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参加していない遺産分割協議の効力【Q&A №557】

2017/01/30


【質問の要旨】

自分が未成年のころに父の相続財産を母が受け取っていた分を返してほしい

記載内容 未成年 特別代理人 利害が相反

【ご質問内容】

亡母の遺品の整理中に20年前に他界した父の遺産協議書が出てきました。

当時私は18才で相続協議には参加出来ず、相続物は(今回の売地とは別の)家族共有名義の土地があるとだけ聞いていました。

しかし協議書には「○○の土地を売却し、母兄私で分配する」とあります。

さらに土地売買の受領書もあり私分のお金は母が受け取り、署名欄には「親権者として」と記載があります。兄の分は、兄本人が受け取っていました。

以上のことから母の遺産相続を行う前に、私の未受け取り分を受け取りたいことを主張しましたが兄は拒否。

分配してほしければ母から受け取っていない証拠として、母の全ての金融機関の20年分の入出金履歴を出せと言います。

私は銀行に開示を求めましたが履歴は10年しか出せないと言われ、兄の要求は最初から現実不可能です。

説明責任を果たさずにおいて、履歴が出せない状態になってから、それを用意してみろ等と酷い話です。

分割協議書にはおかしい部分もあります。

私が見たことも聞いたことも無かった分割協議書の相続人署名欄に私の署名がしてあるのです。

『未成年の為、母親が代理人として署名』と書いてあるのですが、相続では利益の相反する間柄では親であっても代理人にない筈です

金融機関に過去の履歴を出してもらう手段とか、よい手だてはありませんでしょうか。

(DD)






【特別代理人が必要でした】

質問にも記載されているように、お父さんの遺産分割では、お母さんと子であるあなたとは利害が対立(お母さんが遺産を多くもらえば、その分あなたの取り分が減る)します。

お母さんには未成年であるあなたの親権者として法定代理権がありますが、このような利益相反がある場合、お母さんはあなたを代理できず、家庭裁判所が選任した特別代理人があなたに変わって遺産分割協議に署名捺印をする必要があります。

そのため、この遺産分割協議書は効力がありません


【母の受け取った土地代金はどうなるか?】

遺産であった土地は既に売却され、お母さんがあなたの代理人として受領していたのなら、あなたはお母さんに分配金返還請求権を持つことになります。

お母さんの負うこの返還債務は、お母さんの死亡による相続で、その相続人であるお兄さんとあなたが2分の1の割合で負担しますので、あなたはお兄さんに分配金の半額を請求できることになります。


【分配金返還請求は消滅時効の問題がある】

ところが、この分配金請求権は、法律的に正確に言うと、お母さんが権限もなく、又、遺産分割もできていないのに、あなたの法定相続分を勝手に売買したという不法行為に基づく損害賠償請求権ということになります。

この不法行為の請求権は、その不法行為が生じた時点から最長で20年間、これを行使しないと時効で消滅します。

今回は約20年前の遺産分割協議であるため間に合うか微妙なところですが、早急に内容証明郵便でお兄さんに分配金を請求し、請求を行った確たる証拠を残しておき、早急に、弁護士に訴訟等の手配をすることも考えるといいでしょう。


【もらっていないことを証明する必要はありません】

お母さんが土地を売却し、その売買代金を受け取っていることがお母さんの受領書で証明できるのであれば、今度はお母さん(その債務の半分を受け継いだお兄さん)側でその代金をあなたに支払ったことを証明する責任があります

いずれにせよ、時効の期間の問題もありますので、早期に弁護士と相談され、どのような措置を取るべきかどうかを検討されるといいでしょう。

(弁護士 北野英彦)

大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
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17:32 遺産分割 | コメント(2) | トラックバック(0) | 編集

