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自筆証書遺言は、絶対に遂行されるのですか【Q&A №608】

2018/05/11


【質問の要旨】

遺言があり、養育費の未払いがある場合は取り分はどうなる?

記載内容  養育費 遺言 遺留分


【ご質問内容】

父が亡くなり、遺言書が出てきました。
両親が離婚したので、私は生後3か月で母に引き取られました。
離婚の原因は、父と後妻の不倫です。
母は、慰謝料も請求した養育費も支払われず、仕方なく泣き寝入りしました。
父は、私が成人するまで一度たりとも養育費を支払わず、逃げ得したことになります。
そんな父が亡くなり、遺言書に後妻の長男に全ての遺産を譲渡すると書かれた遺言書が出てきました。
父親としての責任と義務を全く果たしてこなかったのに遺言書通りになるのでしょうか。
未払いの養育費は、5パーセントの法定遅延損害金を加算すれば、3,000万円以上になります。

608

(ミッキー)



 ※敬称略とさせていただきます

【遺留分を請求することができます】
まず、「後妻の長男に全遺産を遺贈する」という父の遺言ですが、仮に遺言が有効であるとしても、あなた自身には遺留分という権利が残されています。
遺留分とは、あなた自身が本来有していた法定相続分の2分の1の限度で、財産を遺贈された方(今回は後妻の長男)に請求することができる権利のことです。
遺留分を請求することを法律では「遺留分減殺請求」と呼びますが、具体的な遺留分の計算は、相続人が①後妻と②後妻の長男、そして③あなたの3人のケースの場合、次のように計算されます。

(父の相続人)・・・あなた、長男、後妻の3名と仮定した場合

(本来の法定相続分)・・・後妻 → 2分の1
                後妻の長男 → 4分の1
                あなた → 4分の1

このケースですと、あなたの遺留分は法定相続分(4分の1)の2分の1ですので、全体の8分の1と計算されます
このように、遺言があってもあなたは遺留分を請求し、遺産を一部受け取る権利があります。
なお、遺留分は遺留分の侵害(=遺言の内容)を知ってから1年以内に(内容証明郵便等で)請求を行わないと時効消滅してしまいます。くれぐれもこの点はご注意ください。

【取り決めた未払養育費や慰謝料は承継される】
今回は養育費や慰謝料の未払いがあるようです。
まず、なんらの約束事(書面)もしておらず、単に父から養育費をもらっていないだけ、ということであれば、そもそも養育費は請求できません。
しかし、書面等で金額や支払時期の取り決めをしていたのであれば、一般のお金の支払義務と同様に請求でき、未払いがあればお父さんの債務として、これも相続分に従って分割され、各相続人に引き継がれます。
 (なお、慰謝料は一般に母(前妻)の権利ですので、権利者はあなたではないことにご注意ください)

【養育費も一部は相続で消滅する】
上記のケースでは、未払いの養育費について、後妻が2分の1、後妻の長男が4分の1の支払義務を引き継ぎます。
しかし、4分の1の限度ではあなたも支払義務を引き継ぐことになるため、あなたが引き継いだ養育費の4分の1は権利と義務が相殺されて消滅し、請求できなくなることにご注意ください(このことを法律上は「混同」と呼びます)。

【実際には時効などハードルは高い】 
また、養育費の請求にはもう一つ大きな問題があります。
養育費もお金の貸し借りと同様、時効により消滅します。たとえば養育費の支払時期が毎月末日払いなど定期的な支払いの場合、毎月の支払日から5年で時効消滅します。そのためたとえば20歳で支払期間が終了した養育費は、あなたが25歳を超えていれば時効で全部消滅している可能性があります。
もっとも、途中で一部支払いがあったなどの事情があれば時効が中断することもありますので、ご心配でしたら遺留分の請求の見込みなども含め、お近くの専門家に一度ご相談された方がよいでしょう。

 (弁護士 北野英彦)
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://osawalaw.com/
 
13:56 その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

預金口座の取引履歴を開示したい【Q&A №602】

2018/02/20


【質問の要旨】

祖母が開設した娘名義の口座の取引内容を確認することはできるか?

