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相続トラブル【Q&A №584】

2017/10/06


【質問の要旨】

不正出金をした兄弟の告訴は可能か?

記載内容  預金 使い込み 告訴 

【ご質問内容】
 パチンコ依存症兄弟が、亡き母の預金勝手におろし800万円あったのが、わずかしか残ってない!
 今度は、認知症4の父の大金使い込み!後見人弁護士調査中ですが、ずるい兄弟を告訴して処罰して必ずしてもらうには、どうすればいいのでしょうか?お願いします。疲れ果てております。


(和無)



【(犯罪は成立するが・・)告訴をしても警察は捜査をしない】
 兄弟の方が、無断でお母さん、お父さんの預金を引き出したというのであれば、詐欺罪や有印私文書偽造、同行使等の犯罪に該当する可能性があります
 どのような方法で使い込みをしたのかは明らかではありませんが、ご両親がするべき委任状の署名欄に兄弟の方が無断でサインをすれば、それは有印私文書偽造罪に当たる行為です。
 また、その委任状を銀行に提示してご両親の預金を引き出せば、銀行に対する詐欺罪が成立しうる行為です。
 キャッシュカードでの引き出しについては預金を窃盗したということで、窃盗罪になり得ます。

【告訴をしても警察は捜査をしない】
 以上のように刑法に規定された各種の犯罪が成立しますが、刑法には《親族相盗例》という条文があります。
 その内容は、親族間で上記のような詐欺や窃盗があっても、処罰はしないというものです(刑法251条、同244条準用)。
 このような規定が定められたのは、親族間で窃盗などは警察などの公権力は立ち入らない、そのような問題は親族間で解決しなさいという考え方があるからです。
 そのため、詐欺や窃盗で刑事告訴しても、処罰をすることができないので、警察が捜査を開始することはほぼないと考えた方がよいでしょう。

【民事上の争いで解決するしかない】
 刑事告訴をして処罰されることはないので、使い込んだ人の責任追及をするためには、民事上で解決するしかありません。

①お父さんの口座からの出金は後見人が返還請求
 お父さんには、成年後見人がついており、現在、調査をしているとのことですので、取り込んでいることがわかれば、家庭裁判所と協議の上で、後見人が返還を求めることもありえます。
 ただ、後見人によっては、選任された以降の財産管理をしっかりとするものの、選任前の預貯金の引き出しには積極的に動かない方もおられるようです。
 なお、お父さんが生きておられる段階ではあなたとしては、たとえお父さんの口座から不正出金があったとしても、なんらの請求もできないことも記憶されておくといいでしょう。

②お母さんの口座からの不正出金の返還請求
 お母さんの生前に、無断で預貯金を引き出し、使用した人がいるのであれば、お母さんはその人に対して返還請求をする権利があります。
 お母さんの死亡により、相続人であるあなたは法定相続分の限度で、使い込んだ人に返還請求をすることが可能です。
 ただ、無断出金された方がパチンコ等でお金を使い果たてしまえば、返済の資力がないということで、返還を受けられない可能性があります。
 いずれにせよ、民事上の請求をするのであれば、不正出金の調査も含めて、相続に詳しい弁護士に依頼することをお勧めします。

(弁護士 岡井理紗)
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
11:36 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

認知症の伯母の多額の預金が引出されたことが相続時に判明した【Q&A №582】

2017/09/20


【質問の要旨】

窓口出金時の付添人を調べる方法はあるのか?

記載内容  認知症 引き出し 騙された

【ご質問内容】

 遠方の伯母が認知症になり、嫁ぎ先の地で数年の療養を経て、半年前に亡くなりました。
 相続にあたり銀行に確認したところ、療養中、自分で歩けないにも関わらず誰かが付き添って窓口へ行き預金を引き出していた(8年前)ことがわかりました。

 私は時々伯母の様子をみに行っていたのでわかるのですが伯母は多額の現金を使うことなく死亡しており、誰かに騙されて預金を引き出したこと、引き出した現金をその誰かに取られてしまったことを疑っております。
 相続人として問い合わせましたが銀行からは預金引出しの状況を教えてもらえず、事件性を考え警察に相談に行きましたが、
回答がありません。誰が現金引出しに付き添ったか知りたいのですが、銀行から書類等見せてもらう方法はないでしょうか?

 伯母の亡き夫の親族が伯母の近くに住んでいて入院や施設入所時保証人になっていたのでもしかして伯母は騙されたのではと思うと悔しくてなりません。以上宜しくお願い致します。

(太郎)



【あなたが伯母さんの相続人であれば、調査できます】
 あなたが伯母さんの相続人である場合には、他の相続人の同意などはなくても、あなた一人で、被相続人である伯母さんの預金の取引内容を調査することができます。
 かなり昔には、ほとんどの金融機関が相続人全員の同意がない限り、履歴の開示請求には応じませんでした。
 しかし、平成21年に最高裁判所で、相続人全員の同意がなくても、被相続人の預金の取引内容を開示しなければならないとの判断をしました。
 この裁判例以降、現在は、ほぼ全ての金融機関が単独請求の場合でも、履歴の開示をしています。
 
【取引内容調査の方法】
 まず、取引履歴(その金融機関での入出金、振替等の取引内容がすべて記載された履歴)の開示には、あなたが相続人であることを裏付ける資料(被相続人の除籍謄本、あなた自身の戸籍謄本)とあなたの本人確認資料(運転免許証など)が必要となります。
 ただ、金融機関によっては、そのほかに実印や印鑑証明書等がいる場合もありますので、取り寄せる前に必要書類を問合せておくとよいでしょう。
(なお、被相続人の預貯金履歴手続については(Q&A №98Q&A №205ほか参考カテゴリ:「遺産調査」に詳しく記載しているのでご参照ください)
 
【取引履歴を取得出来たら、使途不明金を絞りこむ】
 伯母さんの金融機関の取引履歴の取り寄せができたら、次に怪しい出金がないかどうかを検討します。
 履歴の摘要欄や支払時期などを見ても使途がわからず、他の金融機関に移された形跡もないような出金があれば、それは不正出金の可能性があります
 ただ、生活費の出金もあるかもしれませんから、ある程度、多額の出金に絞るといいでしょう。
 
【次に出金手続きの確認をする】
 取引履歴には、出金方法も記載されている場合が多いと思いますので、それを確認します。
 出金が窓口でなされていれば、払戻伝票を取り寄せて筆跡を確認するといいでしょう。
 また、ATM出金であればどこのATMが使われたか、伯母さんは当時ATMを使用できるような状態だったか等を検討していくことになります。
 これらの作業をしていく中で、使徒不明金を把握していきます。

【付き添いで来ている本件のような場合は・・】
 ただ、今回のケースでは、被相続人が金融機関に行ったが、その際、付添人がいたということです。
 そうすると、払戻手続きをしたのは、被相続人の伯母さん自身であり、払戻伝票の筆跡は伯母さんの可能性が高いということを考慮しておく必要があるでしょう。
 伝票だけでは付添の人が誰であったのか、又、その人が引き出したお金を使ったのかどうかは判明しないことが多いです
金融機関としては本人が来て、手続きをしている以上、そのお金が誰に渡ったのかなどは、手続き外のことであり、《関知しないこと》という態度をとります。
 これらの点を考えると、単なる履歴照会では問題は解決しないと思われます。

【弁護士の知恵を借りるのがいいでしょう】
 付添の人が誰であったのか、払戻された金銭は誰に渡ったのか、そのような点まで調査するのはかなりむずかしい作業です。
 できれば、早い段階で、相続に詳しい弁護士に相談されるといいと思います。
 弁護士は、法律に基づき金融機関等に対して調査することができます。
 本件ケースでは、詳細な事情を説明して、弁護士の知恵と能力を使うことを考えられるといいでしょう。

(弁護士 岡井理紗)
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
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13:57 遺産調査 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

生前財産調査【Q&A №581】

2017/09/19


【質問の要旨】

存命中の祖父の財産調査はできるのか?

