私的に流用したという点を証明する必要があります。
 本来は生前からそのような証拠を集めるのが望ましいです。
 しかし、ご両親の死亡前には、法律的な意味では、あなたが弟さんに直接、預託金の使用状況を確認したり、裏付けとしての領収書等を請求することはできません。
 もちろん、あなたが請求して、弟さんがそれに応じてくれればいいのですが、そのような申入れは弟さんの反発を招くだけの結果に終わる可能性が高いと思われます。
 又、ご両親としては、法律上、使途や金額の報告を求め、あるいはその裏付けを請求できるので、あなたがご両親を説得して、そのような申入れをして頂くということも考えられますが、実現する可能性は低いでしょう。
 そうすると、ご両親が死亡した後に、早期に、弟さんにどれだけの金額を何に使ったのか、その裏付けはあるのかを確認されるといいでしょう。
 又、その一方で、ご両親のおられる介護施設等に支払った金額を確認されるといいでしょ。
 ただ、残存している金額が、介護した期間や介護内容を比較してあまりにも少額というのであれば、調停や訴訟で返還を請求することになります。
 そのような場合は、早期に相続に詳しいお近くの弁護士に相談され、その後の対処方法のアドバイスをもらうといいでしょう。
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
16:31 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

長男が財産管理をはじめたら【Q&A №376】

2014/05/28
 昨年9月に父が他界。遺産分割協議書などの処理も終わったとたん、兄が母親の家に行き、実印と通帳を預けろと言いに来たそうです。
 理由は年寄りの一人暮らしは危険だから、紛失したら大変だ。そうです。母が断ると「俺のことが信用できないのか?」と凄んで、実印だけは持って行っていまったそうです。
 このままでは、いつ通帳も母親のいない間に勝手に持ち出されるか不安でたまらないと母が困っています。
 兄は、母の家の40分くらいの距離、私(次男)は遠方です。
 特に兄は「自分は長男だから、処理は長男がする」と主張するようです。この兄の行動を止める方法はありますでしょうか?よろしくお願い申し上げます。

記載内容

成年後見人 財産管理 遺産調査
(麿)


【お母さんのことはお母さんが決める】
 お母さんの財産管理は、お母さん自身で決定することです。
 そのお母さんが、お兄さんの《要請》で通帳をお兄さんに預けるということになれば、それを防ぐ方法はありません。
 あなたとしては、お兄さんが預貯金を使いこんだ結果、相続開始時点では遺産が何もなくなっているということを心配されておられるのでしょう。
 しかし、現時点で(将来の)法定相続人であるあなたが、お母さんの財産管理をすることはできませんし、お兄さんがお母さんの財産管理をするのを防止することもできないという結論になります。
 ただ、以下に述べることも参考にされるといいでしょう。

【成年後見は使えないか・・】
 ただ、お母さんが認知症などで財産を管理できない状態(Q&A №249、№280)であれば、成年後見人の選任の申立が可能です。
 その申立をした場合、財産管理につき、法定相続人になる人の間で争いがある場合には、裁判所は第三者(司法書士や弁護士)を指定しますので、お母さんの財産の保全をすることができます。

【お母さんとの関係を密接にする】
 法律的はことではありませんが次の方法も考えられます。
 あなたとお母さんの関係が、お兄さんとお母さんとの関係より密接であれば、お兄さんの申し出を断るようにお母さんに言って、実行してもらうことができるかもしれません。
 結局、もっとも確実な方法は、(遠隔地におられるので難しいでしょうが)お母さんとあなたが同居し、お兄さんがお母さんを無理矢理説得することがないよう見守るという方法が有効です。
 あるいは、お母さんがお兄さんの言いなりにならないようお母さんを説得しておく、ということしかないように思います。

【将来の遺産争いに備えて、今、するべきことは・・】
 お兄さんの態度を見ていると、将来、お母さんの遺産紛争が発生する可能性がありそうです。
 その場合には、お母さんがどこの金融機関のどの支店を利用しているのか、又、株式を持っているのなら、どこの証券会社に口座を有しているのかを、現段階で調査・把握しておく必要があります。
 法定相続人は、遺産である預貯金の調査ができます。
 そのため、お兄さんがどれほどのお金を持ち出したのかを調査するために、調査すべき金融機関等を把握しておくのが、一番有効な方法かもしれません。
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
09:41 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

