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★名義貸し預金の調査はできるか【Q&A №548】

2016/12/13



【質問の要旨】

名義貸しの預金は誰のものか

記載内容 名義貸し 借名預金 履歴

【ご質問内容】

母が子や孫の名前で定額貯金をし、満期が来たのでそれぞれの名義の者が勝手に払い戻してしまいました。

母は名義を借りていただけだとメモで残していたので、母の死後、相続人同士で話し合って等分に分けることになったのですが金額もバラバラのようだし、ウヤムヤにしたいようです。

母の預金の履歴を調べる方法はあるのでしょうか

やっぱりもう無理なのでしょうか。

名義貸しとか税金の払い方とかのこともよくわからず要領をえない質問ですみません。

よろしくお願いします。
 
(あきらめかけてる相続人1)







【名義人にしか開示しないのが原則】

本件のように、別人の名義で預金をする(例えば親が子供の名義で預金する)ことが、昔は多く行われており、「名義貸し預金」「借名預金」などと呼ばれていました。

このような名義貸し預金は、預金をした(=お金を出した)人物と口座の名義人が一致しないため、取引履歴の開示請求を受ける金融機関も慎重な対応をします。

実際には名義人である子どもさん自身が履歴照会を求めれば、金融機関は誰がお金を預けたかはわかりませんので、名義人の照会には問題なく応じます。

反面、お母さんが自らのお金を預けたとしても、名義が他人であれば、お母さん(その相続人であるあなた)が請求しても、他人名義であるというそれだけの理由で金融機関は取引履歴を開示しない可能性が高いです。

なお、本件のような名義貸し預金(借名預金)の払戻手続や一般論については当ブログQ&A №300に記載しておりますので、合わせてご参照ください。


【名義人の承諾をとるしかない】

もし、名義人(子どもさんら)の了解がとれるのであれば、金融機関としても名義人の了解があるのですから、履歴を開示することに同意するでしょう。

開示に際して、具体的にどのような同意手続きが必要かは金融機関により異なります。

そのため、同意が取れそうな場合には、予め、金融機関に必要書類等を確認されるといいでしょう。


【お母さんのいた場所で通帳を探す】

被相続人が他人名義で預金を作っていた場合、相手方からはその名義人に贈与をしたのだという主張が出されることが多いです。

そのようなケースでは、私は通帳や印鑑を名義人に渡していたのなら、贈与の可能性が高いが、これらが被相続人の手元にあれば名義を借りただけだと判断することにしています。

もし、お母さんが単に子供さんの名義を借りただけというのであれば、預金通帳やその取引印はお母さんの手元にあるはずですので、それを探して、履歴を確認されるといいでしょう。

もし、通帳も印鑑も子どもに渡していたというのであれば、それはお母さんから子供への生前贈与だったとされる可能性があり、その場合には特別受益の問題が発生します。

なお、お母さんの手元に通帳が見つかった、あるいは少なくともお母さんが死亡するまでは通帳がお母さんの手元にあったというのであれば、生前贈与ではなく、遺産の一部になり、相続の対象になります。

遺産分割協議をしても、話し合いが進まないような場合には、早めに法律相談され、遺産であるとして証拠を残す方法や、解約された預貯金についての保全措置の要否、今後の取るべき方策等も弁護士にお聞きになるといいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)

大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
16:02 遺産調査 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

借名預金は遺産になるか【Q&A №483】

2015/12/16

 【ご質問の要旨】

父の死後、遺産分割協議がされたが、その後、父が貯金していたと思われる義母名義の口座が見つかった。
この口座のお金を、父の遺産として相続することができるか。


記載内容

借名預金 名義貸し 意思能力


【ご質問の内容】

父が平成24年1月に亡くなりました。

私は、外国に住んでいるので、弁護士とやりとりして、情報が金庫から見つからない状態で、父の銀行口座などを昔家で見かけた銀行や郵便局からのタオルやカレンダーを元に銀行の変遷を加味して、幾つかの口座を見つけて、其れを義母と等分しました。

義母は、介護2で気が定かでは有りません。
義母は、老人ホームに入居して、父の会社の年金と国の年金と生命保険で暮らしています。

その後、今年の春、私が日本に行き、家の掃除やごみ捨てや片付けを2ヶ月程している時に、父の思いや毎年口座のお金のバランスや判子や銀行手帳、保険手帳、金庫を開ける数字などが出てきました。 

