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遺産相続【Q&A №602】

2018/02/20


【質問の要旨】

祖母が開設した娘名義の口座の取引内容を確認することはできるか?

記載内容  離婚 借金 取り引き内容


【ご質問内容】

 離婚をして10年以上経ちます。娘が1人います。
 昨年、娘の父親が亡くなりました。元夫は母親と会社を経営してました。
 元夫の母からは借金しかなく娘には何も渡すものは無いと言われました。
 今まで父親からは養育費として少しは頂いてたので祖母は19歳まで生活費を渡すと言ってます。
 先日、祖母が生活費とは別に少しづつ貯金をしてあげるからと娘の銀行口座の開設に行きました。通帳と印鑑は祖母が持ってます。しかし周りからはその口座に遺産関係が入るからだと言われました。もしそうだとしたらどうなるのでしょうか?
 通帳、印鑑が無くても娘は口座の取り引き内容は閲覧できるのでしょうか?
 私は全く関わりたく無いのですが娘が大学に行きたいと言ってるので学費だけでもと思っています。


(aloha)



 ※敬称略とさせていただきます

【元夫の相続人は娘】
① 元夫の相続人は、元夫があなたとの離婚後に再婚しておれば、現在の配偶者と元夫の子(あなたの娘。もし、他に子がいればその子も相続人になります)。
② 結婚してもおらず、他に子供がいないのであれば、娘のみが相続人になります。
なお、上記①及び②のいずれの場合でも、元夫の母親やあなた自身は相続人ではありません。

【相続するということは借金も引き継ぐということ】
 相続するということは、元夫の財産も借金などの負債もすべて引き継ぐということです。
 なお、相続人である娘が未成年であれば、親権者であるあなたが娘の代理人として相続手続をすることになります。

【元夫の遺産や借金については調査をすべき】
 元夫の母親の話では、元夫には借金しかなく、娘に渡すものはないとのことです。
 もし、元夫の母親の話が正しいとすれば、娘は元夫の借金を相続してしまうことになります。
 又、ひょっとすると財産があるかもしれません。
 今後の娘の行動を考えるには、元夫に借金があるのかどうか、又、財産があるのかどうかを調査する必要があります。
 調査の結果、借金が多ければ相続放棄の手続きをし。借金もあるが財産もあるというのであれば、双方を比較して財産が多いと判断すれば相続人として財産を取得する手続きをすることになります。
 いずれにせよ、亡夫の財産調査は必要不可欠です。

【相続放棄するなら3ケ月以内に】
 相続放棄は、相続があったことを知ってから3か月以内に、家庭裁判所に申し立てする必要があり、3か月の期限内に調査が終わりそうにないなら、放棄をする期間を延長(これを熟慮期間の伸長といいます)する必要があります。

【印鑑を預けてはいけない】
 祖母に娘の口座を作ってもらうために印鑑を預けたということですが、もし実印を預け、印鑑証明書を渡したというのであれば、それは極めて危険な行為です。
 娘の実印と印鑑証明書があれば、遺産分割協議書が勝手に作成されたり、亡夫の遺産である預貯金が勝手に解約されるかもしれません。
 娘さんが未成年のようなので、親権者であり、法定代理人であるあなたが娘さんの口座を作ることができます。
 もし娘の口座を作るので、あればあなたがその手続きをし、口座を祖母に連絡すればよく、印鑑まで預ける必要はありません。

【遺産が入るかも??】
 遺産を渡す気があるのなら、当然、祖母は、亡夫の遺産は借金だけというような話もしないはずです。
 もし、あなたが渡した印鑑が実印であり、かつ印鑑証明書なども渡したのであれば、祖母としては銀行等で亡夫の預貯金を解約取得する手続きができる場合があります(法定相続人である娘のもらうべき遺産を元夫の母が勝手に引き出すという最悪のケースも想定されます)。
 あなたとしては、そちらを心配するべきでしょう。
 もう、遅いかもしれませんが、預けている娘の印鑑などもすぐに取り返した方がいいでしょう。

【まず、するべきことは遺産調査と印鑑の回収】
 あなたが娘の学費をなんとかしたいというのであれば、亡夫の預貯金など、遺産の調査をするべきです。
 娘さんは相続人ですので、元夫の預貯金の取引履歴を取り寄せすることは可能です
 亡夫の預貯金などは、娘が亡夫の子であることを証明する戸籍や実印などがあれば、過去の取引内容を含めて、調査が可能です。

(調査方法についてはリンク参照)
《過去の参考ブログ:相続放棄 借金の調べ方 預貯金等、遺産の調査


(弁護士 岡井理紗)
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
14:48 遺産調査 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

認知症の伯母の多額の預金が引出されたことが相続時に判明した【Q&A №582】

2017/09/20


【質問の要旨】

窓口出金時の付添人を調べる方法はあるのか?

記載内容  認知症 引き出し 騙された

【ご質問内容】

 遠方の伯母が認知症になり、嫁ぎ先の地で数年の療養を経て、半年前に亡くなりました。
 相続にあたり銀行に確認したところ、療養中、自分で歩けないにも関わらず誰かが付き添って窓口へ行き預金を引き出していた(8年前)ことがわかりました。

 私は時々伯母の様子をみに行っていたのでわかるのですが伯母は多額の現金を使うことなく死亡しており、誰かに騙されて預金を引き出したこと、引き出した現金をその誰かに取られてしまったことを疑っております。
 相続人として問い合わせましたが銀行からは預金引出しの状況を教えてもらえず、事件性を考え警察に相談に行きましたが、
回答がありません。誰が現金引出しに付き添ったか知りたいのですが、銀行から書類等見せてもらう方法はないでしょうか?

 伯母の亡き夫の親族が伯母の近くに住んでいて入院や施設入所時保証人になっていたのでもしかして伯母は騙されたのではと思うと悔しくてなりません。以上宜しくお願い致します。

(太郎)



【あなたが伯母さんの相続人であれば、調査できます】
 あなたが伯母さんの相続人である場合には、他の相続人の同意などはなくても、あなた一人で、被相続人である伯母さんの預金の取引内容を調査することができます。
 かなり昔には、ほとんどの金融機関が相続人全員の同意がない限り、履歴の開示請求には応じませんでした。
 しかし、平成21年に最高裁判所で、相続人全員の同意がなくても、被相続人の預金の取引内容を開示しなければならないとの判断をしました。
 この裁判例以降、現在は、ほぼ全ての金融機関が単独請求の場合でも、履歴の開示をしています。
 
【取引内容調査の方法】
 まず、取引履歴(その金融機関での入出金、振替等の取引内容がすべて記載された履歴)の開示には、あなたが相続人であることを裏付ける資料(被相続人の除籍謄本、あなた自身の戸籍謄本)とあなたの本人確認資料(運転免許証など)が必要となります。
 ただ、金融機関によっては、そのほかに実印や印鑑証明書等がいる場合もありますので、取り寄せる前に必要書類を問合せておくとよいでしょう。
(なお、被相続人の預貯金履歴手続については(Q&A №98Q&A №205ほか参考カテゴリ:「遺産調査」に詳しく記載しているのでご参照ください)
 
【取引履歴を取得出来たら、使途不明金を絞りこむ】
 伯母さんの金融機関の取引履歴の取り寄せができたら、次に怪しい出金がないかどうかを検討します。
 履歴の摘要欄や支払時期などを見ても使途がわからず、他の金融機関に移された形跡もないような出金があれば、それは不正出金の可能性があります
 ただ、生活費の出金もあるかもしれませんから、ある程度、多額の出金に絞るといいでしょう。
 
【次に出金手続きの確認をする】
 取引履歴には、出金方法も記載されている場合が多いと思いますので、それを確認します。
 出金が窓口でなされていれば、払戻伝票を取り寄せて筆跡を確認するといいでしょう。
 また、ATM出金であればどこのATMが使われたか、伯母さんは当時ATMを使用できるような状態だったか等を検討していくことになります。
 これらの作業をしていく中で、使徒不明金を把握していきます。

【付き添いで来ている本件のような場合は・・】
 ただ、今回のケースでは、被相続人が金融機関に行ったが、その際、付添人がいたということです。
 そうすると、払戻手続きをしたのは、被相続人の伯母さん自身であり、払戻伝票の筆跡は伯母さんの可能性が高いということを考慮しておく必要があるでしょう。
 伝票だけでは付添の人が誰であったのか、又、その人が引き出したお金を使ったのかどうかは判明しないことが多いです
金融機関としては本人が来て、手続きをしている以上、そのお金が誰に渡ったのかなどは、手続き外のことであり、《関知しないこと》という態度をとります。
 これらの点を考えると、単なる履歴照会では問題は解決しないと思われます。

【弁護士の知恵を借りるのがいいでしょう】
 付添の人が誰であったのか、払戻された金銭は誰に渡ったのか、そのような点まで調査するのはかなりむずかしい作業です。
 できれば、早い段階で、相続に詳しい弁護士に相談されるといいと思います。
 弁護士は、法律に基づき金融機関等に対して調査することができます。
 本件ケースでは、詳細な事情を説明して、弁護士の知恵と能力を使うことを考えられるといいでしょう。

(弁護士 岡井理紗)
大澤龍司法律事務所
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13:57 遺産調査 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

甥を相続することはあるのか? 【Q&A №459】

2015/08/05



【質問のまとめ】

 甥が亡くなった後に姉が亡くなりました。

 甥の借金を私が返さないといけないことがあるのでしょうか?



記載内容

   相続順位 相続放棄


【ご質問内容】

 はじめまして、二次相続につき教えていただきたく投稿いたしました。

 姉の子(甥)が住民税や固定資産税を未払いのまま死亡したらしく市役所から自分に請求が来ています。

 法律上、被相続人の叔父叔母が相続人になることはなかったはずと思い、市役所に問い合わせました。

 まず甥が亡くなり姉が相続放棄をしなかった。その後に姉が亡くなり、姉には他に子もいないため、兄弟である私に甥→姉→私と納税する義務が相続されたとのことです。

 相続放棄を検討していますが、直接甥の相続人ではなくてもこの場合、私は相続人になってしまうのでしょうか。

 
(清左衛門)







【あなたが甥の債務を相続することもあります】

 お姉さんの子(甥)が死亡して相続が発生したケースです。

 まず、甥が、子供がなく死亡した場合、その方の母親(すなわち、あなたのお姉さん)が直系尊属として相続人になります。

 また、甥に子供がいても、その子供が相続放棄した場合にも、お姉さんが直系尊属として相続人になります。

 相続では財産だけでなく、負債も引き継ぎます。

 そのため、もし、甥の遺産が、財産よりも負債が多い場合には、お姉さんとしては相続放棄をするべきでした。

 もし、相続放棄をしていないというのであれば、甥の税金等の債務の支払義務は相続でお姉さんに引き継がれます。

 お姉さんが死亡した場合、お姉さんに子や親がいないか、あるいはこれらの方が相続放棄をした場合、兄弟であるあなたが相続人になります。

 以上に挙げたケースに該当するのであれば、市役所のいうように、甥の方⇒お姉さん⇒あなたの流れで税金の支払い義務が相続され、あなたが支払い義務を負います。


    甥 ⇒ お姉さん ⇒ あなた
      一次相続     二次相続




【相続放棄をするかどうかは調査をしてから】

 まず、あなたとしては、お姉さんの遺産(財産)や負債(債務)の内容を調査し、債務が多ければ家庭裁判所に相続放棄の申立をするといいでしょう。

 ただ、相続放棄は、相続開始を知ってから3ケ月以内にする必要があります。

 もし、調査には時間がかかるというのであれば、予め、家庭裁判所に相続放棄の期間を延ばしてもらう手続きをするといいでしょう。

 債務が多いことがはっきりしており、相続開始を知ってから3ケ月以内だというのであれば、すぐに相続放棄の手続きをするといいでしょう。

 手続きとしては弁護士に依頼しなければならないほど複雑なものではありません。

 もしわからない点があれば、家庭裁判所で教えてもらってもいいです。

 ただ、財産を調査する必要があれば、相続に詳しい弁護士に相談されるということも考えていいでしょう。



【遺産調査に時間がかかる場合の対処】

 遺産の調査に時間がかかるということを理由にすれば、家庭裁判所は放棄するまでの期間を(通常の場合)3ケ月程度延長してくれますので、相続開始から6ケ月程度、調査機関があることになります。

 その調査の結果、負債が多ければ家庭裁判所に対して相続放棄の手続きをするといいでしょう。

 なお、調査期間中に遺産の預貯金を使うなどということをすれば、相続放棄の効果が認められなくなりますので、この点は注意が必要です。

(弁護士 大澤龍司)
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14:15 相続人 | コメント(1) | トラックバック(0) | 編集

亡父の預金引き出しと相続放棄【Q&A №431】

2015/02/24



 音信不通だった父が亡くなり、預金をおろしにいくつもりです。

 古く状態は良くないものの、父名義のマンションに住んでいたため、家賃こそありませんが、荒んだ暮らしだったようで、管理費や、公共料金の滞納があります。

 相続人として預金をおろした場合、それらの支払い義務、またサラ金に借金があった場合の返済義務は生じますか?