後見人に対する遺留分減殺請求【Q&A №232】

2013/01/29
 子供のいない夫婦の遺産相続で痴呆の妻の遺留分について

 昨年叔父がなくなり、実の弟であるわたしの父親が司法書士による、預金及び不動産その他一切の財産を与える旨の昨年の十月に公正証書を作り相続することとなりました。妻である叔母は要介護4で同時に家庭裁判所に成年後見制度を利用し、わたし
の父親を後見人とする申請をし、十二月二十四日に審判がくだされ、わたしの父親が後見人となりました。
 叔父死亡も二十四日です。司法書士さんが死亡を家庭裁判所に届け出て明日家庭裁判所で講習を受け完了する次第です。わたしの父親にはほかに五人の兄弟がいますが、遺留分の請求ができないので心配しておりません。しかし、叔母にも兄弟姉妹がおり、何らかの形で、遺留分の請求をされるかもしれません。
 痴呆であるおばの遺留分の取り扱い、注意点を教えていただけないでしょうか。
 現在叔母は老人福祉施設で生活しています。
 叔父の生前より、わたしの父親が、入院中の叔父に代わり支払い及び面倒をみています。私たち親子は、叔父叔母に世話になり、大変な恩があり、今後もどんなことがあっても、できる限りのことはするつもりです。
 叔母の兄弟姉妹は、会社の倒産等でお金が必要なそうです。なんとか生活しているようですが、痴呆の叔母を利用して遺留分を請求するすべがあるのでしょうか。
 叔母の遺留分は、3/4×1/2だと思います。対抗手段を教えていただければと思います。
 叔父と私が腹を割って、家を守ること、叔母の面倒をみること。そして、祖母の財産わけで喧嘩をし、わたしの父親以外兄弟姉妹には財産をやらない。
 そして、叔母の家には、財産をやらない。という意思だけ確認をし、叔父が腹をくくってくれた次第です。
決めては、叔母の通帳から叔父でも郵便局から預金を引き下ろせなかったことが、叔父の決心につながりました。よろしくおねがいします。
(まろちゃん)


記載内容

成年後見人 利益相反 特別代理人 遺贈 

【叔母の遺留分が侵害されている】
 叔母さんは被相続人の叔父さんの妻ですから、法定相続分は2分の1です。
 ところが、遺言により被相続人である叔父さんの遺産は全てあなたのお父さんが取得します。
 そのため、叔母さんの遺留分は侵害されていることになります。
 侵害された遺留分は、あなたの指摘のとおり、8分の3です。

【後見人としては、叔母さんの遺留分減殺請求をする必要がある】
 お父さんは叔母さんの成年後見人ですから、叔母さんのために遺留分減殺請求をするべき義務があります。
 成年後見人としては、叔母さんの財産の管理人として、叔母さんの権利を守る義務があるからです。

【特別代理人の選任申立が必要】
 ただ、遺留分を侵害しているのは、あなたのお父さんです。
 お父さんは、遺留分を侵害された叔母さんの成年後見人でもるわけですから、遺留分について侵害した人である一方、侵害された叔母さんの立場でもあるため、遺留分行使について利害が対立することになります。
 そのため、お父さんとしては、裁判所に《遺留分減殺請求をするための特別代理人》の選任を請求する必要があります。

【遺留分減殺請求された後の権利関係・・・他の兄弟との関係】
 裁判所により特別代理人が選任された場合、その代理人は遺留分減殺請求をし、遺留分に相当する財産をお父さんに請求することになります。
 叔母さんに遺留分相当の財産が戻された場合、その財産は叔母さん独自の財産となりますが、その財産を管理するのは成年後見人であるあなたのお父さんということになります。
 したがって、他の兄弟が叔母さんの財産に口出しすることはできません。
 成年後見人として、特別代理人選任の手続きをしたうえで、叔母さんにかかる費用は叔母さん自身の財産から支出するというのが取るべき態度でしょう。


大澤龍司法律事務所
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10:28 遺留分  | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

認知症の父がいる場合の相続【Q&A №218】

2012/12/17
 相続
 母が他界しました。相続人は兄と私の二人です。私は遠方に住んでいるため相続に必要な書類は兄のほうでやってくれているのですが、相続分割協議書を作成してほしいとは言ってあるのですが、父が認知証のため後見人をたてる必要がありますが兄は協議書をつくりたくないようで私は遠方のため、銀行からの委任状を送るからサインしてくれと言われてますが、もしそれによって兄が私の取り分をごまかした場合、後で請求できますか。相続したお金は相続人の代表者の口座に一括で振り込まれ、その後それぞれの相続人に取り分けをすると銀行から聞きました。
 兄が認知証の父の取り分をそのまま自分の口座においとく可能性があります。借金等の負債があるか預貯金がいくらあるかなど何も教えてくれません。いっしょに住んでたので知っているはずなのですが。分割協議書がなくても後で問題が起きた場合、兄に請求することはできますか。
記載内容

