"共有者"に関連する記事一覧
 | HOME | 

【Q&A №546】に関する再質問

2016/12/13

被相続人に対する求償権【Q&A №546】に関する再質問


【再質問】

ご回答のご説明わかりやすかったですが、私の説明が良くなかったようです。

相続対策として長男は祖父の養子となっていました。

質問の被相続人は父で、祖父が亡くなった際に父と長男(養子)は質問の賃貸マンションを相続しました。

長男は共有者ではありますが、父の生前に父が収入と費用、債務、税金などを支払う事を同意していたと思います。

申告していないですが現金で毎月8万~15万受け取っていました。(ただ現金手渡しなので証拠がありません)

ご回答にあるように請求が10年で債務や固定資産税を引けば相続財産がなくなるような額にはならないと思います。

残念なのは月々支払っていた現金が振り込みでないため、母の証言だけなことです。

これが実証できれば合意の証拠にもなりますし、請求金額からも差し引くことができます。

この主張はしていくつもりですが、良い方法があればご教授いただけると幸甚です。

(mujun)







前回の回答では、売買で取得したことを前提としていました。

しかし、今回の再質問では、お祖父さんの亡くなった際にお父さん(今回の被相続人)とその子(祖父の養子にでもある)が相続でマンションを共有取得したという前提ということが判明しました。

この点に関する回答は次のとおりとなります。

【金銭支払いの合意がある場合】

お父さんが賃貸収入を全部もらうこと、費用や債務、税金は父が負担すること、更に金銭をお兄さんに支払うことが合意されていたのであれば、マンションの利用に関してはその合意で解決していることになり、定められた以上の請求はできないということになります。

ただ、その合意に基づく支払いがされていないとすると、その支払いのない分がお父さんの債務になります(兄から父に対する合意に基づく金銭支払い請求権)。

なお、参考までに言えば、この請求権は5年で消滅時効にかかります。

次に、お父さんとお兄さんの合意が証明できない場合には、お兄さんからお父さんへの賃料相当の金額を返還せよという請求権(不当利得返還請求権)が成立する余地があります。

この場合の消滅時効の期間は10年間になります。


【支払いの証明はなかなかむずかしい】

支払いの証明は金融機関を介しての送金なら証明は簡単ですが、現金で手渡しということであれば、それを証明するのはなかなか困難です。

おそらく領収書もとっていなかったでしょう。

証拠としては、お母さんの証言しかありませんが決め手にはなりません。

又、8万から15万円と幅があるのも気になります。

いずれにせよ、お母さんから事情を詳しく聞き、矛盾のないように整理した上で、お兄さんの代理人に説明して、納得してもらうしかないでしょう。


【無償使用という話があったという展開は・・】

お父さんが賃料の全額を取得しているにもかかわらず、持ち分をもっているお兄さんがそれになんらの異議を唱えなかったというのであれば、それも不思議な話です。

ただ、マンションの使用に関する合意の証明ができない場合には、お兄さんとしては無償でマンションを父に貸したという主張もできるかもしれません。

しかし、この場合、お兄さんがマンションを無償でお父さんに貸与したことから、お父さんの遺産が増えたという主張(兄の特別寄与)が出てくる可能性があります。


【弁護士と相談することも考える】

いずれにせよ、本件については解決の妙策はなさそうです。

できれば相続に詳しい弁護士と相談され、具体的な事実を説明した上で、お兄さんの代理人に対する対応を決められるといいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
16:33 その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

相続による所有権取得前の不動産の管理責任【Q&A №405】

2014/10/23
 調停で遺産相続が確定している土地、建物の管理責任は調停での確定範囲で負うと、考えて宜しいのでしょうか? (登記は死亡した祖父名のままです)

*遺産相続取得以外の建屋(未居住)から、強風で瓦が飛び隣地の家に損害を与えてしまいましたが、該当する
土地建屋を取得した、他の相続人の主張は遺産相続登記が完了していないので、私にも損害賠償を案分して支払え
と言ってきています。

ご教示宜しくお願い致します。

記載内容

相続登記 管理責任 損害賠償 所有者責任 占有者責任
(Sunny)


【まず、占有者が責任を負う】
 建物の管理(補修等)に不備があったため、台風などの強風で隣宅に被害を与えた場合、まず、建物占有者が隣宅に対して損害賠償請求をする義務があります。

【次に所有者が責任を負う】
 ただ、占有者がいない場合や占有者が十分な管理をしていたような場合には、建物の所有者が責任を負って損害賠償をすることになります。
 本件では占有者がいないということですので、所有権者が責任を問われることになります。

