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遺産の対象財産と計算方法【Q&A №559】

2017/02/14


【質問の要旨】

保険金や共有の不動産などを考慮すると、遺産分割はどうなるか

記載内容 共有 賃貸 保険金

【ご質問内容】

相続人兄と私のみ

遺産は共有名義の家(持分兄6:父4)

死亡保険金1450万円(受取人私)あり。

家は同居を前提に父が1450万円出したが、喧嘩により同居を断られ一度もその家には住まず、アパートを借り生活。

何度もお金をかえしてくれと頼んだが、聞いてもらえず。

少額の個人年金の受取と兄と私の援助で生活。

2年前父とのトラブルで兄家族は隣の市へ引越。

その1年後父が他界。

葬儀の際、家は父が亡くなる半年ほど前から人に貸していることを聞く。(父は知らない。)

今回、家を売りたいから、早くサインをしてと連絡が来る。

家は兄が相続。(2680万円で売却予定。)

生命保険は私が受取る。

父の葬儀代?円、アパートのリフォーム代192万円、他に亡くなった後かかった費用は兄と私の折半という遺産分割書を作成す
ると。

兄は1060万円しかもらえず、私は生命保険を全部受取るんだから文句ないよなという感じです。

生前父に兄は400万円程度、私は家賃など約350万お金を援助しています。

兄は共有なのに10年間自分たちだけで住み続け、その後無断で人に貸し収入(10万円程度/月)も独り占めにしていた。

実際のところ父の遺産はいくらと考えられますか?

兄は12年ほど前に土地(100万程度の価値)を譲り受けています。

分割の内容は後で決めるとして、取り急ぎ売ることの同意を早くしろとも言われています。

今同意するのは何か私の不利益となりますか?

(たいよう)






【遺産内容について】

まず共有名義の家(以下、家といいます)は、お父さんの持ち分が40%ですので、その40%の持ち分が遺産の中にはいります

これにお父さん名義のその他の財産(預貯金や株式等の有価証券、動産など)が遺産になります


【保険金は遺産ではありません】

あなたが受取人として受け取った死亡保険金は、遺産分割では、原則として遺産とは扱われません(相続税の申告では遺産の中に含まれますが、それは税金の問題です。法律的には、遺産分割の関係では原則としては遺産でないとの判例があります(当ブログQ&A №298)。


【お父さんの家を使っていた点は特別受益になるか】

家 は被相続人であるお父さんとお兄さんの共有ですので、もし、お兄さんが自ら居住していた場合には、その共有持ち分については無料で使用しているのですから、その無料使用分(使用借権)が特別受益になるのか、遺産に持ち戻されるかどうかが問題になります。

土地の無料使用については特別受益になると思われますが、家屋の無償使用については、権利性が低いとされ、特別受益になることは少ないです(当ブログQ&A №457)。

特に本件では家全部ではなく、共用持ち分ですので、お兄さんが使用しているのなら特別受益ではないということになるでしょう。

ただ、今回の質問ではお兄さんが他人に貸し、賃料という経済的な利益を得ています。

そのため、もし、お父さんがその賃貸を了承しているのであれば、その賃料のうちのお父さん持ち分相当分である40%分は特別受益という主張をしてもいいだろうと思います(この問題も当ブログQ&A №539に同様の記載があります)。

又、お父さんに無断で貸したというのであれば、不法行為に基づく賠償請求権という債権(賃料の40%相当分が損害額 ということになります)が成立する可能性があり、遺産に含まれるという主張も可能でしょう(ただ、従来、お兄さんが無償で使用するのを認めていたので、賃貸にしても損害はないはずという反論もあり得ます)。

なお、お父さん死亡後の賃料についていえば、相続人がその持ち分に応じて遺産とは別に請求できるという判例があります(当ブログQ&A №240)。


【債務の扱い】

お父さんの賃借しているアパートの リフォーム代とあります。

賃借物件を賃借人であるお父さんがリフォームし、その価額が192万円という高額であるというのは考えにくいので、賃借物件の立退きに際しての原状回復費用の可能性があります。

その前提で考えれば原状回復費用はお父さんの生前の賃借に関する費用ですので、お父さんの生前債務と同様に扱っていいでしょう。

次の葬儀代については相続債務ではありませんが、あなたが葬儀に出席されていたのなら、相続債務扱いで負担をするような解決例が多いです(当ブログQ&A №545)。

以上に記載したように、生命保険は除外して、《家の持ち分+他の預貯金+有価証券+動産+賃料の持ち分相当額 》が遺産になり、《家のリフォーム代と葬儀代》が相続債務になるものと思われます。

(弁護士 大澤龍司)

大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
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18:12 生前贈与・特別受益 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

証券会社に対する調査方法【Q&A №528】

2016/09/07



【質問の要旨】

国債や株の取引記録を取りたい

記載内容 証券会社 取引記録 取り寄せ


【ご質問内容】 

銀行預金の取引記録は取れました。

国債と株をやっていたと聞いていましたが、口座番号がわかりません。

証券会社も定かではありません。

どのように取引記録を請求すればいいですか?
(ねこ)







【支店まで調べる必要がある】

証券会社に調査をかける場合は、少なくとも取引支店名まで判明している必要があります。

支店さえわかれば、当該支店はその支店での被相続人の取引内容をすべて教えてくれますので、顧客番号や取引の種類などはわからなくても結構です。

そのため、まず、支店名までなんとかたどりつくように努力する必要があります。


【まず、被相続人の自宅の郵便物を調べる】

被相続人が国債と株をしており、証券会社と取引をしていた可能性があるというのであれば、その証券会社から被相続人に対して取引明細書等の取引内容の通知が送られていることが多いです。

