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亡父の預金引き出しと相続放棄【Q&A №553】

2017/01/17


【質問の要旨】

相続放棄したら仕送りしていた金銭はどうなるのか

記載内容 預金 引き出し 承認

【ご質問内容】

父の死亡後、多額の負債の連帯保証人をしていたことがわかり、子である私たちきょうだい三人全員が相続放棄をすることになりました。

遺産は預貯金40万円ほどと軽自動車1台。ほかにはありません。

父は年金と私たちきょうだいからの仕送りで生活していました。

相続を放棄してしまうと預貯金から仕送り分を返してもらうことはできない、という解釈であっていますか

(おがわ)






【仕送りは貸金ではない】

親子間では困っていたら助け合う義務(扶養義務といいます)があると定められています(民法第877条第1項。末記条文を参照ください)。

子が親に仕送りするような場合にはこの扶養義務の履行に該当すると考えられます。

そのため、子から親に対する仕送りは貸金ではなく、返還を要しない贈与となり、親は返還義務を負いません

そのため、お父さんの遺産から返還を受けることができないという結論になります。


【参考説明:子の親に対する貸金と子の相続放棄との関係】

前項で述べたように、親に対する仕送りは貸金ではないと考えられます。

ただ、本件の質問を離れて、仮に子が親に貸金があった場合、相続放棄との関係がどうなるかも説明しておきます。

相続放棄とは遺産の相続をしないということです。

子であるあなた方が相続放棄をした場合、お父さんの遺産である車や預貯金40万円を相続することはできません。

しかし、子が親に対して貸金のような債権を持っていた場合、子が相続放棄しても、その貸金債権はなくなりません。

相続放棄は親からの遺産をもらわないということであって、あなた方が従来から持っている親に対する貸金債権までなくなることはなく、あなた方は親の遺産に対して貸金の請求ができます


【参考説明:相続財産管理人の選任が必要】

問題は、この請求をした場合に、誰が支払いをしてくれるかです。

相続放棄をしない場合、法定相続人が遺産の権利者になりますので、その権利者の権限として遺産を自由に処分でき、債務の支払いもできます。

これに対して、相続放棄をした場合、その放棄した相続人は遺産を自由に処分する権限はなく、債務の支払いをすることができません

相続放棄をしない法定相続人がいれば、その人が遺産と債務を承継しますので、その人に支払い請求をすることになります。

もし、すべての相続人が放棄をした場合で、貸金を有している債権者が債権の支払いを求めたいのなら、その債権者が家庭裁判所に相続財産管理人の選任の申立をする必要があります。

選任された相続財産管理人が遺産を管理・調査し、債権者に支払いをしてくれます。

ただ、財産管理人選任の申立をする場合、原則として、予納金として裁判所に90万円から100万円を納付する必要があります。
今回の質問の場合、遺産が少ないのでそのような手続きはするメリットはないでしょう。

なお、財産管理人が選ばれた場合、この申立をした債権者の債権の弁済が優先されるわけではなく、債権額に応じた平等弁済になることも理解しておかれるといいでしょう。


【勝手に遺産から弁済をうけた場合の扱い】

相続放棄したにもかかわらず、その放棄した方が遺産から勝手に貸金の返済を受けた場合、その相続人は遺産を取り込んだとして、相続放棄の効力がなくなることがあります

相続放棄が無効になった場合、その相続人は、お父さんの債権者から請求があれば債務の支払いをしなければならないこともありうることにご注意ください。

民法 第877条
(扶養義務者)
1.直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。
(以下略)


(弁護士 大澤龍司)

大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
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12:57 相続放棄 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