介護をした相続人と寄与分【Q&A №371】

2014/05/01
 母と二人で在宅介護をしてきた父が家で亡くなりました。
 父には遺言書などなく相続人は母と兄姉と自分の4人です。
 兄の方は父の介護を二人に押し付けていたのに遺産を貰うなんて出来ないと、放棄すると言われましたが姉の方は介護なんて自分には関係ないと遺産を要求してきました。
 そこで寄与分についてですが、父は10年前に介護度3が認定され5年前からは5に上がり認知症まで加わった寝たきり生活になりました。そして4年前からは重度のパーキンソン病を患い、2年前からは肺炎を患って胃ろうになりました。介護の間、訪問看護やヘルパーなど頼まず二人だけでしてきました。(胃ろうになってからは訪問看護の人に週一で30分だけ来てもらっていました。)
 介護度5になった辺りから痰が多く吸引機で取っていました、肺炎後からは肺炎防止の為に吸引回数も24時間体制で取っていました。床ずれも大きなポケットが3か所もあり床ずれの場所に圧を掛けない為に体の向きを2.3時間程度に一度は右に向けたり左に向けていました。
 訪問看護の方からはこんなに見てる家族は初めてとまで言われました、父には家族さんにこれだけ見てもらっこんな幸せな人はいないと皆さんから言われました。
 寄与分ですけど姉に対して主張が可能でしょうか、もし調停にまで行ったら寄与分は認められる可能性はあるでしょうか。
 駄文で申し訳ありませんけど、お願いします。

記載内容

介護 ヘルパー 相続分譲渡 相続放棄 特別寄与
(S-Ran)


【療養看護の寄与にあたる可能性があります】
 法定相続人が被相続人の療養介護に努めた場合、遺産の分割に際して特別寄与が認められることがあります。
 ただ、あなたについて言えば、父子関係にあったことから、療養介護は《親族間の扶養義務》の履行であり、《当然なすべき義務を履行しただけである》として、それほど多額の寄与分は認められないのが普通です。
 ただ、あなた方が介護したことにより、ヘルパー等の介護料金等を支払わなくてもよくなったと認められる場合には、その支払いが不要となった金額が特別寄与として認められる可能性があります。

【具体的には・・】
 質問を見ると、
《父は10年前に介護度3が認定され5年前からは5に上がり認知症まで加わった寝たきり生活になりました。》
《そして4年前からは重度のパーキンソン病を患い、2年前からは肺炎を患って遺漏になりました。》
《介護の間、訪問看護やヘルパーなど頼まず二人だけでしてきました。(胃ろうになってからは訪問看護の人に週一で30分だけ来てもらっていました。)》
《介護度5になった辺りから痰が多く吸引機で取っていました、肺炎後からは肺炎防止の為に吸引回数も24時間体制で取っていました。床ずれも大きなポケットが3か所もあり床ずれの場所に圧を掛けない為に体の向きを2.3時間程度に一度は右に向けたり左に向けていました。》
と記載されています。
① どの時期からヘルパーが必要になったのか?
② 週単位でどの程度ヘルパーが必要であったのか?
③ その時点でのヘルパーの料金はどの程度であったのか?

等を調査・確認した上で、その総額を特別寄与として請求されるといいでしょう。

【お兄さんには放棄ではなく、相続分の譲渡をしてもらう】
 お兄さんはあなたの努力を認めて、遺産を放棄すると言われているようです。
 この相続放棄が家庭裁判所に対する相続放棄の申述をするのか、あるいは遺産を請求しないのかがわかりませんが、いずれにせよ《相続放棄》だけでは不十分です。
 お兄さんには相続放棄ではなく、相続分をあなたに譲渡するようにお願いをしましょう。
 相続放棄をすると、お兄さんを除いて他の相続人で遺産分けをすることになり、妹さんの取り分が増えます。
 相続分の譲渡であると、お兄さんの取り分もあなたの取り分に加算されます。
 なお、お母さんも協力していただけるのであれば、その相続分をあなたに譲渡するといいでしょう。
 相続分譲渡については、相続分譲渡書に実印を押してもらい、印鑑証明書をもらっておくといいでしょう。
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
16:30 生前贈与・特別受益 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★存命中の母の取引履歴を調査する方法【Q&A №370】