その中に父が最後迄管理していた父の口座と義母名義の銀行口座が出て来ました。

義母は働いていません。

この口座は父のお金だと思うのですが 半分貰う権利が私にあるのでしょうか

残された家族は私と義母の2人だけです。

(yspads)





 【原則は名義を基準に判断】

今回のような家族の名義を借りた預金を一般に「名義預金」や「借名預金」などといい、一昔前はよく見られました。

このような預金であっても、外形上は名義人から判断され、特に誰も指摘をしなければ銀行は義母の預金であるとして各種手続を進めると思われます。


【預金を行った人物を実質的に判断】

ただ、中身の金銭を積み立てた実質的な預金者が別に存在することが判明した場合、話が変わってきます。

すなわち、預金の中身は、実際に預金を行ったお父さんの財産(遺産)であると判断される場合もあるということです。

この場合、あなたにも法定相続分を相続する権利があることになります。

そのため、この点が裁判で争われた場合に、生前の生活状況や収入状況などを当時の資産(たとえば給与口座の取引履歴など)から判断し、名義預金であったことが認められるケースもあります。

但し、義母のものではなく、お父さんのものであるという点の証明はあなたの方でする必要がありますから、裁判所がお父さんのものであることを十分に納得するような証拠を出す必要があります。

もしお父さんが預金したことに間違いなさそうでしたら、他の預金口座の取引履歴などと照らし合わせ、お父さんの口座からその義母の口座に積み立て(送金など)されていることなどの事情を確認されると良いでしょう。


【意思能力の問題が予想される】 

ただ、実際の手続は厄介なものになる可能性があります。

今回は(少なくとも形式上は義母名義のため)義母にもお父さんの遺産であることを認めてもらい、その旨の書類に署名押印をしてもらって銀行に提出する必要があると思われます。

しかし、義母が気が定かでない状態であれば、義母が意思能力を欠いて署名押印ができない(あるいは、署名があっても無効になる)可能性があります

この場合、義母に成年後見人を付ける申し立てが必要となるなど、面倒な手続が必要となりますので、ご注意ください。

また、成年後見が必要なケースであるとすると、以前にした遺産分割協議も無効になる可能性もあることに注意が必要です。


(弁護士 大澤龍司)
大澤龍司法律事務所
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13:14 遺産 | コメント(2) | トラックバック(0) | 編集

息子名義の借名預金という言いがかりと名誉毀損【Q&A №388】

2014/06/17
 おじいちゃんが亡くなり、面倒を見ていた父が遺産相続をすることになったのですが、父の弟が、きっちり半額相続するだけでなく、父名義の口座も、実はおじいちゃんの口座で借名口座だから、その口座のお金も半額払えと言っています。
 もちろんそれは叔父の妄想?お金が欲しいだけ?の言いがかりです。
 叔父は裁判を起こすと言っています。
 父は何も後ろめたい事はないのですが、法律系のテレビ番組で弁護士の意見がわれることがあるので、もし、裁判で負けてしまったらこれから老後の蓄えが減ってしまうと心配しています。
 私は父が一生懸命働いて貯めたお金を、叔父の嘘で取られてしまうのはかわいそうすぎてなんとかしてあげたいです。
 裁判でどのようなことに気をつければいいのでしょうか。
 また、言いがかりに対しての労力や経費を、名誉毀損で叔父を訴えて、取り返すことはできるのでしょうか?

記載内容

借名預金の立証方法 名誉毀損 元手
(かっぱ)


【預金原資を誰が出したのかが最重要】
 このブログでも何度か取り上げておりますが(Q&A №358Q&A №300Q&A №274ほか参照)、以前には家族など他人の名義で預金を作る《借名預金》または《借名口座》が多数存在した時期がありました。
 その結果、預金口座を実際に動かしていた人物と名義人との間にずれが生じ、裁判で争われたケースは少なくありません。
① このような裁判で一番重視されるのは、「誰がその預金の元手となる金銭を出したのか」という点です。
 当時の被相続人(お祖父さん)と口座名義人であるお父さんの収入状況を確認し、その預金がお父さんが出したものであるという証拠を集めておく必要があるでしょう。
② 次に、預貯金通帳とその取引印を誰が保管していたのかも重要な点になります。
 もし、あなたのお父さんがその預金の原資を出しており、かつ、預貯金通帳と印鑑も持っておられたというのなら、お父さんの口座と認定され、訴訟を起こされても負けることはないでしょう。