そのため、被相続人の住んでいた家に送付されてきた郵便物を確認しましょう。

取引通知書やダイレクトメールなどがあれば、その送付をしてきた証券会社の支店に照会を掛けられるといいでしょう。

なお、郵便物だけではなく、自宅にある書類も念を入れて探しておくと、意外なところから証券会社の判明のヒントが出てくる時もありますので、根気よく調査されるといいでしょう。


【預貯金の取引履歴から調べる】

預貯金の取引記録を入手されているのであれば、念のために、入金の備考や適用欄に《配当》の記載があるかないかを確認しましょう。

配当の記載があれば、株を保有しておられたのであり、証券会社と取引していた可能性が高いです。

次に入金欄を見て、ある程度多額の入金を探してみましょう。

送金で入金されている場合、金融機関にその送金を誰がしたかを照会すれば、証券会社が判明する場合があります。


【自宅や職場の近くの証券会社を探す】

郵便物や預貯金の取引記録でも証券会社が判明しないような場合には、最後の手段として被相続人の自宅及び職場周辺の証券会社を調べるしかないでしょう。

ただ、金融機関と異なり、証券会社数は限られていますので、もし、株を保有し、あるいは国債を持っていたことが間違いないというのであれば、手間はかかりますが、被相続人が行っていた可能性のある地域の証券会社の各支店を軒並み調査する必要があるでしょう。

(弁護士 大澤龍司)

大澤龍司法律事務所
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17:32 遺産調査 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★税務調査で判明した口座【Q&A №480】

2015/12/03

 税務署は被相続人の口座を教えてくれないのでしょうか。

【ご質問内容】

相続が始まると、税務署は被相続人のみならず家族名義の銀行から証券会社の口座をすべて把握するというような話を耳にしたのですが、だとするならば、せめて被相続人の口座ぐらいは相続人に知らせてくれないものでしょうか?

【Q&A №98】預金の取引履歴を調べる方法を読みますと、「どこの金融機関だけでなく、支店名も調査しましょう。」とあり、口座を見つけるのも苦労する様子が伝わります。

果たして税務署は本当に全ての口座を把握しているのでしょうか?それとも知っていても教えてくれないのでしょうか

記載内容 税務署 相続税

(磯野家)





 今回は税理士業務の問題ですが・・

今回の相談は税務調査の話です。

そのため、詳しいことが知りたいのであれば、税理士にお尋ねいただく必要があります。

ただ、弁護士の理解している限度で以下の回答をします。

【税務署は調査結果を教えてくれないが、修正申告でわかる場合がある】

相続税の未納付がないか、あるいは申告された相続税の内容に誤りがないかどうか、税務署が調査することがあります。

その際、税務署は被相続人のみならず、必要に応じて家族名義の金融機関口座や証券会社などの取引内容を調査することがあります。

ただ、税務署はあくまで徴税の都合で調査するのであり、その内容は他の相続人に教えてくれません

【過去の経験からいえば・・】

私(大澤)は過去に一度、税務署に《節税された可能性がある》との情報提供をしたことがあります。

遺産総額が億を超す事件であり、相手方が被相続人の預金を取り込んだケースでした。

そのとき、税務署は調べた結果を教えてくれませんでした。

ただ、隠された財産がある場合には、通常の場合は修正申告が必要となります。

その際、共同相続(要するに相続人が複数)であれば、隠した人以外の相続人も相続税を支払う必要があり、そのために修正申告書に捺印をする必要があります。

その修正申告書に、新しく記載された財産があれば、それが税務調査で新たに判明した財産だということがわかります。

その限度では、遺産の詳細がわかることになります。

ただ、民主党政権下で国税通則法等の税務関連法が改正されましたので、取り扱いが変わっている可能性もなくはありません。

詳しくは税理士にお尋ねください。

【税務署がすべての口座を把握しているわけではない】

十数年前の話ですが、私が破産管財人に選任された破産事件について、破産者が財産隠しをしているのではないかとして、大阪の全金融機関に対し、関係口座の有無について照会を出したことがあります。

この時には、大阪管内の支店ベースで約900店舗の金融機関がありました。

合併等で現在はそれよりも少なくなっているでしょうが、いずれにしても支店数が膨大です。

税務署がその全てに調査を入れていることはまずないと思われ、被相続人や問題となる相続人の全部の口座を調査・把握している可能性は極めて少ないでしょう。

(弁護士 大澤龍司)

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13:04 遺産調査 | コメント(1) | トラックバック(0) | 編集

★相続放棄と葬儀費用【Q&A №440】

2015/04/01



 母方の叔父が独身で、甥、姪に当たる人物が私だけです。

 母も叔父もまだ元気ですが、今のうちに知っておきたいので質問させていただきます。

 叔父の遺産は放棄するつもりです。

 母が亡くなり、その後叔父が亡くなったら葬儀代の負担はどのようになりますか?

 相続人が私しかいない場合、葬儀代は立て替えておけば、遺産を放棄しても葬儀代など請求できますか?

 その場合どんな手続きをしておいたらいいですか?

 領収書をもっておけばいいのでしょうか?