 マンションの資産価値は現金に換算して、相続税がかかるのでしょうか?


記載内容

  借金 滞納 預貯金の引き出し 相続期間の延長 遺産調査事項

(桜餅)





【預金を下ろすと相続の承認となるか?】

 お父さん名義の預金は遺産です。

 そのため、お父さんの預金を引き出すと相続の承認をしたとされ(末記条文参照)、相続放棄ができなくなるというのが原則です。

 相続放棄ができないと、お父さんの借金等の債務は、法定相続人であるあなたに引き継がれ、あなたが債務の支払い義務を負います。

 ただ、過去の裁判例を見ると、遺産を墓代や葬式代に使用したり、死亡した人の荷物の引き取りのために使用したような場合には単純承認にはならず、相続分の放棄が可能(平成14年7月3日の大阪高等裁判所決定等)というものもあります。

 私的利用ではなく、被相続人の死亡に伴う支出で、社会的に非難されないようなものに出費した分は処分にあたらず、相続放棄を認めようというのが裁判所の考え方といっていいでしょう。

 なお、一旦は預金を引き出したものの、それを使用しておらず、その後に預金に戻した場合や手元に持っていただけの場合にも、相続財産を処分したとはみなされず、相続放棄が可能と考えていいでしょう。



【まず、遺産調査を確認しましょう】

 預貯金を引き出す前に、まず遺産調査をし、相続放棄をするべきかどうかを決断する必要があります。

 お父さんの遺産(財産)と債務の調査し、遺産の方が多い場合には相続放棄をせず、相続を承認するという決断をしてから後に、預貯金を引き出すという手順になります。



【遺産調査で確認すべき事項は次のとおりです】

1.遺産関係

① 預貯金額の確認・・金融機関で確認しますが、その際、預貯金とは別に借金等の債務がないか、又、保証人になっていないかどうかも確認するといいでしょう。

② 不動産の確認・・不動産があるのかどうか、あればどの程度の価額かを確認する必要があります。

 これらの点は市町村に確認するといいでしょう。

 もし、不動産があるのであれば、ついでに固定資産税の未納付がないかどうかも確認しましょう。

③ 株式等の確認・・預金通帳で配当などがある場合には、証券会社に株式の有無を確認する必要があります。


2.債務関係

① マンションの管理費や公共料金
 催告書の有無の確認やマンション管理組合への問い合わせをして滞納があるかどうか、滞納がある場合にはその金額を確認しましょう。

② 固定資産税の滞納

 この確認も必要不可欠ですので、市町村の固定資産税係に確認する必要があります。

③ 金融機関やサラ金などからの借り入れ

 お父さんのご自宅に届いている借入金や返済状況のお知らせといった郵便物により把握できるものもありますが、サラ金などからの借り入れの可能性があれば、お近くの信用情報機関などに問い合わせれば概ね把握できるでしょう。



【調査のために時間がかかる場合には延長願いを出す】

 相続放棄は原則として、相続開始を知った時点から3ケ月以内という短期間に家庭裁判所申し出する必要があります。

 しかし、調査のために時間がかかる場合もあります。

 その場合には、予め、裁判所に相続放棄の期間延長願い(専門用語では「相続放棄の熟慮期間伸長願い」と言います)を出すといいでしょう(【コラム】相続放棄期間の伸長参照)。

 遺産調査が難航しており、時間がかかるということを記載するだけで裁判所は簡単に3ケ月間の延長を認めてくれます。



【相続税について】

 平成26年内に相続が開始した場合には、基礎控除5000万円+法定相続人1人当たり1000万円の基礎控除が認められていました。

 そのため、法定相続人があなただけであれば、6000万円の基礎控除がありました。

 遺産(財産)から負債を控除して、6000万円以内であれば、相続税の申告は不要です。

 平成27年1月1日以降に死亡された場合には、基礎控除3000万円+法定相続人600万円の基礎控除ということに制度が改められましたので、法定相続人があなた一人だけであれば、3600万円の基礎控除になります。

 遺産(財産)から負債を控除して、3600万円以内であれば、相続税の申告は不要です。

 ただ、差額が3600万円以上あった場合でも、相続税特有の不動産価額の計算方法もあり、相続税の申告が不要となる場合もあります。

 詳しくは税の専門家である税理士さんに相談されるといいでしょう。



《参照条文:民法第921条 法定単純承認》

次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。
一  相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第602条 に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。
二  相続人が第915条第1項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。
三  相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。

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16:44 相続放棄 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

遺産の内容を調べたい【Q&A №417】

2014/12/09



 父の死後、遺言状(正式なもの)には『全財産を長男に相続する』とあり、遺産内容の記載は無く、もう決まった事と兄から一方的に言われました。私は相続人のひとりとして遺産内容を知った上で遺留分減殺請求をするかどうかを決めたいのですが、兄は強引な性格なので内容を聞いたり、請求すると兄弟関係がますます険悪な状態になるのではないかと不安です。請求をしなかったとしても親が築いてきた財産がどれだけ残っているか、また負債が何れだけあるか相続人の一人として知っておきたいのですがそれは難しいのでしょうか。


記載内容

  遺言執行者 遺産目録

(ヨシ)


【相続人なら、他の相続人の同意がなくとも、独自に遺産調査ができます】
 平成21年以前は、相続人が遺産調査をする場合、金融機関が他の相続人の同意を得てくださいという対応をしておりました。
 今回の質問のケースであれば、長男さんの同意がないと遺産調査ができませんでした。
 しかし、平成21年1月22日に最高裁が、他の相続人の同意がなくとも遺産調査が可能になるとの裁判(「【相続判例散策】履歴照会に全員の同意不要」参照)をし、それ以降、ほとんどの金融機関がこの判例に従って、死亡時残高や取引履歴を開示しています。

【開示を求める手続きは金融機関により異なる】
 遺産で最も重要なのは金融機関の預貯金です。
 金融機関により、預貯金開示に必要な手続きは異なります。
 そのため、予め、電話等で金融機関に問い合わせをし、手続の流れや必要な書類を確認されるといいでしょう。

【金融機関で最低限必要な書類は次のとおりです】
 通常の場合、次の①ないし③は最低限必要ですので、予め、取り寄せをしておくといいでしょう。
①被相続人であるお父さんが死んだことの証明(除籍謄本)
②あなたが相続人であることの証明(あなたの戸籍謄本)
③あなたの本人証明(運転免許証、健康保険証等)
 金融機関によっては、以上の他に、更に書類を要求される場合があります。

【被相続人がどこの金融機関の支店で取引したかを確認する】
 注意しなければならないのは、被相続人であるお父さんがどこの金融機関のどの支店を利用していたかを確認する必要があることです。
 利用していた金融機関がわからないと照会もできません。
 又、金融機関がわかっても、照会は支店単位でしかできませんので、どこの支店を利用していたのかまで調査する必要があるということです(但し、ゆうちょ銀行は支店を特定する必要はなく、又、弁護士に依頼するのなら三井住友銀行も支店を特定せずに照会をすることが可能です)。
 他のご兄弟や親せきなどに協力いただき、どこの支店を利用していたかを確認しましょう。
 なお、通常はゆうちょ銀行や地元の農協などに、まず、最初に照会をかけることになるでしょう。

【金融機関の履歴から数珠つなぎに調査をしていく】
 金融機関の取引履歴を見れば、他の金融機関や証券会社との取引がわかる場合があります。
 その場合には、新しく発見された金融機関にも照会をかけ、根気よく、調査を続けるといいでしょう。

【不正出金がないかどうかを確認する】
 履歴が取れた場合、その内容を確認しましょう。
 死亡前後に不自然な動きがないかどうかが一番重要なところです。
 開示されたデータ(取引履歴)から何を読み取るのか、そこが一番肝心なところです。
 がんばりましょう。

【不動産は法務局にいって登記簿を確認する】
 不動産を調査するには、お父さんのご自宅の土地建物の登記簿謄本を法務局に出向いて閲覧、謄写されるといいでしょう。
 抵当権などが設定されている(いた)のであれば、共同抵当がないかどうかを確認し、他にお父さん所有の不動産がないかどうかも確認する必要もあります。
 市町村にお父さん名義の不動産があるかどうかの確認も必要です。

【借金の調査もできる】
 お父さんが生前に作った借金などについても、金融機関や信用情報機関に問い合わせることで、ある程度の内容は調査することができます。

【調査には限界があることも理解しておくとよい】
 ただ、調査には限界があります。
 たとえば取引支店名がわからないと照会さえできません。
 そのため、あなたのように遺留分減殺請求や負債の状況を知るための調査をする場合には、調査に限度があります。
 十分な資料が得られればいいのですが、そのような場合はめったになく、少ない資料で遺留減殺をするのか、相続放棄をするのか等の決断が必要になります。
 遺留分減殺なら、遺留分が侵害されていることを知って1年以内で、相続放棄は相続開始から原則3ケ月以内で手続きをする必要があります。
 綿密な調査は必要ですが、一方でこれらの期間を超さないよう、ご注意ください。
大澤龍司法律事務所
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16:48 遺言 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

長男が財産管理をはじめたら【Q&A №376】

2014/05/28
 昨年9月に父が他界。遺産分割協議書などの処理も終わったとたん、兄が母親の家に行き、実印と通帳を預けろと言いに来たそうです。
 理由は年寄りの一人暮らしは危険だから、紛失したら大変だ。そうです。母が断ると「俺のことが信用できないのか?」と凄んで、実印だけは持って行っていまったそうです。
 このままでは、いつ通帳も母親のいない間に勝手に持ち出されるか不安でたまらないと母が困っています。
 兄は、母の家の40分くらいの距離、私(次男)は遠方です。
 特に兄は「自分は長男だから、処理は長男がする」と主張するようです。この兄の行動を止める方法はありますでしょうか?よろしくお願い申し上げます。

記載内容

成年後見人 財産管理 遺産調査
(麿)


【お母さんのことはお母さんが決める】
 お母さんの財産管理は、お母さん自身で決定することです。
 そのお母さんが、お兄さんの《要請》で通帳をお兄さんに預けるということになれば、それを防ぐ方法はありません。
 あなたとしては、お兄さんが預貯金を使いこんだ結果、相続開始時点では遺産が何もなくなっているということを心配されておられるのでしょう。
 しかし、現時点で(将来の)法定相続人であるあなたが、お母さんの財産管理をすることはできませんし、お兄さんがお母さんの財産管理をするのを防止することもできないという結論になります。
 ただ、以下に述べることも参考にされるといいでしょう。

【成年後見は使えないか・・】
 ただ、お母さんが認知症などで財産を管理できない状態(Q&A №249、№280)であれば、成年後見人の選任の申立が可能です。
 その申立をした場合、財産管理につき、法定相続人になる人の間で争いがある場合には、裁判所は第三者(司法書士や弁護士)を指定しますので、お母さんの財産の保全をすることができます。

【お母さんとの関係を密接にする】
 法律的はことではありませんが次の方法も考えられます。
 あなたとお母さんの関係が、お兄さんとお母さんとの関係より密接であれば、お兄さんの申し出を断るようにお母さんに言って、実行してもらうことができるかもしれません。
 結局、もっとも確実な方法は、(遠隔地におられるので難しいでしょうが)お母さんとあなたが同居し、お兄さんがお母さんを無理矢理説得することがないよう見守るという方法が有効です。
 あるいは、お母さんがお兄さんの言いなりにならないようお母さんを説得しておく、ということしかないように思います。

【将来の遺産争いに備えて、今、するべきことは・・】
 お兄さんの態度を見ていると、将来、お母さんの遺産紛争が発生する可能性がありそうです。
 その場合には、お母さんがどこの金融機関のどの支店を利用しているのか、又、株式を持っているのなら、どこの証券会社に口座を有しているのかを、現段階で調査・把握しておく必要があります。
 法定相続人は、遺産である預貯金の調査ができます。
 そのため、お兄さんがどれほどのお金を持ち出したのかを調査するために、調査すべき金融機関等を把握しておくのが、一番有効な方法かもしれません。
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★預金の取引履歴を調査する方法【Q&A №362】

2014/04/03



被相続人の預金が生前に勝手に引き出された可能性があります。

預金の取引履歴を調べたいです。

解約済みの定期預金等含めて、調べることができますか?