【裁判は証明責任を負う方が証明する必要がある】
 裁判には証明責任というものがあります。
 証明責任を負う者が証明できない場合、その人の主張は認められません。
 言い換えれば、証明責任を負う者がその主張する事実を証明できない場合、その人が敗訴するということになります。
 今回の質問の場合、口座名義人がお父さんですので、それが被相続人であるお祖父さんのものであることを主張するなら、叔父さん(お父さんの弟)が、前項の①の預貯金の元手を出したのはお祖父さんであることや、②の通帳や印鑑の管理などはお祖父さんがしていたことなどを証明する必要があり、それができなければ、叔父さんが訴訟を起こしても敗訴することになります。

【名誉棄損の損害賠償は難しい】
 名誉棄損で叔父さんに損害賠償をしたいということですが、難しいです。
 預金が誰の財産であるかについて、法定相続人である叔父さんがその見解を主張することはなんら違法行為ではありません。
 結果として裁判で叔父さんの主張が通らなかったとしても、その主張を展開したことが不法行為であるとして損害賠償義務を負うことは考えにくいです。
 その理由は、まったく関係のない第三者の名義ならともかく、前述の通り以前は借名預金が多数存在しましたので、そのような借名預金の一つではないか、と疑ってかかることも(たとえ結果的にはなんら根拠のない主張であったとしても)違法行為とまでは言えず、損害賠償の請求をすることは困難であるからです。
 参考まで言えば、名誉毀損行為とは、「あの男は父親の財産を横取りした犯罪者だ」などと町中に張り紙をしたり、新聞や雑誌で報道したりするなど(現代ならインターネットで書き立てることもこれに該当するケースがあるでしょう)、お父さんに対する社会的評価(世間の評価)を低下させる発言を(基本的には第三者に対して)行うことであり、今回の相続の当事者間で遺産に対する評価を主張し合うこと自体は、なんら名誉毀損とは言えないでしょう。
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12:01 遺産 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

不正に遺産が流出していた場合の対応【Q&A №319】

2013/10/07
  
祖母が亡くなり孫三人に預金をしてくれていた。姉と妹は預金を貰っていたが、私の預金は隠匿され残高ゼロになっていた。それを機に税務事務所に行き資産評価証明書を取り寄せたら、いくつかの不動産がなくなっていた。父に言ったらしらをきりごまかした。
 母の病気を付込み叔母が財産を狙っているようだ。姉も、父の弱みを握り脅迫してかなりの財産を貰って、妹までも母からこそこそ手渡しでお金を渡しているようだった。家族全員が不正し、この状態では正常な遺産分割ができない。
 祖母が亡くなる二年前に祖母から、父は昔会社のお金を使込み、祖母が全額返済をしたと聞かされた。それから父に対する不信感が増え父に叱咤するようになり関係性まで悪くなった。そのことは誰も知らず私にだけ教えてくれた。警察沙汰にならずに済んだと言っていた。祖母から財産を流用されないように見ていてと言っていたが、どうすることも出来ない。


記載内容

不正出金 贈与 借名預金は誰のものか 遺産の管理

(さっちー)


【相続人は誰か・・】
 質問はお祖母さんの相続問題です。
 相談内容を見ると、あなたのお父さん、お母さんはまだご存命のようです。
 その前提であれば、お祖母さんの子であるお父さん(あるいはお母さん)が相続人であり、あなたはお祖母さんの相続人ではありません。
 そのため、あなたとしては、お祖母さんの遺産についてなんらかの主張ができる立場にはありませんので、この点はご確認ください。

【孫名義での預金について】
 ただ、お祖母さんがあなたを含む孫3人に預金を残されています。
 この預金は誰のものかという問題がでてきます。
 まず、お祖母さんが孫(3人)の名義で預金をしていたということですが、その印鑑や通帳は誰が保管していたのでしょうか。
 もし、お祖母さんが保管していたのであれば、これはあなたの名義ではあるものの、いわゆる借名預金であり、あなたの名義を借りてしたお祖母さんの財産であると考えていいでしょう。
 明確な贈与の手続(お祖母さんから通帳と印鑑を渡される、中身を送金してもらう等)もなしに、お祖母さんが死亡したのであれば、あなた名義の預金であってもお祖母さんの遺産であり、あなた自身の財産と扱うことは難しいでしょう。