記載内容  離婚 借金 取り引き内容


【ご質問内容】

 離婚をして10年以上経ちます。娘が1人います。
 昨年、娘の父親が亡くなりました。元夫は母親と会社を経営してました。
 元夫の母からは借金しかなく娘には何も渡すものは無いと言われました。
 今まで父親からは養育費として少しは頂いてたので祖母は19歳まで生活費を渡すと言ってます。
 先日、祖母が生活費とは別に少しづつ貯金をしてあげるからと娘の銀行口座の開設に行きました。通帳と印鑑は祖母が持ってます。しかし周りからはその口座に遺産関係が入るからだと言われました。もしそうだとしたらどうなるのでしょうか?
 通帳、印鑑が無くても娘は口座の取り引き内容は閲覧できるのでしょうか?
 私は全く関わりたく無いのですが娘が大学に行きたいと言ってるので学費だけでもと思っています。


(aloha)



 ※敬称略とさせていただきます

【元夫の相続人は娘】
① 元夫の相続人は、元夫があなたとの離婚後に再婚しておれば、現在の配偶者と元夫の子(あなたの娘。もし、他に子がいればその子も相続人になります)。
② 結婚してもおらず、他に子供がいないのであれば、娘のみが相続人になります。
なお、上記①及び②のいずれの場合でも、元夫の母親やあなた自身は相続人ではありません。

【相続するということは借金も引き継ぐということ】
 相続するということは、元夫の財産も借金などの負債もすべて引き継ぐということです。
 なお、相続人である娘が未成年であれば、親権者であるあなたが娘の代理人として相続手続をすることになります。

【元夫の遺産や借金については調査をすべき】
 元夫の母親の話では、元夫には借金しかなく、娘に渡すものはないとのことです。
 もし、元夫の母親の話が正しいとすれば、娘は元夫の借金を相続してしまうことになります。
 又、ひょっとすると財産があるかもしれません。
 今後の娘の行動を考えるには、元夫に借金があるのかどうか、又、財産があるのかどうかを調査する必要があります。
 調査の結果、借金が多ければ相続放棄の手続きをし。借金もあるが財産もあるというのであれば、双方を比較して財産が多いと判断すれば相続人として財産を取得する手続きをすることになります。
 いずれにせよ、亡夫の財産調査は必要不可欠です。

【相続放棄するなら3ケ月以内に】
 相続放棄は、相続があったことを知ってから3か月以内に、家庭裁判所に申し立てする必要があり、3か月の期限内に調査が終わりそうにないなら、放棄をする期間を延長(これを熟慮期間の伸長といいます)する必要があります。

【印鑑を預けてはいけない】
 祖母に娘の口座を作ってもらうために印鑑を預けたということですが、もし実印を預け、印鑑証明書を渡したというのであれば、それは極めて危険な行為です。
 娘の実印と印鑑証明書があれば、遺産分割協議書が勝手に作成されたり、亡夫の遺産である預貯金が勝手に解約されるかもしれません。
 娘さんが未成年のようなので、親権者であり、法定代理人であるあなたが娘さんの口座を作ることができます。
 もし娘の口座を作るので、あればあなたがその手続きをし、口座を祖母に連絡すればよく、印鑑まで預ける必要はありません。

【遺産が入るかも??】
 遺産を渡す気があるのなら、当然、祖母は、亡夫の遺産は借金だけというような話もしないはずです。
 もし、あなたが渡した印鑑が実印であり、かつ印鑑証明書なども渡したのであれば、祖母としては銀行等で亡夫の預貯金を解約取得する手続きができる場合があります(法定相続人である娘のもらうべき遺産を元夫の母が勝手に引き出すという最悪のケースも想定されます)。
 あなたとしては、そちらを心配するべきでしょう。
 もう、遅いかもしれませんが、預けている娘の印鑑などもすぐに取り返した方がいいでしょう。

【まず、するべきことは遺産調査と印鑑の回収】
 あなたが娘の学費をなんとかしたいというのであれば、亡夫の預貯金など、遺産の調査をするべきです。
 娘さんは相続人ですので、元夫の預貯金の取引履歴を取り寄せすることは可能です
 亡夫の預貯金などは、娘が亡夫の子であることを証明する戸籍や実印などがあれば、過去の取引内容を含めて、調査が可能です。

(調査方法についてはリンク参照)
《過去の参考ブログ:相続放棄 借金の調べ方 預貯金等、遺産の調査


(弁護士 岡井理紗)
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
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14:48 遺産の調査・発見 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