ご質問詳細

 父方の姉が亡くなり、子供おらず旦那も先になくなっている為、父方の兄弟で相続することになりました。
 
 ただ、亡くなった姉は生前入院していたので、兄弟がお金の管理もしていたようです。

 いざ、遺産整理をするとなったのですが、管理をしていた兄弟から通帳の開示もなく、簡単に記入した紙切れ一枚に遺産の内容が書かれていただけでした。

 どうやら途中で引き出してる可能性が多々ありそうなので、正しい銀行の履歴を調べたいのです。

 特にすでに生前に解約済みのゆうちょの定期預金の取引履歴?残高を調べたいのですが、できますでしょうか。

 調べ方を教えて下さい。

 また、取引履歴とは入出金振替などすべて開示していただけるのでしょうか。

 よろしくお願いします。

 なかなか、郵便局での開示請求に手こずっております。

記載内容

不正出金 預金 取引履歴 ゆうちょ銀行 最高裁判決 全員の同意
(りき)





【調査は可能です】

 かなり以前には相続人単独での開示請求を認めない金融機関も多かったのですが、平成21年に相続人単独による開示請求が最高裁判決により認められました(最高裁判決については「【相続判例散策】履歴照会に全員の同意不要」 参照)。

 そのため、現在では、法定相続人であることを裏付ける戸籍や除籍謄本を提出することにより、被相続人名義の預貯金の取引履歴を調査することが可能です。

 《ゆうちょ銀行》についても、同様に開示をしてもらえます。

 相続人本人が請求する場合でも、又、代理人として当事務所が請求する場合でも、ゆうちょ銀行が回答をしなかったことは一度もありません。




【開示される内容は・・】

 なお、取引履歴には、入出金だけではなく、振替も記載されており貯金の動きがすべて記載されています




【手続きは・・】

 取り引き履歴の開示に必要な書類としては、法定相続人であることを証明する被相続人の除籍謄本やあなたの戸籍謄本免許証などの本人証明書類は、まずどこの金融機関でも必要でしょう。

 そのほかに実印や印鑑証明書等がいるかどうかは、金融機関に異なる場合もありますので、必要書類を問合せておくとよいでしょう。
(なお、手続については(Q&A №205Q&A №98ほか参考カテゴリ:「遺産調査」に詳しく記載しているのでご参照ください)

 ただ、弁護士なら回答するが、相続人が照会する場合には相続人の全員の同意をもらってきて欲しい、という金融機関も中には存在します(Q&A №342ほか)。

 このような場合には、いかなる理由で当該金融機関が開示を拒んでいるのかといった理由を聞いた上で、相続に強い弁護士に相談し、そのアドバイスを受けて対応されるといいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)


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★姉への生前贈与と特別受益【Q&A №334】

2013/12/12
 母が癌になって4年がたちます。2年ほど前に再発し、あまり長生きはできないのかなと、覚悟はしております。

 私は公立大学に落ちて私立大学に進学し、私立の大学院を出ているため、母は「私にはお金がかかっている」と言って財布のひもがきびしいです。

 一方、ずっと地元に住んでいる姉には、土地を買ってあげ、姉妹で使用していたグランドピアノも、二人が着用した100万近い振袖も、すべて姉のものだと言っています。また、15万の着物を姉に買う一方で、私にはそのような買い物をしてくれたことがありません。

 先日も私の息子のお宮参りの祝い着は弟のしみだらけのものでよいと言い張ったのに、姉の娘に30万以上のお雛様を買おうとしています。文句を言うと、私のためには「絶対何もしない」と余計にエスカレートしていきます。

 小さな額ではありますが、生前贈与の偏りがつもりつもって、悲しくなってきました。相続に関することも、姉にだけは伝えてあるようです。

 こうした事態は、どのように解決していくことがベストでしょうか。
 母が元気なうちに何かしら手をうっておおいた方がよいのでしょうか。

記載内容

生前贈与 対策 特別受益 生前の相続対策 学資 土地購入
(うさぎ)


【生前の財産贈与は自由だが、相続になると特別受益で遺産に持ち戻されることがある】
 お母さんがその生前に、自分の財産を誰に贈与しようが、それはお母さんが自由にできることです。
 お母さんがお姉さん側だけに贈与したり、特別扱いをしたとしても、あなたとしては何も言える立場ではありません。
 しかし、お母さんが死亡され、相続が発生した場合には、生前贈与分が遺産に含められる場合があります。

①婚姻・養子縁組や生計の資本として贈与を受けたこと
②法定相続人が贈与を受けたこと


の条件をいずれも満たした場合には遺産の先渡しと判断され、特別受益として遺産の中に含められることがあります。

【今回のケースで問題となるのは・・】
 今回のケースで問題となる点とそれが特別受益になるかどうかの見解を記載すると次のとおりとなります。
①私立大学に進学し、私立の大学院を出ている費用負担
 通常は親の子に対する扶養義務の範囲内として特別受益にあたらないとした裁判例があります。
 しかし、他の兄弟との学歴の差が激しく、又、かかった費用が遺産の総額から見てもかなり多額になるよう場合には特別受益と判断される余地もあると思われます。

②地元に住んでいるお姉さんには、土地を買ってあげた行為
 お姉さん名義で土地を買い、その費用をお母さんが出したというのであれば、生計の資本として贈与したことになり、特別受益として遺産に含まれることになります。

③姉妹で使用していたグランドピアノや二人が着用した100万近い振袖、お姉さんに買った15万の着物
 二人で使用したことや、生計の資本とはいいがたいことから、特別受益にはなりません。

④姉の娘に買ってあげる30万以上のお雛様
 お姉さんの娘に買うのなら、法定相続人でない人に対する贈与であり特別受益にはなりません。又、生計の資本ともいえないのでその点からも特別受益になりません。

【今、何をするべきか】
 お母さんがお姉さんには優しくしており、贈与をしているのについて、不満をお持ちかもしれません。
 お母さんが生きている限り、お母さんの財産はお母さんが自由に使えるのであり、あなたとしてはその点を十分に理解しておく必要があるでしょう。
 不満をお母さんにぶつけても、お母さんの機嫌が更に悪くだけで、決してあなたのためにはならないでしょう。
 ただ、相続の場面になると特別受益の問題が発生します(その相手はお姉さんです)ので、お母さんがいつ、誰にどれだけの贈与をしたかをきちんと把握しておく必要があります。
 又、お母さんがどの金融機関のどの支店に預貯金を持っているのか、しっかりと確認し、将来の遺産調査に備えておく必要があるでしょう。
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14:46 生前贈与・特別受益 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

内縁の夫が遺産を渡してくれない【Q&A №333】

2013/12/05
 母の叔母の死後に生じた事柄についてお尋ねします。
 大叔母は先夫が戦死した後、長年内縁関係のパートナーと仲良く暮らしておりましたが、先日90歳余で死去しました。籍は入れておらず、子どもはいません。遺言もなかったようです。
 姪である母によると、パートナーは認知症で入院しており、葬儀などは母やいとこの叔母が取り仕切り、相手側のきょうだいは「内縁関係だから」といった冷淡な態度で文字通り、何もしてくれなかったそうです。お墓に関しても取り付く島がないらしく、お骨は母が預かっています。

 問題なのが、大叔母の生前から財産(遺族年金など)はパートナーが管理しており、現在はあちらのきょうだいが「そんなものはない」「叔母さんの入院代に使った」などと言い、叔母固有の財産のことが全く分からないことです。

 母やいとこの叔母としてはせめて、「お墓を建てたり、供養をしたりするお金を渡してほしい」と考えています。
 私は遠方に住んでおり、話を聞いているだけですが、相手側は、おっしゃるところの内縁関係ゆえにパートナーであっても相続できない遺産を、相続の権利のある母やいとこの叔母に返還しておらず(開示さえもしておらず)、窃盗に当たると思うのです。いかがですか。
 大叔母の遺産を調べるには、どのような手立てを取れば良いのでしょうか。大叔父の遺族年金など、少なからず大叔母固有の財産はあると確信しています。

記載内容

内縁 介護費用 不正出金
(きなっしー)


【窃盗にはならないが・・】
 質問には《母やいとこの叔母に返還しておらず(開示さえもしておらず)、窃盗に当たると思うのです》とありますので、この点を先に回答します。
 まず、大叔母さんの財産は生前、内縁の夫が管理しておられたようですので、内縁の夫が預かり続けても、大叔母の意思に基づくものであり、窃盗にはなりません。
 次に、現在、預かり品を内縁の夫の親族が所持している場合ですが、内縁の夫から保管を依頼されているのなら、権限ある占有者から預かったということで窃盗にはならないでしょう。
 ただ、内縁の夫の親族の方が預金を使いこんだようなことがあれば、窃盗ではなく、横領罪等の犯罪が成立する余地があります。
 注意するべきことは、仮に横領が成立するような場合であっても、警察に被害届を提出し、又は告訴状を提出しても、警察がすぐに動くことはまずないということも知っておく必要があるでしょう。

【相続人のみが遺産調査をできる】
 相続人であれば、遺産の調査が可能です。
 そのため、相続人が誰であるかが問題となります。
 被相続人である大叔母さんに子供がなく、大叔母さんのご両親も死亡されている場合には、大叔母さんの姉妹であるあなたのお祖母さんが相続人になりますので、お祖母さんが相続調査をすることができます。
 又、もしお祖母さんのほうが大叔母より先になくなっているのであれば、お祖母さんの子であるあなたのお母さんが代襲相続人として相続人となりますので、お母さんが相続調査ができることになります。

【相続調査の方法】
 あなたのお母さんが相続人だとした場合、あなたのお母さんは遺産を調査することができます。
 相続調査については、金融機関及び支店名を特定して預貯金の調査をするのが基本です。
 もし大叔母の取り引きしていた金融機関がわからない場合には、遺族年金を支給していた機関(大叔父は戦死されているようですので、軍人恩給の場合には総務省恩給局などの可能性もあります)に問い合わせをするというのも一つの手段でしょう。
 金融機関及び支店名がわかれば、その金融機関に「照会の手続きをしたいがどのような書類がいるか」と確認された上で、必要な書類を提出して、取引履歴を開示してもらうとよいでしょう。(詳しくは、Q&A №98 参考カテゴリ:「遺産調査」 を参照ください)。
 次に大叔母さんが不動産を所有していなかったかどうかも確認する必要がありますが、この点は市町村に問い合わせをするといいでしょう(相続コラム「名寄帳の取り寄せ」 参照)。
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15:16 遺産調査 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

後妻が遺産を開示しない【Q&A №328】

2013/11/15
 10月末に父が亡くなり、相続人は息子である私と、父の後妻の二人です。後妻は財産がもうあまり残っていないと言って開示せず、預金を取り込んでいる可能性があります。話合いも無いので調停にもちこむ予定です。
 後妻の預貯金は、名義預金として相続財産に含まれますでしょうか?もしそうでしたら、調停あるいは審判で裁判所が後妻の預貯金を調査してもらえるのでしょうか。あるいは税務署に連絡して、相続税の申告をしたら良いのでしょうか。この点が良く分からず困っております。何卒よろしくお願い致します。

記載内容

被相続人以外の預金の調査 裁判所の調査嘱託 後妻 不当利得 特別受益
(bineko)


【後妻名義の預金は、原則として遺産には含まれない】
 遺産に含まれるのは、原則として被相続人であるあなたのお父さん名義の預金です。
 そのため、後妻さん名義の預金はお父さんの遺産にはあたらないとされます。
 ただ、その後妻さん名義の預金が、お父さんの口座からの振込による入金である、あるいはお父さんの口座から現金で引き出した分を預金したものである、ということも考えられます。
 このような場合、お父さんが自分の意思で後妻さんに贈与するという趣旨であったとすると、それは特別受益の問題になります。
 又、後妻さんがお父さんの知らないところで勝手に預金を引き出したというのであれば、それは不当利得となり、お父さんは後妻さんに対して、引き出した金額の返還請求権を持つということになり、その請求権が遺産になります(この場合は、お父さんが後妻さんに対して有する不当利得返還請求権を、相続人が法定相続分の割合で取得するので、その返還請求権に基づき後妻さんに請求するということになります)。
 なお、お父さんが病気や認知症で意思表示ができない時期に、預金が送金されたり、あるいは払戻しされたりしていれば、お父さんの意思に基づかない預金の取得であり、上記の不当利得返還請求をすることになります。

【裁判所は調査をしない】
 被相続人の預金口座の動きは、相続人であれば照会が可能です。
 しかし、後妻さんの口座の照会には、本人である後妻さんの同意が必要です。
 通常、後妻さんがそのような同意をすることは少なく、金融機関が照会に応じることはないでしょう。
 裁判所はあくまで、各当事者が持ち込んだ証拠に基づいて調停をまとめたり判決を下したりするにとどまり、裁判所が後妻さんの取り引き履歴などの資料を自ら調査するということはありません。
 あくまで、各当事者がそれぞれ調べてきた資料を提出して、それを前提にどれだけ遺産があるのか、その遺産の取り分をどうするのか、といった解決をするのが裁判所であるとご理解ください。
 ただ、訴訟を起こした後に、その手続きの中で、裁判所に対して後妻さんの口座の取り引きのある金融機関に、後妻さん名義の口座の有無及び内容の照会を求める申立(調査嘱託の申立といいます)をすることはできます。
 裁判所が、後妻さんの口座を調べる必要があると判断した場合には、裁判所がその金融機関に回答するように書類を送付してくれ、その結果、後妻さんの口座の動きが判明する場合があります。

【相続税の申告と後妻の財産調査の関係】
 相続税の申告をしたからといって、税務署が後妻さんの財産を調べてくれるわけではありません。
 税務署に、後妻さんが遺産を取り込んでいると申し立てをすることも可能ですが、その額が多額であれば税務署も積極的に動くでしょうが、少額であると税務署は動かない場合も多いです。
 当事務所でも税務署に《遺産がもっとある、相手方が隠している》という申し入れをしたことがありますが、結局、そのケースでは大した財産が出てきませんでした。
 また、遺産額が増加すれば、その内容を税務署から聞くことは可能(正確にいえば相続税の修正申告に漏れていた財産が記載される)ですが、税務署がした相手方の口座の調査結果までは教えてもらえませんでした。