【財産の管理を頼まれていても・・・】
 お祖母さんから《財産を流用されないように見ていて》と言われておられたようですが、現在のあなたの立場からいえば、相続人でもなく、財産を管理できる立場にはありません。
 もし、あなたがお祖母さんの遺産を管理していても、相続人からの引き渡し請求があればそれに応じないと仕方がないことになります。
 ただ、お祖母さんが遺言書を作成しており、あなたがその執行者に任命されているのであれば、遺言執行者として遺言の内容を実現する必要があるでしょう。


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11:51 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

子ども名義の借名預金は誰の財産か【Q&A №300】

2013/07/18
 親が子供に借名預金していますが、子供死亡(成人)預金の権利は、どこに 有るでしょうか?
 また 手続きの仕方はどのように成るのでしょうか?

記載内容

借名 名義貸し 預金 預金者 仮処分

(tool)


【だれが預金したのか重要】
 今回の質問では、次の2点をわけて考える必要があります。
① 子ども名義の預金は誰の財産なのか
② 銀行との手続を誰が行うのか


 まず、《①子ども名義の預金は誰の財産なのか》という問題については、
ⅰ.預金されたお金を誰が支払ったのか。
ⅱ.預金通帳や届出印鑑を誰が保管しているのか。

という点が判断基準となります。
 預金額を親が支出しており、しかもその預金通帳等を親が保管しているのであれば、名義が子どもであっても、それは親の預金と判断されます。
 しかし、親が預金額を支出しているが、預金通帳等は子が所持しているのであれば、親が子に贈与した可能性が高く、子の預金と考えていいでしょう。

【銀行は名義を基準に手続きをする】
 《②銀行との手続を誰が行うのか》ですが、銀行としては預金名義人が手続きをした場合にのみ支払いに応じます。
 親が預金通帳や印鑑を所持している場合でも、銀行としては、親は預金の名義人でないことを理由に、親の払戻し請求に素直には応じないでしょう。
 子が亡くなった場合には、子の相続人全員からの請求があれば、銀行としては払戻しに応じることになります。

【親の預金だと判断される場合の対処法】
 銀行としては名義が子ですので、子の相続人からの請求があれば払い戻しに応じます。
 そのため、とりあえず銀行が子の相続人からの払戻しに応じないように手続きをする必要があります。
 子の相続人が払戻しの請求をしてきても銀行がこれに応じないようにする手続きとして、親のほうでできるものとして、預金の引き出しに応じないようにする仮処分手続が考えられます。
 これは親の預金であるという証拠を裁判所に提出し、暫定的に銀行が出金をしないように裁判所から決定を出してもらう手続きです。
 ただ、この仮処分手続はとりあえず預金を動かさないというだけの手続きであり、その預金が親のものであると確定するものではありませんので、この仮処分手続だけで親が預金を回収できるわけではありません。
 そのため、最終的に親が預金を回収するためには、子の相続人の協力を得るか、それが得られない場合には、仮差押手続とは別個に、銀行に対して該当預金の返還のための本訴訟をせざるをえないことになります。
 このように手続きとしては難しい面もあり、かつ場合によれば早急に手続きをしなければならないこともありますので、法律の専門家である弁護士に相談し、必要に応じて依頼することをお勧めします。


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16:19 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

他人名義の預金は誰のものか?【Q&A №274】

2013/05/02
私名義で毎年ゆうちょ通常貯金残高の報告がありますが。
 現在痴呆がすすみ成年後見人がついている叔母が幼くして母親を亡くした私のために貯金していてくれたものです。
 印鑑や証書がないので今までは絵にかいた餅だと思いきにもしませんでしたが現在私立大学3年になる息子の学費がどうしても払えません。
 奨学金も受けているのですが中小企業で働く私の年収が500万円ほどなので下宿代など厳しいです。
 話が戻りますがそのゆうちょ通常貯金は証書や印鑑を紛失したとゆうことで免許書など本人確認できるものであればおろす事ができるし私の意思を無視して名義変更などは叔母の成年後見人の方でもできないとゆうちょコールセンターに問い合わせて聞きました。おろして学費にあててもよいものでしようか。
 成年後見人と家庭裁判所の担当者が名義変更しましょうと言っています。
 そんなこと裁判所でも勝手にできるものなのでしようか。
 今現在家庭裁判所からの連絡を待つ状態です。
 教えて下さい。

記載内容

他人名義の預貯金 相続手続 成年後見 
(真奈美)