相続人不在の葬儀代や香典の扱い【Q&A No.470】

2015/10/05



相続人のいない従兄弟の葬儀を執り行いました。

従兄弟の財産は、国に没収されてしまいました。

葬儀代だけは戻りましたが、香典分を差し引かれてしまいました。

その後の法要などで、出費がかさみ納得できません。



記載内容

  相続人不在 香典 葬儀費用


【ご質問内容詳細】

 身内が一人もいない従兄弟が急になくなり財産が国に没収されることになりましたが葬儀代だけは戻りました。

 しかしその時に頂いた100万円近い香典を申告したところその分を全部差し引かれてしまいました。

 この差し引かれた分の香典代はそのまま国に持って行かれることは理解できません

 その後永代供養や墓の撤去費用や三回忌など費用がマイナス100万近くかかりました

 裁判所の葬儀時の拠出金等清算完了してもう半年以上たちましたが取り戻せることはできますか。



(マロン)








【葬儀費用は相続債務ではないが・・】

 葬儀費用は相続債務ではありませんので遺産からの支払いはできないというのが原則です(なお、相続税の申告では葬儀費用は費用と控除対象として扱われますが、それは税務の扱いであり、民法上は遺産にかかわる債務とはされておりません)。

 この理由は、遺産から支払われるべき債務は生前に発生したものに限られるのに、葬儀費用は死後に発生するものだからです。

 そのため葬儀費用は原則として喪主が負担することになります。

 ただ、葬儀は①社会生活上で死亡に伴うものであること及び②その額がそこそこ高額であることから、喪主以外の他の相続人も葬儀に参加していたような場合には、公平の観点から法定相続人に負担させることも実務上、よく行われています

 そのため、財産管理人(国)としては、本来は遺産から支出するべきものではないけれども、葬儀費用程度は支出しても差支えないと判断し、あなたに支払いをしたのだと思います。



【香典の扱い】

 葬儀費用は本来、相続債務ではないのですが、公平の観点から遺産からの支出を認めたとすれば、同じく公平の観点から言えば、収入である香典は遺産に入れるべきだという見解になります。

 本来的には喪主が負担すべきとされる葬儀に関する支出である葬儀費用は相続財産から出してもらうが、喪主が受け取る葬儀に関する収入である香典は返さなくて良いというのはやはり公平に反するという結論になりますので、財産管理人があなたから香典分を回収したのはやむをえない処置だったというべきでしょう。

 次の図のような考え方です。

葬儀費用  本来喪主負担  しかし、財産管理人が支出

 香 典   本来喪主の物  しかし、財産管理人の収入



 元々、葬儀費用も当然遺産から出すべきものではなかったのだという前提にたてば、香典で回収を図るという財産管理人の判断もやむを得ないものと思われます。

 経済的あるいは金銭的には損をするような場合もありますが、葬儀に関連する事項は単に経済的に考えるのではなく、社会生活の上でやむを得ずする点もあります。



【法事費用の扱い】


 死亡直後の葬儀費用も原則は相続費用ではありませんので、その後の初七日や四十九日、一回忌等の法事費用についてはなおさら相続費用には当たらず、遺産から支出することは認められません。

 法事費用については、祭祀の承継者が負担するということになります。

 相続人ではないあなたが法事を行うのであれば、その点は予め承知されておくといいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)
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17:48 その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

相続放棄されたマンションの管理費回収方法【Q&A №465】

2015/09/09



マンションの区分所有者が亡くなり、相続人がいません。滞納管理費を回収する手段はありますか?


【ご質問内容】

分譲マンションで独居老人が1年前に亡くなりました。

その後の管理費(年間約35万円)が滞納中です。

当該不動産に抵当権等の権利設定は全くありません。

相続人調査は未だ行っていませんが、息子さんの話では相続放棄する(した)とのこと。

管理組合として債権保全を行い滞納管理費を回収するにはどう処置したらよいでしょうか。

例えば、当該不動産に仮差押をすることは可能でしょうか。可能としたら、どのような手続きが必要になりますか。

宜しくお願い致します。


記載内容

  マンション 管理費 滞納

(管理組合理事A)