記載内容

  葬儀費用 立替 相続放棄 相続財産管理人 代襲相続  
(はるか)





【葬儀費用は相続債務ので、遺産に立替分の返還請求をできない】

 叔父さんが死亡したとき、資産や債務は法定相続人に引き継がれます。

 この相続人に引き継がれる債務とは、叔父さんが生前に負っていた債務です。

 質問の葬儀費用ですが、これは叔父さんが死亡した後に発生する債務ですので、相続債務にはなりません。

 なお、相続税の申告では、葬儀費用は必要経費として遺産から控除されます。

 しかし、それは税務上の扱いにすぎず、法律では相続債務としては扱われません。

 そのため、葬儀費用を立替えたからといって、その立替分を遺産から支払ってもらえることはないというのが法律的な回答になります。

 なお葬儀費用の扱いについては相続Q&A №140Q&A №424を参照ください。




【相続放棄の後の請求には手続的に費用もかかる】

 お母さんが先に亡くなり、その後に母方の叔父さんがなくなった場合には、あなたはお母さんの代襲相続人として叔父さんの遺産の法定相続人になります。

 あなたが相続放棄をした場合、他に相続人がおらなければ、叔父さんの遺産を管理する人はいなくなり、相続財産は宙に浮くことになります。

 もし、あなたが叔父さんの葬儀費用を立替えたということで請求がしたいのであれば、あなたが家庭裁判所に相続財産管理人の選任の申立をし、これを受けて裁判所が弁護士を相続財産管理人として選任します。

 但し、この選任をしてもらうためには約100万円の予納金を裁判所に納める必要があります(この予納金は相続財産管理人の報酬等に充てられます)。

 このように手続き的にもややこしく費用もかかります。

 しかも、相続財産管理人としては、あなたから葬儀費用立替分の返還請求があったとしても、前項で記載した理由により、支払いを拒否する可能性が極めて高いことを理解しておく必要があるでしょう。





【葬儀をしなければならないなら、生前にその分をもらっておく】

 以上のとおりであり、相続放棄をした場合、立替えた葬儀費用は返還される可能性は極めて少ないと覚悟しておくべきでしょう。

 解決策としては、現在、叔父さんが生きておられるようですので、将来の葬儀費用を予めもらっておくことを考えられるといいでしょう。

 葬儀費用に使用するとの前提で叔父さんからお金を預かり、それを保管しておいて、叔父さんが死亡されたときにそのお金と使って葬儀をされるといいでしょう。
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10:28 相続放棄 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

代償分割と相続税【Q&A №439】

2015/03/26
 


 査定値5000万円の土地を兄弟3人で相続したが、同居していた自分が土地を継ぎたいので、それぞれの取り分(3等分)に満たない分を、自分の預貯金から2人に支払いました。

 相続税は非課税の範囲内だが、自分の持ち出し分は、受け取った兄弟の所得として兄弟に課税されますか?

 申告しないと罰則はありますか?

 できれば申告しないで、「土地は(自分に)譲った」ということにしたいと思っています。

 ご回答宜しくお願いします。


記載内容

  代償金 相続税

(梅子)





【詳しくは税理士に相談する必要があるが】

 まず、今回のご質問は純然たる相続税に関する質問であり、税務の問題です。

 このような相続税に関する問題は税理士が専門です。

 ただ、折角、質問をいただきましたので、簡単に回答しておきます。

 詳しく知りたい場合には税理士に相談されることをお勧めします。




【代償金には贈与税は課税されない】

 相続で、ある相続人が不動産を取り、他の人に代償金を支払う場合があります。

 その場合の他の相続人がもらう代償金は贈与ではありません。

 なぜなら、贈与は無償(ただ)で財産をもらうことですが、相続の場合の代償金は、相続で取得した財産を譲渡する替わりにお金をもらうものですので、無償ではなく、贈与にはなりません。

 又、代償金という金銭でもらうのか、または現物(不動産)でもらうのかは、相続人が自由に決定してよいことであり、それによって相続税が変わることはありません。

 今回の場合には、相続税が非課税ということですので、代償金をもらった他の兄弟の方に税金が課税されることはありませんし、ましてや贈与税を支払う必要もありません。

 又、相続税の申告が不要なケースであれば、分け方がどうであれ、相続税を支払う必要はありませんので、代償金をオープンにして支払っても何ら問題はないでしょう。
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13:45 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

相続税と生命保険の扱い【Q&A №428】

2015/02/06
 


契約者:法人〇〇会社
被保険者:代表取締役社長
受取人:相続人の一人(固有名)

の生命保険で、被保険者が亡くなり、生命保険を受け取った場合、これは、みなし相続財産の扱いになるのですか?
それとも、所得税?贈与税?ですか?


記載内容

  相続税 生命保険 みなし相続財産

(ゆきだるま)





【生命保険は、原則として遺産ではない】

 遺産相続については民法で定められています。

 ただ、民法では生命保険についてはなんらの定めもしていません。

 そのため、生命保険が遺産に入るのかどうかが問題になり、訴訟になったことがあります。

 その裁判について最高裁判所は《特段の事情がない限り、生命保険は遺産ではない》という判断を示しています(相続Q&A №181ご参照下さい)。




【民法と税法とは異なるからみなし相続財産の問題が発生する】

 民法は最初に述べたように、遺産が誰にどのような形で分配されるかということを定めているのに対して、税法は、遺産をもらったものがどのような相続税を納めるのかについて定めています。

 民法の相続は相続人間の問題ですが、一方は国が遺産をもらった相続人に課税する問題です。

 そのため、税金を取る立場の国としては税収を増やすために、(民法上は)遺産でないものであっても相続税の対象とすることもあれば、遺産ではあるが小規模宅地のように生活上に必要不可欠なものについては特例で評価を大幅に減少させるものもあります。

 前者の、民法上は遺産でない財産であるにもかかわらず、相続税法上で遺産として課税されるものを《みなし相続財産》と言います。

 死亡生命保険などは金額が大きいことから、民法上は遺産ではないのに、相続税法では相続税の課税対象となります。

 結論として、生命保険が《みなし相続財産》かという質問に対しては、そのとおりであるという回答になります。




【相続税と所得税、贈与税の関係】

 被相続人の死亡により生命保険を受け取ったのであれば、それは相続税の対象として課税されるだけです。

 所得税や贈与税の問題は発生しません。

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14:17 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