【今回の質問は相続とは直接関係ないが・・】
 あなた名義の口座を叔母さんが作成し貯金をしていたとのことですが、特に今回は叔母さんがお亡くなりになったわけではないようですので、当質問は直接相続とは関係がありません。
 ただ、遺産分割問題では、子ども名義で預金していた親(被相続人)の預金(借名預金などと呼ぶことがあります)が遺産かどうか問題となることがたびたびあります。
 そこで、本質問も遺産そのものではありませんが、それに関連する問題と理解して回答します。

【この貯金は誰の貯金か?】
 叔母さんがあなたのためにあなた名義の貯金をしておられたようですが、この貯金はあくまであなたの名義を借名した、叔母さんの貯金というべきでしょう。
 叔母さんがお金を貯金し、かつ通帳を持ち、印鑑も持っておられたという事実を見れば、名義はあなたになっていても、実質は叔母さんの貯金と考えるべきです。
 そのため、仮に叔母さんの成年後見人がゆうちょ銀行に対し貯金を叔母に支払うよう請求する訴訟を起こせば、裁判所は認めるだろうと思われます。

【手続にはあなたの同意が必要】
 もっとも、だからといって叔母さんの成年後見人の方がゆうちょ銀行に行って払戻しを要求しても応じません。
 ゆうちょ銀行側からすれば、後日の紛争に巻き込まれることを避けるため、名義人があなたである以上、あなたが払戻しに同意しない限り、成年後見人からの請求には応じないでしょう。
 成年後見人や家庭裁判所の担当者の意見は、あなたが同意してくれればあえて訴訟をするまでもないだろうということで、手間や費用を省こうとしているものだと考えられます。

【あなたも勝手に払い戻すことには問題がある】
 手続的には(正確に言えば名義としては)あなたのものになっていても、実質上、あなたの貯金ではありませんので、あなたが印鑑や通帳等を紛失したと虚偽の事実を主張して、届出印を変更し、ゆうちょ銀行に出向いて払戻を請求する行為は、事実に反する行為であり、かつ叔母さんの貯金を横領する行為になるので避けるべきでしょう。

【名義変更は一方的にできない】
 成年後見人や家庭裁判所が貯金の名義を変更しましょうと言っているとのことですが、家庭裁判所や成年後見人の見解としては、名義はあなたのものであるとしても実質は叔母さん名義の貯金なので、貯金名義を叔母さんに変更するべきだという見解なのでしょう。
 ただ、ゆうちょ銀行としては、名義人であるあなたの同意なしに叔母さん(正確に言えば叔母さんの成年後見人)名義に変更することはないでしょう。
 ただ、あなたの立場としては、その貯金名義の変更に同意してほしいとの要請があれば、名義変更に応じざるを得ないでしょう。


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名義変更された預金は誰のものか。【Q&A №236】

2013/01/30
 遺産分割調停の中身
 両親とも他界、私には、精神疾患のある無職の兄が一人おります。
 ただ今、私と兄、それと4人の叔母で遺産分割調停をすすめております。
 父親死亡時に父名義の口座を兄に名義変更して数年が経ちます。
 内容は祖父名義の土地、建物、それと上記の兄名義の口座です。
 教えて頂きたいのは、兄名義の口座が遺産目録の中にあるのが、納得いかないのです。私はこれはもう遺産ではなく、兄の財産ではないかとおもいます。でも叔母たちは、亡くなった父の名義にしておけないから、私の兄の名義を借りているだけ、実質的にはこの家の共同財産だから、自分たちにも、相続する権利があると主張してきます。祖父の他界時であれば、兄名義の口座があっても叔母たちの主張が分からなくもないですが、名義はすでに、祖父から父へ父から兄へと変更され、数年が経っています。遺産目録に含まれますか
ご教示ください。

記載内容

遺産目録 他人名義の預金 預金名義の変更 

(こまったちゃん)





【名義ではなく、誰が預金をしたのかが重要】
 被相続人であったお祖父さんの預金口座がお父さんに名義変更され、その後、お兄さんに名義変更されたのだが、この預金は誰のものかという質問です。
 預金名義が最近では本人確認が厳しくなったため少なくなりましたが、従前にはご相談のような借名預金がよくあり、裁判で誰のものかが問題となりました。
 借名預金が誰のものかについてはいろんな考え方がありますが、一般的には、当該預金のお金を誰が預け入れたのかという基準で判断されます。
 もともとはお祖父さんが預金し、それをお父さん名義からお兄さん名義に変更された場合でも、もともとのお金をお祖父さんが預け入れたのであれば、それはお祖父さんの預金と理解し、お祖父さんの遺産とするべきでしょう。
 質問だけからは詳しい事情がわかりませんが、いずれにせよ、お父さんの預金であったものが、名義変更して数年経てば、お兄さんの預金に変わるということはありません。