【まず、他に相続人がいないかどうかを調査する必要がある】

 すでに息子さんが相続放棄されているようですが、他に相続人はいないのでしょうか。

 相続には順位があり、配偶者と子(または孫)がまず第一順位に相続人になります。

 今回の質問では息子さんが相続放棄されたということですので、第2順位の直系尊属である独居老人のお父さんやお母さんが生存しているのか、万一、生存しているとしたらその方が相続放棄をしているのかどうかを確認する必要があります。

 その後、兄弟姉妹も第3順位の相続人になりますので、これらの方が存在するのかどうか、存在するなら相続放棄をしているのかを確認する必要があります。

 もし、相続放棄をされていない法定相続人がおられれば、その方が債務を引き継ぎますので、その方に請求して、必要な手続きを進められるといいでしょう。



【相続財産管理人を選任することになるが・・】

 相続放棄の結果、相続人がいない場合には、債務を引き継ぐ人もいなくなり、滞納された管理費はもはや誰にも請求できません

 ただ、マンション(の一部屋)という財産があるケースですので、その財産を競売等で換価して、延滞賃料の支払いに充てるということも考えられます。

 しかし、訴訟等の法的手続きをするには相手方が必要ですが、相続人不在では債務者がいないために手続をすることができません

 このような場合、債務者の立場になる相続財産管理人の選任を家庭裁判所に申立することができ、申立があれば、裁判所は相続財産管理人となる弁護士を選任します。

 管理組合としては、この相続財産管理人を債務者として手続きを進めることになります。

 ただ、相続財産管理人の選任申立するには、裁判所に約90万円程度の予納金を納める必要があります。

 この予納金は原則として返還されません




【回収までの手続き】

 財産管理人は独居老人の方の遺産を調査されますので、もし預貯金があれば、財産管理人に債権申し出をする手続きがありますので、延滞管理費の弁済を受けることができる可能性があります。

 もし、預貯金がない場合にも、財産管理人が独居老人のマンションを売却し、その代金で延滞金を支払ってくれる可能性もあります。

 ただ、延滞額である約30万円を回収するために、相続財産管理人申立のための予納金90万円を出すのかということになり、管理組合としてはどちらを選択するかということになります



【管理組合として考えるべきことは・・】

 財産管理人の選任の方針を選択すれば、管理組合として90万円もの費用負担が必要になります。

 しかし、反面、このまま放置しておくと、その独居老人の部屋からの管理費は未来永劫に回収されなくなります。

 また、その部屋をこのまま放置しておくことが、近隣の住民(所有者)やマンション全体にとって悪影響を与える可能性も考えられます。

 多額の金銭がかかっても相続財産管理人を選任するのか、このまま放置するのか、管理組合や他の所有者で協議、検討のうえ、今後の方針を固められる必要があるでしょう。
 
(弁護士 大澤龍司)
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16:04 相続債務 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★相続放棄と葬儀費用【Q&A №440】

2015/04/01



 母方の叔父が独身で、甥、姪に当たる人物が私だけです。

 母も叔父もまだ元気ですが、今のうちに知っておきたいので質問させていただきます。

 叔父の遺産は放棄するつもりです。

 母が亡くなり、その後叔父が亡くなったら葬儀代の負担はどのようになりますか?

 相続人が私しかいない場合、葬儀代は立て替えておけば、遺産を放棄しても葬儀代など請求できますか?

 その場合どんな手続きをしておいたらいいですか?

 領収書をもっておけばいいのでしょうか?


記載内容

  葬儀費用 立替 相続放棄 相続財産管理人 代襲相続  
(はるか)