大叔母から預金の引き出しを頼まれた【Q&A №427】

2015/01/26



 私の母の叔母は高齢で一人で住んでいました。

 その叔母が脳梗塞で入院しました。

 私は今叔母の面倒を見ています。

 叔母は、私に私に委任状を書いたから、代理人として叔母の普通預金と定額預金のお金を受け取って病院の支払いなどに使ってほしいと言います。

 叔母の脳梗塞はさらに進んでいます。

 普通預金と定額と合わせるとかなりの額です。

 叔母に何かあった場合、相続人は高齢で意識のはっきりしていない母になります。

 私が叔母の委任状で代理人としてその貯金を受け取り、病院の支払いや、叔母の葬儀に使ってお金が残った場合、母にそのお金を返さないと税金もかかってくるでしょうし、叔母が言うように受け取るべきか迷っています。


記載内容

  代理人 財産管理 脳梗塞

(あきら)





【もらうのか、預かるのか?】

 「委任状を書いたから、代理人として叔母の普通預金と定額預金のお金を受け取って病院の支払いなどに使ってほしい」とお母さんの叔母さん(あなたからすれば大叔母)が言っておられるようですが、大叔母さんは払い戻しを受けた金銭をあなたにあげる(贈与)気持ちなのか、それとも預かって欲しいというだけなのでしょうか。

 その点に関する大叔母さんの意志をはっきりと確認しておく必要があります。

 質問からははっきりとしませんので、場合分けして回答します。




【預かる場合の対処法】

 大叔母さんとしては、あなたに財産をあげるのではなく、管理してほしいということであれば、あなたは金銭の保管者になります。

 ただ、金銭についてはトラブルがつきものです。

 大叔母さんの預貯金を全部解約して、あなたの名義で預貯金するような場合には、《大叔母をだまして財産を取り込んだ》などという影口が聞こえそうです。

 法律以前の問題ですが、もしあなたの名義の預金口座を作るにしても、必要最小限の金額を移動するだけにするのがいいでしょう。

 どうしても預貯金全額を預からなければならない必要性があるというのなら、あなた自身の口座とは別に、大叔母さんから預かった分だけの独自の口座を作り、その分からは自分の用途に使わないようにする・・大叔母さんから預かった財産とあなたの独自の財産をはっきり区別する必要があります。

 なお、大叔母さんが認知症など、意思能力が乏しくて、《金銭の管理ができないような状態》だから預からなければならないというのであれば、成年後見人の選任を考えるべきでしょう。




【預かった場合の相続との関係】

 預かっている最中に、大叔母さんが死亡した場合には相続が発生します。

 その場合には、あなたが預かった金銭の残金は大叔母さんの相続人(あなたのお母さん)に渡すことになります。

 預かっているだけであれば、預かった金銭は相続人に渡すということになるだけですので、相続税の問題は発生しません。

 ただ、あなたの名義に移したということで、贈与があったのではないかと税務署から疑われることも考えておくといいでしょう。

 そのため、預かったということをはっきりとさせるために、金銭管理の方法や解約、返還等についてきっちりとした契約書を作成するとともに、あなたの分とは異なる独自の財産であるとして管理をしておく必要があります。




【もらう場合は贈与税がかかる】

 もし、大叔母さんの意志があなたにあげるというのであれば、贈与になります。

 病院の費用を支払うという負担付の贈与となりますし、更には大叔母さんの面倒を見るという負担付の贈与も考えられますので、その点についても大叔母さんの意志をはっきりと確認する必要があるでしょう。

 贈与の場合には贈与税の申告が必要ですが、法定相続人に対して金銭を渡す必要はありません。

 但し、法定相続人から遺留分減殺請求されることもありますので、ご留意ください。

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孫や自分の夫への贈与と特別受益【Q&A №411】

2014/11/20



 母はマンション(持家)で一人暮らしです。相続人は私と妹の二人で、母が妹には財産を残さないと言っていて、マンションを私に生前贈与すると言っています。しかし私に名義変更したら特別受益になりますよね。
 妹は母の財産を貰えると思っていますし、遺留分の事も知っています。そこで特別受益に該当しない方法として、マンションの名義を主人か私の娘(相続人では無いので)にするのは、どうですか?この時に相続税はどうなりますか?それと、名義を夫か娘に変更した後、母のマンションに夫か、娘が住まないと問題になりますか?住民票を移すだけでもいいですか?時々は泊まります。 
 もう一つの案が、母から私に名義変更して、暫くして私から夫に名義変更すると言うのは可能ですか?その時、結婚して23年なので住居用不動産の配偶者控除を利用すればマンションの評価額は2000万円以下なので税金はゼロですよね。この場合、母の住所に住民票を1人でも移していれば大丈夫ですか? たくさん書いてしまいましたが、宜しくお願いします。


記載内容

   贈与
(仁万)


【夫や孫への贈与も特別受益になりうる】
 贈与が特別受益として遺産に持ち戻されるのは、原則として、法定相続人に対するもののみです。
 したがって、相続人ではないご主人や娘さん(お母さんから言えば孫)にマンションの名義を移転することについては特別受益にならないというのがとりあえずの結論になります。
 しかし、過去の裁判例の中には、たとえば法定相続人である長女ではなく、その夫に対した贈与が、実質的には相続人への贈与であると同一視され、特別受益として持ち戻しされたものもあります(相続Q&A №324および「【相続判例散策】相続人以外の者に対する特別受益」をご参照ください。)。
 なお、ご主人や娘さんに贈与した場合には、相続税ではなく贈与税が課税されることになり、多額の贈与税を受贈者が支払うことになる場合もありますので、ご注意ください。