地裁の遺留分減殺事件で養育費を決定できるのか【Q&A №501の再質問】

2016/05/27



扶養能力がないのに遺留分と養育費は相殺されるのか?【Q&A №501】に関する再質問

【質問の要旨】

地裁の遺留分減殺事件で養育費を決定できるのか

記載内容  婚姻費用 養育費 相殺

【ご質問内容】

子供に対して地裁で遺留分(1250万円)を求めて本人訴訟中なるも、子供(義母と同居し現在は社会人)は、大学卒業までの生活費や学費などの養育費(1600万円)との相殺を要求。

私はその当時から現在まで病気で収入がなく、また数千万円の借金があるので扶養能力はなく、子供は充分な遺産(5000万円)
があるので要扶養状態にはない。

和解交渉でこのことを主張するも、裁判官は、(法律的根拠は示さず)遺留分の権利だけを主張して扶養義務は果たさないのはおかしいとして、私が遺留分をもらえば、そこから子どもが立て替えた養育費を払うように強く要請。

私は、父子間の養育費は家裁の専権事項なので、本裁判では遺留分の決定をし、養育費については被告が調停申立をすべきと主張するも、裁判官は被告から相殺の要求が出ているので、地裁で養育費の決定ができると拒否。

そこで質問なのですが、

(1)本当に地裁で養育費を決定できるのか。

あるいは、和解を成立させんがために私へ譲歩を迫るだけであり、判決では養育費については盛り込まれない可能性が高いと思われるか。

(2)判決で養育費と相殺された場合、それを理由に控訴しても却下となる可能性が高いか。

(3)もし家裁で養育費が決定される場合は、養育費が決まった後に地裁で遺留分と相殺して支払われるのか。


または、地裁では遺留分が確定し、家裁で養育費が確定して,相殺ではなく個別解決になるのか。

(オーくん)







当相談では、原則、再度の質問には回答しないことになっています。

ただ、お困りかもしれませんので、簡単にコメントをします。

この程度でご了解ください。

【再質問】

地裁の遺留分減殺事件で(家裁の専権事項である)養育費を決定できるのか?

【回答】

養育費の決定は家裁で決定すべきことです。

そのため、地裁の判決主文中で養育費が決定されることはありません

ただ、判決理由中で、遺留分額を減少する際の事情として未払養育費額を考慮することはできないかという問題がありえます。

しかし、家裁の専権事項である以上、理由中であっても、養育費額の認定はできないというべきでしょう(この点に関する参考裁判例としては、婚姻費用についてですが、同趣旨の判例がありますので末尾に記載しておきます)。

但し、当事者が和解提案する際の事情として未払い養育費を持ち出す、あるいは裁判所が和解案を出す際に未払い養育費を考慮して解決金額を提示するという程度なら特に問題ないでしょう

その点を考慮すると、あなたに譲歩をせまる材料として裁判所は養育費問題に言及しているというところでしょうか。


【再質問】

判決で養育費が考慮された場合、それを理由に控訴することが可能か?

【回答】

本来考慮すべきではない事項を考慮しているのであれば、それは控訴理由になり、原判決の取消事由となると思われます


【再質問】

家裁の養育費と地裁の遺留分との関係

【回答】

地裁としてはいつまでも判決を延期するわけにはいきませんので、養育費は別途解決してくださいとして、遺留分のみについて判決する可能性が高いと思います。

【参考判例】
婚姻費用の分担については、専ら家裁が審判すべきものであって、地裁は抗弁に対する判断としても、婚姻費用の分担を定めることはできない(京都地判昭和32年10月17日)。


(弁護士 大澤龍司)

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10:59 遺留分 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

遺留分と養育費の相殺【Q&A №501】

2016/05/12

 【質問の要旨】

別居中の妻が死亡したが、婚姻費用と遺留分はどうなるか

記載内容  婚姻費用 養育費 相殺

【ご質問内容】

家内と中二の子供と別居3年後に家内死亡。

審判(算定表)による婚姻費用を死亡前月(高二)まで支払。


遺言により、遺産(5千万)は全額子供が相続。

私(家内死亡前から病気で失業し借金生活)は、遺留分(1/4=1250万円)を求めて本人訴訟を起こすも、子供(義母と同居し私立大学卒業)側は、高二から大学卒業までの生活費や学費である養育費の実費(1600万円)と遺留分の相殺を要求。

(1)遺言書の内容(子供の生活費や大学進学費用に使え)は、母子の約束で扶養料を先渡しする義務(相続債務)とみなされるのか。

(2)私は無収入で数千万円の借金があり扶養能力はないが、借金より少ない遺留分をもらえば、多額の遺産のある子どもに対して養育費支払い義務があるのか。(子供の生活水準の方が高い)

(3)もし養育費の支払いが必要な場合は、

(ⅰ)月10万円の未払婚姻費用を基に、19歳までの生活費(大学費用含む?)を遺留分から控除するのか。

(ⅱ)20歳以上も、上記金額を大学卒業歳まで適用?