記載内容  存命中 財産調査

【ご質問内容】

 祖父が高齢で事情があり今何をしてるかわからずです。
 土地や通帳など大まかな事しかわからず細かく知りたいのですが調べて頂く事は可能でしょうか?
 費用は大体どれくらいになりますか? 
 ご相談に伺いたいと思っておりますのでご連絡宜しくお願いします。

(馬渕)



【生前の調査はできないのが原則】
 お祖父さんとあなたの関係がわかりませんが、仮にあなたの父方のお祖父さんとすれば、お父さんが将来の法定相続人になります。
 お父さんが死亡され、あなたがお父さんに変わって代襲相続人になり、お祖父さんの財産を確認したいのかもしれません。


 ただ、金融機関等の立場から見れば家族や将来の相続人といえども他人であり、個人情報管理に厳しい現代において、金融機関等が個人情報を他人に開示することは、まずありません。
 そのため、被相続人本人がご存命のうちに家族が財産調査をすることは、原則としてできません(この点は同種の質問が当ブログ№370№485にもありますので、ご参照下さい)。

 ただ、例外的に家族が財産調査できる場合としては、
①本人から委任状をもらった場合
②本人の成年後見人になった場合

の2つの場面が考えられます。

【委任状をもらった場合・・・判断能力が「ある」場合】
 もちろん、体調が悪いなど銀行に出向くことが難しい方のため、各金融機関では本人の委任状を提出した場合に家族や専門家(弁護士など)が代理人として情報の開示請求や預金の出し入れを行うことを認めるケースがあります。
(この点については、どのような手続きが必要か、予め金融機関に確認されるといいでしょう)
 多くの場合は、預金口座のある銀行に対し、届出印を押印した委任状と本人確認証などを提出して代理人として認めてもらい、取引履歴や通帳の再発行などを行い、情報開示を受けることになるでしょう。

 もっとも、高齢者の方の場合は、ご本人に判断能力が「ある」ことが前提となります。本人が認知症などで物事を理解できない状態にあるにもかかわらず委任状を書かせても、委任が無効になる場合があります。このような場合は、次に述べる成年被後見人制度を利用することになります。

【成年後見人になった場合・・・判断能力が「ない」場合】
 他方で、本人に判断能力が「ない」場合には家庭裁判所に申立を行い、成年後見人を選任してもらうことで、本人の代わりにあらゆる財産管理・調査を行うことができる権限を持つことができます。
 成年後見人とは、家庭裁判所が選任した代理人であり、本人に代わって物事を判断するほか、本人に代わって預金の出し入れや不動産の管理処分も行う財産管理権限があるため、存命中のご本人の財産調査をすることが可能となります。
 ただ、親族間に(将来の相続などで)争いがある場合や不正出金の問題がある場合等は、成年後見人に第三者の専門家(弁護士や司法書士)が選任されることがあります。

 その場合は事情を説明して財産調査をお願いするしかありませんが、たとえ家族の希望でも調査を行うかどうかはあくまで選任された成年後見人が判断することですし、又、その調査結果については、後見人があなたに教えてくれることはないと考えておくといいでしょう。

【結局のところは・・・】
 以上のとおりであり、もし、お祖父さんに判断能力があるのなら、その委任状を得て、金融機関に調査するしかありません。
 又、お祖父さんに判断能力がないということなら、あなた自身が成年後見人になって、お祖父さんの財産を調査するしかないという結論になります。

(弁護士 北野英彦)
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
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10:52 遺産調査 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

遺産分割協議後のトラブル【Q&A №580】

2017/09/14


【質問の要旨】

口頭での遺産分割協議は有効か

記載内容  遺産分割協議 無効 署名押印されていない 

【ご質問内容】
 はじめて質問させて頂きます。(私は父親の前妻の子供になります)

 父親が死亡し、相続人である後妻(子なし)と前妻の子供(3人)で遺産分割協議の話合い(2回)を持ちました。
 話合い時には、相続人以外に後妻の親族、父の親族や父の友人もその場におり、1回目の分割協議の内容を書面化したものを一同の前で読み合わせを行い、修正箇所が出てきたので修正した「遺産分割に関する覚書」に相続人全員で署名捺印することを同意した後、その日は解散しました。

 後日、後妻からの覚書の返信がないので催促の電話をしたところ、遺産分割協議の内容に納得できないし書面に押印していないので話合いは無効を主張し、弁護士を介在してきました。

 覚書に署名捺印されていない場合、後妻の主張は認められるのでしょうか。
 申込と承諾で契約は締結されると理解しているのですが本ケースの場合は話合いに参加していた人間の証言とその場で録音していた音声データ(後妻も覚書内容で捺印する旨発言している)証拠があれば後妻の主張を崩すことはできるのでしょうか。


(ひろゆき)



【遺産分割協議は口頭でも有効だが…】
 遺産分割協議をする場合には、書面でしなければならないというルールがあるわけではなく、一応は口頭でも有効です。
 しかし、遺産のような通常は多額の財産分割の合意をする場合、口頭だけで成立するという主張が認められるかといえば、難しいと言わざるを得ません(この点は次項の証明のところでも記載していますのでご参照ください)。

 又、口頭で遺産分割協議が成立していると言っても、銀行や法務局は、遺産分割協議書などがない限り、相続登記も預貯金の解約・払い戻しにも応じてくれません。
 そこで、通常は、それぞれの相続人が何を相続するかという分割内容を記載した書面を作成し、相続人全員が実印を押して印鑑証明書を添付するという厳密な方法をとっているのです。

【口頭で遺産分割協議が成立したことを立証するのはあなた】
 あなたが、すでに前に話し合った内容で遺産分割協議が成立したはずだと主張し、後妻さんがそれを認めてくれるのであれば、特に問題はありません。
 しかし、本件の場合には、後妻さんは協議の成立を認めていません。
 その場合に、口頭で遺産分割協議が成立したことを立証するのはあなたです。

 後妻さんも遺産分割内容に同意していたことの証拠としては、音声データが残っているようですが、後妻さんの代理人となった弁護士としては、「そのような方向での話はあったが、合意が成立したと言えるところまではいっていない」と述べ、覚書に署名・押印をしていない以上、まだ協議は成立していないと主張することはまず間違いのないところでしょう。
 あなたとしては、その主張を覆して遺産分割協議を実現するには、裁判所であなたの主張を認めてもらうしかないと思われますが、口頭の合意ということであれば、裁判所も簡単には認めない可能性が高いと思います。
 結局、あなたとしては再度後妻さんと協議をし直すしかないと思われます。

(弁護士 岡井理紗)
大澤龍司法律事務所
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10:31 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

ゆうちょ銀行は詐欺罪で告訴しますか?【Q&A №579】

2017/09/13


【質問の要旨】

母の貯金を不正に出金した兄夫婦を詐欺罪で告訴できるか?

記載内容  詐欺罪 偽造 銀行 

【ご質問内容】
 昨年5月に母が亡くなりました。
 相続人は兄と弟の私、2人です。
 母は生前、約13年前に公正遺言証書(私には内緒で、おそらく兄に誘導されて)を作成していました。
 内容は母の死後、初めて、私は知ったのですが、土地、家屋(時価6千万円ぐらい)は全て兄に、預貯金は全て私に、という内容でした。

 その行為が許せなく、弁護士を通じて、立証できた金額1900万円あまりを返却してもらいました。
 つまり、民事的には一応解決となっています。
 然しながら、未だに、兄夫婦の今までの行為が許せなく、刑事的に何か罰則を与えることは、出来ないかと思っています。

 そこで、質問なのですが、兄の妻が、平成23年12月6日に、ゆうちょ銀行の窓口で母の定額預金70万円を解約しています。
 それは、母の委任状(母の偽署名をしたもの)を作成して解約しています。
 その70万円はゆうちょ銀行の母の普通預金口座に一旦入金されていますが、1か月ぐらいで、2~3回に分けてキャッシュカードで全額引き出されています。
 その時、母は介護施設に入所していて、外出することは出来ない状態でした。
 また、介護日誌では、認知による奇怪な行動が解約日の前後に見られます。
 また、認知度の長谷川式テストでも解約の意思表示など出来る意思判断は不可能な状態でした。

 この内容で、詐欺罪は成立しますか?
 ご回答お願いします。
(ultimora)



【犯罪ではあるが処罰されない】
 まず詐欺罪が成立するかどうかですが、お母さんの署名を装ってお兄さんが委任状に無断でサインをすれば、それは有印私文書偽造罪に当たる行為です。
 また、その委任状を銀行に提示してお母さんの預金を引き出せば、銀行に対する詐欺罪が成立しうる行為です。
 また、キャッシュカードでの引き出しについては預金を窃盗したという見方も可能です。
 しかし、これらの罪については、法律上は親族相盗例という制度が適用され、親子間の詐欺罪や窃盗は処罰されません(刑法251条、同244条準用)。