【居住と所有は別問題です】
 名義変更後のマンションに、贈与を受けたご主人か娘さんかが居住するのかどうかという問題ですが、所有者と居住者は必ずしも合致する必要はなく、お母さんが居住のままでもいいと思います。
 ただ、親子や親族間の名義移転については、名義の仮想移転であり、真実の贈与ではないという主張が出てくる可能性もあります。
 そのため、そのような主張を封じるために、新所有者と居住者であるお母さんとの間で使用に関するなんらかの合意をしておくといいでしょうし、固定資産税等も贈与を受けた所有者が支払う必要があるでしょう。

【二段階の名義変更のメリットはない】
 いったんあなたに名義変更した後に、更にご主人に名義変更するという二段階の贈与もお考えのようです。
 しかし、あなたがいったん母から贈与を受けたという時点で特別受益が発生し、相続の時点で遺産に持ち戻しされることになります。
 また、登記費用が二重に発生しますし、贈与税も夫婦間の居住用資産の配偶者控除の適用を受けるにしても、少なくとも、お母さんからあなたに名義移転する段階で贈与税がかかります。
 結局、2段階の名義移転のメリットはないという結論になります。
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16:01 生前贈与・特別受益 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

遺言で遺贈を受けた場合に必要な費用【Q&A №366】

2014/04/22
 遺産相続で法定相続人以外の遺贈で、マンションを頂いた場合費用はどのくらいかかるのでしょうか?中古マンション価格は3500万円位です。余り金額が掛かるならお断りしようと思っています。余り蓄えがないので、よろしくお願いいたします。

記載内容

遺贈 相続税 マンション
(東郷平八郎)


【考えられる税金や諸経費について】
 遺言でマンションなどの不動産を遺贈された場合に必要となってくる税金や費用は、

① 相続税
② 不動産取得税
③ 登記費用

です。
 これに、登記名義を移転した後には、当然のことですが、毎年、固定資産税や都市計画税を支払う必要があり、又、建物の管理費なども考慮しておく必要があるでしょう。

【相続税について】
 相続税は、遺産総額が《5000万円+法定相続人1人×1000万円》を超えた場合に課税されます。
 そのため、法定相続人が2人の場合には、相続が7000万円までは相続税の申告は不要です(但し、平成27年から、《3000万円+法定相続人1人×600万円》を超えた場合に課税されることになります)。
 今回の質問では、遺産総額も法定相続人もわからないので、相続税が課税されるかどうかはわかりませんが、遺産総額が5000万円以下なら、相続税は課税されません。
 そのため、遺贈を受けるあなたにも相続税は課税されません。
 ただ、遺産総額が多く、相続税が課税される場合には、あなたは通常の法定相続人が支払う税金より20%アップされた税金を支払う必要があります。
 なお、相続税の計算においては居住用資産の遺産算入価額の軽減等、様々な軽減措置がありますので、詳しくは不動産登記簿謄本その他の資料を入手され、税金の専門家である税理士に相談されるといいでしょう。

【不動産取得税について】
 マンションなどの不動産を取得する場合、不動産取得税が課税されます。
 この税金は平成27年3月31日までであれば、次の税額になります。
   土地:固定資産評価額×2分の1×3%
   家屋(住宅):固定資産評価額×3%(なお、住宅でない場合には掛け率は4%になります)

【登記費用について】
 あなたが遺贈された不動産の所有権移転登記する場合には、登録免許税の支払が必要です。
 通常の法定相続人の相続登記は、固定資産評価証明額の1000分の4ですが、法定相続人に対する遺贈の場合には1000分の20の登録免許税が必要になります。
 なお、移転登記を司法書士に依頼する場合の司法書士さんに支払う費用は、ネットなどでお調べ頂くか、お近くの司法書士に見積書を出していただくとよいでしょう。

【取得後も継続的な費用が必要】
 不動産を取得した後も固定資産税、都市計画税を毎年支払う必要がありますし、又、建物の管理費も考えておく必要があります。
 遺贈の対象となっているマンションが、収益をあげることのできるマンションかどうかを十分に調査した上で、遺贈受けるかどうかを検討されるといいでしょう。
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相続紛争中に生じた納税の負担【Q&A №313】

2013/09/05
 
 数年前になくなった叔父は、何十億単位の財産を、妻子ではなく兄弟に等分して遺贈するという遺言を残してなくなりました。(兄弟の一人が私の父です。)
 兄弟達は、叔父が亡くなると同時に、叔父の妻子達から遺留分減殺請求の申し立てを受けました。
 分割協議・調停を行うも話し合いは難航し、未分割のまま数年が過ぎ、今に至ります。
 分割協議が確定するまでは、遺贈を受けた人に納税の義務があるという事で、兄弟達は高額な相続税を課せられた状態が続いています。
 兄弟達には納税する現金がありませんので、叔父の残した土地のみならず元々自分たちの持っていた土地までを担保にいれて、延納をお願いしています。
 相続人達はのらりくらりの対応で、分割を決着させようとする気配がありません。

(質問1)本税以外に延滞金のような金額が発生しておりますが、この金額は、相続が確定して払いすぎた分が返還される時に返してもらえるのでしょうか。また、その延滞金を分割協議を長引かせている妻子達に請求出来るのでしょうか。
(質問2)このまま時間が過ぎて、減殺請求自体が無効になることはあるのでしょうか。
(質問3)減殺請求をする時点で、請求者に納税の責任を移行するべきではないかと思いますが、それは無理な事なのでしょうか。


この説明だけでは不十分かと思いますが、出来る範囲でかまいませんので、ご返答を頂きたく、よろしくお願いいたします。

記載内容

相続税 延滞税 長期化 遺留分減殺請求 更正請求


(困った一族)