又は子供の主張する実費を遺留分又は遺産?から控除するのか。

十分な資産がある20歳以上の子供に、養育費の支払いが必要か。

(ⅲ)養育費が相続債務とみなされる場合は、養育費の半分が家内の債務で遺産から控除され、私の半分は扶養能力があれば遺留分から控除されるという考えか。

(ⅳ)上記に限らず、どのように考えるが正しいですか。

(オーくん)







【婚姻費用は妻の死亡により消滅する】

あなたは別居中の奥さんに対して婚姻費用を支払う義務を負っておられるようですが、この義務は奥さんが死亡した時点で消滅します

なぜなら、婚姻費用は婚姻があることを前提とするものですが、奥さんの死亡により婚姻そのものがなくなるからです

ただ、奥さんが死亡するまでに未払いの婚姻費用があれば、それは既に生前の婚姻期間中に発生した請求債権(未払い婚姻費用請求債権)として相続の対象になります。


【養育費の支払いについて】

婚姻費用の中には、実質上、未成年の子供の養育費分も含まれています。

奥さんの死亡により、死亡後の婚姻費用の支払いは不要になりますが、今度はあなたと子供さんとの養育費問題が現実化します

子供さんから請求されれば、親であるあなたに養育費の支払義務が生じる場合があります


【本件の場合の養育費支払いの要否について】

では、子供さんの言うような養育費の支払いが必要なのでしょうか。

収入及び時期と言う2つの面で支払い義務の履行を拒む理由が考えられます。

まず、収入の点からは次のように考えるといいでしょう。

養育費の支払いは支払い義務者である親に収入があることを前提にしていますが、あなたに収入がないというのであれば支払い義務は発生しないということになります。

次に時期的に言えば、養育費の支払いなどについて調停が申立される場合、支払いの開始時期はその調停申立のあった時期だとされています。

養育費の発生時期については、請求のあった時点以降であるという考えも強く、この考えに従えば請求前の過去に遡っての請求はできないということになります。

又、月毎に支払われる定期給付債権であるとして、民法169条の短期消滅時効の適用を受けるとして過去5年間の分だけの請求を認める考えもありえます。

これらの点の詳しいことを知りたければ、別途、養育費についての文献やネット検索をされるといいでしょう。

なお、子供に財産があるということだけで、養育費の支払い義務が免除されるということはないと思われますが、この点も別途調査されることをお勧めします。

又、成年に達した後の大学終了時点までの養育費の支払いの要否や学費分まで支払いの要否についても別途調査されるといいでしょう。


【遺留分減殺請求により得た利益をどう考えるか】

あなたとしては、今回遺留分減殺請求により収入を得ることになります。

しかし、あなたとしては養育費の算定の基礎となる収入は給料等の継続的な収入であり、遺留分のような一時的な収入とは言えないと主張することも可能です。

養育費算定表には給料年額あるいは自営業者の年収入額を前提として算定グラフが作られているからです。

ただ、このような主張に対しては、給料や自営での収入ではなくとも、親であるあなたが収入を得ているのであれば、給料等の収入に準じるものとして、算定される可能性もありえます。

その場合には、その収入のあった年度については、遺留分減殺請求額を前提にして計算された養育費を支払い、その翌年以降は無収入として養育費の支払いを拒むということを主張されえるといいでしょう

なお、無収入であっても《潜在的稼働能力があり、就労が困難といえないような事情がある場合には、ある程度の収入があるものとして、養育費が算定される可能性がありえますので、この点も併せご留意ください。


【遺留分と養育費の相殺との関係】

結局、前項の後段の前提(遺留分の支払いのあった年度にのみ、それを前提として養育費を支払う)というのであれば、その年度の養育費額のみが相殺の対象なり、その分が遺留分から減額されるという結論になるでしょう。