【自力でどこまでの調査ができるかがポイント】 
 遺産調査は自力でどれだけの情報を集められるかがポイントになります。
 どのような手段を尽くして遺産を調査するのか、調査により得た情報からどのような仮説を立て、相手方にどう迫っていくのかが重要になります。
 この点は慣れないとなかなか難しいところですので、紛争を調停や訴訟に持ち込まれる前に、調停・訴訟での方針も含めて一度お近くの弁護士など専門家に相談されるとよいでしょう。
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10:37 遺産調査 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

義母が引き出した夫の預金【Q&A №326】

2013/11/11
 主人が心臓病で1か月前に突然死しました。
 亡くなった日の朝、銀行が開くと同時に主人の母が、定期預金400万円を葬儀費用にあてるためと全額おろしてきました。
 銀行ははじめいろいろと質問をしたそうですが、うまく話をしたら降ろすことができたと亡くなってから1か月後に知りました。
 たとえ主人の母が降ろした預金も妻として私には相続財産となると思うのですが、通帳関係を一切、開示しない母親に対して、妻の私は何も知ることもできず、困っております。
 通帳や預貯金の開示義務をどのように説明、または残りの預金だけでも相続する権利はあるのでしょうか?
 生命保険も親がかけていたため、妻のわたしは何も教えてもらえず、ただ実印、署名をせまられるだけです。
 ご回答よろしくお願いいたします。

記載内容

葬儀費用 開示義務 預金
(みるる)


【相続人となる人と相続分】
 相続人は法律で決まっています。
 第1順位は、被相続人の配偶者であるあなた(法定相続分2分の1)と子(子全部で合計2分の1)です。
 子がいない場合には、第2順位として被相続人のお母さんが相続人になりますが、その場合、配偶者であるあなたの相続分は3分の2で、お母さんが3分の1になります(お父さんもいる場合には、お父さんとお母さんで併せて3分の1になります)。

【あなたの預貯金に対する権利】
 ご主人の死亡後にお母さんが預貯金を引き出されたようです。
 子がいる場合にはお母さんには相続権がありません。
 子がいない場合には預貯金のお母さんは3分の1をもらう権利があります。
 しかし、3分の2はあなたの相続分ですので、お母さんが払戻しを受けた預貯金について、あなたは3分の2をもらう権利があります。
 それ以外の預貯金があるのであれば、それもあなたが3分の2をもらう権利があります。

【預貯金の開示請求について】
 お母さんにどのように説明するかという点ですが、これはあなたにも相続権があり、財産内容を知る権利があるということを粘り強く説明するしかありません。
 しかし、預貯金を勝手に引き出すようなお母さんであれば、預貯金の口座を聞いても、おそらく教えてくれないでしょう。
 結局、あなたが調査してみるしかないでしょう。
 調査方法は、ご主人が口座を置いていたと思われる金融機関支店に問い合わせをする(但し、ゆうちょ銀行は支店を特定する必要はない)ことになります。
 その方法は過去のブログ(Q&A №98 参考カテゴリ:「遺産調査」 )に詳しく記載しておりますのでご参照ください。
 なお、金融機関の中には、相続人全員の同意がないと開示できないというところがあるかもしれませんが、この点については最高裁判所の判決で、相続人であれば取引履歴の開示が可能という判決がでています(「【判例散策】平成21年1月22日 最高裁判例」参照)ので参考にしてください。

【生命保険の調査】
 生命保険について、調査をするかどうかも問題になります。
 通常の場合、契約者が被相続人(すなわちあなたの夫)という場合には、保険会社は契約内容の照会に応じてくれます。
 しかし、生命保険は親が掛けておられたとするならば、その契約の契約者は親、被保険者はあなたの夫、受取人はあなた以外の人ということになります。
 この前提でいえば保険会社は回答をしてくる可能性は少ないです。
 今回の質問では、《お母さんが実印・署名を迫る》と記載されています。
 これは、あなたに何らかの権利があるからだと思われます。
 お母さんが署名捺印を迫る書類を見て、どこの生命保険会社かを確認できれば、その生命保険会社に照会をかける必要があるでしょう。

【専門の弁護士に相談することを検討しましょう】
 お母さんの態度から見ると、あなたが交渉して問題が解決する可能性は少ないように思います。
 できれば、お近くの相続に詳しい弁護士に法律相談し、場合によれば遺産調査やその後の交渉を依頼されることをお勧めします。
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13:01 遺産調査 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★あるはずの父の預金が存在しない場合【Q&A №317】

2013/09/27
 
 99歳の父が1ヶ月前に亡くなりました。10ヶ月前まで年収手取りで720万ありました。遺産放棄を前提にお墓の改葬を母、長兄に提案したところ、年金の通帳(600万)、他にはないので母の生活費に困る。またお墓はみんなで出し合おうとの返事。
 母の通帳を見せてもらったら1400万の預金書、他に700万あった普通預金が3ヶ月前に下ろされており妹の口座へ確認。父の年収と年齢からして生活費を考慮して少なくとも年4、500万残ってもおかしくありません。億の遺産があってもおかしくありません。相続人は母、子5人です。私以外、そのことを触れようとしない事と、妹の口座に一部贈与が確認されているので全員で何か隠していることが考えられます。公平な相続を求めるには、今後何から手を着けていけばいいでしょうか。訴訟も考えています。どうぞよろしくお願いします。

記載内容

不正出金 不当利得 事務管理 生活費 贈与 特別受益 遺産調査


(ありんくりん)


【まずは徹底した調査が必要です】
 ご相談のような不正出金が疑われるケースについては、最初に遺産調査が必要です。
 その際、最も重要なのは、金融機関の預貯金の取引履歴の確認です。
 そのほかにお父さんが株式の売買を行っていたのなら、証券会社に対する照会も必要ですし、この他、生命保険契約の有無及び内容の確認も必要でしょう(生命保険は遺産ではありませんが、それが多額になった場合には遺産になる可能性があります)。

【金融機関の取引履歴の照会方法】
 金融機関に取引履歴を照会する方法は過去のブログ(Q&A №98 参考カテゴリ:「遺産調査」 )をご参照ください。
 なお、金融機関への調査について、注意すべき点は次のとおりです。

①ゆうちょ銀行を除いて、銀行名だけでは照会はできません。
 どの支店であるかを確認して、その支店へ照会する必要があります。
 お父さんの利用していた支店がどこかは、お母さんやお兄さんに聞けばよいのですが、教えてもらえなければ、お父さんの住んでおられた自宅付近の金融機関に、軒並み照会を出さざるを得ないことになります。
②金融機関によっては、相続人全員の同意がないと照会に応じられないとの対応をする場合がありますが、平成21年の最高裁判例で、相続人の一人の照会であっても金融機関は回答する必要があるとされています。
③履歴が判明した場合は、その入出金を突き合わせて、多額の出金があったかどうかを確認していく作業が必要です。
④多額の出金がある分については、その出金が誰によりなされたかを判断するために払戻伝票の筆跡等を確認する必要があります。


【多額あるいは不正な出金が判明した場合】
 前項の④の調査で、お父さんが出金をしていた場合には、引き出された金銭が贈与として他の共同相続人に行ったことが考えられます。この場合には特別受益として、遺産に持ち戻すことになります。
 又、お父さん以外の人が引き出した場合には、その人に対して不当利得として返還請求をすることになります。この場合、あなたが返還を要求できるのは、その不当な使い込み額のうち、あなたの相続分(10分の1)に相当する額です。

【早い段階で弁護士に相談することも考える】
 今回の質問の場合、遺産を調査する必要があるのに加えて、多額又は不正な出金があった場合には、その返還を求めたり、特別受益として扱ったりする必要があります。
 あなたが訴訟も考えているということであれば、早い段階で弁護士に依頼し、遺産調査から入ってもらうことも考えていいでしょう。


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13:16 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

情報がなくとも遺産目録をつくることができるか。【Q&A №307】

2013/08/26
 伯父が亡くなった際に同居していた方(この方も相続人の1人です)が弁護士を絡めて遺産の情報を集めたらしいのですが、こちらに目録を提示してもらえず遺産分割協議が進まない状況です。

 こちらでわかっているのは、被相続人の住所・氏名の他、家・土地・農地あり JAと郵貯銀行に口座があるという事だけです。

 他の金融機関にも口座があるかもしれませんし、不動産関係でも住所以外の土地については何もわかりません。

 この状況から分割協議用の目録を作るところまでの調査が可能であるかどうかのご相談です。


記載内容

遺産目録 情報 預貯金
(なっく)



【情報がないと目録は作れない】
 現在判明しているのは、金融機関ではJA及びゆうちょ銀行だけ、不動産は住所だけというのであれば、遺産目録を作るのは困難です。
 金融機関に遺産調査をするには、どの金融機関のどの支店というところまで判明している必要があります(但し、ゆうちょ銀行の場合は例外で、各地域を管轄する事務センターの範囲内である貯金の内容が判明します)。
 また、自宅以外の不動産を調査するときにも、最低限、どこの市町村に不動産があるかという程度の情報が必要です。

【それでも何とか努力したいというのなら・・】
 それでも何とかしたいというのなら、以下の方法を考慮されるといいでしょう。
①判明している金融機関の取引履歴から探っていく。
 ゆうちょ銀行やJAがわかっているのであれば、その取引履歴の中に他の金融機関から入金した分がないかどうかを確認するのも一方法です。
②自宅付近の金融機関をのきなみ照会する。
 当事務所が扱った案件で、被相続人の住所の近くの全金融機関(約40社)に照会を出したことがあります。
 その結果、3支店と取引があったことが判明したケースがあります。
③不動産の抵当権から探る。
 また、自宅の登記簿謄本(全部事項証明書)を取り寄せして、金融機関が抵当権を設定しているのなら、その抵当権を設定している金融機関に照会を出すことも考えていいでしょう。
④ライフラインなどから探る。
 水道・光熱費・電話代などは通常、引き落としで支払っています。そのため、これらの料金引き落とし口座がどこかを電力会社はガス会社などから教えてもらうという方法もあります。
 また、年金の受取口座から探るという方法もあります。

【他の相続人から情報を得る方法はないか・・】
 伯父さんと同居していた相続人が、弁護士に依頼して遺産調査をしているのなら、その調査結果を聞くのが一番早いでしょう。
 そのための方策としては、遺産分割調停をし、その中で遺産内容を明らかにしてもらうしかないでしょう。
 ただ、相手方となる(伯父さんと同居していた)相続人が遺産内容を正確に明らかにする義務はありませんので、相手方のいうことを信頼する以外にはないということになります。


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10:34 遺産調査 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

借金を残して失踪した父の遺産調査【Q&A №305】

2013/08/12
 ・相続財産の有無の確認・請求・回収方法
 ・療養中に名義変更された財産が相続財産の対象になるか

<経緯>
 昨年実父が他界(住所は滋賀県)
 私(東京在住)と弟(6年前他界)と妹(東京都在住)は、両親離婚後母の籍に入っている。
 離婚時、父には多額の借金があり、連帯保証人に母がなっていた。離婚成立後、父が失踪、借金は母と私が返済した。
 弟の葬儀に父が出席。借金は返済し終えたことと、弟の遺産放棄手続きのため携帯電話に住所・電話番号を登録。
 父は離婚後、再婚しており、再婚相手の籍にはいった。
 昨年危篤の連絡と、亡くなった旨を電話で現妻から受けたが後、連絡なし。
 今年6月にこちらから配達証明郵便で
「相続財産目録もしくは、財産の明細が判る書類を写しでよいので書面にて送ってほしい」旨を郵送。
 配達記録にて受け取ったことは確認できたが連絡がない。住所しかわからず、電話などの連絡先不明。
 父名義の財産について入院中に名義変更された可能性あり。

<希望>
 母が入院費用捻出の為、相続財産を明らかにしてもらい、相続分があるなら相続したい。
 借金がありマイナスになるなら放棄したい。
 わかっているのは、父の再婚相手の現住所のみ。
 現妻は、父の電話を使って危篤の連絡をしてきているので、こちらの連絡先しっている。

 調査は不可能または、無駄でしょうか。

記載内容

簡単な遺産調査法 借金返済 名寄帳 公正証書遺言 相続放棄期間の伸長


(母子家庭の長女)


【質問を見た感じでは・・・】
 質問では、
①離婚成立当時、お父さんには多額の借金があった。
②お父さんは再婚相手の籍に入った(要するにお父さんは苗字を変えた)。
と記載されています。
 それだけ見ると、お父さんは借金も自ら返済する能力がなかった、債権者から追及を逃れるために苗字を変えた、という可能性も考えられ、多額の遺産がある見込みは少なく、借金がかなりあるのではないか、という可能性があります。
 債務超過の場合には相続放棄の手配をする必要があります。