【税金の相談は念のために税理士へ確認する】
 今回のご相談のうち、質問1及び3は、相続税という税金に関する相談です。
 可能な範囲で回答いたしますが、不正確な点もあるかもしれません。
 正確なところは、税金の専門家である税理士等にご確認いただきますようお願いします。

【請求を受けた時点で遺留分減殺の効果は発生する】
 まず、法律問題について回答します。
 遺留分減殺請求は、遺留分が侵害されたことを知って1年以内に行使する必要がありますが、その期間内に遺留分減殺の意思表示がなされた場合、その効果が発生します。
 減殺請求をした後に、請求した人が調停や訴訟をせずに長年放置しても、既に遺留分減殺の効果が発生しているため、減殺請求自体が無効になることはありません。
 なお、長期間放置されていることに不満があるのであれば、減殺請求を受けたあなたのお父さんの側から遺留分を確定する訴訟をすることも可能です。
 この点については、法律の専門家である弁護士と相談されるといいでしょう。

【減殺請求の時点でも、請求者に納税責任は移転しない】
 遺贈を受けた人物(受遺者といいます)に課税された相続税は、たとえ遺留分減殺請求を受けた場合でも、請求権利者に移転することはありません。
 この根拠は、相続税法の改正経過です。
 以前は遺留分による減殺請求があった時点で相続税の更正請求ができるということになっていました。
 しかし、平成15年の相続税改正により、請求した時点ではなく、遺留分による請求に基づく返還または弁償するべき額が確定した時に更正請求ができるということに変更されました。
 このような税法の規定の変更経過から見て、請求時点で更正請求ができず、その結果としての請求者の相続税の移転がないことになります。

【確定した場合には更正請求で請求者が納税義務を負う】
 前項で述べたように、遺留分減殺請求で返還するべき財産が調停や判決で確定した時には、お父さん側としては遺留分請求者に渡した財産分を減額した内容での更正請求が可能です。
 なお、この更正請求はすることが可能ということですので、しなくともなんら問題はありません。
 更正請求をした場合、払いすぎた分の相続税は当然還付されますし、その分にかかる延滞税も支払っていたのなら還付されます(なお、延滞税は還付されるのですから、分割協議を長引かせている妻子に返還請求はできません)。
 更正請求がなされた場合、その減額された分につき、請求者に相続税の支払い義務が発生します。


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16:16 遺産分割 | コメント(1) | トラックバック(0) | 編集

義母のマンションの相続権【Q&A №215】

2012/12/14
 相続税について

 義理の母の住まいがなくなり、今600万くらいで中古マンション購入を考えています。
 義理の母は300万しか出せないとの事。
 私たちもすぐに使える現金がなく、悩んでいたところ、私の実母が300万を出してくれることになりました。

 この場合、マンションの名義は誰にすればよいのでしょうか?
 また、義理母死後マンションは誰のものになるのでしょうか?
 私たちが相続した場合、相続税はどのくらいかかりますか?

 主人には兄が一人いますが、兄はお金を一切援助してくれていません。

記載内容

所有権 贈与 相続人  
(まったくわからん)


【資金提供に応じて所有者となる】
 不動産の購入では、資金を提供した人が所有者になるのが通常です。
 今回は、あなたのお母さんと義理のお母さんが300万円を分担するというのであれば、2分の1ずつの共有名義にするといいでしょう。

【マンションの処理について】
 仮に共有持分を2分の1ずつとすれば、義理のお母さんが死亡した場合、この2分の1が遺産になります。
 ただ、義理のお母さんのために購入したマンションというのであれば、義理のお母さんの死亡後にそのマンションに住む人もないでしょうから、マンション全体を売却し、その売却代金から経費を控除した半額を相続人で分けるということになるでしょう。
 なお、誰が相続人になるかは、法定相続 のカテゴリをご参照ください。
 これは結局マンションを誰の名義にしたのかを基本として結論が変わってきます。

【相続税について】
 相続税が課税されるのは、遺産総額が、≪5000万円+相続人の数×1000万円≫を超える場合です。
 もし相続人が2人であれば、遺産総額7000万円以内は相続税が課税されません。
 この計算式を基準に相続税の申告の要否を判断されるといいでしょう。

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11:15 相続人 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

相続分の前渡しにかかる税金【Q&A №194】

2012/08/31
 相続分相当を金銭で分けてもらう算段になりました
 相続分相当を金銭で分けてもらう算段になりましたが、この場合、相続税発生になるのか所得税発生になるのか分りません。
 そして、何処かの機関に届出が必要になるのでしょうか?
 受け取る金額は200万円以下程度です。
 回答よろしくお願いします。

記載内容

生前贈与 相続税 贈与税

(ぎゅんぎゅん)


【相続税は、贈与続よりはるかに有利である】
(お父さんがまだご存命かが明らかではなかったのですが、「相続分『相当』」、「所得税」という書き方をされていることから、おそらくお父さんが生きているうちの生前分割のこととしてお答えします。)

 お父さんの財産を生前にもらうと贈与税がかかりますが、お父さんが亡くなった後にもらうと相続税がかかります。
 生前にももらう金額が「相続分相当」であっても、それは贈与であり、贈与税がかかります。
 ところで贈与税の場合には110万円までが非課税ですが、相続税では最低でも5000万円までは課税されません。
 そのため、税金の面から言えば、相続でもらうのが有利です。

【具体的な税金で言うと・・】
 質問にある200万円の贈与の場合、現在の税制では110万円は非課税ですが、残りの90万円が課税の対象になります。この場合、税務署への申告が必要です。
 これに対して、相続でもらう場合には、相続分相当額が200万円である場合には、(遺産総額が5000万円を超えないと考えられますので)、税金は0円です。