 親族相盗例とは、親子間や同居の親族間の窃盗や詐欺について処罰しないという規定であり、家庭内のもめ事は家族間で話し合って解決するべきであり、警察のような国家権力が介入するべきではない、という考え方から導入された制度です。
 そのため、詐欺罪や窃盗罪で刑事告訴しても、警察が捜査を開始することはまずありません

【銀行は告訴しません】
 次に、有印私文書偽造罪については親族相盗例が適用されないため、銀行などが告訴すれば警察が動き出す余地が一応残っています。
 しかし、銀行は大量の預金事務を処理しているため、告訴による警察の事情聴取の負担などで争いに巻き込まれる事による負担を回避したいでしょうから、銀行が相続人などを警察に告訴することはまずないと考えられるといいでしょう。 

【民事上の争いをするほかない】
 今回の様な不正出金は民事上で争うほかないのが実際のところです。そのため、弁護士を通じて民事上は一応の解決をしているのであれば、立証できた1900万円を返還すれば、これ以上請求できないことになっている可能性が高いと思います。
 おそらくは、民事裁判で不正出金を取り返すことができたのも長谷川式認知テストなどをきちんと踏まえられたからだと思いますし、それ自体は正しい方法と思われます。
 民事上も一応の解決を経ているのであれば、本件ではこれ以上の責任追及を行うことは諦めざるを得ないでしょう。
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
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10:08 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

遺産総額を疑われています。【Q&A №576】

2017/08/23


【質問の要旨】

亡くなった母の預貯金を不正に出金したと疑われているが、どうすればいいか。

記載内容  不正出金 疑われた 犯罪

【ご質問内容】

 初めまして。よろしくお願い致します。
 
 母が亡くなりました。いわゆる孤独死になってしまい、警察が介入しました。事件も考えられるので、警察から頼まれた親戚が、私の到着前に通帳記帳をしてくれていました。
 その後私が警察で通帳や印鑑等を受け取りました。

 法事の後兄から、親戚から聞いた貯金総額と、私が提示した貯金総額に2000万近くの差がある。不明金なので、銀行に取り引き開示請求をし、それから警察に届ける、と言われました。
 通帳は、警察から受け取ったのは全てあり、兄には記帳済みの通帳も全部見せました。葬儀等の収支、現時点の残金も伝えています。通帳を見れば行方不明金などなく、親戚の見間違いとわかるのに、警察署、届け出と繰り返し言われました。
 私のことを疑う、と言う言葉こそ使いませんが(紛失という表現をします)、私は疑われていると強く感じます(通帳はあるのですから)。

 私の潔白の証明になると考えた通帳を、兄には不明金を確信したと言われました。理解に苦しみます。今は取り引き開示請求の結果待ちのようです。
 説明してもわかってもらえず、精神的に参りました。警察、届け出、と何度も書かれ、疚しいことをしていなくても、強い恐怖をかんじました。
 相続の時はこの程度疑われるのは仕方ないことなのか、兄の言葉は何かの罪に問えるのかご教示願います

(ランナー)





【お兄さんを罪に問うことは難しい】
 どうやらお兄さんは、お母さんの預金をあなたが不正に出金した(着服した)と疑っており、あなたは濡れ衣を着せられて不愉快な思い(あるいは怖い思い)をされたようです。
 しかし、今回の様な相続のケースでは基本的に警察が介入することはなく、少々の言いすぎなどがあっても名誉毀損や脅迫などで警察が動いたという話は聞いたことがありません。

【あなたも罪に問われることはありません】
 他方で、お母さんの預金をあなたが不正に出金した(着服した)と疑われている点についても、窃盗罪として警察が逮捕や起訴に踏み切ることはまずありません。
 なぜなら、法律上、親子間(直系血族)の窃盗罪は処罰されないことが明記されているからです。
この点は当ブログNo.389No.291No.466にも同様の記事が掲載されていますのでご参照下さい。
 
(参考条文 刑法第244条(親族間の犯罪に関する特例)
1 配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第二百三十五条(窃盗)の罪、・・・(中略)・・・を犯した者は、その刑を免除する。


 なお、預金の場合は引き出された銀行が被害者という理解も可能ですが、銀行がこのような事案で警察に被害届を出したという話は聞いたことがありませんし、私どもが扱う事案でも警察が動いたケースはありません。

【そもそも証拠がないのでは?】
 また、このような理屈の話を抜きにしても、そもそも不正に出金した形跡がなければ警察は動きようがありません。法治国家である以上、証拠がなければ警察も強制捜査を行うことはできないのです。

【無実の証明は難しい】
 あなたとしては、一刻も早く身の潔白を証明し、お兄さんの疑惑を解消したいというのが正直なところだと思います。
 しかし、あなたが絶対に不正出金をしていないことを立証することはほぼ不可能です(我々弁護士の世界でも、無罪の証明は「悪魔の証明」とも呼ばれるほど、非常に困難なこととされています。)。
 しかも、今回のお兄さんはもはや結論ありきで疑っているようですので、もはや何をしても聞く耳を持たずのようです。このような場合、むしろ身の潔白を証明しようと努力することが疑いを深めてしまうことすらあります。
 ただ、警察が動き出す可能性は極めて低いため、ここは耐えることに徹し、ただ身の潔白を証明する「気持ちがある」ことだけをお兄さんや周りの人に示し続けることがあなたの立場や不安を補うことにつながるでしょう。

(弁護士 北野英彦)
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限定承認と保証債務【Q&A №575】

2017/08/03


【質問の要旨】

夫に借金や連帯保証があるかもしれない場合、どうすればいいか

記載内容  借金 連帯保証 限定承認

【ご質問内容】

 夫が亡くなりました
 お人好しの人でしたので連帯保証人とかになっていないか心配です。
 数年後とかに連帯保証人になっていた借り主が返済できなくなった場合、限定承認をしておくと相続人には夫の連帯保証人の支払いはしなくて良いのでしょうか?

(りんご)





【借金や保証の調査方法】

相続の前には、借金や保証などの調査をする必要があります。
財産より債務があることが判明した場合には相続放棄などの対策を考える必要があります。
(詳しくは本ブログ【コラム】相続放棄・・借金(負債)の方が多い場合にとるべき手段もご参照下さい)。
借金の調査方法としては、自宅に残された借用書などの資料を参考に取引のあった金融機関等に照会を出し、又、日本銀行協会、JICC・CICなどの信用情報機関で調査する必要があります。
ただ、注意すべき点は、前記調査機関で調べることができるのは、主債務者(借金をした人)が、連帯保証が銀行や貸金業登録をしている貸金業者から借り入れしたものだけで、個人的な借り入れは登録されていません。
そのため、友人などからの個人的な借り入れを窺わせるような資料があれば、その友人に確認する必要があるでしょう。
保証についても上記調査機関で調査できる場合がありますが、主債務ほどきっちりとは調査機関に登録されておらず、十分な調査ができないことが多いので注意が必要です。
又、借金もそうですが、他の個人の主債務に保証した場合には、調査機関では判明しませんので、その点の注意も必要です。


【限定承認はあまり利用されていないのが実情】

前項に記載したように調査をしても保証が確実にわかるわけではありません。
結局、債務や保証の存在がある可能性のある場合には、財産の多さと負債の存在する可能性を比較して、単純相続か相続放棄かのどちらかを選択することになり、リスクを考慮しての決断ということになります。
ところで、質問にあるような限定承認という制度があります。
財産から負債は支払った上で、財産が余れば、それを遺産分割するという制度であり、極めて合理的な制度のように見えます。
しかし、この手続は、(放棄した人以外の)相続人全員の同意が必要であること、手続にかなりの手間や時間がかかること、又、不動産を相続する場合には不動産譲渡税が課税されて高額の税金がかかる等のデメリットがあり(詳細は本ブログQ&A №286【コラム】限定承認の手続きについて)、そのため、この制度はほとんど利用されていないのが実情です。
結論から言えば、借金と資産を可能な限りで調査し、ある程度のところで見切りを付けて相続放棄をするか、リスクがあってもそのまま相続するか、決断をするしかないでしょう。
なお、限定承認をされるのであれば、その前に相続に詳しい弁護士に法律相談され、アドバイスを受けられると、後の手続きの理解ができていいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)
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17:44 相続放棄 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

認知症の義母宛の父の遺言【Q&A №571】

2017/07/05


【質問の要旨】

再婚した父が遺言を書いていた場合の先妻の子の相続分

記載内容  再婚 義母 任せる  遺留分 先妻の子


【ご質問内容】

父と母は 再婚で、私は父の実の娘です。

幼い頃の離婚時に、実母方が弟を連れ、父が私を引き取りました。

現在は、私は結婚していて義母とは養子縁組はしてません

父は難病をかかえていますが数年前に母が認知症で、遠方の実の妹夫婦宅へ行きっぱなしで帰らず、今では 介護施設へ入居してます。

数ヶ月前に父が自宅で転び、一人暮らしが不可能となり今では療養型病院に入居してます。

もう自宅には帰れないので、私が自宅の片付け、売却を頼まれましたが片付けてたら、義母宛の銀行で作成した遺言書がでてきました。

現在、父名義の700万ほどの銀行預金通帳を私が預かり任されてます

他の預金は認知症の母がわかってるだけでも1000万円を持っていってしまいました

母の遺言書は見当たりません。

父が口頭では娘の私に全て任せると言うのですが、もしこのまま父が他界したらどうなるのでしょうか?又、義母が他界したらどうなるのでしょうか?

