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"借金"に関連する記事一覧
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預金口座の取引履歴を開示したい【Q&A №602】

2018/02/20


【質問の要旨】

祖母が開設した娘名義の口座の取引内容を確認することはできるか?

記載内容  離婚 借金 取り引き内容


【ご質問内容】

 離婚をして10年以上経ちます。娘が1人います。
 昨年、娘の父親が亡くなりました。元夫は母親と会社を経営してました。
 元夫の母からは借金しかなく娘には何も渡すものは無いと言われました。
 今まで父親からは養育費として少しは頂いてたので祖母は19歳まで生活費を渡すと言ってます。
 先日、祖母が生活費とは別に少しづつ貯金をしてあげるからと娘の銀行口座の開設に行きました。通帳と印鑑は祖母が持ってます。しかし周りからはその口座に遺産関係が入るからだと言われました。もしそうだとしたらどうなるのでしょうか?
 通帳、印鑑が無くても娘は口座の取り引き内容は閲覧できるのでしょうか?
 私は全く関わりたく無いのですが娘が大学に行きたいと言ってるので学費だけでもと思っています。


(aloha)



 ※敬称略とさせていただきます

【元夫の相続人は娘】
① 元夫の相続人は、元夫があなたとの離婚後に再婚しておれば、現在の配偶者と元夫の子(あなたの娘。もし、他に子がいればその子も相続人になります)。
② 結婚してもおらず、他に子供がいないのであれば、娘のみが相続人になります。
なお、上記①及び②のいずれの場合でも、元夫の母親やあなた自身は相続人ではありません。

【相続するということは借金も引き継ぐということ】
 相続するということは、元夫の財産も借金などの負債もすべて引き継ぐということです。
 なお、相続人である娘が未成年であれば、親権者であるあなたが娘の代理人として相続手続をすることになります。

【元夫の遺産や借金については調査をすべき】
 元夫の母親の話では、元夫には借金しかなく、娘に渡すものはないとのことです。
 もし、元夫の母親の話が正しいとすれば、娘は元夫の借金を相続してしまうことになります。
 又、ひょっとすると財産があるかもしれません。
 今後の娘の行動を考えるには、元夫に借金があるのかどうか、又、財産があるのかどうかを調査する必要があります。
 調査の結果、借金が多ければ相続放棄の手続きをし。借金もあるが財産もあるというのであれば、双方を比較して財産が多いと判断すれば相続人として財産を取得する手続きをすることになります。
 いずれにせよ、亡夫の財産調査は必要不可欠です。

【相続放棄するなら3ケ月以内に】
 相続放棄は、相続があったことを知ってから3か月以内に、家庭裁判所に申し立てする必要があり、3か月の期限内に調査が終わりそうにないなら、放棄をする期間を延長(これを熟慮期間の伸長といいます)する必要があります。

【印鑑を預けてはいけない】
 祖母に娘の口座を作ってもらうために印鑑を預けたということですが、もし実印を預け、印鑑証明書を渡したというのであれば、それは極めて危険な行為です。
 娘の実印と印鑑証明書があれば、遺産分割協議書が勝手に作成されたり、亡夫の遺産である預貯金が勝手に解約されるかもしれません。
 娘さんが未成年のようなので、親権者であり、法定代理人であるあなたが娘さんの口座を作ることができます。
 もし娘の口座を作るので、あればあなたがその手続きをし、口座を祖母に連絡すればよく、印鑑まで預ける必要はありません。

【遺産が入るかも??】
 遺産を渡す気があるのなら、当然、祖母は、亡夫の遺産は借金だけというような話もしないはずです。
 もし、あなたが渡した印鑑が実印であり、かつ印鑑証明書なども渡したのであれば、祖母としては銀行等で亡夫の預貯金を解約取得する手続きができる場合があります(法定相続人である娘のもらうべき遺産を元夫の母が勝手に引き出すという最悪のケースも想定されます)。
 あなたとしては、そちらを心配するべきでしょう。
 もう、遅いかもしれませんが、預けている娘の印鑑などもすぐに取り返した方がいいでしょう。

【まず、するべきことは遺産調査と印鑑の回収】
 あなたが娘の学費をなんとかしたいというのであれば、亡夫の預貯金など、遺産の調査をするべきです。
 娘さんは相続人ですので、元夫の預貯金の取引履歴を取り寄せすることは可能です
 亡夫の預貯金などは、娘が亡夫の子であることを証明する戸籍や実印などがあれば、過去の取引内容を含めて、調査が可能です。

(調査方法についてはリンク参照)
《過去の参考ブログ:相続放棄 借金の調べ方 預貯金等、遺産の調査


(弁護士 岡井理紗)
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://osawalaw.com/
 
14:48 遺産の調査・発見 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

だまされて借金を相続させられた【Q&A №71】

2011/05/09

 2年前に父が亡くなったのですが、父には多額の借金があり、父の死後すぐに父方の祖父母・叔母に相談した所、自分たちの財産を売っても良いと言ってもらえました。
 ですが、相続するのは母ではなく兄というのが条件だったので、母が兄に説明し兄も一時的に借金を背負うのなら良いと言ったので、兄が多額の借金を背負いました。
 母と私も、借金は背負いましたが兄ほどではないです。
 ですが、全ての手続きが終了した後に祖父母達から、自分たちの財産は一切売る気は無いと言われました。
 結局、私たちが全ての借金を背負ったのですが、兄は借金は一時的なものでは無くなったので、母が自分を騙したと言っています。

 兄は母に騙されたと言っているのですが、今から兄が母を訴えて相続権を変更・放棄することは可能ですか?
 また、それが認められた場合、母は何か罪に問われるのでしょうか?