【生前にどうしてももらいたい場合には・・】
 ただ、生前にどうしてももらいたいというのであれば、税金対策として、2年に分けてもらう方法があります。
 つまり、まず100万円をもらい、次の年に100万円をもらえば、各年度の税金が110万円以下ですので、贈与税は0円となります。

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09:53 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

相続税を軽減する工夫【Q&A №111】

2012/01/24

 13年前に亡くなった父の名義のままのマンションに母と妹が住んでいましたが、母が昨年の12月に亡くなりそのマンションの相続という問題にどうしたらいいのか困っています。
 母には養子に出した子供がいて、その方は遺産放棄をしてくれます。そして私と妹2人計4人の子供がいるのです。
 私は結婚しています。妹2人は独身です。
 相続税がどれくらいになるのか心配で、妹たちは母と3人で協力しあって生活してきたので、お金もなく悩んでいます。
 とりあえず、住んでいるマンションの名義は変えなくてはいけないと思いますが、妹1人の名義にするのがいいのか、姉妹3人の名義にするのがいいのか、なるべく相続税がかからない方法を教えてください。
 マンションは1600万円ぐらいで売れるそうです。


記載内容

  遺産分割協議 相続放棄  登記名義
(ケイ)



【相続税の支払いが必要なのは・・】
 遺産の相続をしても、少額なら相続税の支払いは不要です。
 相続税には基礎控除分があり、この額を超える場合に相続税の支払いが必要となります。
 具体的に言えば、基礎控除額は次の計算式で算定されます。
 基礎控除額=《5000万円+1000万円×法定相続人の人数》

【あなたの場合の基礎控除額】
 あなたの基礎控除額は次の計算による9000万円です。
 基礎控除額=《5000万円+1000万円×4人》=9000万円

【相続税の支払いは不要では・・】
 もし、お母さんの遺産が1600万円相当のマンションだけであれば、相続税は課税されません。
 仮に他の財産があっても、総額が9000万円を超えないと相続税の支払いは不要です。

【誰が分割するかによって、相続税額が異なるか】
 マンションを妹さん1人の名義にするか、姉妹3人の名義にするのかで相続税が変わることはありません。
 参考までに言えば、配偶者の場合には遺産の半分までは相続税がかからないようになっていますが、子にはこのような控除はありません。

 なお、当事務所はあくまで法律事務所ですので、具体的な申告等のご相談については税理士にお尋ね下さい。
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19:14 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

他人が受け取った遺産にかかる相続税【Q&A №83】

2011/08/01

 相続に関するご相談です。
 平成22年11月に祖父が亡くなりました。
 遺産総額は約6,000万円、法定相続人は私の父1名のため、相続税は発生しないと思っていたのですが、祖父が祖父の兄妹を受取人とした生命保険があったことが発覚し、「遺産総額には生命保険を含めなければならない、よって相続税が発生し、その相続税は祖父の兄妹ではなく自身で支払わなければならない」と、弁護士さんから言われました。
 自身が受け取らない財産に対して相続税を支払うのは納得できないのですが、何とか相続税を支払わずに済む、もしくは支払額を減らす方法はありませんでしょうか。よろしくお願い致します。


記載内容

  遺産分割 生命保険 相続税 
(野球大好き)


【相続税の課税は・・】
 相続税は、5000万円(基礎控除)+相続人の数×1000万円までは課税されません。
 質問の場合には、相続人がお父さん一人ですので、6000万円を超えた場合に相続税が課税されます。

【生命保険金の扱い・・本件では相続税の申告が必要です】
 生命保険で受取人が指定されているものは、(民法の)遺産にはならず、遺産分割の対象にはなりません。
 しかし、民法の扱いと、税金(税法上)の扱いは異なり、相続税の申告では、このような保険も遺産に含まれます。
 質問の場合は、保険金額が加算され、6000万円を超えますので、相続税の申告が必要です。
 この点では相談された弁護士の回答は正しいです。

【税金を支払う人は?】
 相続税を支払うのはその遺産を受け取った人です。
 質問の場合には、6000万円を超える部分が課税対象になり、このうち、お父様が取得する額と祖父の兄弟が取得する額に応じて、相続税を支払うことになります。
 相談された弁護士の回答が、お父様が取得した遺産の割合で課税される分はお父様が支払う必要がある、という趣旨であれば、正しい回答です。
 しかし、祖父の兄妹が取得した生命保険に対する課税額もお父様が支払う、ということであれば、間違っています。

【専門家である税理士にも相談を】
 《自身が受け取らない財産に対して相続税を支払うのは納得できない》ということですが、今回の場合はお父様が受け取るべき遺産の割合に応じて支払うのはやむをえないでしょう。
 なお、《相続税を支払わずに済む、もしくは支払額を減らす方法》については、税金の専門家である税理士さんに相談されるといいでしょう。
 小規模宅地の減免とか、各種の相続税を減免事由についての知識をお持ちですので、いい知恵を出してくれると思います。
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15:58 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

将来受け取るお金にかかる税金【Q&A №62】

2011/03/09

 母の他界により遺産相続が生じました。
 主な相続遺産は、母の実家の田畑(現在は母の兄の所有地)が売却された時に、母の兄弟で一定の割合に売却金を分配することを確約(公正証書契約書)した権利です。つまり停止条件付の権利を相続することになりました。
 現時点では将来売却される土地の売却金額を特定することもできないため、売却された時点で私の兄弟間(父も既に他界)の遺産分割協議書を再度作成しようと考えています。
 以上私見ですが、この場合、相続税の延滞金、贈与税とのみなし課税等危惧されることはないでしょうか。留意点等ご意見いただければ幸いです。よろしくお願いします。