(mamis)





【事案の整理】

義母宛の遺言内容が明らかではないのですが、おそらくお父さんが「義母に全財産を相続させる」内容で作成したものと推測して回答いたします。

この状況でお父さんが死亡した場合、遺言に従って全遺産は義母が相続することになります(なお、あなたは遺留分の限度で権利がありますが、この点は後述します)。

【お父さんが死亡した場合・・遺言内容により異なるが、遺留分請求が必要になるかもしれない】

まず、お父さんが死亡した場合、お父さんには遺言書がありますので、その遺言書の内容で遺産を分けることになります。

ただ、その遺言書の内容が、義母に全部を相続させるという内容であれば、あなたはお父さんの遺産を相続できなくなります。

このような、遺言等で遺産が十分にもらえない場合には、法律で、遺産を多くもらう人から最低限度は返してもらえるようにする制度があります

遺留分減殺(いりゅうぶんげんさい)請求といい、遺言書の内容を知った日から1年以内に、遺産をくれと申し出る制度です。

あなたは被相続人であるお父さんの子ですので、減殺請求をすると法定相続分の4分の1の半分の、8分の1の遺産をもらうことができます。

なお、遺産としては義母が生前に貰った1000万円も遺産に組み入れて計算をしますので、あなたが遺留分としてお母さんに請求することができるのは次の計算式で算定される金額です。

遺留分=(義母が生前に貰った:1000万円+父名義の銀行預金+お父さんのその他の遺産)×8分の1

(なお、遺留分減殺請求については【コラム】遺留分とは参照)


【父より前に義母が亡くなった場合】

父より前に義母が亡くなったときは、あなたは義母の子ではありませんので、義母からは遺産を相続することができません

この場合、父の遺産がどうなるかですが、父の遺言書に《義母に遺産全部を相続させる》という記載があっても、既に義母が死亡しているのですから、遺言書は効力がなくなります

そのため、父が亡くなった時には、あなたと弟さんが父の遺産を2分の1ずつの割合で取得することになります。


【遺産が欲しいのなら遺言を書いてもらう】

最後に、お父さんが「口頭では娘の私に全て任せる」という発言されていますが、このような言葉は、葬儀の手配や自宅の整理、遺産分割完了までの通帳などの管理を任せるという趣旨として理解されるにすぎず、あなたに全遺産を贈与させる、あるいは相続(遺贈)させる意思を表示したものという理解をするには無理があります。

もし、あなたが父から財産をもらいたいというのであれば、新たに「全財産を相続させる」旨の遺言を作成してもらうことが必要でしょう。

(弁護士 大澤龍司)
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遺産相続について【Q&A №566】

2017/05/16


【質問の要旨】

姉に言われるがまま印鑑を押して遺産分割をしたが、やり直せるか

記載内容  遺産相続 印鑑

【ご質問内容】

初めまして。インターネット検索をしていましたら、こちらのサイトにたどり着きました。
遺産相続の件で質問です。

両親の事なのですが、両親がネットができないので、代わりに私が質問致します。宜しくお願い致します。

父の母親が去年亡くなり、今年に入り遺産相続の件で、父の姉に呼ばれ 父と母で行ったそうです。

兄弟が4人居たので、揉めたそうです。
父の姉が全てをしきり、通帳も何も見せず いくら位あるとも言わず、個々で兄弟を呼びつけ、それぞれにお金を渡したそうです。

父は、他の兄弟がいくらもらったかは知らないらしく、家はそのお姉さんが貰うと言ったそうです。

父は、200万と言われて、それも、5年の分割払いにされてしまったそうです。
40万円×5年です。

父は穏やかな性格なので、何も言えずに、1回目の40万円だけ貰い帰ってきてしまい、母は嫁の立場で何も言えず、両親はやはり納得がいかない様子で、なんせ父の姉が、とても気が強くて、何も言い返せないそうです。

父は、家を出てしまったのですが、勝手に家を出て、文句を言うなら、10年家に居なかった分、亡くなった祖母にかかったもの全てを払え!と言ってきたそうです。

何だか両親が、可哀想で、こちらに相談させて頂きました。
印鑑は押してしまったようなんです。どうにもならないでしょうか。

アドバイス宜しくお願い致します。

(カルラ)





【遺産分割協議書を作成したのかどうかが問題】

遺産分割協議をする場合には、書面でしなければならないとか、全員で一堂に会さなければならないというようなルールがあるわけではありません。

ただ、通常は、それぞれの相続人が何を相続するかという分割内容を記載した書面を作成し、相続人全員が実印を押して印鑑証明書を添付するという方法をとります。

そのような方法をとらなければ、銀行手続や不動産登記手続をすることができないからです。

本件では、お父さんは印鑑を押してしまったとのことですが、印鑑を押したという書類はどのような書類でしょうか。

また、実印を押して印鑑証明書も交付してしまったのでしょうか。

もしも遺産分割協議書に実印を押し、印鑑証明書を交付してしまっていたとすると、お姉さんから話を聞いた上で判を押した以上、内容も理解して納得していたはずだとみなされ、遺産分割をやり直すのは難しいといえます。

ただ、そうでなければ、きちんとした遺産分割協議をやり直し、その中で正当な相続分を主張すればよいでしょう。

【亡くなったお母さんにかかった費用請求には応じなくてもよい】

お姉さんは、「文句を言うならお母さんにかかった費用をすべて支払え」と主張しているようですが、このような主張は法的に無理があります。

「被相続人の財産の維持又は増加に特別の寄与をした場合」には「寄与分」が認められることがありますが、これには通常期待される程度を超える貢献が必要とされています。

親子間には扶養義務があり、なんらかの寄与があるのが通常であると考えられていますので、高額の医療費を負担したとか、ヘルパーを頼まなくていいくらい介護をしたとかいう特別な寄与をしていない限り、お姉さんの主張は通りません。

仮に寄与分が認められても、それはあなたのお父さんが返還するようなものではなく、遺産から寄与分と認定された額をもらえるにすぎません。

これらのことを考えると、あなたのお父さんが、かかった費用の、しかもその全てを支払う必要はないでしょう。

【まだ協議書を作成していないのなら、調査をして自己の相続分を主張すべき】

以上のとおりですので、もしもまだ遺産分割協議書を作成していないのであれば、お母さんの遺産の全容を明らかにし、相続分通りに分配するよう求めるべきでしょう。

その際、お母さんの遺産については、あなたもお母さんの相続人である以上、調査をすることは可能ですので、お姉さん任せにせずにあなたのほうできちんと調査し(調査の仕方についてはQ&A №98Q&A №362等を参照)、遺産の全容をつかんだうえで交渉する方が良いと思います。

なお、遺産の調査が難しい場合やお姉さんが強硬な態度をとられた場合には、相続に詳しい弁護士に相談することをお勧めいたします。


(弁護士 岡井理紗)
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
13:33 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

認知症の母の現金を姉弟に横領された件【Q&A №563】

2017/04/04


【質問の要旨】

他の相続人による不正出金を取り戻せるか

記載内容 不正出金 意思能力

【ご質問内容】

母が2月に亡くなりました

母は不動産収入があり、毎月必ず47万ほどの収入が郵便局の口座に振り込まれています。

母は、2013年10月に脳梗塞で倒れて、その後は認知症のため判断能力がなくなり、弟と姉が郵便局の現金口座を管理していました

老人施設に入ったために、毎月20万から22万くらいの費用がかかりました。

その分以外は、母は認知症で使いようがないので、そのまま残っているはずで、毎月毎月、47万から税金分を引いて、32万円。

そこから22万円かかっても、毎月10万円ずつ、2013年11月から2017年1月まで38ヶ月間で、380万円。

プラス年間でで80万円が不動産の管理会社より入金がありますから240万円プラス。

合計で620万ほどは、どう考えても残っていないとおかしい母自体が施設で寝たきりの生活でもちろん現金を使うことはできないのでおかしいはずなのです。

しかし、母が亡くなった後の現金が100万円にも満たないのです。

2013年10月の脳梗塞を起こす前を含めるとプラスで500万ほどは残っているはずで合計で約1000万円の相続になるはずなのです。

以上の件から、明らかに、姉と弟による不正な出金が明らかなことだと思います。

母の状態が脳梗塞で判断能力がなく、ほぼ寝たきりで介護施設での生活でした。

その上で後見人制度も利用せずに3年間いましたから。

今、母の口座のある郵便局に記録を申請していますが、この場合は、この本来あるべきはずの金額は取り戻していくことは可能なのでしょうか?