2014/04/30
 夫の転勤の関係からずっと母親と妹夫婦が母親の家で同居して暮らしていました。

 5年ほど前から母親が認知症になり、私も働いていたことから面倒を妹夫婦にお願いしていました。

 先日、急に妹が癌でなくなり妹の夫から母親名義のわずかな預金通帳を渡されました。

(後から聞いたのですが1年ほど前から癌の宣告受け、余命1年と医者から言われていたそうです。)

 もともと郵便局に1000万以上の預金があり、母は、借家・駐車場や年金・父の戦争の恩給などもあったことからある程度収入もあり、通っていた介護施設等も安価であったことから明らかに預金の残高が少なくなっているようです。

 母の死亡保険の受取人も勝手に自分の娘に書き換えたりしていたことから、余命が短いので母の預金や財産を自分の娘に残そうとしたようです。

 まだ認知症の母がおり私が面倒を見る必要があるので、可能であれば母の口座履歴と妹家族の口座履歴から不正引き出し等がやり取りなどがなかったかを確認 したいのですが可能でしょうか。

記載内容

生存中 被相続人 預金調査 取引履歴 代理人
(ピトニオ)





【生存中の母の口座は他人の口座なので、調査はできない】

 まず、お母さんが存命であるという前提であれば、お母さんとあなたは親子でも別人です。

 そのため、金融機関や保険会社(以下、金融機関等といいます)としては、あなたの照会に対して、別人であるお母さんの口座の内容を開示することを拒否しますので、調査はできません。

 これは、あなたが弁護士に依頼しても同様で、お母さんの口座の調査はできないという結論になります。



【通常は代理人としての調査も考えられるが、本件では・・】

 ただ、金融機関によっては、お母さんの委任状があれば、あなたをお母さんの代理人であるとして、預貯金口座の取引履歴などを回答をしてくれる場合があります(ただ、全ての金融機関等が同じ扱いとはかぎりません。又、代理人からの照会に応じるとしても、必要書類としてどのような書類がいるかも金融機関により異なるので、事前に電話等で確認する必要があります)。

 しかし、本件ではお母さんは認知症であるとすると、あなたに委任するだけの意思能力はないという結論になり、結局、委任状による照会もできないという結論になります。



【後見人として調査するということも考えられるが・・】

 お母さんの認知症であれば、後見人になり、調査をするということも可能です。

 しかし、あなたが、お母さんの後見人選任申立をしても、あなたが後見人になることは難しいでしょう。

 その理由は、あなたが後見人予定者として裁判所に申し立てをしても、他の法定相続人が同意しない限り、裁判所はあなたを後見人に選任せず、第三者(司法書士や弁護士等)を選任する可能性が極めて高いからです。

 後見人は、お母さんのための財産管理をする役割ですので、仮にお母さんの金融機関の取り引き履歴を調べても、他人であるあなたに知らせることはできないからです。



【今、するべきことは・・】

 以上に説明したように、結局、現時点では金融機関に対して、お母さんの口座を調べる方法はありません。

 ただ、お母さんではない人が、預貯金を引き出しているというのであれば、該当金融機関等に《お母さんではない他人の行為での、預貯金の出金や解約に応じないよう申し入れをする》しかないでしょう。

 参考までにいえば、このような申入れは内容証明という形で証拠を残しておかれるといいでしょう。
 
(弁護士 大澤龍司)
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
16:17 遺産調査 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