記載内容

  停止条件付権利 相続税 贈与税 
(Pchan)


【なぜ、公正証書まで作成したのだろうか】
 おそらく、お母さんのお父さん(以下、お祖父さんといいます)が死亡されたとき、相続問題が発生したのでしょう。
 その解決として、田畑の全部をお母さんの兄(以下、叔父さんといいます)に相続登記するが、将来、田畑を売却する時には売買代金を分けるということで公正証書を作成したのでしょう。

【相続税の申告は必要です】
 公正証書を見ないとはっきりしたことはいえませんが、仮に代金が分配されるはずの土地が特定され、かつ、売買代金の配分率も決定されているような場合には、売買代金がもらえることが確実な権利ということができるでしょう。
 その場合には、その代金を請求する権利は財産的価値を持っていますから、遺産の一部として相続税の課税対象になります。

【将来の贈与税の支払いは不要です】
 お祖父さんの遺産分割の際に公正証書で取り決めをしたということになると、元々お祖父さんの相続に関して相続税が課税されるべきものであって、別途贈与税が課税されるものではないでしょう。このため、将来売却代金があなたに支払われたときにも、相続税と別に贈与税が課税されることはありません。

【遺産分割協議について】
 前項に記載したような財産的価値のある権利を取得したのだとすれば、今回の相続の際に、あなたの兄弟間で遺産分割しておく必要があります。
 売却されたときに相続が発生するのではなく、現在、既にその条件付権利の相続が発生していることになりますので、申告しないと不申告加算税、延滞税等の支払いが問題となります。

【条件付権利の価額はいくらか】
 申告をする場合に、条件付権利の価額をどのように評価するのかという点が問題になります。
 残念ながら、弁護士である私たちには、この点の回答はできません。
 税務のプロである税理士(できれが相続に詳しい方がいいでしょう)に税務相談されることをお勧めします。
 おそらくその税理士も即答できない可能性が高いと思いますが、税務署と協議して適正(税務署が妥当とする)価額を教えてくれるでしょう。
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17:55 その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

【コラム】遺贈とは?受遺者とは?

2009/09/08
【遺贈とは?受遺者とは?】
遺言で遺産を与えることを「遺贈」といい、このような譲渡を受けた人を「受遺者」といいます。
受遺者は相続人である場合もあれば、それ以外の人の場合もあります。
なお、受遺者は遺贈を拒否することも可能です。

【「遺贈」と「相続させる」の違い】
 遺言で「遺贈」であった場合と「相続させる」であった場合とでは後の手続や費用が異なってきます。
例えば、「遺贈」なら不動産の登記には他の相続人の同意が必要ですが、「相続させる」なら不要です。又、「遺贈」の場合の登録免許税は、「相続させる」場合の5倍です。
 なお、法定相続人に対するものは「遺贈」と明記されているものは別として、「相続させる」という意味とするのが実務の扱いです。但し、相続人でない方に「相続させる」と明記しても「遺贈」となります。

【遺留分減殺請求】
長男が会社の株を全部引き継ぐなど、相続人の一人が被相続人から遺贈を受ける場合、法定相続分とは違った遺産の分け方になることが多々あります。
遺贈の結果、相続人の譲り受ける財産が遺留分以下になる場合、相続人は遺留分減殺請求をすることができます。(詳しくは遺留分減殺請求をご参照下さい。)

【遺贈は贈与税?相続税?】
法定相続人以外の人が遺贈を受けた場合でも、贈与税ではなく相続税が課税されます。
税率などについては、通常の場合の2割増しになるなど、法定相続人の分と計算方法が異なりますので、ご注意下さい。
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18:23 遺贈と受遺者 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

【コラム】実例で見る相続問題:遺産は不動産でもらいますか?現預金でもらいますか?

2009/09/01
遺産は不動産でもらいますか?現預金でもらいますか?

遺産の分割協議をしていると、ある相続人は現預金で欲しいといい、他の相続人は不動産が欲しいといいます。
さて、あなたならどちらでもらいますか?


【現預金が一番】
弁護士としては、原則として、その遺産の家屋に居住しているような場合は別として、現金か預金でもらいなさいというアドバイスをします。
その一番の理由は、不動産は簡単に売れないということです。

例えば広大な土地をもらった場合でも(遺産額が多い場合には)相続税の支払が必要です。
遺産分割で、現預金をもらった場合は、それですぐに相続税の支払ができます。
しかし、不動産でもらった場合には相続税の支払い原資として、別途、お金を用意する必要があります。

【不動産を売り急げば買い叩かれる】
もし、そのお金がないというのであれば、不動産を売却するしかありません。
その場合、何事もそうですが、売り急げば不動産の価額は恐ろしく安くなります(足元を見て買い叩かれるということです)。

【税金もかかります】
その不動産があなたが居住している不動産なら別として、不動産を売却する時には通常はかなりの不動産譲渡税もかかります。
また、売るまでの期間、当然のことながら固定資産税等も支払う必要があります。

【過去にこんなケース】
 過去に、当方の依頼者で不動産の取得を選択した方がおりましたが、相続税として支払うお金がありませんでした。
 そのため、税務署と協議の上、長期で分割払い(延納)という手続をしましたが、もらった不動産は売れず、しかも不動産価額は下落を続け、依頼者の相続人は四苦八苦しておりました。

 次回の記事でも記載しますが、遺産分割の前提となる不動産価額は、相場よりかなり安くなります。相続税の支払や不動産の利用価値、売却の可能性等、しっかりと考えて対処する必要がありますのでご注意下さい。

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10:38 不動産の相続 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集
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