【調停後の事故の場合】
 ご質問の場合、被害を与えた時期が調停の後であれば、たとえ相続登記が完了していなくとも、調停により所有権を取得した人が、確定的に所有者になりますので、損害賠償責任があります。
 他の相続人は、所有権を全くもっていないのですから、損害賠償をする必要はありません。

【調停前の事故の場合】
 調停成立前に隣家に被害をあたえたというのなら、その時点では遺産分割は完了しておらず、法定相続人間で共有状態になります。
 この場合には、共有者全員が損害賠償責任を負うことになります。
 ただ、その範囲がどこまでかは難しい問題です。
 仮に法定相続人が2名であり、損害賠償額が200万円であるとした場合、100万円ずつ損害賠償をするのか、それとも共有者各人が連帯して200万円(要するに全額)の支払い債務を負うのかという疑問があります。
 私個人としては、持ち分(法定相続分)の限度でしか責任を負わない(先程の例で言えば、100万円の限度での責任になる)ということで理解していますが、この点をはっきり明言した文献や判例を見つかりませんでしたので、あくまで個人的な見解としてご参照ください。
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
15:50 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

夫が受け取っていた賃料の相続【Q&A №265】

2013/04/08
 自営業で、主人の母(お義母さん)が家計を管理していました。主人の死後は別会計で生活しています。
 お義母さんと主人の共同名義(割合は2分の1)となっている借家の家賃を、主人の死後もお義母さんが独り占めしていて、話し合いにも応じません。主人の相続人は私と未成年の子供ひとりです。借家の土地はお義母さん名義で借家管理はお義母さんがしています。
 どのような手続きをしていけば受け取ることができますか。

記載内容

賃料 連名 調停

(HANA)


【ご主人とお義母さんが連名で貸家契約をしていた場合】
 まず、借家人との間の賃貸借契約が、お義母さんとご主人の連名で行われていた場合には、賃料の取り分も基本的には2分の1ずつになります。
 その場合、賃貸人である地位のうち2分の1を、ご主人の相続人であるあなたが(お子さんと共同して)相続します。
 その結果、あなたはご主人の死亡後に発生する家賃の2分の1を渡すようお義母さんに請求できます。
お義母さんが支払ってくれない場合には、賃借人に対して、賃料の2分の1の支払いを請求することも考えていいでしょう。

【お義母さんが単独で貸家契約をしていた場合、賃借人に請求できない】
 もっとも、家屋が共有であったとしても、賃貸人名義は共有者のうちの1名になる場合が多く、本件の場合も、賃料の支払いをお義母さんが受けているようですので、お義母さん単独で賃貸している可能性が高いと思われます。
 この場合、賃借人に対して賃料を請求できるのも受け取ることができるのも、お義母さん一人です。

【お義母さんに請求はできないか・・】
 ご主人が生きている場合、賃料の扱いはどうなっていたのでしょうか。
 ご主人が賃料の半分をお義母さんからもらっていたのであれば、ご主人はお義母さんに対して賃料の半分の請求する権利を有していたことになり、相続人であるあなたがお義母さんに賃料を請求することも可能です。
 しかし、ご主人がお義母さんから賃料を全くもらっていなかったのであれば、親子のよしみでお義母さんに無償で建物を貸していたということになり、ご主人には賃料をもらう権利がなく、相続人であるあなたとしても、お義母さんに請求できる権利はないということになります。
 ただ、今回の質問では、ご主人とお義母さんが家計を共通にしていたようですので、ご主人の生前、家賃がお義母さんとご主人との共同の家計に組み込まれていたという可能性が高いと思われます。
 そうであれば、実質的にはそれぞれの家賃相当額2分の1ずつを双方が分割して取得していたという理解もできるでしょう。
 このような場合であれば、あなたはお義母さんに対して家賃を2分の1、渡すよう請求できる可能性があります。

【お義母さんが支払ってくれない場合には・・】
 いずれにせよ、お義母さんに賃料の半分を支払ってほしいという請求をする必要があります。
 ただ、お義母さんが支払ってくれない可能性もありまので、そのような場合には、お義母さんを相手方にして、賃料の支払いを求める調停を申立することも考えてもいいでしょう。
 調停の手続きについては、賃料のみの支払いを考えているのであれば、相続を扱う家庭裁判所ではなく、簡易裁判所で手続きをすることになると思われます。
 調停は裁判とは異なり、専門家ではない一般の方でも十分に対応できますので、裁判所で手続き等をお聞きになるといいでしょう。


大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
16:03 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集
 | HOME |