どういう手順で行うことがベストなのか
知りたいと思い、メールさせていただきました。

よろしくお願い致します。

(ジュン)





【お母さんの意思能力と出金との関係】

質問にあるように、お母さんに判断能力がない場合に預貯金が引き出されているのなら、その預金はお母さんの意思に基づかないものであるということはできます。

にお母さんに判断能力があっても、お母さんの意思とは関係なく出金されたのであれば、その出金は違法なものだといえます。

しかし、仮にそれらのような出金があったとしても、出金された金銭がお母さんのために使用されていたのなら、お母さんに損害はなく、不法行為にも、不当利得にもならず、その出金を返還せよという話にはなりません


【使途不明金があるかないかを確認する】

そのため、まず、お母さんのためではなく、その他の目的でなされた出金があるかどうかを調査する必要があります。

]これを知るためには、お母さんの口座について、どのようなものがあり、どのように入出金されていたかを金融機関に照会することになります。

現在、お母さんの口座のあるゆうちょ銀行に取引履歴の照会をされているようですが、それ以外に利用されていた金融機関があればその履歴の確認も必要でしょう。

入出金履歴の取り寄せができたなら、その内容を詳細に検討する必要があります。

個別に出金を点検して、お母さんのためとは思われない出金があるかどうかを確認していくことが必要です。

《本来あるべきはずの金額》とは、そのような検討の結果で判明するものです。


【使途不明金を誰が引き出し、何の目的で使ったかも確認する】

使途不明金(正確に言えば、お母さんのため以外に使用された金銭)があるのなら、その使途不明金を誰が引き出したかを確認するのが次の作業になります。

お母さんの預貯金通帳や取引印、キャッシュカードを誰が保管していたのか、カードなら出金したATMがどこに設置されたものであるかにより誰が出金したのかを推測できるでしょう。


【損害賠償請求権は相続される】

出金されたお金があり、そのお金がお母さんのために使われていないということなら、お母さんはその引出者に対して不法行為による損害賠償を請求することができます。

お母さんが亡くなった後は、この権利は相続人に相続されます

今回の件で相続人が子供3人であるとすると、あなたはお母さんの持っていた損害賠償請求権の3分の1を相続しますので、出金者に請求をし、話し合いをされるといいでしょう。


【話し合いがつかない場合には調停を考える】

ただ、今回の問題のような不正出金については、円満な話し合いで解決するのはむずかしいことが多いです。

その場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を起こすことを考えるといいでしょう。

家裁の遺産分割調停は費用もそれほどかからず、又、調停委員も関与しますので問題が解決することも多々あります。

しかし、あなたの請求どおりになることは少なく、お互いが譲歩を迫られることも多いということも知っておかれるといいでしょう。

どうしても、あなたの考える請求額を全額もらいたいというのであれば、その場合には相続分に応じた不法行為に基づく損害賠償
請求訴訟
を起こすしかありません。

この訴訟は素人の方には難しいので、相続に詳しい弁護士に相談されるといいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)

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17:57 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

兄の使い込みと居直りへの対応【Q&A №561】

2017/03/07


【質問の要旨】

不正出金を取り戻せるか

記載内容 凍結 預金 不正出金

【ご質問内容】

父親が昨年秋に死去しました。

私の兄は、管理していた父親名義の預金通帳からの使い込みが判りました

現在兄は遺産分割協議に協力しないばかりで困っています。

父は預貯金や株を所有していました。

父が10年前に脳梗塞発症後、半身不随になった後、24時間完全介護の老人ホームへ入所しました。入所時から、兄が、父親の全財産の管理を兄が預かっておりました

当時から兄はATMで現金を引き出しており、毎回限度額上限いっぱいの50万円や100万円の金額で、ホームの兵庫から遠く離れた東京の兄自宅近くのATM引き出してました

その金額が、10年間6000万円を超。父の同意が、有ったのか分からない一括保険金払い3000万円一括保険金払年金型生命保険にも入っています。

この保険からの年金の入金は、父の口座入金でしたが、保険金払い受取人が兄。

この年金の振り込み口座からも、兄は引き出しておりました。

父親の死後になって、心当たりの銀行証券会社に問い合わせたところ、わかりました。

兄は、死亡届を金融機関に未提出

父の死後の翌日や翌々日もATMから50万円や100万円単位で引き出していたのが判明しています。

私が金融機関に、死亡届を取引明細取り寄せと同時にしたことにより、父親の預貯金口座から、現金の引き出しが出来なくなった兄は激怒してます。

兄からは連日の暴言メールで、私は仕事も手につきません。

夜も眠れません。

兄は「お前はいらぬ事はせんでいい。お前の下らん策で迷惑きわまりない。」と、激しく私をなじる一方です。

遺言状も存在しないようです。

私はどうすればよいでしょう。

父の遺産を私が一部でも引き継ぐ事は諦めて、凍結した銀行口座を解除して兄に任せるべきなのでしょうか?

せめて、今ある預貯金のみの50%の分割で我慢すべきなんでしょうか?

(はなこ)






【あなたはお兄さんと同じ割合の遺産をもらう権利があります】

遺言書がないケースでは、あなたはお兄さんと同じ割合でお父さんの遺産をもらうことができます。

又、生前にお兄さんがお父さんの口座から無断で出金していたのであれば、お父さんはお兄さんに損害賠償請求ができることになりますが、その損害賠償請求する権利はあなたにも相続されますので、生前の引き出し分についてもあなたはお兄さんに請求することが可能です。


【わかっているすべての金融機関にも連絡をしておく】

お兄さんが、お父さんの死亡後もお父さんの遺産を引き出しているようであれば、わかっている金融機関の全てにお父さんが死亡したとの通知を出す必要があります

死亡の連絡があれば、金融機関は口座を閉鎖しますので、ATMでの出金を停止します。

利用しているかどうかわからなくても、その可能性があれば、死亡通知をし、遺産からの出金を停止させる必要があります。


【生前の引き出し分の調査】

前記のとおり、お兄さんの生前引出分は損害賠償請求権として遺産になります。

ただ、いつ、どの程度の額の金銭を引き出されたのか、その引出をお兄さんがしたのかをあなたの方で証明する必要があります

そのため、金融機関に対して入出金の取引履歴の調査をするとともに、大口の出金については誰がその手続きをしたのかを確認するために預貯金の払戻票などを取り寄せし、お兄さんが引き出したということをはっきりさせておくといいでしょう。

ATMの場合には、筆跡などは残りませんが、取引履歴を見るとどこで出金したのかがわかりますので、その取引履歴を証拠として準備しておくとよいでしょう。


【カルテの取り寄せも考える】

お父さんは脳梗塞であったということですが、もし、判断能力がないような状態であれば、お兄さんが出金した金銭の返還請求がしやすくなりますので、入通院された病院のカルテを取り寄せしておくといいでしょう

カルテにはお父さんの判断能力がわかる資料が多数、記載されていることが多いです。

お兄さんはお父さんの依頼で出金したという反論をすることもありえますので、そのような場合に備えて準備をしておくといいでしょう。


【保険契約及びその一括払い金の出金の調査も必要】

保険金の契約書にはお父さんの署名があるはずですので、保険会社から契約書の写しをもらって本当にお父さんの筆跡かどうかを確認するといいでしょう。

又、保険金の支払いが併せて一括支払いだとすると、預貯金から引き出して支払っていると考えられますので、預貯金を確認するとともに、その払戻票の筆跡を確認し、お父さんに無断でお兄さんが手続きをしたという証拠を集めておくといいでしょう。


