FC2ブログ
"証拠"に関連する記事一覧
 | HOME | 

不正な預金引き出しと疑われたくない【Q&A №567】

2018/06/29


【質問の要旨】

頼まれた出金が不正出金と疑われないか

記載内容  不正出金 証拠

【ご質問内容】

私の祖母は介護が必要で施設でお世話になっています。

去年に祖母の娘(私の叔母)が、「息子が結婚する」と祖母のところへ報告にきたそうです。
祖母は孫に結婚祝いを渡すから10万円を自分の口座からおろして持ってきてほしいと母に頼みました。

祖母の子供は長女(叔母)と長男(私の父)ですが(祖父は他界)、叔母はアルコール依存症で私たち家族に暴言を吐くようになり仲が悪くなって祖母以外の私の家族とは音信不通です。

母は言う通りに10万円を祖母の口座からおろし普通の封筒に入れ祖母のところへ持って行き、叔母も後日その10万円を受け取りに来たそうです。

しかしその後も結婚はしていないみたいで、(その話を出すと叔母は言葉を濁すそうで)婚約破棄になったか騙しとった可能性が出てきました

祖母は足が不自由な位で病気もなく頭もハッキリしていますが、もし亡くなって相続の話になった時にこの10万円が不正出金になるのではと心配になりました。

言われた通り口座から引き出したのは私の母ですが、叔母が「そんなお金貰っていない、不正な出金だ」と言われたら証拠がありません。

これは祖母の口座を管理している私の家族の不正出金になるのでしょうか。宜しくお願い致します。

(けり)





【厳密には祖母の同意がありますが】

 今回は、お祖母さんの同意を得て出金したのですから、(外形上はともかく)厳密には不正出金ではありません。そのお金をお母さんが利得したわけでもありませんので、後日責任追及を受ける理由はありません。

 しかし、そのような話はお祖母さんが亡くなった後は誰も分かりませんので、叔母さんが「10万円が消えている。誰かが不正出金した」と騒ぐ可能性もないわけではありません。

【経過を書面化するなど記録しましょう】

 幸いなことに、お祖母さんはまだご存命で判断能力も十分なようです。それであれば、10万円の出金経過(叔母さんの息子さんの結婚祝いのため出金を依頼したこと、叔母さんを通じて息子さんに渡したこと等)を書面化しておき、お祖母さんにこれを承認する旨のサインや印鑑をもらっておけば、不正出金でないことの証拠になります

 (叔母さんが騙したかどうかは別問題として)少なくともこの書面を作成しておくことで、お母さんの不正出金だと言われることは防ぐことができるでしょう。

【出金の証拠は残るが、支払いの証拠は残らない】

 お祖母さんの指示に従い、お母さんがお祖母さん名義の口座から10万円を出金したという事案ですと、払戻伝票はお母さんが書かれていたことになります。

 また、口座名義人ではないお母さんが出金するのですから、金融機関はお祖母さんのお母さんを代理人とするという内容の委任状も取っているはずです。

 金融機関はこれらの出金関係の書類を残しています

 お祖母さんの死亡後であれば、その法定相続人がこれらの出金関係の書類の取り寄せが可能です。
要するに出金した証拠は残るということです。

 一方で、出金したお金を、お母さんが叔母さんの息子に渡したという点については、結婚祝いで渡したのですから、領収書などは出してもらえないでしょう。
 そのため、出金したお金の使途を裏付ける書類はないということになります。

【死亡後に出金分の使途が問題になると・・】

 お祖母さんがなくなり、叔母さんがこの10万円の出金を問題にすることを想定すると、その際、お母さんは困った立場になります。

 10万円をお母さんが出金したことは金融機関に残っている払戻伝票等の書類で証明できますが、その出金した10万円を叔母さんの息子に支払ったことは証明できないからです。
 叔母さんが10万円を問題にする場合、その息子が自らもらったと言うことも考えにくいでしょう。

 又、結婚祝いとして渡したと言っても、その結婚自体がなかったというのですから、ますますお母さんの立場は不利になります。

【証明方法としては書面を作る、録音をするという方法がある】

 お祖母さんが存命なら、出金の依頼《叔母さんの息子さんが結婚するという話を聞いたので、10万円を出金することをお母さんに依頼し、お祖母さん自身が叔母さんにその10万円を渡したこと》を書いてもらうといいでしょう。

(弁護士 北野英彦)
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://osawalaw.com/
 
12:10 遺産分割のトラブル | コメント(1) | トラックバック(0) | 編集

被相続人の記帳本を交換 私はコピー相手方は原本でした。【Q&A №601】

2018/02/20


【質問の要旨】

被相続人の記帳本の原本を相手方に渡さなければならないか?

記載内容  証拠 交換 原本


【ご質問内容】

 証拠になりうる記帳本を、相続人が半分ずつ交換しました。こちらはコピー、相手は原本をもってきて交換したのですが、最初からお互い確認していなかったので、双方が原本、双方がコピーの交換とはいきませんでした。
 もし、こちらが原本を渡してしまえば、すでにコピーを渡してしまっているので、手元に何もなくなります。実は、相手にすごく不信感を抱いております。
 調停委員の方も、そこまでは確認してくださっていなかったので、慌てて相手方の代理人に聞いて下さったところ、「後日いついつまでに原本の日記を送って下さい」、と言われました。
 次回からは、遠いため電話の調停になる予定です。

 何もかもが初めてなので、宜しくお願いいたします。

(マロン)



 ※敬称略とさせていただきます

【本来は原本を交換する必要はない】
 調停で当事者双方が証拠を出し合うことはよくあります。
 その際、コピーを提出するのが原則であり、原本を交換しあうというのは(少なくとも弁護士がついている場合では)まれなケースです。
 もちろん、コピーが正しいかどうか疑問がある、あるいはコピーが不鮮明な場合などは、原本を提示(見せてもらう)ことでコピーに問題があるかどうかを確認します。

【今回の質問では原本を見せなければいけないか?】
 今回のケースでは、あなたは相手方から原本を預かったが、あなたの方はコピーを渡したということのようです。
 調停であれば調停委員がついているはずであり、コピーの交付をし、原本は確認するだけでよかったのではないかと思います。
 ただ、原本の分量が多量であり、その場では時間的に確認できないということで原本を渡すということになったのかもしれません。
 このように原本を交付する方法には疑問がありますが、この点はこれ以上深く触れないこととしましょう。
 さて、次回からは電話で調停ということになれば、相手方の弁護士としては、あなたからはコピーをもらっただけで原本を確認できなかったわけですので、原本確認の方法としてその送付を求めることはやむをえないことでしょう。
 あなたとしては自分は原本の交付を受けながら、自分の持っている分については、相手方に原本の確認をする機会を与えないということは不公平でしょう。
 そのため、あなたは、相手方代理人に原本を見せる必要があります。

【返還に不安があるのなら】
 もし、返還について不安があるのなら、遠方であってもあなたが相手方弁護士の事務所に行き、その弁護士が原本を確認できる機会を与える必要があります。
 もし、遠隔地でそのような訪問もできないというのなら、相手方弁護士に原本を送付するのはやむを得ないでしょう。
返還してくれるかどうか不安なら、相手方弁護士から原本を返還するという文書(返還期限も記載してもらうことも考えましょう)を取り付けることです。
 又、原本を送ればコピーがないということであれば、原本を送る前にコピーを取る手配をされるといいでしょう。

(弁護士 北野英彦)
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://osawalaw.com/
 
12:01 その他 | コメント(1) | トラックバック(0) | 編集
 | HOME |