【葬儀費用は相続債務ので、遺産に立替分の返還請求をできない】

 叔父さんが死亡したとき、資産や債務は法定相続人に引き継がれます。

 この相続人に引き継がれる債務とは、叔父さんが生前に負っていた債務です。

 質問の葬儀費用ですが、これは叔父さんが死亡した後に発生する債務ですので、相続債務にはなりません。

 なお、相続税の申告では、葬儀費用は必要経費として遺産から控除されます。

 しかし、それは税務上の扱いにすぎず、法律では相続債務としては扱われません。

 そのため、葬儀費用を立替えたからといって、その立替分を遺産から支払ってもらえることはないというのが法律的な回答になります。

 なお葬儀費用の扱いについては相続Q&A №140Q&A №424を参照ください。




【相続放棄の後の請求には手続的に費用もかかる】

 お母さんが先に亡くなり、その後に母方の叔父さんがなくなった場合には、あなたはお母さんの代襲相続人として叔父さんの遺産の法定相続人になります。

 あなたが相続放棄をした場合、他に相続人がおらなければ、叔父さんの遺産を管理する人はいなくなり、相続財産は宙に浮くことになります。

 もし、あなたが叔父さんの葬儀費用を立替えたということで請求がしたいのであれば、あなたが家庭裁判所に相続財産管理人の選任の申立をし、これを受けて裁判所が弁護士を相続財産管理人として選任します。

 但し、この選任をしてもらうためには約100万円の予納金を裁判所に納める必要があります(この予納金は相続財産管理人の報酬等に充てられます)。

 このように手続き的にもややこしく費用もかかります。

 しかも、相続財産管理人としては、あなたから葬儀費用立替分の返還請求があったとしても、前項で記載した理由により、支払いを拒否する可能性が極めて高いことを理解しておく必要があるでしょう。





【葬儀をしなければならないなら、生前にその分をもらっておく】

 以上のとおりであり、相続放棄をした場合、立替えた葬儀費用は返還される可能性は極めて少ないと覚悟しておくべきでしょう。

 解決策としては、現在、叔父さんが生きておられるようですので、将来の葬儀費用を予めもらっておくことを考えられるといいでしょう。

 葬儀費用に使用するとの前提で叔父さんからお金を預かり、それを保管しておいて、叔父さんが死亡されたときにそのお金と使って葬儀をされるといいでしょう。
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10:28 相続放棄 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

共有持分と相続放棄の関係【Q&A №402】

2014/10/09
 持分1/2の共有土地所有者がその土地を抵当に入れたまま死亡し、遺族が相続放棄しています。
 債権回収会社に私が代わりに支払い、抵当権抹消手続きをしたいのですが、可能でしょうか?
 抹消手続きに必要な書類一式はお金と引き換えにくれるとの事ですが、登記手続きの権利者は本人死亡なので、誰か代わりに手続きすることが可能でしょうか? 
 抵当が外れたら、相続財産管理人の選任を申し立てて、相続人不存在確定したら、共有者の自分に帰属するのを待つつもりです。
 他には債務も、遺産もないようです。よろしくお願いいたします。

記載内容

相続財産管理人 登記 共有 利害関係人 予納金
(みなみ500)


【共有持分と相続放棄】
 質問者の方は他の方(Aさんとしておきましょう)と土地を共有されていたが、そのAさんが死亡し、相続人が全部相続放棄したというケースです。
 このような場合、民法に《共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がいないときは、その持分は他の共有者に帰属する(255条)》という条文があります。
 質問の場合は相続放棄の結果、相続人がいなくなったケースですが、この場合にも同条文が適用されると考えていいでしょう。
 その結果、質問者の方はAさんの共有持分を取得し、単独所有権者になっています。

【登記は相続財産管理人に対して請求する】
 質問者の方はAさんの借金を債権回収会社に支払い、抵当権の抹消書類をもらうようです。
 ところが、この抹消書類で抵当権抹消登記を申請できるのは持分権者であるAさんです。
 しかし、Aさんには相続人がいないのだから、一体、誰に抵当権抹消登記を請求するのか(登記義務者は誰か)という問題が発生します。
 次に、Aさんの持分が無くなり、質問者の方が単独所有になったのですが、この登記(所有権移転)もAさんに協力してもらう必要があります。
 しかし、Aさんの相続人がいない場合には、Aさんの持分移転登記を誰に請求するのだろうか(この場合の登記義務者は誰か)という問題も発生します。
 結論をいえば、遺産の管理をしてもらう相続財産管理人を選任してもらうことを家庭裁判所に申立する必要があります。
選任された相続財産管理人がAさんの遺産の管理人として登記をすることになります。