【どうして名義変更したのか・・】
 預金名義がお祖父さんからお父さんに名義変更されたのはどうしてでしょうか?
 お祖父さんがお父さんに、その預金を生前贈与したと理解できる可能性があれば、特別受益の問題となります。
 特別受益については過去の回答を、ご参照ください( 参考カテゴリ:「特別受益」 )。
 
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叔母が預金した父名義の預金口座とお金は誰のものか【Q&A №190】

2012/08/24
 亡き父名義の通帳

 去年11月14日に私の父が末期癌でなくなりました。医者から余命4ヶ月と言われてから1ヶ月半で亡くなりました。
 父には姉がいて、近くに住んでます。私からして叔母です。父が亡くなってから、叔母から父名義の通帳があるから母と私に印鑑証明と実印を揃えてくれといってきました。その時にはどこの銀行かとか残高とか教えてくれなくて、ただ書類を渡されました。
 後日私が叔母に父名義の通帳は母と私が遺産相続人になると思うので通帳を渡して欲しいとお願いしました。渡された銀行のが父が亡くなる10日前に700万引き出されてました。父は末期癌のため最期は自宅で介護して過ごしてました。なので10日前に銀行に行く体力もなく常に母と私が看てました。
 怪しいと思い叔母に聞くと最初は知らないととぼけられました。そのうち、父名義の通帳は私のお金だ。名義を借りただけだと言ってきました。
 私も納得いかなくて相続の事を調べると亡くなる前の引き出しも遺産相続になると書いてたのを見つけ叔母に話すと700万を渡してくれました。
 それから叔母からの連絡は無かったのに、昨日たまたま母と遭遇した叔母は母に、今書類を揃えてる。あんたら親子を訴えてやるからなって言ったそうなんです。
 700万を渡した時には何も言わなかったのに、なんで今更そんな事を言ってくるのか分かりません。父が亡くなる前に叔母が引き出した700万は叔母の財産になるのでしょうか?

記載内容

借名預金 名義借り 

(いちご)


【預金が実質的に誰のものかの判断基準】
 お金を預けた人物と預金口座の名義人とが異なる場合のことを《借名預金》などといいます。
 昔は本人確認も現在ほど厳しくなかったため、勝手に他人名義で口座を作ることが容易にできました。
 ところで、ある口座について、その名義人ではない人が自分の預金だと主張するときに、本当の口座の預金者を判断するためには次の点などを考慮するといいでしょう。
①その預金の入金は誰がしていたのか。
②その預金の預金証書や取引印やキャッシュカードは誰が保管していたのか。
③その預金の出金は誰がしていたのか。


【本件質問の場合には・・】
 今回の質問では、上記①から③までが記載されていません。
 ただ、お父さんの生前に叔母さんが700万円を引き出したということであれば、前記②の預金証書や印鑑等を叔母さんが持っており、しかも高額の預金を引き出していたということになれば③の点も充たしており、叔母さんの預金の可能性もでてきます。
 これに加えて、①の預金の入金が叔母さんということなら、叔母さんの預金の可能性が高いでしょう。
 しかし、叔母さんが700万円をあなた方に返還したというのですから、その点からいえば、お父さんのものである可能性が高いとも考えられます。
 なお、叔母さんは訴訟の用意をしているというのなら、あなたの立場から言えば、前記①の入金者はお父さんであったことや②の預金証書等が叔母さんに行っていた理由等を調査しておく必要があるでしょう。
 いずれにせよ、今回の質問の記載だけでは、はっきりした回答は困難というしかありません。

【父が亡くなる前に叔母が引き出した700万は叔母の財産になるのか】
 この点に対する回答は、その預金口座が実質上は誰にものかによって異なります。
 お父さんのものであるとすると、あなたは叔母さんから返還してもらった700万円を返還する必要がないでしょう。
 しかし、実質的に叔母さんの預金であるとすれば、生前の引出分は当然、叔母さんの分になり、あなたがもらった分は返還する必要があるということになります。


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