【簡単な遺産調査方法】
 ただ、上記①及び②だけでは、まだ、お父さんの遺産がないとは確定できません。
 簡単で費用もそれほどかからない方法としては次のようなものがあります。

①お父さんの住んでいた家屋が自己所有か賃借かを確認します。
 この点は建物の登記簿謄本(全部事項証明書)を見て判断するといいでしょう。
 自己所有であれば、遺産がある可能性があります。
 ただ、その建物に抵当権登記が多数付けられていたり、税金その他の差押えの登記があったりすれば、結局かなりの借金がある、あるいは税金も支払えない状況だということになります。

②居住家屋が賃借の場合には、賃料が高そうな物件かどうかを現地調査やネットを利用して調査するといいでしょう。
 高そうな物件であれば、その賃料を払うだけの資力がある⇒遺産がある可能性が高くなります。

③ お父さんが公正証書遺言をしているかどうかを調べるのも一方法です。
 これは相続人であれば調べることが可能です(調査方法は相続コラム「公正証書遺言の検索及び確認について」 参照)。
 もし、公正証書遺言をしているのであれば、そのような遺言をする必要のある財産を持っている可能性が高くなります。

【本格的な遺産調査をするときは、相続放棄期間の延長を申請する】
 本格的な遺産調査には時間がかかります。
 相続放棄の期間は相続開始を知って3ケ月以内という短期間ですので、家庭裁判所に相続放棄期間の伸長願いを出しておく必要があります(この点は、相続コラム「相続放棄期間の伸長」 参照)。

【本格的な遺産調査の方法】
 一般的に、遺産の中心は不動産と預貯金や有価証券です。
 不動産の調査は名寄帳の取り寄せが必要です(この点の詳細は、相続コラム「名寄帳の取り寄せ」 参照)。
 また、被相続人であるお父さんの利用していた金融機関(支店名まで必要)がわかれば、取引履歴を取り寄せ、遺産額を確認するとともに、不正出金がないかどうかを確認するといいでしょう(この点の詳細は、Q&A №98参照)。

【信用情報の調査も必要】
 借金の有無や額の調査も必要です。
 この点については信用情報機関(JICC・CIC・全銀協など)に問い合わせて確認するとよいでしょう。
 このように結局、遺産のうち、資産部分と借金の双方を確認して、相続放棄をするかどうかを判断されるといいでしょう。


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母の遺産であることの証明【Q&A №260】

2013/03/18
 母が亡くなり、父と、兄弟3人が相続人です。
 母はパートで9時から18時まで働いていました。
 死亡した年齢は満59歳です。

 父は、母の凍結された銀行口座があるとのことで、署名捺印を押すように言います。
 あまりにしつこいので、私はいくつかの銀行の中で1つはサインしましたが、その他はしていません。残り2、3の銀行口座があると思われます。
 最近も、いくらの預貯金があるのか、遺産はどのくらいあるのかと尋ねましたが、「母さんの預貯金はいくらもない」「親の金を当てにするなんて」などと言われ知らせません。私は法定相続分は欲しいと伝えましたが、その意志はないようです。
 ほかに、父の名義ですが、母も住宅ローンを一緒に支払っていました。この件については、母の遺産であることの証明は難しいのでしょうか。
 母の遺産の手がかりになるものは全て父が持っていて、見せてくれませんし、住宅ローンに関する書類も私は持っていません。

 私の二人の兄弟は、サインしているようです。

 弁護士の先生にお願いしたいところですが、母子家庭でお願いするだけのゆとりが無いのが現状です。

記載内容

住宅ローン 銀行 共有

(雅子)


【原則は名義で決定される】
 まず、住宅ローンを支払っていた自宅があるとのことですが、その名義がお父さんであれば通常はお父さんの遺産とされることになるでしょう。
 ただ、全てが名義だけで決まるわけではなく、息子名義だが住宅ローンは父親が全額支払っていたため、息子名義でも父の遺産であるとされたケースもあります。

【預貯金の履歴で調査する】
 そこで、住宅ローンをお母さんが支払っていたというのであれば、お母さん名義の預貯金口座から住宅ローンが引き落とされていなかったかを調べることが必要です。
 まずは、お父さんがサインを求めてきた、お母さんの銀行口座や、現在判明しているお母さんの預貯金口座の取引履歴を取寄せすることをお勧めします。
 その取引履歴の中で、お母さんが住宅ローンを出していることが判明すれば、お父さん名義でも、実質はお母さんの所有であると主張することになるでしょう。
 もし、お母さんが支払っていたのは、住宅ローンの全部ではなく一部の支払いというだけであれば、その分、共有であるという主張をすることになるでしょう。

【預貯金の履歴は相続人であれば入手が可能】
 相続人であるあなたの立場であれば、たとえお父さんが反対しても資料を銀行からもらうことができます(当ブログ Q&A №98 参考カテゴリ:「遺産調査」  の記事をご参照ください)。

【履歴から何を読み取るのか】
 取引履歴から何を読み取るのかが重要で、住宅ローンの支払いだけなのか、あるいは株式や証券の存在も判明することもあるでしょう。
 又、新たな金融機関口座が判明すれば、そこから相続人として住宅ローン借入先銀行に問い合わせることができるかもしれません。
 その意味でも、預貯金口座の履歴照会は必要不可欠ですので、是非、ご手配ください。


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10:33 遺産調査 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

遺産を浪費した兄【Q&A №255】

2013/03/12
 私の兄弟は4人で、H11年に父、H14年に二女、H25.2.6に母が亡くなりました。
 父の遺産は兄が自分が管理すると言って、遺産の預金の引き落とし同意書を全員に書かせ管理していて、遺産金額の全額を皆に知らせず、私が遺産の事で文句を言った所、H22年に400万を相続人の私と長女に分けてくれました。
 本人はのらりくらりとして総額を明かしません。
 兄が遺産を遊興費やマンション購入と女につぎ込んだ事は最近に成って分かって来たことですが詳細は不明です。
 先日母が亡くなり、ある金融機関に死亡届に行った所死亡17日後に預金の1千万近くの殆どが兄によってCDで引き出されていました。
 葬式の時の話しあいでは、兄は預金は殆ど無いと言っており葬祭費用も折半で出す話に成っていました。
 もしこのまま、のらりくらりと私達相続人の追及をかわし続けています、とにかく信じ切っていただけに、恨み骨髄に達する思いです。
 調停に持ち込んでも恐らく進展は見られない様な気がします。
 血族の犯罪は免責される様にも書いて有りますので、結局後の相続人がバカを見る事に成るのでしょうか。
 母は姉の遺産も引き継いでいると思われますので。
 母は認知症で10年程施設に入り他界しました。
 金銭の感覚は全くできず、子供も認知できない状態でしたた。
 兄が二度とお天道様の下を歩けなくするにはどの様にすれば良いでしょうか。

記載内容

遺産総額 親族相盗例 遺産調査
(A-POM)


【金融機関に落ち度はなく、同意書は有効である】
 お兄さんが預金の管理することを了解して、預金の引き落とし同意書を作成し、お兄さんに交付した以上、このような同意書があれば、金融機関としては、お兄さんが遺産である預金から出金することを拒否する権限も、義務もありません。

【親族間の横領は刑事問題にならない】
 遺産を勝手に使い込んだことは刑法上、横領の罪になる可能性があります。
 しかし、質問でもご指摘されているように刑事事件になりにくいのが現状です。
 これは、刑法には、親族相盗例という規定があり、親族間の窃盗や横領などは処罰されない(正確には《刑を免除する》)という条文があることから、警察も捜査をしないからです。

【可能な遺産調査・調停による開示要求も】
 相続人であれば、他の相続人の同意なく、単独で遺産の調査が可能です。
 しかし、今回のようにお父さんが亡くなってから10年以上経過したケースでは、期間が経過しすぎて、金融機関としても取引履歴を破棄しているケースも多く、遺産調査も難しいでしょう。
 結局、お父さんの遺産については、現段階では打つ手がないということになります。

【お母さんに財産がある可能性があれば・・】
 最近、お母さんが死亡されたようですが、お母さんに遺産があるのなら、まず、お母さんの預貯金のある金融機関にお母さんの死亡したことを通知して、預貯金の引出を止めましょう。
 次に、お母さんの預貯金口座や不動産を調査して、それから遺産分割調停などの手続きを利用して、遺産分割することが必要です。
 なお、遺産である預貯金の調査については Q&A №98 参考カテゴリ:「遺産調査」 の記事をご参照ください。


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★遺産総額を知る権利【Q&A №251】

2013/03/05
 いよいよ遺産分割協議が始まりました。被相続人は父、法定相続人は母、私、私の夫(養子)、妹2人です。夫は相続に無関心で、基本的に私対母、妹2人の対立です。
 私、夫以外は一蓮托生です。妹が勝手に父の預金口座から現金をおろし、母の口座に全てを入れてしまい、母は開示の義務はないと主張し、遺産総額が把握できません。
 また、相続が完了していないにもかかわらず、父の遺産を母のためにという名目で、妹たちは勝手に使っています。彼女たちの主張は、姉さんは土地だけで十分取り分を満たしているし、母の口座に一旦入ったら母のもの、知る権利などないと言い出しました。妙な話ですが、母の口座に父の遺産があることは妹たちも認めています。たとえ現金の取り分がないにしても、遺産総額を知る権利くらいはあると思うのですが。

記載内容

遺産総額 開示 調停
(HO)


【遺産が多額な場合には、税務署から資料を入手する】
 遺産総額が多額で、相続税の申告をする必要がある場合(本件では課税上の遺産総額が1億円以上の場合)であれば、相続税の申告書を税務署で開示してもらい、それで遺産総額を推定することが可能です。

【開示しないのであれば、自ら調査をする】
 相続人は他の相続人に遺産を開示する義務はありません。
 そのため、遺産の内容(不動産や自動車、預貯金、あるいは保険)などは、他の相続人に頼ることなく、自ら調査する必要がありますし、又、他の相続人の同意なく、調査することが可能です。
 具体的には、当ブログの遺産調査関連の記事(例えば預貯金についてはQ&A №98Q&A №158 )をご参照ください。

【調停で開示を求めても・・】
 相手方が情報開示に応じない場合、家庭裁判所で行う遺産分割調停で開示するように要求することも考えられますが、相手方は調停における開示義務がなく、あなたとしては相手方に対する開示請求権をもたないというのが実情です。
 調停委員が、事件解決のために情報開示をすべきであることを相手方に説明してはくれますが、開示義務があるわけではないので、相手方が素直に開示に応じる可能性は少ないでしょう。
 結局、自らの力で遺産を調査するしかないというのが実情です。
 敵である相手方に頼るのではなく、自らの手で遺産内容を把握するしかない、これが遺産分割の一番重要なところです。

【遺産調査を専門家に依頼することも考える】 
 前記の遺産調査は、相続関係の書類の入手や銀行への照会等、手続きが難しいです。
 もし、自分はそのような手続きができないということであれば、相続調査に詳しい弁護士に依頼する等の方法を考えられるといいでしょう。


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15:35 遺産調査 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

弟の不正出金【Q&A №234】

2013/01/29
弟相手に裁判 相続人は、私(女)、兄、弟、の3人です。一昨年母(アルツハイマーで4年ほど入院)が亡くなり(父は他界)相続財産を調べると、弟夫婦が母の普通預金から2,000万引き出しておりました。1度に10万~30万月に何度もです。
 それ以外にも、父の土地を母が勝手に売却した代金2,000万の行方もわからず、弟に聞いても「知らん」の一言です。
 これらのお金は、弟宅の新築費用(土地は母から相続済み)に充てたり、弟やその家族の口座に移したりしたものと思われます。 
① 財産をすべて開示させる方法
② このお金を相続財産に入れた、遺産分割協議書を作り様子を見る。反応がなけれ
ば、調停~裁判、この順番でいいですか? 
記載内容

不正出金 預金 開示 調停 

 
(アイアイ)


【取り込んだ者の財産を開示させる方法】
 相続に関する財産調査について、被相続人であるお母さんの財産(預貯金情報等)については、相続人であれば調査が可能です( 参考カテゴリ:「遺産調査」 )。
 しかし、取り込んだと思われる相手方(弟夫婦)の財産を開示させる方法はありません。
 調停などで、相手方の預貯金の開示を求めることもよくありますが、まず、開示に応じない場合がほとんどです。
 開示に応じた場合にも、全部ではなく、相手方が出しても差し支えないと考えたものしか出てこないと考えておくべきでしょう。
 なお、裁判所が積極的に相手方の預貯金を調べてくれることはりません。
 調停の場合などは、調停委員が相手方に口座情報を提出する気はないか、という程度の話をしてくれますが、相手方が応じなければ、それ以上の手段はありません。

【相手方が取り込んだことさえ証明すればよい】
 注意するべきことは、相手方から返還を求めるには、あなたの立場から言えば、遺産である預貯金を《弟さんが出したということを証明すればよい》ということです。
 そこまで証明すると、今度は、弟さんの方で、その《払い戻しをした預貯金の使途》を明確にしなければならない立場になります。
 この点に重点を置いた調査をするべきでしょう。