(弁護士 大澤龍司)

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16:40 遺留分 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

養育費は遺留分から控除できるか【Q&A №314】

2013/09/11
 
主人は再婚です、子供一人いて離婚し、私と結婚しました。
 私たち夫婦には、子供はいません。
 別れた子供が、高校卒業後、専門学校へ行く学費を2年間 毎月6万送金しました。
 この度、遺言書を作成しました。
 遺留分で、その分差し引いて貰えますか。


記載内容

養育費 学費 未成年 特別受益 専門学校

(あさちゃん)


【扶養義務の履行は特別受益に当たらない】
 父親は子に対して養育義務がありますので、養育費として相当な金額の支払いは、特別受益にはなりません。
 養育費としてどの程度が相当かは、家庭裁判所で用いる次のような養育費算定表がありますので、ご主人の収入を前提にこの表で判断されるといいでしょう。(養育費・婚姻費用算定表
 本件で問題となる専門学校の学費は、養育費としての送金だと思われます。
 そうすると、未成年者に対する父親としての扶養義務の範囲内での送金として扱われる可能性が高く、扶養を超える特別受益となることは少ないです。

【遺留分でも考慮されない】
 養育費が特別受益になった場合には、遺留分の算定の際にその受益分が遺産に持ち戻され、遺留分として受け取ったという扱いになります。
 しかし、前記のとおり、毎月送金した金額を特別受益とするのは難しいので、子どもの遺留分を減らすことはできないでしょう。
 参考までにいえば、学費で特別受益に該当するには、私立の医科大学・医学部のように多額の入学金や高額な学費を支払った場合などのかなり特別な事情が必要でしょう。


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10:21 遺留分 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★相続放棄と引き換えに養育費を請求【Q&A №259】

2013/03/18
 離婚した父がなくなり、退職金等2000万弱は生計を共にしていた祖母がもらえるようです。私は養育費3万(月)だったので、対象から外れたそうです。そこで、法定相続人は私1人なのですが、祖母が住んでいるマンション(売却したら1400万くら
い)の相続を放棄する代わりに、生前もらうべき養育費を祖母に請求しようと考えています。カードローンなど負債もあり、実質そのマイナスをカバーする余裕もなく、あとから消費者金融からとりたてられても困ります。(大学生で奨学金を月12万借りています。)そのようなことは可能でしょうか。よろしくお願いします。(マンションは団信でローンはなくなるそうです。)

記載内容

養育費 団信 住宅ローン

(ノラ黒)


【養育費支払義務は相続されない】
 お父さんはあなたに対して養育費の支払義務を負っておられましたが、それはお父さんの死亡で消滅します。
 相続人がこの義務を承継することはありません。

【本来は売買が望ましいが・・・】
 あなたは唯一の相続人であるとすれば、お父さんの遺産は全てあなたのものになります。
 お祖母さんの住んでいるマンションもあなたのものになります。
 そのため、あなたとしてはマンションの所有者として、そこに居住しているお祖母さんに居住の対価として家賃を請求したり、立ち退きを求めたりすることも不可能ではありません。
 ただ、現実にそこに居住しているお祖母さんを追いだすのも酷なことですので、金銭的に解決することも可能です。
 その方法としてお祖母さんに、お金を支払わせるという方法もあるでしょう。
 つまり、そのマンションはお祖母さんに譲渡し、その対価として譲渡代金を貰うということも可能です。
 又、お祖母さんと交渉して、賃料を支払ってもらうことも可能でしょう。

【相続放棄を利用するのも一方法かもしれない】
 さて、あなたとしては、相続放棄をしてお祖母さんにマンションを相続してもらう替わりに、お祖母さんから、あなたがお父さんからもらうはずであった養育費を支払ってもらおうとお考えのようです。
 お祖母さんがその支払いを納得するのであれば、ユニークな解決方法です。
 相続放棄を条件として、金銭をもらうということになりますので、若干問題がないわけではありません(相続放棄なら遺産から何ももらえないのに、実質的には金銭を貰っているのは違法ではないか、このような合意は公序良俗違反ではないか、ということが問題となります)。
 お祖母さんとしては売買ではなく、相続ということでマンションの所有権を取得し、あるいは居住を継続できるというメリットがあります。
 お祖母さんが問題なく支払ってくれるなら、特に法的なトラブルもなく終了する話ですので、がんばって交渉されるといいでしょう。
 なお、相続放棄の期間は原則として死亡を知ったとき(通常は死亡時)から3ケ月間ですので、お祖母さんとは早期に交渉するといいでしょう。
 もし、交渉に期間がかかるというのであれば、相続放棄期間の延長(伸長)願いを裁判所に提出しましょう。