記載内容

  相続放棄 詐欺 借金 
(マロン)


【現時点では、相続放棄はできません】
 「兄は母に騙されたと言っているのですが、今から兄が母を訴えて相続権を変更・放棄することは可能ですか?」という質問ですが、相続では、借金などマイナスの財産も引き継がれますので、借金が財産(不動産・預貯金などプラスの財産)よりも多い場合には相続放棄をすることが可能です。
 但し、相続放棄は、被相続人(本件ではお父さん)の死亡を知ってから3ヶ月以内に裁判所に申立をする必要があります。
 ご質問の場合、お父さんの死亡からすでに2年経過していますので、相続放棄の期間は終了していますし、おそらく遺産もそれなりに利用しているでしょうから、現時点では相続放棄をすることはできません。

【お母さんを訴えても相続には何の関係もありません】
 遺産の分割については、祖父母の方たちが財産を売却して借金の返済資金を用意するという前提になっていたのであれば、その前提が崩れているわけですから、「錯誤」あるいは「詐欺」で遺産分割が無効ないし取り消すことができるとして、遺産分割のし直しをすることも考えられます。
 しかし、遺産分割をしなおしたとしても、債権者(銀行・貸金業者など)に対する関係では、既にした借金の支払を無効にし、あるいは債務の相続を否定することは難しいでしょう。
 また、質問を見る限り、お母さんもお兄さんを騙すつもりがなかったと思われますので、詐欺での取り消しはむずかしいと思われます。
 結局、錯誤などなんらかの理由で遺産分割をやり直し、お兄さんが背負っていた多額の借金を相続人間で不公平のないように分担し直すのが一番妥当な解決方法でしょう(なお、詐欺あるいは錯誤で遺産分割をしなおしても、お母さんが刑法上処罰されることはありません)。
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14:55 相続債務 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

【コラム】限定承認の手続きについて

2009/07/08
【限定承認手続きとは】
「亡くなった方(被相続人)の財産を受け継ぎたいけれども、借金がいくらあるのかわからないので、迷っている。」
このような相続人の迷いを解消するために、民法では、「限定承認」という制度を設けています。
この「限定承認」は、簡単にいうと、被相続人の不動産、預貯金などプラスの財産の価額の限度でのみ、借金などマイナスの財産を引き継ぐという制度です。

例えば、相続する資産が1億円(不動産、預貯金等)あるが、借金がいくらか判明しない場合、1億円の限度でのみ借金を受け継ぐという制度です。限定承認をしておけば、後から借金が4億円だとわかっても、1億円の限度でのみ責任を負えばよいので、相続によって相続人の資産状況が有利、不利になることがないのです。

【限定承認の手続き】

しかし、一見便利に思えるこの限定承認は、実際にはあまり活用されていません。
というのも、
① 相続を知って3か月内に家庭裁判所に手続きする必要があること
(但し、3ケ月以内であれば延期の申立ができます)
② 相続人が複数いる場合、全員揃って限定承認する必要があること
③ 財産目録の作成や債権者等への公告、配当弁済(※簡単な説明を追記)という煩雑な手続きが必要であること
等から、うまく活用できるケースが少ないのです。

【類似の制度について】
相続を機に、故人の借金を清算してしまいたい場合には、次のような制度も利用でき、これらの方法でも相続問題の一挙解決に結びつくこともあります。
① 弁護士が債権者と交渉して債務を清算したり、減額交渉する「任意整理」
② 破産手続を利用して債務を清算する「相続財産の破産」
従って、遺産の財産と債務の現況がどうしてもわからないというような場合には、早期に弁護士等と相談され、複数の解決手段のうち、どの手続きがベストであるのかを、よく考えて選択されるといいでしょう。
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14:56 相続の種類 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

【コラム】単純承認

2009/07/01
相続人が、被相続人(死んだ人)の権利義務を全て引き継ぐことを単純承認といいます。単純承認した場合、プラスの財産(権利)もマイナスの財産(義務や債務)もすべて引き継ぐことになります。

単純承認するためには、特別の手続きは不要です。相続人が自分に相続が開始したことを知ってから3ヶ月の間に相続放棄・限定承認の手続きを取らなかったときや遺産を処分したりしたときには、それで単純承認したことになります。

ただ、単純承認ということは、プラスの財産とともにマイナスの財産も引き継ぐわけですから、被相続人の財産を取得した後に、もし、貸金業者や取引先から、被相続人の多額の借金を請求された場合、「借金を知らなかったから」といって相続を撤回することは非常に困難になり、結局、借金の支払いをしなければならなくなります。
そのため、単純承認する前に、相続財産に借金などのマイナスの財産もあるかどうかを十分に調査し、財産より借金等の債務が多いような場合には、相続放棄の手続きをする必要があります。

もし、遺産に、財産がある一方で借金もあってそれがいくらかわからない場合には、弁護士に相談されることをお勧めします。弁護士なら調査時間が足りないような場合には、本来は3ケ月の相続放棄の申立期間を裁判所に申立てした延長することも可能ですし、債務があると思われる相手先に調査をかけ、相続放棄をするかどうかのアドバイスもしてくれます。

最後に、相続放棄した場合でも、あとで相続財産を取得したり隠したりしていたことが判明した場合には、相続を承認したものと見なされますので、この点もご注意下さい。
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11:37 相続の種類 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集
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