【今後のとるべき手段】
 ご質問には、まず遺産分割協議書を作ると記載されています。
 この趣旨は、弟さんの取込分を遺産内容に含んだ遺産分割協議書(案)を作成して、弟さんに署名捺印を求めるということなら、その方向でいいでしょう。
 弟さんが、その遺産分割協議書に署名捺印しないのであれば、ご指摘のとおり、調停から訴訟ということにならざるを得ないでしょう。


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★兄が依頼した弁護士の報酬【Q&A №229】

2013/01/18
遺産分割と弁護士法
 私の母は、一人っ子ですでに他界しています。その後すぐに、祖母(母の母)が亡くなり、その祖母の遺産相続権が私たち兄弟三人に発生しました。私は三人兄弟です。祖母は2年前に亡くなり、私が祖母の死の知らせを聞いたのは、亡くなって3カ月後でした。(祖母と母はあまり行き来がなかったので)
 預貯金や現金などは兄がもっています。税金も兄が支払っているようです。兄は弁護士を雇い、私に連絡してきましたが、預貯金のコピーを見せてほしいと申し出てもみせてくれません。また、祖母の土地と建物を売却しようとしたが、買い手が見つからなかったと記されており、さらには、弁護士費用は40万かかるので、3人で折半して支払うよう弁護士から請求がきました。
 弁護士からは最初に兄の代理人であるので、兄とは接触なくようという手紙をもらいました。また私は祖母の土地建物の売却には賛成していません(それも手紙に記して送っていました)勝手にそのようなことを行う兄と弁護士に不信感を募らせています。この弁護士は弁護士法に違反しているのではないでしょうか。私は弁護士費用は支払っていません。

記載内容

弁護士費用 弁護士法 



(コーン)


【事件を依頼していない人は、弁護士報酬を支払う必要はない】
 弁護士に対する報酬は、弁護士に事件を依頼した人が支払うものです。
 お兄さんが頼んだのであればお兄さんが支払うべきものです。
 事件を依頼していないあなたが、お兄さんの弁護士に報酬を支払う必要はありません。

【利害対立する双方から弁護士費用をもらうと問題になる・・】
 今回の質問では、お兄さんが依頼した弁護士が、事件の相手方であり利害の対立するあなたに報酬等の弁護士費用を請求するのは、弁護士として次の問題点が発生します。
① 依頼を受けていない人に弁護士費用を請求することは法律的な根拠がなく、違法である。
② 相続人として利害が互いに対立するお兄さんとあなたの双方の代理人となるのは、違法である。
(なお、お兄さんとあなたの双方から、《利害対立しているのはわかっているが、それでも代理人になって欲しい》と頼まれたというのなら、問題はありません)

【弁護士はあくまで一方当事者の味方】
 弁護士が今回のような遺産分割事件でお兄さんの代理人として登場してきたとすれば、それはあくまでお兄さんの利益を図る、お兄さんの側の弁護士として行動する必要があります。
 相手方であるあなたの代理人を兼ねた場合には、弁護士としては、利害対立する双方の利益を図ることは不可能です。
 そのため、弁護士に適用される法律(弁護士法)では、《双方代理》の禁止という原則を定めており、これに違反すると弁護士会から処罰(懲戒処分)されることもあります。
 お兄さんの弁護士が報酬の支払いを請求してきても、あなたとしては支払う必要はありませんし、あまりしつこく請求してくるのであれば、一度、地元の弁護士会に相談されるといいでしょう。

【預金通帳を見せない場合の対応策】
 預金通帳のコピーを請求しても、相手方の弁護士が見せてくれないということですが、お兄さん側としては預金通帳を見せる義務はありません。
 遺産である預金の通帳も見せる義務もなければ、ましてやお兄さん独自の預金通帳を見せる義務も全くありません。
 通帳の開示に応じない場合には、遺産である預金をお兄さんが使い込んでいるようなケースが極めて多いので、是非、あなた側で独自に調査することをお勧めします(調査方法については当ブログの、Q&A №98 をはじめとするカテゴリ( 参考カテゴリ:「遺産調査」 )をご参照ください)。

【お祖母さん名義の土地の売却はできない】
 なお、被相続人であるお祖母さん名義の土地については、相続人であるあなたの同意なしに勝手に売却することはできません。
 あなたとしては、お兄さん側の用意した書面に実印を押したり、印鑑証明書を手渡すようなことでもしない限り、登記の移転もできませんので、この点は安心されて結構です。


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16:06 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

養子縁組した場合の相続関係【Q&A №204】

2012/10/05
 養子縁組について
 母には、姉78歳(義息子家族同居)兄75歳(妻)がいます。
 兄は余命を宣告され入院中。子供はおりません。
 母の他兄弟は他界。一人も子供がおらず、姉の義息子も故旦那の連れです。私(33未婚)が幼い頃に養子の話しはあったようですが、それは冗談なのか本当なのか…という程度です。
 兄夫婦が亡くなれば、母方の姓は途絶えます。
 父母68歳は自営業で、多額の負債を抱えています。
 もし仮に私が養子になった場合は、どうなりますか?
 誰もこのような話しはしていません。叔父(母兄)の方から話しがない以上、こちらから相続や財産がどれくらいか聞くのも…。
 誰にどのように確認すればいいのかも分からないので、下手したら財産目当て⁈に、とられるのも不安です。(財産なければ意味ないですが…
 万が一、叔父が亡くなってからでも叔母(妻)が健在ならば、養子縁組は急がずともいいのでしょうか?

記載内容

養子縁組 遺産調査 相続放棄

(ふふ)


【叔父さんの生前に養子になる方が財産を維持できる】
 あなたが叔父さんの養子になった場合、叔父さんが死亡したときの相続分は、叔父さんの奥さんが2分の1で、あなたも2分の1です。
 しかし、あなたが叔父さんの養子にならない場合には、叔父さんの奥さんが4分の3を相続するだけで、叔母さんとお母さんがそれぞれ8分の1を相続します。
 従って、叔父さんの家全体としての財産の維持という面から言えば、叔父さんが亡くなる前に養子になるのがいいという結論になります。
 なお、叔父さんが死亡すると、その奥さんとあなたとは血が繋がっていないので、奥さんとしては自分の血の繋がった甥や姪を養子にすることが多いです。
 もし、あなたが養子になるのを希望しているのであれば、叔父さんが生きているときに縁組をするのがいいでしょう。

【叔父さんの財産調査は難しい】
 親子であっても夫婦であっても、金融機関から見れば他人です。
 ましてや、現段階では叔父と姪との関係ですので、あなたが金融機関に叔父さんの預貯金内容を問い合わせしても、個人情報の保護ということで、回答はしてくれないでしょう。
 なお、叔父さんの自宅の住所はご存じでしょうから、法務局でその自宅の登記簿謄本を確認することが可能です。
 謄本を見ると、自宅に抵当権が設定されていないかどうか、又、差押えなどがあるかどうかがわかりますので、叔父さんの財産をある程度の推測することが可能です。

【養子になっても実父母の相続はする】
 あなたが叔父さんの養子になっても、実の両親の相続はします(要するに養父母と実父母の双方の相続をすることになります)。
 そのため、叔父さんの養子に入ったとしても、ご両親の負債はあなたが相続放棄しない限り、負担することになります。

【養子縁組は何のためにするのか・・】
 養子縁組は、家のためにするものでも、財産のためにするものでもありません。
 親子関係を結ぶためにするのですから、養子縁組をするなら、叔父さんが生きている間にして、叔父さんの子供として生活を伴にされるべきでしょう。
 そうすれば、自ずから財産の有無やその内容もわかるでしょうし、もし、負債が多ければ相続放棄という手段も考えてもいいでしょう。
 いずれにせよ、なぜ、あなたは養子になるのかを考え、叔父さんの子として今後生活をしていきたいというのなら、その旨を叔父さんに伝えて養子縁組の話を進めるのがいいでしょう。

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17:01 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★月100万円の生活費は特別受益では?【Q&A №198】

2012/09/19
 姉が母の預貯金を使い果たした。

 父が亡くなり1年半ほどして母が亡くなりました。父が亡くなったときに1500万円ほど有った預貯金が残高35万円になってました。
 母は姉と同居でしたが高齢の割に元気で亡くなる直前まで介護と言うほどの手間は掛かってませんでした。
 姉に通帳の出金の理由を尋ねると「おばあちゃんが自由に使って良いと言った、おばあちゃんの生活費がほとんどだ」との事でした。
 一年半で1500万円とは月100万円ほどの生活費なので到底納得できません。
 月30万円の生活費としても半分以上特別受益と判断できますでしょうか?

記載内容

生活費 贈与 不正出金

(カネゴン)


【そのような意思表示はなかったのでは・・】
 お母さん(おばあちゃん)がお姉さんに預金を「自由に使って良い」と言っていたということですが、通常の場合、そのような事実は認めがたいものです。
 もし、そのような発言があったとすると、今度は、お母さんの意思能力があったのかが問題となります。

【無断出金ではないか】
 当事務所に扱った事件のうち、短期間で多額の金銭が出金されている場合は、そのほとんどが被相続人(質問の場合にはお母さん)に無断で出金されたものでした。
 お姉さんが、お母さんから「自由に使って良い」と言われた、と言いながら、その使途がお母さんの「生活費がほとんどだ」というのも極めて不自然です。
 もし、無断出金の場合、お母さんはお姉さんに対して不当利得返還及び損害賠償の請求ができます。
 ただ、お母さんが亡くなっていますので、(相続人があなたとお姉さんだけなら)、あなたはこの請求権の半額分を相続しますので、お姉さんに返還請求ができるということになります。

【無断出金かどうかの判断は取引履歴でする】
 無断出金かどうかの確認のためには、お母さんの預貯金の取引履歴を金融機関から取寄せすればいいでしょう。
 一度に数十万円を超すような預金の払い戻しが度々あれば、ほぼ無断出金とみて間違いないでしょう。
 預貯金の履歴の調べ方は、過去の回答( 参考カテゴリ:「遺産調査」 )を参照ください。

【特別受益について】
 なお、もし、お姉さんの生活費として使われている分があった場合で、しかもそれがお母さんの了解を得ていた場合、その生活費分が特別受益になる可能性があります。
 ご質問では30万円を超えてお姉さんが消費した金額が特別受益ではないかということですが、仮にお姉さんが生活費として消費した(支援を受けた)金額が毎月10万円程度なら、特別受益とは言えないという審判例もあります。
 しかし、それ以上となれば特別受益となる可能性も高いと思います(この点は、Q&A №164をご参照ください)

【弁護士に相談を】
 今回のケースは預金額が多額であり、しかもお姉さんがすんなりと返還する可能性は少ないと思われますので、できれば相続に詳しい弁護士に相談され、調査を依頼し、その結果によっては事件を依頼されるといいでしょう。

   http://www.saiben.or.jp/">埼玉県弁護士会 (URL:http://www.saiben.or.jp/)


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10:23 生前贈与・特別受益 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★父の再婚相手との遺産分割【Q&A №195】

2012/09/04
 遺産相続
 今年父が亡くなりました。父には再婚相手がいます。(子供なし)法廷相続人は再婚相手姉と私の3人ですが 姉と私は父とは遠く離れてすんでいます。 先日土地家屋と山の名義変更をしたいから委任状を送って と連絡がありました。
 話をした方がいいと思い行きましたが 再婚相手は私は分からないの言葉ばかり・・・自分の兄弟に兄弟名義で預貯金を預けてるらしいです。
 私たちは法的なものは欲しいとおもってますが、名義を変えられた今は難しいのでしょうか?
 父の亡くなる前から預貯金は動かしてたみたいです。
 2000万弱だと思いますが 150万入った通帳を見せてきて「これしかない。」と泣きながらいいます。

記載内容

預金が少ない 先妻の子 後妻 相続人以外の名義

(ポッキーちゃん)


【先妻の子と後妻との間が、一番、トラブルが多い】
 当事務所の経験から言えば、争いが一番、激しくなるのが先妻の子どもたちと後妻さんとの間の遺産問題です。
 本件は、まさにそのような条件に当てはまります。

【遺産が少ないと思うなら、まず遺産調査を!】
 遺産の内容を聞かされて、「こんなにも少ないのか」と思われるときは、なによりもまず遺産の調査が必要です。
 今回の質問の預金の場合には、金融機関に対して、死亡時の預金残高だけではなく、過去の入出金の履歴も確認する必要があります。
( 参考カテゴリ:「遺産調査」 ・・過去の回答参照 )。
 過去の履歴で使途不明金が存在しているというのが判明すれば、その出金を誰がしたのかを、次に確認することが必要です。

【相続調査の限界・・被相続人以外の預金調査はできない】
 次の問題は、お父さんの預金が後妻さんの兄弟の名義になっている可能性があるという点です。
 相続人は、被相続人(お父さん)の預金を調査することは可能ですが、他の相続人(たとえば後妻さん)名義の預金を調査できませんし、ましてや相続人ではない後妻さんの兄弟の預金調査は到底、できません。
 本件質問のような場合には、預金の払い戻し票が後妻さんの筆跡であれば、その出金は後妻さんがしたのでしょうから、その使途は後妻さんが明らかにする必要があります。
 キャッシュカードでの出金なら、そのカードの管理を後妻さんがしていたというなら、その使途も後妻さん側で証明する必要があるということになります。
 使途がお父さんのためでないということであれば、あなたは後妻さんに不当に出金した金額を返還せよということが可能になります。