銀行所定用紙に基づく預金の払い戻し 認知症の相続人 
(ぺんぺん)


【相続人は3人では・・】
 質問では、相続人はあなたとお兄さんとなっていますが、認知症のお父さんがいるのであれば、お父さんも配偶者として相続人になります。
 これは認知症であろうと、成年後見人がついていようといまいと、お父さんが相続人であることは間違いありません。

【銀行所定の用紙による支払いの問題点】
 遺産分割協議書を作らずに、金融機関の指定する同意書などに署名し、実印を押し、かつ印鑑証明を添付して、金融機関に書面を提出すると、代表者の口座に預金全額が送金されてきます。
 この場合、お兄さんがあなたに分けるという金銭の支払いをしなかった場合、あなたとしてはお兄さん相手に訴訟や調停をするしかありません。
 仮に訴訟で勝訴しても、お兄さんが払い戻し分を全部費消してなくなったとすると、結局、約束されたお金は支払われないことになります。
 しかもお父さんが認知症だというのなら、その程度にもよりますが、原則として、成年後見人をつけずに同意書に印鑑を押したり、署名したりすること自体が法律的には無効です。

【本来するべきことをすることが必要】
 金融機関に提出する書面を作成するにせよ、遺産分割協議書を作成するにせよ、お父さんの成年後見人の選任申立てが必要不可欠です。
 なお参考までに言いますと、遺産分割に関して言えば、あなたやお兄さんが成年後見人に選任された場合は、相続に関してお父さんと利害が対立するので、成年後見人の選任とは別に第三者である特別代理人の選任が必要になります。
 結局、特別代理人とあなた、お兄さんの3者間で遺産分割協議書を作成し、その中であなたの取り分を明記しておくのが、一番望ましい方法でしょう。
 これならあなたの取り分も明記されているのですから、金融機関もあなたの分をお兄さんに支払うこともないでしょう。


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16:22 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

相続放棄が完了するには【Q&A №206】

2012/10/09
 相続問題
 父親が他界し、相続財産がプラス財産とマイナス財産があります。
 プラス財産よりマイナス財産が上回る為相続放棄を考えていますが、配偶者、長男、次男が相続放棄をすると、父の両親、兄弟に相続権が移ると聞きました、父の両親は、亡くなっていますが、兄弟は、四人いて内二人が失踪状態になっています。
 上記の状態で相続放棄は、完成できますか
 また、負債については、金融機関と母が父に貸したのがあります、金融機関の負債は、無担保です、母が貸した分については、父名義の自宅に抵当権が設定してあります。
 上記の内容で父の名義の自宅を競売にかけることは、できますか
(クー)


記載内容

失踪者 抵当権 不在者財産管理人 競売

【全員の相続放棄は完了しません】
 相続放棄は、相続人全員が相続放棄するまで完了しません。
 そのため、失踪中(行方不明中)の相続人2名がいる場合には、その人が放棄手続をしない限り、相続放棄は完了しません。

【競売をすることは可能です】
 ご兄弟のうち、2名が失踪状態ということですが、まず、このご兄弟の住所を探す必要があります。
 この2名の人が相続放棄をしない限り、競売はこの2名を相手(お父さんの債務を相続で承継した債務者になる)として手続きをせざるを得ません。
 具体的に言えば、ご兄弟の居場所がわからないのですから、これらの方の特別代理人(不在者財産管理人)を裁判所に選任してもらって、その方に裁判所からの競売開始決定等の書面が送付されるということになります。
 なお、この特別代理人の選任のために裁判所に債務者1人当たり10~30万円程度の費用を予納する必要があります。

【手間と費用との兼ね合いになる】
 競売手続を行うことも可能ですが、競売手続費用として別途100万円程度を裁判所に納付する必要がありますし、手間もかかります。
 このように多額の費用がかかり、手間もかかることから、お母さんがお父さんに貸した金額がどの程度か、又、競売により実際に回収できそうな金額はいくらぐらいかの見込みを立てて、競売申立をするか否かを判断するといいでしょう。

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16:42 相続放棄 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集
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