「残余財産を〇〇に」と書かれた遺言の意味【Q&A №354】

2014/03/12
100歳で他界した被相続人の母には元々2000万円の財産がありました。相続人は私と妹の二人です。母は認知症で3年程老健に入所していました。母には内縁配偶者がいましたが、子供はいません。
 母が入所中に内縁配偶者が死亡し、遺言により4000万円が母に相続され、母の財産は合計6000万円になりました。母が亡くなる半年前に作成した公正証書遺言が見つかり、証人は妹と懇意な間柄の税理士とその職員で、私に1500万円を、残余を妹に相続する内容でした。
 調査すると母の財産管理が内縁配偶者から妹に移ると、妹は不規則に計3000万円を遺言作成前に引き出していました。したがって遺言作成時の財産は3000万円に減っています。
 妹は更に遺言作成後1000万円を引き出していました。妹はその内の1500万円は妹の孫に学費として生前贈与されたもので遺産に入らないと主張していますが、一切証拠や納税証明等はありません。
 私としては妹が引き出した内の1000万円は母の為の経費と認め、他の2500万円を不当利得返還請求し、公正証書遺言無効訴訟を考えております。
 そこで質問ですが、公正証書遺言が有効な場合、遺言にある残余とはどの時点のものですか?不当利得として認められた場合は残余に含まれてしまいますか?また上記の訴訟を行わず調停のみで1500万円より多くの相続は不可能でしょうか?

記載内容

残余財産 その余の財産 遺産の認定時点 遺留分 意思能力 遺言書の無効
(エンダ―)


【遺言にある「残余」とはどの時点のものか】
 遺言は相続開始時に効力を発生するものであり、相続開始時点(=今回はお母さんがお亡くなりになった時点)の遺産を分けるものです。
 そのため、遺言書が有効なものであれば、お母さんが亡くなった時点で残っていた預金などの財産のうち、1500万円があなたに、残りの財産はすべて妹さんに相続されることになります。

【不当利得として認められた場合は残余に含まれるのか】
 お母さんの遺産がどのように増えようが、新たな遺産が見つかろうが、あなたの相続するのは最大で1500万円にしかなりません(逆に言えば、1500万円以下だった場合には妹さんは一円も相続できず、あなたが遺産をすべて相続するだけ、という内容です)。
 そのため、あなたが妹さんの不当利得などを発見しても、それは妹さんが相続する《残余》財産が増えるだけであり、あなたが相続する財産が増えることはありません。

【調停を有利に導くためにどんな主張をするべきか】
 調停を有利に展開するためには、まず、どういう主張をだすかという問題があります。
 遺産全体が最大限で6000万円ということですので、あなたの遺留分は最も多く考えても4分の1の1500万円です。
 遺言では1500万円をあなたにということですので、遺留分侵害の問題は生じません。
 そのため、あなたとしては、遺言書の作成時点で、お母さんには意思能力はなく、遺言は無効であると主張されるといいでしょう。

【調停では遺言書の無効かどうかを判断しない】
 次に調停はあくまで話し合いであり、証拠調べなどはなく、又、遺言書が無効かどうかの結論を出すところでもありません、
 ただ、あなたの方が、遺言書が無効であるという確実な証拠を提出できるのであれば、調停委員としても、遺言書の無効の可能性があることを配慮して、相手方に1500万円以上を出すように話しかけてくれる可能性があります。
 お母さんの介護記録や病院のカルテ等、意思能力がないことを裏付ける確実な証拠を獲得する努力をお続けになるといいでしょう。
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
16:01 遺言 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★認知症の父の財産を取られないために【Q&A №349】

2014/02/27
 私の父が認知症を患い介護認定も出てるのに関わらず再婚した義理の母が食事もろくに与えず父を放置した状態で、怒鳴りちらし悪意も感じられ、父親も怯えてる様子で、とても精神的ストレスを感じてるようです。
 財産目的で離婚にも応じず、離婚するなら多額な金額を請求します。
 最近では認知症の父親を連れて役所や銀行周りも始めてるようでこのままでは、財産も預金も取られた上何をされるかわかりません。
 何か離婚以外でも二人を離し父親を保護する方法はないのでしょうか。
 また、すでに認知症の診断書が出てる父を同行して名義変更等が可能というのはいくら父が名前を書けたとしても、無効ではないのでしょうか。

記載内容

成年後見 認知症 義母の預貯金引出
(新潟)


【財産保全としての成年後見】
 相続に関する法律相談で、よく問題になるのが認知症の被相続人の預貯金の引き出しや解約です。
 近親者の方が被相続人の預貯金を勝手に出金していたという問題です。
 今回のように、義理のお母さんがお父さんの財産に手を出している疑いがあるケースは、間違いなく将来における相続紛争の火種があるケースと言えるでしょう。
 そのような場合、お父さんの財産を保全するため、家庭裁判所に申し立てをして、お父さんに成年後見人をつけるという方法が考えられます。
 後見人が選任された場合には、お父さんの財産はすべて後見人が管理することになります。
 預貯金などもすべて後見人の名義の口座に移しますので、義理のお母さんが引き出すことはできなくなります。