【相続に詳しい弁護士に相談をする必要がある】
 今回のような人間関係の遺産問題はほとんどが話し合いで解決せず、訴訟になります(当事務所の扱った事件についていえば、1件残らず、全てが訴訟になりました)。
 そのため、是非、早期に相続に詳しい弁護士に相談し、まず、遺産調査を依頼することをお勧めします。
 その結果、使途不明金が出てきたということであれば、今度は事件の解決を新たに弁護士に依頼するといいでしょう。

   http://www.aiben.jp/">愛知県弁護士会 (URL:http://www.aiben.jp/)


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15:47 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

当事務所の遺産調査費用と期間の目安【Q&A №174】

2012/07/19
 遺産調査
 昨年、母が亡くなり(父はすでに他界)、相続人は姉と私のみですが、姉が預貯金残高を明かしません
 直後 住宅購入するなど不可解です
 母から生前贈与も考えられますが、それは認められますか?
 銀行、郵便局の残高(すでに引き出し済だと思われます)及びその取引履歴の調査を考えています
 ただ、引出後のお金の流れも含めて調べなければ説得力に欠けると思います
 弁護士費用等PCで確認しましたが着手金もプラスされるものでしょうか?
 所要日数も教えてください

記載内容

調査期間 遺産の調査 調査費用 着手金との関係 

(スズメ)


【遺産分割を有利に解決するコツは遺産の調査です】
 相続財産を明らかにしないというケースでは、そのほとんどが遺産を隠したり、生前や死後に遺産を取り込んだりしています。
 これは遺産相続を数多く手がけた当事務所の弁護士の偽らざる実感です。
 このような相手方に対応する手段は、徹底した遺産の調査しかありません。
 遺産調査でどこまで隠されたり、取り込まれた財産を発見できるかが勝負の分かれ目になります。

【当事務所の遺産調査・鑑定の所要日数】
 今回の相談も、遺産が隠されたり取り込まれたりしている可能性が高いと思われます。
 特に住宅購入等の不審な動きがあるのですから、まず遺産調査をすることをお勧めします。
 調査の調査をするためには、
①相続人の調査
②預貯金等の金融遺産の取引経過や不動産の移動状況

の2つの面からの調査が必要です。
 当事務所では、これらの調査をスピードアップする方策を講じています。この中で一番時間がかかるのが金融機関からの回答ですが、特にゆうちょ銀行については照会から回答までに遅いときには1ケ月程度もかかることがあります。
 そのため、通常の場合には約30日~40日程度の期間がかかるものと思われます。

【迅速で安価な遺産調査について】
 当然のことですが、調査をどの程度するかで期間も費用も異なってきます。
 当事務所の遺産調査・鑑定費用は、HPに記載しているように10万円~30万円+消費税(但し、実費は別)です。
 しかし、これとは別に、現在、迅速かつ安くて、しかもコンパクトな遺産調査・鑑定(遺産調査パック)を試験的に導入しています。
 これを利用すると調査代金は実費込で15万円と消費税です。
 調査対象は限定されますが、遺産の概略を知り、取込や隠匿の可能性を確かめるには十分の内容です。
 この調査・鑑定結果を見た上で、更に必要に応じて、更なる詳細な調査・鑑定を追加で依頼するというのが、最も経済的かつ効率的な遺産調査だと思います。

【着手金との関係について】
 当事務所では遺産調査・鑑定だけを受任していますので、調査費用とは別に着手金はいただいておりません。
 調査の結果、事件を依頼することが不要な場合もあるからです。

【生前贈与について】
 遺産調査の結果、生前贈与が存在することがわかったときには、その分だけ贈与を受けた人の相続での取り分を減少させることも可能な場合があります。
 ただ、金額やその贈与の目的等が影響しますので、生前贈与に関する調査も必要不可欠でしょう。

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★相続人が被相続人に預金の返済を要求【Q&A №172】

2012/07/12
 私は相続人(A)です。遺産分割協議書に37~8年前に被相続人が相続人(B)の預金を勝手に使ったと返済を要求しております。何も立証出来る物はないといい預金金額も想定金額です。その当時の利子を複利計算して要求してきておりますが、信じられません。それなら、被相続人が存命な間に返済を求めばいいのに、遺産分割協議になって言ってくるは、つくり話としか思えません。そんな事がまかり通るのでしょうか。遺産分割協議書も曖昧なもので、こちらから未記載遺産を指摘をすると慌てて出してきます。金融機関名と金額は記載はありますが口座番号の記載はありません。郵貯は大体金額を書いたと、言っています。再作成を求めますと、10年ほど放置するといい逆切れしますが、放置をしておいていいのでしょうか
こちらも全遺産の開示を求めて行きますが、それでも拒む様でしたら争うしかないと思っております。宜しくお願い致します。

記載内容

遺産調査 遺産分割協議 遺産分割調停 

(ヘンリーチャン)


【預金を勝手に使用したという点について】
 《37~8年前に被相続人が相続人(B)の預金を勝手に使ったと返済を要求》ということですが、このような事実は相続人のBが証明する必要があります。
 証明できるものがないということであれば返還する必要は全くないでしょう。
 又、仮に証明できるものがあったとしても、時効でそのような請求権は消滅しています。
 不法行為に基づく請求権は、最長でもその行為があった時から20年経過すれば消滅するからです。

【預金の扱いについて】
 遺産である預貯金は、各相続人がその相続分に応じて取得します。
 そのため、相続人Bの承諾も必要なく、あなたが独自に請求できます。
 ただ、その請求の前に、預貯金がどの程度あるかを調査する必要があります。
 どこの金融機関にどれだけの預金があるかを調査されるといいでしょう。
 なお、調査のポイントは「Q&A No.98」を参照ください。
 次に、預金額が判明した場合、法定相続分に該当する預金の返還を金融機関に請求することになります。
 但し、金融機関が素直に返還に応じることは少なく、訴訟で請求してくれというのが大半です。
 そのため、あなたとしては金融機関を相手にして返還請求訴訟を起こす必要があります。
 このように遺産調査や訴訟の必要がありますので、専門家である弁護士にぜひ、相談されるといいでしょう。

【遺産分割協議について】
 全遺産が正直に開示されてこそ、遺産分割協議ができます。
 しかし、現在の相続人Bの対応では、全遺産を開示することはないでしょう。
 そのため、預貯金以外の分についてもスムーズな遺産分割ができる可能性はなく、遺産分割協議で話がまとまらずに、遺産分割調停をせざるをえないと思われます。

【調停が望ましいが・・】
 ただ、遺産分割調停でも、相続人Bは財産を開示しない可能性があります。
(調停委員は遺産を開示するように説得しますが、強制することはできないからです)
 又、調停委員が遺産を調査してくれることはありません。
 仮に相続人Bが遺産を開示しても、それが遺産の全部であるかどうかもわかりませんし、生前の取り込み分の隠匿もあり得ます。
 納得できる解決のためには遺産調査は不可欠です。
 費用が掛かっても、是非、遺産調査をすることをお勧めします。

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遺留分減殺調停における財産開示【Q&A №169】

2012/06/28
 遺留分請求調停について
 昨年の10月に父が他界しました。母はすでに一昨年に亡くなっているので、相続人は兄(同居していた)と私の二人で、兄にすべての財産を与えるという遺言が残されていました。遺言の検認後、兄は一向に財産を開示しないので、私は遺留分請求の調停を起こしました。兄は弁護士をつけており、その弁護士に問い合わせても一向に財産を開示してくれません。
最初の調停の時は、財産の開示は税務署への申告書を見るのが最も適しているがまだ作成中で完成してないと逃げられてしまいました。
財産の開示は申告書が最も適しているのでしょうか?
財産の開示をずっと遅らせている相手方の言うなりになるしかないのでしょうか?
こんな調子で、もし相手が欠席したりしたらどうなってしまうのでしょうか?
調停をスムーズに進めるためのアドバイスをお願いします。

記載内容

調停 相続税申告 遺産調査 

(paphio)


【相続税申告書も有効な手段の一つ】
 相続税申告は相続開始後10ヶ月以内に行う必要がありますので、お父様が亡くなられたのが昨年10月であれば、今年の8月頃には申告期限になり、その段階で申告書が手に入るとは思います。
 相続税申告書には不動産や預貯金などの遺産(無価値な動産や形見程度のものは除きますが)は基本的に全て記載されているはずです。
 そのため、遺産内容を把握する方法として相続税申告書が一つの有効な手段であることは間違いありません。

【遺言執行者には遺産目録作成交付義務があるが・・】
 遺言で全財産をお兄さんに相続させるという内容になっていたようですが、おそらく遺言執行者の定めもあり、お兄さんかその関係者が指定されている可能性が高いと思われます。
 法律的にいうと遺言執行者は遺産目録を作成し、相続人に交付する義務がありますが、守らない人も多いです。

【調停の手続内で開示を求めることが必要だが・・】
 相続税申告は遺留分減殺の調停とは全く別個の手続きです。相手方あるいは調停委員に対し、早期解決に必要だと強調して、調停内で情報開示するよう要求する必要があります。
 調停における財産開示は相続税申告後にしなければならない理由は全くありませんので、遺産となる預金通帳や保険の内容開示を要求しましょう。
 ただ、相手方が拒否すれば打つ手はなしというのが実情でしょう。

【いずれにせよ、別途調査が必要不可欠です】
 相続税申告書が開示されても、相手方自身の自己申告によるものですので、それを鵜呑みにすることはできない場合が多いものです。
 そのため、相手方に開示を求めることと並行して、あなた自身でもわかる限度で独自に遺産調査を進めることが必要です。
 遺産調査は、一般の方では難しいところがありますので、段取りや手続はお近くの弁護士などに相談されるのがよいでしょう。

 なお、遺産調査のポイントについては、
当ブログ NO.98 ないし NO.158 など(カテゴリ「遺産調査」に収録)をご参照ください。

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不動産の分割はいつの時点での価額を基準とするのか【Q&A №162】

2012/06/15
 20年以上前に死去した祖父の遺産相続
 父が亡くなり、母が一人息子の自分を連れて逃げるように去った、父の実家から唐突に電話がありました。
 20年以上前に死去した祖父の遺産の相続を放棄しろと、30年以上連絡も取り合っていなかった叔父から要求されました。
 祖父の死後、長年名義変更せず放置していたが、そろそろ名義変更しようとしたところ、自分に遺産相続権があるのを知って連絡してきたようです。
 自分の遺産の分配の権利は四分の一だそうです。
 遺産総額の一覧を貰いましたが、これは現在の相場による金額計算なのでしょうか。
 預貯金の項目自体記載されていませんでしたし、祖父の死去当時いくらなのかもまったく分かりませんし、20年以上放置していたおかげで価値が下がっているとしたら、正当な価値より比べ物にならないほど低下しているはずです。
 相続開始当時の相場による相続は出来ない物なのでしょうか?

記載内容

不動産 価格 基準 

(ぎゅんぎゅん)


【相続開始時点の価額での分割はできない】
 遺産(不動産という前提で回答致します)は、遺産開始時すなわち祖父の死亡時点で引き継ぐものですので、相続開始時の価額を基準として考えておられるかもしれませんが、裁判所では遺産分割時点での価額で分割しています。
 遺産分割時点の価額で分割するのが最も公平になると考えられるからです。
 相続開始時点での価額と遺産分割時の価額が異なる場合、相続人としては遺産分割時の価額が高い物件の取得を希望するでしょう。
 また、今は価額が低いが、相続開始時点ではもっと価額が高かったからといっても、これを納得する方は少ないでしょう。

【遺産の調査が必要と思われます】
 相手方からもらわれた遺産総額の一覧に記載の価額が現在の相場による金額計算なのかどうかは、その一覧表をみないと回答できません。
 仮に現在の価額としても、評価証明での金額を記載しているのか、あるいは路線価なのか、それとも相手方が勝手に評価した金額を記載しているかも確認の必要があります。

【遺産調査が必要だが・・】
 預金の内容もわかっていないようですので、本来ならばお祖父さんの遺産の調査をお勧めしたいのですが、今から20年以上も前にお祖父さんが死亡されているということですので、預金そのものも時効で消滅している可能性があります。
 また、場合によっては相手方に取り込まれている可能性もありますが、その返還請求権もおそらく時効で消滅しているものと思われます。

【お祖父さんとお父様の2つの遺産分割問題ですので・・・】
 お父さんも死亡されていますので、その相続問題が発生します。
 あなたはお父さんの財産についてはなんらの情報もお持ちではないと思います。
 是非、お父さんの遺産調査をされるといいでしょう。
 遺産調査の方法は当ブログの「遺産調査」のカテゴリにて記載していますが、まずはお母さんなどに話を聞いてどんな財産があったのか、どこの銀行で預金をしていたのか、といったことをお聞きになり、相続人として遺産調査をされるとよいでしょう。ただ、今回はお祖父さんの遺産問題もある複雑なケースですので、できれば専門家である弁護士(できれば相続に詳しい弁護士が望ましい)に、お祖父さんとお父さん双方の遺産相続に関する法律相談や遺産調査をお願いすることを考えてもいいでしょう。