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10:27 遺産分割のトラブル | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

特別受益にあたりますか。【Q&A №164】

2012/06/19
 2人兄弟の長男で妹が一人おります。
 父が住まい兼、住居下の階について貸しビル業を営んでおり、現在はその3F部分に私の家族が、4F、5F部分に父母と妹,その娘が住んでおります。
 結婚後、私も妹も家を出ましたが、妹は数年で娘をつれて離婚し実家に戻り、それから18年、ずっと実家で生活しています。
 私は長男で、いずれは実家に戻る予定でしたが、妹がおり戻れず、しばらく賃借マンションで暮らしていました。
 ビルの3Fが空いたのを機にリフォームしその代金1,300万円は義父が支払い、そこに住まわせてもらいました。
 妹については18年間、生活費など全般、妹の娘の幼児期から大学生になるまでの費用も、ほとんど義父が払っており、別れた夫から子供の養育費、母子手当てなどで生活には困りません。現在は娘の授業料だけは自分で支払っています。
 現在、ビルの借り手は1Fしかなく、私の代になり、今後も妹の生活費を維持しながらずっと暮らしていけるか家としても不安です。
 今後、塗装などビルメンテナンスのまとまった費用は相続の中からしか繰り出せそうもなく、リフォーム代金等が私の特別受益にあたっているのか気になり相談させて頂きました。

1、リフォームにかかった費用は特別受益にあたりますか?
2、妹の生活費自体は特別受益にあたりますか?

どうぞよろしくお願い致します。

記載内容

特別受益 生活費支援

(soudan)


※※※ご注意:マンションは「父」の所有であり、リフォーム代金を出したのもその「父」であるという前提で回答しています。途中で「義父」として出てくるのも「父」という意味で理解して回答しています。※※※

【特別受益とは・・】
 特別受益とは、生前贈与などがあった場合に、相続人間の公平を図るために、その贈与を相続財産の相続分の前渡しとみなして、遺産に持ち戻して相続分を算定するものです。
 ただ、特別受益とされるのは《生計の資本》としての贈与ですので、①生計に関係があること②ある程度まとまった金額の贈与であることが必要だとされています。

【リフォーム代金について】
 リフォーム代金をお父さんに支払ってもらったということですが、そのリフォームした内装などはそのマンションと一体のものになりますので、特別受益にならないという考え方もできます。
 しかし、その部屋があなた方夫婦の専用のものであり、リフォームの内容もあなた方が決め、かつ契約もご主人名義でしたというのであれば、その支払い分1300万円は特別受益になる場合もあります。

【生活費支援と特別受益について】
 生活費の支援については、毎月、(遺産全体から見れば)少額の支払いであり、ある程度まとまった金銭ではないとして、特別受益にならない可能性があります。
 過去の審判例では、月額10万円程度を継続的にもらっている程度なら特別受益にならないとしたものがあります。
 しかし、月額10万円でも、10年間であれば1200万円を超す金額になり、決して無視できない金額になります。
 このような場合には、被相続人の生活程度や遺産の総額やもらっていた期間や総額、他の兄弟に対する支援の有無等を総合的に考慮して特別受益になると判断される場合もあるでしょう。

【妹さんの場合】
 今回の質問では、《18年間、生活費など全般、妹の娘の幼児期から大学生になるまでの費用も、ほとんど義父が払っており》ということのようです。
 毎月の金額がわからないのではっきりしたことは言えませんが、期間が長いことや毎月の金額が10万円を超す可能性もあるようですので、特別受益になる可能性もあると思います。

大澤龍司法律事務所
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23:33 生前贈与・特別受益 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★父親に認知されていない子の相続権【Q&A №28】

2010/03/31

現在妊娠中、予定日まで200日をきっています。今後、結婚(入籍)予定ですが、認知してもらうべきか、しないほうが良いか悩んでいます。認知によるメリット、デメリットを教えてください。

記載内容

  嫡出子 認知 胎児の相続権 
(悩みっ子)