【認知症はどの程度かが問題】
 お父さんは認知症のようですが、どの程度かが問題になります。
 全く判断能力がない(たとえば、自分の名前や子どもの名前も出てこない、家族か他人かも区別できない、簡単な計算もできないなど)ケースもあれば、衰えているが一部判断能力が残されている状態の場合もあり、程度によっては後見人がつけられない認知症もあります。
 その程度が判断する一つの基準としては長谷川式認知スケールというテストがあります。
 お医者さんにこのテストをしてもらって、10点以下(満点は30点です)の場合には後見人がつけられる可能性があります。
 後見人は全く判断能力がない場合ですが、そこまでではない場合にも、後見ではなく保佐や補助といった制度があり、これも家庭裁判所に問い合わせれば詳しく説明をしてくれます。

【弁護士などの第三者が後見人になる可能性も】
 通常は近親者の方が後見人になることが多いのですが、今回のように家族間で金銭管理が問題となっているケースでは、被後見人(お父さん)に財産がある場合には司法書士や弁護士などの専門家が、又、財産が少ない場合には家族と関係のない第三者が後見人になることになります。
 いずれにせよ、後見人が選任されれば、義理のお母さんも勝手にお金を引き出すなどの行為ができなくなり、お父さんの財産は守られることになります。
 一度、お近くの家庭裁判所に問い合わせていただき、後見や保佐、補助といった制度についてご確認いただくとよいでしょう。

【後見人選任申立の問題点】
 後見人の申立には、前項で述べたようなテストや診断書が必要です。
 そのようなテストができるのか、義理のお母さんが反対しないかがまず問題になるでしょう。
 次に、後見人を選任する場合、義理のお母さんにそのような申立が出ているという通知が裁判所から行きます。
 この通知を見て、後見人が選任されるまでの間に、預貯金が一挙に引き出される可能性もあります。
 後見人は、選任されてからはしっかりした管理をするでしょうが、選任以前の引出分まで取り戻してくれるかどうかということですが、通常は選任前の出金についてはあまり動かない人が多いようです。
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
14:18 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★使い込まれた預金は取り戻せるか【Q&A №336】

2013/12/26
 母親は、高齢で、認知症で入院していて、退院の見込みはありません。
 万が一の事があった場合の事を考えています。
 数年前から、母親の年金と貯金を長男が使い込んでいます。
 これは、通帳等を確認すれば、わかると思いますが、何年前までさかのぼって調査する事が可能でしょうか?
 時効はあるのでしょうか?
 また、もし、裁判を起こしたとして、どのくらいの期間を要するのですか?
 費用は、どのくらいかかるのでしょうか?

記載内容

期間 調停費用 裁判費用 弁護士費用 金融機関の取引履歴 特別受益 時効
(KOKO)


【履歴の調査は通常は5年ですが・・】
 まず、《通帳等は何年前までさかのぼって調査する事が可能でしょうか?》という質問にお答えします。
 金融機関は原則として10年間は帳簿を保存しています。
 ただ、取引履歴(入出金の動き)の照会については、通常は照会をした時点から5年間分を回答することが多いです。
 5年分でたりず、それ以前も調査したいというのであれば、頑張れば10年までさかのぼって照会ができるはずです。
 なお、一部の農協や信用金庫などでは、更に遡って履歴が取れる場合もありますが、これはあくまで例外的な場合だとご理解ください。

【時効はあるのか】
① 調査についての時効はありませんが、前項に記載したように、保存期間が経過することにより金融機関に保存されている取引履歴が無くなる可能性がありますのでご注意ください。(お母さんの使いこまれている金銭の返還請求の時効は、場合により異なります。)
② お母さんの同意を得ない使い込みについては不当利得返還請求が可能ですが、これは取り込み行為から原則10年間で消滅時効にかかります。
③ お母さんの同意を得て、贈与を受けているという場合には、特別受益になる可能性がありますが、その場合には時効はありませんので、全ての特別受益が遺産に繰り戻されます。