【急いで手続きする必要があるのなら、弁護士に早期に相談を】

お父さんの遺産をお兄さんが勝手に動かしているように思われます。

お兄さんが預貯金から引き出した金銭をどのように使っているか、あるいは保管しているのかは明らかではありませんが、既にかなりの部分が消費されている可能性がありそうですし、出金分を隠している可能性もありそうです。

裁判に勝ってもお兄さんがお金を持っていないとお金を回収できません。

そのため、できるだけ早く、弁護士と相談され、お兄さんの財産を押さえる手続き(例えば仮差押手続き)などを考えられるといいでしょう

お兄さんの金融機関の口座がわかっているとすれば、それを差し押さえる方法はないのかどうか、また、これからの遺産分割協議を円滑に進めていくためにも、弁護士に相談され、必要に応じて早期に依頼をして、対処方策を講じることをお勧めします。

(弁護士 大澤龍司)

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18:01 遺産分割 | コメント(1) | トラックバック(0) | 編集

参加していない遺産分割協議の効力【Q&A №557】

2017/01/30


【質問の要旨】

自分が未成年のころに父の相続財産を母が受け取っていた分を返してほしい

記載内容 未成年 特別代理人 利害が相反

【ご質問内容】

亡母の遺品の整理中に20年前に他界した父の遺産協議書が出てきました。

当時私は18才で相続協議には参加出来ず、相続物は(今回の売地とは別の)家族共有名義の土地があるとだけ聞いていました。

しかし協議書には「○○の土地を売却し、母兄私で分配する」とあります。

さらに土地売買の受領書もあり私分のお金は母が受け取り、署名欄には「親権者として」と記載があります。兄の分は、兄本人が受け取っていました。

以上のことから母の遺産相続を行う前に、私の未受け取り分を受け取りたいことを主張しましたが兄は拒否。

分配してほしければ母から受け取っていない証拠として、母の全ての金融機関の20年分の入出金履歴を出せと言います。

私は銀行に開示を求めましたが履歴は10年しか出せないと言われ、兄の要求は最初から現実不可能です。

説明責任を果たさずにおいて、履歴が出せない状態になってから、それを用意してみろ等と酷い話です。

分割協議書にはおかしい部分もあります。

私が見たことも聞いたことも無かった分割協議書の相続人署名欄に私の署名がしてあるのです。

『未成年の為、母親が代理人として署名』と書いてあるのですが、相続では利益の相反する間柄では親であっても代理人にない筈です

金融機関に過去の履歴を出してもらう手段とか、よい手だてはありませんでしょうか。

(DD)






【特別代理人が必要でした】

質問にも記載されているように、お父さんの遺産分割では、お母さんと子であるあなたとは利害が対立(お母さんが遺産を多くもらえば、その分あなたの取り分が減る)します。

お母さんには未成年であるあなたの親権者として法定代理権がありますが、このような利益相反がある場合、お母さんはあなたを代理できず、家庭裁判所が選任した特別代理人があなたに変わって遺産分割協議に署名捺印をする必要があります。

そのため、この遺産分割協議書は効力がありません


【母の受け取った土地代金はどうなるか?】

遺産であった土地は既に売却され、お母さんがあなたの代理人として受領していたのなら、あなたはお母さんに分配金返還請求権を持つことになります。

お母さんの負うこの返還債務は、お母さんの死亡による相続で、その相続人であるお兄さんとあなたが2分の1の割合で負担しますので、あなたはお兄さんに分配金の半額を請求できることになります。


【分配金返還請求は消滅時効の問題がある】

ところが、この分配金請求権は、法律的に正確に言うと、お母さんが権限もなく、又、遺産分割もできていないのに、あなたの法定相続分を勝手に売買したという不法行為に基づく損害賠償請求権ということになります。

この不法行為の請求権は、その不法行為が生じた時点から最長で20年間、これを行使しないと時効で消滅します。

今回は約20年前の遺産分割協議であるため間に合うか微妙なところですが、早急に内容証明郵便でお兄さんに分配金を請求し、請求を行った確たる証拠を残しておき、早急に、弁護士に訴訟等の手配をすることも考えるといいでしょう。


【もらっていないことを証明する必要はありません】

お母さんが土地を売却し、その売買代金を受け取っていることがお母さんの受領書で証明できるのであれば、今度はお母さん(その債務の半分を受け継いだお兄さん)側でその代金をあなたに支払ったことを証明する責任があります

いずれにせよ、時効の期間の問題もありますので、早期に弁護士と相談され、どのような措置を取るべきかどうかを検討されるといいでしょう。

(弁護士 北野英彦)

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★預貯金の目減りが心配【Q&A №555】

2017/01/25


【質問の要旨】

母の通帳などを妹が管理している

記載内容 不正出金 預金

【ご質問内容】

父が亡くなり四年が経ち、母・長女(私)・妹・弟(八年前他界)がおり、両親の面倒を見ていた妹夫婦が今回建物のみ母への名義変更を言ってきました。

弟存命中は、いずれ両親と同居する前提でマンション代を出してもらっており、しかし弟亡き後は、それが叶わないので妹から、父へマンション代を返すよう弟の嫁に言い、嫁は返済しました。

以前、私は、妹から両親の面倒を見てほしいと言われましたが、その当時は両親も元気で二人で生活できていたし、私の家の状況等の理由もあり、それを断った経緯があります。

その後は一切を取り仕切り、財産を聞いても教えてもらえず、生前父から何となく聞いていた預貯金額より遥かに少ないぼんやりした額をのらりくらり言うだけです。

嫁も同じことを言っています。通帳と実印は妹が全て持っていますし、母は強い妹には何も言えません。母名義にさせたマンション代他の預貯金の目減りを防ぐ手立てはないのでしょうか

また、今後どのようにして対処していけば良いのでしょうか

(piano)





【お母さんの財産の管理を決定するのはお母さんです】

お母さんの預貯金を、現在は妹さんが管理されているようですが、もし、お母さんが自分の財産の管理を妹に任せているのであれば、それはお母さんの意志に基づくものであり、何ら違法なことではありません

あなたはお母さんが死亡した場合には、その遺産を相続できる立場です。

しかし、現段階では、お母さんの財産に関与するなんらの権利も権限もありません。

そのため、もし、現在の状況を変えたいのであれば、あなたではなく、お母さんがその意志で行動する必要があります。

あなたとしてできることがあるとすれば、それは、お母さんが《預貯金通帳や印鑑を返してほしい》と決断するように働きかけることだけでしょう。

お母さんがそのような決断をするのであれば、お母さんの意向に従い、あなたがお母さんの代理人として妹さんと返還や管理について交渉するということも法的には可能ですし、又、必要に応じてお母さんが弁護士に依頼するということを考えてもいいでしょう。


【成年後見人をつけることも考える】

現時点ではお母さんの判断能力があるようですが、もし、将来、お母さんの判断能力がなくなるようなことがあれば、親族であるあなたは家庭裁判所にお母さんの成年後見申立をすることができます。

家庭裁判所で選任された成年後見人はお母さんの全財産を管理します。

今回のような将来の法定相続人の間でお母さんをめぐって紛争が生じるおそれのある場合には、家庭裁判所は、お子さんではなく、司法書士や弁護士などの第三者を成年後見人に選任しますので、選任された以降はお母さんの財産の保全を図ることが可能です。


【現時点でできることは何か?】

ただ、将来、お母さんが死亡した場合、あなたは相続人となり、遺産をもらう立場になります。

その際、妹さんがお母さんの預貯金を勝手に使っていたのであれば、貴方は相続人として法定相続分に応じてですが、返還請求ができます。

そのため、現在、どの銀行のどの支店にお母さんが預貯金を持っているかは最低限、把握しておくといいでしょう

通帳等が手にはいらなくとも、お母さんの死亡後、その金融機関に連絡すれば、取引履歴の取り寄せが可能です。

履歴照会により、妹さんがお母さんの預貯金をどのように扱っていたかのかが明らかになります。

現時点であなたがするべきことはそのような手配だと思います。

(弁護士 大澤龍司)