 本コーナーは相続問題に関するご質問を受付しておりますが、子の認知ということで困っておられるようですので、この点を最初に説明し、その後に相続と認知についてお答えします。

【認知をした方がよいのかどうか】
 認知は、嫡出でない子をその父らが、自分の子と認める制度です。
 認知されておれば、生まれてくる子は父親から養育費をもらうことも、遺産を相続することもできますので、たいへん重要な法律行為です。
 今後、入籍予定ということですが、万一、入籍できない事情が発生する場合もありえますので、一刻も早く父親に認知をしてもらった方がいいでしょう。
(参考までに言えば、胎児の段階でも「胎児認知届」があります)。
 なお、質問では予定日が200日をきったということですが、この場合、婚姻後に生まれてきた子は夫婦間の子(嫡出子)であると推定されませんので、その意味でも早く認知の手続をされたほうがいいでしょう。
 認知した場合には、戸籍にまず「父親が認知した」という記載がされるのですが、その後、婚姻されるのなら、その子は嫡出子と同様に扱われます。
 なお、認知せずに婚姻をし、その後に、父親が「父母との続き柄」欄の「□嫡出子」にチェックして出生届を提出すれば、子を認知したことになります。
出生届けの用紙例

【相続における胎児の扱い】
 子が出生前に、父が死亡した場合でも、出生した子には相続権があります。
 ただ、父がその子を認知していないと、親子関係を認めてもらう裁判が必要です。
これは、検察官を相手にしたややこしい裁判であり、しかもこの裁判では親子鑑定が必要であり、そのための多額の費用がかかります。
 その意味でも、是非、認知をしてもらうことをおすすめします。
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★長期別居中の夫でも妻の遺産はもらえるのか【Q&A №11】

2009/09/18
 
私が4歳のとき父が彼女をつくって失踪しました
それから現在 25年の月日が経ち母は弁護士にも相談して家庭裁判所にも父を裁判所に2回来てもらうようにして頂きましたが、父は2回とも放置状態で姿も見せませんでした・・・父が失踪したあと、この25年間養育費は一千たりとも貰ってません。
それで本題ですが もし父より先に母が亡くなってしまった場合 父には母の財産が半分いきますよね?
その財産が母にしてみれは少しでも父には渡したくないのが本音ですが この25年間離婚も出来ないままいてますが 離婚してなくても遺言書で父には渡したくないと書いていれば 父には遺産を渡さなくてもよくなるのでしょうか? 
それでも遺言書で書いていても戸籍上夫婦なので父には渡さなくてはいけないのでしょうか?


記載内容

  相続人 遺言 遺留分 
(ケイコ)



【今の状態のままでお母さんが亡くなった場合は・・】
法律では、25年間も音信不通であっても、離婚をしていない限り、お父さんには原則として遺産の2分の1がいきます。

【遺言があってもお父さんが遺産をもらえる場合がある】
お母さんが遺言で「父に渡したくない」という趣旨の記載をしても、離婚していないお父さんに遺産がいく場合があります。
遺書の内容にかかわらず、お父さんが遺産を欲しいと主張すると、遺産のうち4分の1を取得できる権利(遺留分)が法律で認められているからです。
ただ、遺言があれば、お父さんにいく遺産は(少なくとも)半減しますので、遺言の手配をされるといいでしょう。

【根本的な対策は離婚です】
お父さんに財産を渡したくないというのであれば、お父さんが配偶者でないようにする・・具体的に言えば離婚する・・のが一番です。
過去に調停に呼び出しても来なかったようですが、そのような場合でも離婚手続を進めることは可能ですし、離婚自体も可能です。
但し、一般の人にはわかりにくい手続もありますので、弁護士に事件を依頼して、離婚手続を進めるのがいいでしょう。

☆ワンポイントアドバイス☆
既に述べたように、お父さんが離婚調停に出てこなくても離婚の手続は可能です。
ただ、離婚せずに、お父さんが死亡した場合には、遺産の2分の1がお母さんに行きます。
逆に、お父さんに多額の借金のみが残ったというような場合には、お母さんは(相続放棄をしない限り)、その借金を相続で引き継がなければならないことになります。
離婚することができるかどうかという問題や離婚すれば相続にどのような影響があるのかをそれぞれ考えて対処されるといいでしょう。
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
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11:12 相続人 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集
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