【裁判や調停を起こした場合の期間について】
 遺産分割については裁判前に調停を起す場合が多いですが、通常は5回前後(期間でいえば6~8ケ月程度)で解決することが多いように思います。
 ただ、案件により異なりますので、あくまで目安とお考えください。
 次に裁判をする場合には、これも案件により異なりますが、通常は判決まで2年間程度かかることが多いように思います。

【費用はどの程度かかるか】
 費用としては、調停を申し立てした場合には、申立費用として印紙が1200円(被相続人が1人の場合)、郵便切手を数千円程度、裁判所に納付する必要があります。
 裁判になると、仮に1000万円を請求すると、訴状に貼る印紙は5万円で、2000万円を請求する場合には8万円の印紙を貼る必要があります。これに郵便切手が数千円程度かかります(但し、相手方が多い場合には増額されます)。
 なお、弁護士に依頼すると、弁護士に依頼したときの着手金と事件が終了した場合の報酬を支払う必要があります。
 この費用は、紛争の対象となる金額及び事件の難かしさ、弁護士の経験等により異なりますので、弁護士に法律相談する際、確認されるといいでしょう。

大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
17:28 弁護士費用 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

内縁の夫が遺産を渡してくれない【Q&A №333】

2013/12/05
 母の叔母の死後に生じた事柄についてお尋ねします。
 大叔母は先夫が戦死した後、長年内縁関係のパートナーと仲良く暮らしておりましたが、先日90歳余で死去しました。籍は入れておらず、子どもはいません。遺言もなかったようです。
 姪である母によると、パートナーは認知症で入院しており、葬儀などは母やいとこの叔母が取り仕切り、相手側のきょうだいは「内縁関係だから」といった冷淡な態度で文字通り、何もしてくれなかったそうです。お墓に関しても取り付く島がないらしく、お骨は母が預かっています。

 問題なのが、大叔母の生前から財産(遺族年金など)はパートナーが管理しており、現在はあちらのきょうだいが「そんなものはない」「叔母さんの入院代に使った」などと言い、叔母固有の財産のことが全く分からないことです。

 母やいとこの叔母としてはせめて、「お墓を建てたり、供養をしたりするお金を渡してほしい」と考えています。
 私は遠方に住んでおり、話を聞いているだけですが、相手側は、おっしゃるところの内縁関係ゆえにパートナーであっても相続できない遺産を、相続の権利のある母やいとこの叔母に返還しておらず(開示さえもしておらず)、窃盗に当たると思うのです。いかがですか。
 大叔母の遺産を調べるには、どのような手立てを取れば良いのでしょうか。大叔父の遺族年金など、少なからず大叔母固有の財産はあると確信しています。

記載内容

内縁 介護費用 不正出金
(きなっしー)


【窃盗にはならないが・・】
 質問には《母やいとこの叔母に返還しておらず(開示さえもしておらず)、窃盗に当たると思うのです》とありますので、この点を先に回答します。
 まず、大叔母さんの財産は生前、内縁の夫が管理しておられたようですので、内縁の夫が預かり続けても、大叔母の意思に基づくものであり、窃盗にはなりません。
 次に、現在、預かり品を内縁の夫の親族が所持している場合ですが、内縁の夫から保管を依頼されているのなら、権限ある占有者から預かったということで窃盗にはならないでしょう。
 ただ、内縁の夫の親族の方が預金を使いこんだようなことがあれば、窃盗ではなく、横領罪等の犯罪が成立する余地があります。
 注意するべきことは、仮に横領が成立するような場合であっても、警察に被害届を提出し、又は告訴状を提出しても、警察がすぐに動くことはまずないということも知っておく必要があるでしょう。

【相続人のみが遺産調査をできる】
 相続人であれば、遺産の調査が可能です。
 そのため、相続人が誰であるかが問題となります。
 被相続人である大叔母さんに子供がなく、大叔母さんのご両親も死亡されている場合には、大叔母さんの姉妹であるあなたのお祖母さんが相続人になりますので、お祖母さんが相続調査をすることができます。
 又、もしお祖母さんのほうが大叔母より先になくなっているのであれば、お祖母さんの子であるあなたのお母さんが代襲相続人として相続人となりますので、お母さんが相続調査ができることになります。