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★後見人による着服、不正出金【Q&A №534】

2016/10/07



【質問の要旨】

後見人である長男が、母の貯金をおろしていた

記載内容 不正出金 成年後見人 横領

【ご質問内容】

関係者は、最近亡くなった母(被相続人)と4人の子供です。

老人ホームで痴呆状態の母には、3,000万円の貯金資産があった筈(証拠書類あり)ですが、後見人だった長男から、「全て下ろして、貯金は残ってない」と言われ、騒動が続いてます。

過去、長男は母に無断で、キャッシュカードで何回も50万円/日限度に下ろして自分の懐(自分名義口座)に入れてました。気づいた4男が詰問したところ、その事は口頭で白状し、横領行為を認めています。

但しその録音記録はない。

明らかに後見人による業務上横領罪ですが、刑法の規定により、直血の親族、若しくは同居人には、刑罰が免除される、という事で裁判しても勝訴の見込みが立たなく、後見人を除く3人兄弟で困っております。

<質問>

1)裁判において、長男は「お袋に頼まれて、若しくは許可を得て、貯金を下ろした」とウソの弁明で押し通すと思われます。それを崩す方法は何かありますか

2)亡母の生活費、老人ホーム費用は遺族年金で十分に足りており、貯金に手をつける必要は全くない状況でした。

3)亡母の老人ホームでの健康状態、判断能力について、医学的な診断書を準備できれば、(1)の長男の真っ赤なウソを突き崩せるものでしょうか。

4)これから遺産をもらえなかった3人の兄弟が取れる抵抗手段につき、アドバイス下さい。

(庭の千草)







【親族相盗に該当しても、民事裁判で請求が可能である】

成年後見人である長男が成年被後見人である母の預貯金を使ったというケースに関する質問です。

このようなケースでは法律上は刑事と民事の問題の双方から考える必要があります。

民事の問題は、刑事上の問題とは無関係であり、親族相盗例に該当しても民事裁判で損害賠償請求や金銭の返還請求も可能です

参考までに言えば、刑事事件としても、親族が成年後見人の場合には、親族相盗例に該当する場合でも刑罰に問われます

参考判例:
家庭裁判所から選任された成年後見人が業務上占有する成年被後見人所有の財物を横領した場合、成年後見人と成年被後見人との間に刑法244条1項所定の親族関係があっても、同条項は準用されないと判断した判決として、最高裁平成24年10月9日決定。
コラム【相続判例散策】親族相盗例が適用されないケース(最高裁平成24年10月9日決定)もご参照ください。



【成年後見人の使い込みの証明は難しくない】

長男が成年後見人になった後は、母の財産は全て成年後見人の口座に移されます。

そのため、その預貯金を引き出すのは成年後見人以外にはありません

又、施設に入っているということであれば、母のために多額の出費をするということも通常は考えにくいので、成年後見人が引き出した金銭は成年後見人が使ったものと判断されることになります。


【成年後見人になる前の引き出し分について】

成年後見人になる前の引き出し分については、引出者が誰であるのか、又、被相続人のためにつかったのかどうかが問題になります。

使いこんだ長男がウソをつく事態を想定し、予め、これらの点に関する客観的資料(払戻伝票等の文書)を集め、ウソに対処できるようにしておくといいでしょう(当ブログQ&A №362Q&A №317をご参照ください)。


【成年後見人選任前の行為については、母の判断能力が問題となる】

成年後見人がつくということは、母の判断能力(意思能力)がないということです。

長男が、成年後見人がつく前に《母から贈与を受けた》と主張するのなら、その時点での母の判断能力が問題となります。

そのような場合に備えて、母の入通院していた病院や医院のカルテや看護日誌、介護施設の介護記録を取り寄せしておき、母に判断能力がないことが立証できれば、母からの贈与の存在やその効力がなかったことを証明でき、長男に対する反論ができるでしょう。


【長男以外の相続人の対抗手段】

前記のとおり長男が成年後見人になってから以降の引き出し分についての証明はそれほど困難ではありません。

又、成年後見人になる前の預貯金の引き出しに関する対応も前記のとおりです。

問題は、長男が財産を隠すということも想定しておく必要があるということです。

裁判で勝訴し、長男は他の相続人に金銭を支払えという判決が出ても、長男が財産を隠すと、1円も取れない可能性があります。
そのため、長男の銀行口座や不動産等、資産内容をできるだけ早期に確認しておく必要があります。

又、長男が資産隠しをするような気配があれば弁護士に依頼して、仮差押の手続きをしてもらう必要があるということも覚えておくといいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)

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★古い取引履歴を請求したい【Q&A №531】

2016/09/27

【質問の要旨】

古い取引履歴の開示請求をしたが、拒否された

記載内容 取引履歴 不正出金 拒否

【ご質問内容】

金融機関に相続人(本人)は、取引履歴の開示請求を、平成21年2月16日に求めたが、時効と言われ拒否された

長男夫婦共犯者の窃盗です兄弟姉の3人は、相続してません。

なお、長女は、精神障害者で生活保護にされ…母親契約で受取人は長女、また年金も38年掛けていた 

経歴(被相続人名義の経歴の開示を見れば、一目瞭然です。

被相続人死亡は昭和57年4月17日 相続手続きせず、昭和60年3月23日まで動きあり

残高、76円です と三井住友銀行が言った…平成21年1月22日の最高裁判決に矛盾を感じています。

(囲碁ばか)






【平成21年の最高裁判例の理解について】

今回の質問に記載されている平成21年1月22日の最高裁判決は、共同相続人の一人でも単独で取引履歴の開示を請求できることを認めたものであり、相続に関する極めて重要な判例です(詳細はコラム【相続判例散策】履歴照会に全員の同意不要参照)。

ただ、この判例は、何十年前の履歴であってもすべて開示せよと命じた判例ではなく、被相続人が無くなった直後(2ヶ月後)に開示を請求したものであり、請求した期間も死亡直前の6ヶ月程度にとどまるものです。

参考までに言えば、過去どこまで遡って照会に応じなければならないかという照会期間についての最高裁判例は当事務所の利用している判例検索で調べても見つけることができませんでした。


【一般には、履歴照会の回答は5年から10年以内の範囲である】

金融機関が履歴の照会に応じるのは、原則として申請日から5年ほどさかのぼった分であることが多く、特段の事情があるということであれば10年ほどはさかのぼるという扱いをする場合が多いです。

今回のあなたの請求では、昭和60年ころの取引履歴を平成21年になってから請求されたということであれば、すでに約25年が経過しており、金融機関としては関係資料及び取引履歴は廃棄済という対応をしています。

弁護士が、弁護士会を通じて金融機関に取引履歴の照会を出すことがありますが、その場合でも10年以上前の履歴が出ることは極めて少ないです(但し、この点は金融機関の扱いが一律ではなく、これまでの経験から言えば、三井住友銀行などは10年を超えて遡った分を提出してきたことがありました)。

あなたとしては、履歴がなければ長男の窃盗(不正出金)を暴くこともできず、納得しがたいところかもしれませんが、以上が取引履歴照会に関する実情です。


【なぜ銀行は古い取引履歴を出さないのか・・私の推測】

金融機関としては、最近はコンピューターで取引履歴を管理していますが、それとともに出金伝票などの文書を保管していますが、その情報あるいは文書の量は膨大なものになります。

そのため、一定の期間が経過した分については順次、削除あるいは廃棄している可能性があります。

金融機関がどの段階で削除しているのかは必ずしも明らかではありませんが、商法上の請求権は5年間、又、民法では10年間が消滅時効期間ですので、この長い方の10年間をめどに抹消及び廃棄している可能性があります

ただ、以下は私の推測ですが、不法行為の損害賠償請求権は最長、行為時点から20年間は消滅せず、金融機関としてはその間は請求されるリスクがあります。

そのため、金融機関は20年間は資料を保存している可能性があります(ただ、出金伝票などは電子ファイル化して保存している可能性が高いと思われます)。

ただ、10年を超える古いデータまで開示するという扱いをした場合、これに応じる金融機関の手間がかかりすぎるために、開示はあくまで10年を限度としているのではないかと思われます。

繰り返しますが、これはあくまで私の推測ですが、参考になれば幸いです。

(弁護士 大澤龍司)

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証券会社に対する調査方法【Q&A №528】

2016/09/07



【質問の要旨】

国債や株の取引記録を取りたい

記載内容 証券会社 取引記録 取り寄せ


【ご質問内容】 

銀行預金の取引記録は取れました。

国債と株をやっていたと聞いていましたが、口座番号がわかりません。

証券会社も定かではありません。

どのように取引記録を請求すればいいですか?
(ねこ)