大澤龍司法律事務所
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★法定相続人でない親戚が介入・・解決法は?【Q&A №108】

2012/01/16

 義父が亡くなりました。残されたのは義母、長男(私の夫)、長女です。
 義母は重度の精神病で、そして長男も精神病になった事があります(今では普通に仕事もし、なんの問題もありせん)。長女は国際結婚をして日本やアメリカを行き来しています。
 義父が亡くなった際に、何故か、義母の兄夫婦が先頭をきって、しなければならない手続きや色々な名義変更などをしています。
 義母が病気の為出来ないのは分かりますが、長男(夫)がやりたい、知りたいといっても教えてくれません。遺産がどれだけあるのか聞いても、まったく教えてくれないのです。知る権利はあると思いますが・・
 そして、最近義母が口をすべらせ、「遺産のこと弁護士に頼んだ。」といいました。
 夫が伯父に何を頼んだのか聞いても、 教えてくれないのです。
 私は嫌な予感がしたので調べてみたら、後見人制度というものがありました。伯父は後見人になろうとしているのかもしれません。
 この場合、私たちには なんの相談や許可なく勝手にできるものなのでしょうか? 通知などが来る事はないのでしょうか?
 また、今回義母がいいなりになった伯父が、私たちに何の相談や許可もなく弁護士を雇いました。それなのに報酬を払うことになるのでしょうか?
 さらに、遺産がどれだけあるのか知る権利や、方法はないのでしょうか?
 なお、遺言はありませんでした。
 よろしくお願いします。


記載内容

  意思能力 相続人 遺産調査
 
(nami)


【ご主人に遺産を調査する権利があります】
 ご主人は義父の相続人ですので、義父の遺産を調査することができます。
 預貯金などについては、古くは相続人全員の同意がないと調査できなかったのですが、最近は、ご主人が単独で調査が可能ですので、ぜひ銀行などに死亡時の残高や生前の取引履歴などを確認するとよいでしょう。

【出金等の手続には相続人全員の同意が必要です】
 本件では遺言がないということですので、銀行は相続人全員の署名及び実印の押印された同意書がなければ名義変更にも、また、払い戻しにも応じません。たとえ弁護士に依頼したとしても、義母からの依頼だけでは預貯金を引き出すことはできません。
 また、遺産に不動産があった場合でも、ご主人と長女の同意なしに義母の単独名義に登記することはできません。
 義母の兄夫婦(以下、伯父夫婦といいます)がなんらか手続きをしているとすれば、義母の代理人として遺産の内容の確認と、次に述べる成年後見の手配だと思われます(なお、死亡届などの市町村への届け出の可能性もありますが)。

【義母の判断能力を検討する必要があります】
 義母が強度の精神病ということですので、伯父夫婦としては成年後見選任申立の手配をしている可能性があります。
 伯父夫婦は、義母の「四親等内の親族」ですので、成年後見の申立をすることができますので、同夫婦が弁護士に依頼している可能性が高いです。
 なお、成年後見人の決定については、家庭裁判所はかならずあなたのご主人や長女に連絡し、成年後見申立があったこと及び成年後見の候補者として指定される者についての意見を求めます。
 その際に、「後見人は弁護士や司法書士などの第三者にすべきだ」などの意見を示されるとよいでしょう。
 なお、この申立や弁護士費用は、伯父夫婦が依頼するのですから、同夫婦が独自に負担するべきものであり、ご主人が負担する必要はありません。
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★何年もまとまらない遺産分割【Q&A №85】

2011/08/11

 遺産分割協議が止まった状態が続きましたら、どうなるのでしょうかぁ?
(遺産は預貯金と土地です)



記載内容

  遺産分割 遺産調査 時効 
(ママ)


【遺産分割ができないということの法的な意味は・・】
 遺産分割協議には期限がありませんので、話がまとまらず長年経過したというだけで、遺産分割ができなくなるということはありません。被相続人の方が亡くなられてから十数年経った後に遺産分割協議をまとめた例もあります。
 後日、遺産分割協議がまとまれば、相続開始時に遡って財産を相続したものと扱われます。

【調査はしておきましょう】
 しかし、生前に誰かが預貯金を使い込んでいたなどの疑いがある場合、預貯金の取引履歴は通常5年程度しか遡って調査できず、あまりに長年放置した後にはもう銀行にも記録が残っておらず、調査ができない事態も考えられるところです。

【預貯金の無断引出分等がある場合には・・】
 たとえば、生前に被相続人に無断で預貯金が引き出されていた場合などは、相続人はその返還を請求できますが、長期間放置しておくと、時効で返還請求ができなくなります。
 また、被相続人が貸金債権などの債権を持っている場合に、長年放置していると時効で消滅してしまうおそれがあります。

【土地を差し押さえられるおそれ】
 相続人の一人が借金をしている場合、遺産分割が終了していない場合には、その相続人の相続分について差押えがされる場合があり、こうなると、遺産分割が難しくなります。

【いずれにせよ早く分割を実現した方がいいです】
 遺産分割協議ができないまま長年放置した結果、相続人の誰かが亡くなったりすると、その配偶者や子らが相続人となり、相続人が多数名にふくれあがって非常に協議が進めにくくなります。
 家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てるなどして、早期に遺産分割を終了することをお勧めします。
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遺産調査・限定承認の費用は?【Q&A №77】

2011/06/17
 平成23年5月23日に死亡した姉の遺産相続についてお訊ねします。

 姉には配偶者も子供も直系尊属もいませんので、法定相続人は姉妹3人と、先に死亡している姉妹3人の子供で代襲相続人となる5人の合計8人です。
 遺言の有無は分かりませんし、今分かっている遺産としては1700万円の預貯金だけです。他には先に死亡した姉妹が受取人となっている100万円の死亡保険金があります。負債の有無も不明です。
 葬儀費用、死亡までの入院費用、故人のアパートの整理等にかかる交通費一切の諸経費は私が立て替えています。
 姉は一度結婚後離婚し、後は死亡まで独身でしたが、本籍地が遠いため出生から死亡までの戸籍謄本を集めるのも大変です。

質問
1、遺言の有無(法定相続人以外の受遺者がいないか等)の調査はしなければならないか。
2、負債の調査にかかる弁護士費用はどれくらいか。
3、マイナス遺産の有無が不明なので、限定承認したい。
 限定承認手続きの依頼をする際の、弁護士費用(実費を除く)の目安はどれくらいか。
4、同居もせず、同一生計でもなかった姉の場合でも、葬儀費用は先取特権に基づいて、遺贈や負債に優先して遺産から回収できるか。
5、限定承認に必要な戸籍全部の収集を依頼したら手数料はどれくらいか。


記載内容

  葬儀費用 限定承認 弁護士費用
(紫陽花)


【遺言の調査はした方がよいでしょう】
 遺言を調査しなければならないという法的な義務はありません。
 しかし、遺言があれば、それはお姉さんが残した財産をどのようにして欲しいのかという意志ですので、その意思を尊重するべきでしょう。
 後に遺言が発見された場合、一旦行った遺産分割をやり直すことにもなり、相続人や受遺者との間で無用な紛争を生じる可能性が高いです。
 そのため、お姉さんの住んでおられた自宅を探し、友人に確認し、公証役場にも問い合わせするなど、可能な限り遺言書を探すことが必要です。

【弁護士費用の一般的な基準はありません】
 弁護士費用については、かつては弁護士会で報酬規定が定められていましたが、現在では、この報酬規定は廃止されました。
 ただ、多くの事務所で、現在も過去の報酬規定に準拠した形で弁護士費用を決定していることが多いですが、報酬規定にとらわれずに弁護士費用を決定する事務所もあり、一概に弁護士費用がいくらかとはいえないのが実情です。

【遺産の調査費用について】
 当事務所の法律関係の調査については、過去の報酬規定では実費とは別に5万円から20万円という範囲でしたが、複雑な調査案件は弁護士との協議により決定されることとなっていました。
 一般に相続に関する調査は相続関係や遺産全体の調査、取引履歴の調査等、極めて複雑なことが多く、これも一概には言えないです。
 負債だけの調査ということですが、借入先がわかっているケース、わかっていないために主だった金融機関や保険会社等に連絡をして確認するケース等、いろんな場合があり、弁護士費用も一概に申し上げられないというのが実情です。

【限定承認の弁護士費用】
 限定承認自体はあまり使われない制度ということもあり、過去の報酬規定でも、限定承認の報酬についての定めはありませんでした。
 本件では、遺産全体の規模や負債の想定額や債権者数、相続人の数等を判断して、どれだけ手間がかかるのか、あなたがどれくらいの利益を受けるのかを総合考慮して具体的な弁護士費用を決めることになると思いますが、総遺産額の10%程度の費用というのが目安になるかもしれません。

【戸籍の取寄費用について】
 戸籍については、弁護士が戸籍を収集するだけの依頼を受けることは少なく、遺産の調査やその後の手続も含めた作業の一環で戸籍を取寄せする場合が多いです。
 なお、相続のために必要ということであれば、弁護士でなくとも、相続人であれば相続に必要な戸籍謄本、除籍謄本はもらえます。
 現地にいかなくとも、郵送で取り寄せできるはずですので、どのようにすればいいのかを戸籍のある市町村等に電話等で確認されるといいでしょう。

【葬儀費用について】
 葬儀費用は、死後に生じた費用であって、遺産ではないという理解が一般的ですので、遺産そのものから控除することは困難です。
 ただ、葬儀に相続人全員が出席していたような場合であれば、共同の経費として相続人で分担すべきだとされることが多く、結局、遺産の分配時に清算される場合が多いです。
 なお、先取特権は、葬儀会社の有する債権についての優先権を付与したものであって、葬儀費用を出した者が他の相続人に対して請求する立替金(あるいは分配金)請求の場合には適用されません。
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18:06 遺産調査 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★亡き母の預金を独り占めする姉【Q&A №61】

2011/03/04
 
 母が死亡し、3年経過しました。相続人は、娘3姉妹です。
 同居していた長女が賃貸を管理し、確定申告もしているようです。準確定申告の際も内容を見せず勝手にいままで思うようにしています。
 賃貸借契約書も見せてくれないので、毎月の家賃も正確には分かりませんが、1度母に聞いたら、年金が厚生と企業年金で毎月30万円で家賃が20万円との事でした。
 でも姉は、現在は母の預金は0円と言い張り、通帳も見せてくれません。再三の請求をすると、確定申告書の第1表の3年分を見せたのですが、内容がさっぱり分かりません、
 これから正当に請求をしたいのですが、預貯金については取引開示請求ができるとの事ですが、3年分を取得すれば足りるのでしょうか?
 母は年間500万円ほど所得があったようです。よろしくお願い申し上げます。


記載内容

  遺産調査 取引履歴 確定申告 
(taka)


【何よりもまず遺産の調査を!】
 まず、遺産がどの程度あるのかを確認するのがもっとも重要なことです。
 あなたは、亡くなったお母さんの子供であり、相続人という立場ですから、この立場を利用して遺産の調査をする必要があります。

【遺産調査の方法・・まず準確定申告を調査する】
 まず、被相続人に収入がある場合には、死亡から4ケ月以内に税務署に準確定申告をする必要があります。
 この準確定申告は長女の方がされたようですが、もし、長女単独で申立したのなら、その内容を見ることはできませんが、もし、あなたも署名捺印したのであれば、税務署に行き、申告内容の開示請求が可能です。
 開示された場合に、どのような収入があるのかが明らかになります。

【金融機関の口座も調査する】
 次に金融機関の口座の調査も必要です。とりあえず、わかっている金融機関に取引履歴の照会をしましょう。
 相続人であることを証明すれば、取引履歴の取り寄せが可能です。取り寄せた履歴を見て、使途が分からない出金があるかどうかを確認する必要があります。取寄せる取引履歴の期間はできるだけ長い方がよく、最低でも5年程度遡る必要があるでしょう。
 なお、取引履歴を確認すると新たな金融機関や証券会社を発見できることがあります。
 その場合には、更にそれらの金融機関や証券会社についても取引履歴を調査する必要があるでしょう。

【不動産の調査も必要です】
 なお、念のためにお母さんの所有していた不動産の調査も必要です。
 これはお母さんの不動産があると思われる市町村に名寄帳の取り寄せを申請すればいいでしょう。

【弁護士などの専門家に依頼するのがいいでしょう】
 遺産の全容を把握するためには専門的知識が必要ですし、長女の方の対応を見ていると、遺産の全容を把握できた場合でも、その分割の交渉のためにも専門家の力が必要なケースです。
 お母さんの年収が500万円程度あったのであれば、遺産も相当額あった可能性があります。そうであれば、遺産分割で財産を取得できますし、又、死亡後の賃料も取得できます。
 是非、相続に詳しい弁護士などに調査を依頼することをお勧めします(なお、滋賀県弁護士会の電話番号は、077-522-3238です。)。
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17:28 遺産調査 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集
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