【相続調査の方法】
 あなたのお母さんが相続人だとした場合、あなたのお母さんは遺産を調査することができます。
 相続調査については、金融機関及び支店名を特定して預貯金の調査をするのが基本です。
 もし大叔母の取り引きしていた金融機関がわからない場合には、遺族年金を支給していた機関(大叔父は戦死されているようですので、軍人恩給の場合には総務省恩給局などの可能性もあります)に問い合わせをするというのも一つの手段でしょう。
 金融機関及び支店名がわかれば、その金融機関に「照会の手続きをしたいがどのような書類がいるか」と確認された上で、必要な書類を提出して、取引履歴を開示してもらうとよいでしょう。(詳しくは、Q&A №98 参考カテゴリ:「遺産調査」 を参照ください)。
 次に大叔母さんが不動産を所有していなかったかどうかも確認する必要がありますが、この点は市町村に問い合わせをするといいでしょう(相続コラム「名寄帳の取り寄せ」 参照)。
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
15:16 遺産調査 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★消えてしまった母の預金【Q&A №330】

2013/11/25
 昨年10月に母が亡くなり、現在遺産分割調停中です。姉(三女)は実家の隣に養子義兄と住み母の面倒を見てました。葬儀の後預金通帳を見せず隠したり破ったり、履歴を改ざんしたりしてました。一度は使い込んだことを認めましたが、後日弁護士をたて、母の同意のもとに引き出したといいだしました。
 平成13年、母は転倒した事がきっかけで認知症が出ていました。正常な判断はできなかったと思います。姉夫婦が使った金額は12年間で2~3000万円はあります。先日、留守中に入るとこまるからと実家のカギをつけかえたと言われました、母を参ることもできません。遺産は姉夫婦も平等に分けないといけませんか。。使ったお金を取り戻すことはできないのでしょうか。
 鍵の件は住んでるものが優先すると相手方の弁護士に言われました。残ったお金は3人(4人姉妹)で分けたいと思うのですが法的にどうなんでしょうか。

記載内容

預金 使い込み 認知症
(ひまわり)


【不正出金か?特別受益か?】
 ご相談いただいたお母さんの預金からの多額の出金が、お母さんに無断(あるいは認知症で判断能力を失っていた状況下)であった場合、お姉さんが不正出金したものとして、お姉さんに対して不当利得の返還請求ないし損害賠償請求をすることが可能と思われます。
 正常な判断ができたかどうかは、当時の事情を知る人や、転倒時に通っていた病院のカルテなどから判断する必要があると思いますので、一度問い合わせてみるとよいでしょう。
 他方で、相手方弁護士が主張するとおり、お母さんの同意を得て引き出したと言うことであれば、(使途にもよりますが)お母さんからお姉さんへの生前贈与があったとされる可能性が高いように思います。その場合、いわゆる特別受益として、お姉さんが本来相続する財産を生前に前渡ししたかのような扱いがなされる可能性があります。

【特別受益を考慮した遺産分割を】
 仮にお姉さんの出金が特別受益にあたるとされた場合、相続分に関しては、現存する遺産を平等に分けるのではなく、お姉さんの相続分はすでに前渡しされているかのように扱い、遺産分割をすることになります。現時点でどの程度の預金が残っているのかは定かではありませんが、もし生前贈与の額が遺産の大半に及ぶ場合であれば、現時点でのお姉さんの相続分は残っておらず、結果として現存する遺産を他の3人の姉妹で分割することになることもありうるでしょう。

【それでもお姉さんの合意が必要】
 ただ、仮にお姉さんの相続分が残っていないとした場合でも、お姉さんが相続人であることに変わりはありません。そのため、他の3人の姉妹で遺産を分けるとした場合でも、お姉さんから遺産分割内容について同意してもらう必要があることにはご注意下さい。
 なお、実家の鍵については、基本的に居住者であるお姉さんが立ち入りを認めなければ、たとえ親子(さらには兄弟)であっても、お参りという理由があっても立ち入りはできません。そのため、鍵を変更されたとしても違法ではありません。
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
14:38 生前贈与・特別受益 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集
 | HOME | Prev »