【利害関係人なら相続財産管理人の選任申立を急ぐ】
 「利害関係人」であれば相続財産管理人の選任を申し立てることができる(民法952条)と記載されています。
 質問者の方はAさんの借金を支払ったのですから、借金支払分の返還請求権を有する債権者ですし、又、登記を請求できる立場にもありますので、利害関係人であることは間違いなく、あなた自身が申立することは可能です。
 Aさんの抵当権抹消も共有持ち分移転も財産管理人の関与が必要ですので、相続財産管理人の選任を急がれるといいでしょう。

【財産管理人制度についての補足】
 なお、相続財産管理人について簡単に説明しておきます。
 相続財産管理人の選任申立をするには裁判所にお金(予納金)を納付する必要があり、その金額は大阪家庭裁判所では約100万円で、かなりの多額です。
 次に質問者が財産管理人の選任の申立をした場合でも、財産管理人は相続人の関係の手続きのみをするのではなく、遺産の総整理をします。
 そのため、相続財産管理人の手続きが終了するまでにはかなりの期間がかかり、質問者の方の手続きだけが優先されるわけではないことも理解しておく必要があります。
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15:58 相続放棄 | コメント(1) | トラックバック(0) | 編集

分譲マンション 私死亡(ローン完済) 相続人兄相続放棄【Q&A №168】

2012/06/26
 ①相続人である兄が仮に相続放棄をした場合、私が生前に所有していたマンションの管理費等(管理組合)は誰が何時まで支払う義務があるのでしょうか

②マンション室内の私の所持品は兄が撤去する

③電気,ガス,水道料金等の公共料金を兄が支払う必要があるのでしょうか

④マンション所有権(権利書)は国又は管理組合に移管されるのでしょうか


記載内容

相続人不在 相続債務 相続財産管理人 

(おみやさん278)


 今回の質問は、唯一の相続人であるお兄さんが相続放棄し、相続人がいなくなったら?というケースです。

【管理費等はいつ誰が支払う義務があるか】
 相続人がいない場合には、権利と義務を引き継ぐ人はいません。
 そのため、被相続人の所有していたマンションの管理費や電気代などの公共料金は誰が払うかといえば、払う義務のある人はいないという結論になります。

【被相続人に対する債権の回収手続きは相続財産管理人に対してする】
 管理費を回収できない管理組合だけではなく、被相続人に対してお金を貸していた人(債権者)などが困るではないかという疑問もありそうです。
 このような場合には、債権者などの利害関係人は家庭裁判所に相続財産管理人の選任の申立をすることになります。
 但し、その選任申立をする場合、約90万円程度の金銭を裁判所に収める必要があります。

【相続財産管理人が選任されると】
 相続財産管理人は、被相続人の債務を支払うなどの清算手続きを行い、清算後余った財産があれば、国庫に帰属させます。
 あなたの場合、マンション以外に財産がなければ、相続財産管理人がマンションを売却し、管理費・公共料金の未払金などを支払い、余りが出れば、国庫に帰属させることになるでしょう。

【マンションの所有権はどうなるのか】
 マンションの所有権は管理組合に行くことはありません。
 最終的にはその所有権は国庫に帰属することになります。
 しかし、【Q&A141】にも記載したとおり、当然に国に登記が移るのではなく、相続財産管理人が手続きするまで、ずーと放置の状態(被相続人の登記のまま)が続きます。

【マンション内の動産について】
 マンション内の動産も遺産ですので、お兄さんが勝手に移動その他の処分は出来ず、相続財産管理人がマンションと同様に管理・処分することになります。

【相続人のいない相続財産の処理について】
 お兄さんが相続放棄する理由が明らかではありませんが、債務より財産の方が多いのであれば、遺言書で遺産を知人又は公共団体に寄付することも考えてもいいでしょう。

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18:29 未分類 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集
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