【支店まで調べる必要がある】

証券会社に調査をかける場合は、少なくとも取引支店名まで判明している必要があります。

支店さえわかれば、当該支店はその支店での被相続人の取引内容をすべて教えてくれますので、顧客番号や取引の種類などはわからなくても結構です。

そのため、まず、支店名までなんとかたどりつくように努力する必要があります。


【まず、被相続人の自宅の郵便物を調べる】

被相続人が国債と株をしており、証券会社と取引をしていた可能性があるというのであれば、その証券会社から被相続人に対して取引明細書等の取引内容の通知が送られていることが多いです。

そのため、被相続人の住んでいた家に送付されてきた郵便物を確認しましょう。

取引通知書やダイレクトメールなどがあれば、その送付をしてきた証券会社の支店に照会を掛けられるといいでしょう。

なお、郵便物だけではなく、自宅にある書類も念を入れて探しておくと、意外なところから証券会社の判明のヒントが出てくる時もありますので、根気よく調査されるといいでしょう。


【預貯金の取引履歴から調べる】

預貯金の取引記録を入手されているのであれば、念のために、入金の備考や適用欄に《配当》の記載があるかないかを確認しましょう。

配当の記載があれば、株を保有しておられたのであり、証券会社と取引していた可能性が高いです。

次に入金欄を見て、ある程度多額の入金を探してみましょう。

送金で入金されている場合、金融機関にその送金を誰がしたかを照会すれば、証券会社が判明する場合があります。


【自宅や職場の近くの証券会社を探す】

郵便物や預貯金の取引記録でも証券会社が判明しないような場合には、最後の手段として被相続人の自宅及び職場周辺の証券会社を調べるしかないでしょう。

ただ、金融機関と異なり、証券会社数は限られていますので、もし、株を保有し、あるいは国債を持っていたことが間違いないというのであれば、手間はかかりますが、被相続人が行っていた可能性のある地域の証券会社の各支店を軒並み調査する必要があるでしょう。

(弁護士 大澤龍司)

大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
17:32 遺産調査 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

譲渡制限株式の相続と譲渡【Q&A №525】

2016/08/09



【質問の要旨】

相続譲渡の承認申請をしたが、承認される前に相続が発生

記載内容 株式 譲渡制限 承認


【ご質問内容】

譲渡制限株式を親が持っていて、それを私に譲渡するということで、2月にその会社に承認をもとめたら、承認は取締役会の承認が必要で、次の取締役会は半年後だといわれました

説明をきいただけで、合意はしていない。

そのとき、名義書換書類は会社に提出したのですが、3月に親が死亡してしまいました

そのあと、4月に姉が勝手に、その会社に電話をして、相続人の兄弟間(3人)で話し合ってから、後で連絡するから、名義書換を保留にしてくれ、という電話があったそうです。

すると、その会社は、姉のそのとおりにしてしまい、名義書換、取締役会の承認をしませんでした。

そこで、請求の日から2週間以内に承認又は不承認の通知をしていないときは、譲渡について承諾したものとみなす(会社法145条1号)。の規定を主張したのですが、その会社は、兄弟間ではなしあってくれ、というだけで、全然わたしの主張におうじてくれません。

先に、親から譲渡を受けてから、名義書換請求、譲渡承認申請したにもかかわらず、後で、生じた相続を理由として、名義書換請求、譲渡承認を拒否するというのは、おかしい、とおもうのですが、どう、対応したらいいでしょうか

調停を申請する場合、費用はいくらかかるのでしょうか?(弁護士費用除く)

期間はどれぐらいかかるのでしょうか

何回ぐらい調停はひらかれるのでしょうか

(akaba)






【遺産である株式の扱い】

株式が遺産の場合には、金銭債権ではないため、法定相続人全員が共有する(正確には《準共有》)ということになり、株式譲渡のためには、共有者全員の同意が必要です。

参考までに言えば、被相続人の預貯金については、金銭債権ですので、相続発生と同時に、各法定相続人に相続分で分割されます。

そのため、遺産の中に5000万円の預貯金があり、法定相続人は子が5人というケースでは、被相続人の死亡と同時に、各人が1000万円ずつを相続し、単独で銀行に1000万円を請求することが可能です。


【本件の質問の場合は譲渡があった】

今回の質問のケースでは、被相続人であるお父さんの生前に、株式が質問者の方に譲渡されており、それを前提として会社に譲渡承認請求をしたケースでスので、株式は生前にあなたに譲渡されており、遺産に含まれないと考えられます。


【本件の場合、株式譲渡承認があったと見なされる】

今回のケースでは譲渡承認請求をしていますので、会社としては、承認か不承認かを2週間以内に判断しなければなりません

定例の取締役会がいつであろうと、会社としては譲渡承認請求があれば、早期に取締役会を開催し、譲渡を承認するか否かを決定しなければなりません。

もし、2週間以内に取締役会を開催しなかったというのであれば、ご指摘の通り、承認と見なされます

そのため、あなたは会社に株主であることを主張することができます。

又、遺産ではありませんので、他の相続人の反対があっても、あなたとし ては単独で名義書換を請求することができ、議決権などの株主の権利を行使することができます。


【調停の申立費用及び期間】

調停の申立を考えられているようですが、その場合は遺産分割の調停ではなく、会社相手に株主としての権利行使を認めよ、あるいは名義書換をせよという内容になると思われます。

調停申立の費用は対象となるものの価額によって異なります。

今回の質問のようなケースでは、株式の価額を前提に、調停費用が決定される可能性が高いです。

仮に問題となる株式の価額が1000万円だとすると、調停申立費用には印紙は2万5000円分を貼り、これとは別に郵券(切手)代が約5~600円程度、必要になります。


【調停4~5回程度の期日で結論が出る】

調停の回数は事件ごとにケースバイケースとしか言いようがないのです。

ただ、私の長年にわたる調停委員の経験から言えば、4回から5回で解決するケースが多いです。

ただ、不調になる場合にはそれより少ない回数で打ち切られる場合が多いでしょう。

(弁護士 大澤龍司)

大澤龍司法律事務所
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10:35 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

他人名義の預金は遺産に含まれるか【Q&A №524】

2016/08/05



【質問の要旨】

相続人の1人が生前に多くお金を受け取っている場合の遺産分割

記載内容 名義借り 遺産確認

【ご質問内容】

父と相続について話しました。

父は遺産分割協議書を作って、母、私、妹に財産を分割すればよい、ということでした。

ところが、父は株などで儲けた分をすべて母の口座へ入金しているようなのです

この状態で父と母の全財産をもとに遺産分割が可能なのでしょうか。

以上、ご回答願います。

(HY)






【将来の遺産分割協議の話と理解しています】

質問の時点ではお父さんもお母さんも生きておられるので、将来、お父さんが死亡して、その相続問題が発生したときの遺産分割協議書の問題として回答します。


【銀行では名義を基準とする】

銀行としては、名義を基準として取り扱いをします

名義がお母さんであれば、お母さんの預金であり、お母さんの自由な引き出しを認めます。

お母さん以外の法定相続人が、お父さんの遺産であるからと銀行に申し入れをしたところで、銀行がそれを認めて、お父さんの遺産として扱うことはまずないでしょう。


【判例では名義よりも実体を重視】

預金の名義人であるお母さんが「これは私のお金だ」と言い張り、お父さんの遺産であることを認めなかったときはどうなるのでしょうか。

そのようなケースが裁判で争われたことがあります。

事案の内容によって異なりますが、名義人のものではなく、口座に入金された金銭を出した人の財産と判断するという判決が多いです(末尾に参考判例1件を掲載しおりますのでご参照ください)。

ただ、裁判まで行くのは費用や手間から見て、大変でしょう。

お父さんやお母さんが生きている現時点で、将来のトラブルを防止する方策を考えておくべきでしょう。


【現在、法的に打てる手段は少ない】

現時点では、あなたの取れる法的な手段は少ないです。

あなたはお父さんが死亡した後には相続人になりますが、それは将来の話であり、現時点ではお父さんの財産について何らの権利も持っておられません。

以下に記載したようにお父さんとお母さんを説得するしかないでしょう。


【事前の対策(その1)・・お父さんらを説得する】

現在、お父さんとお母さんが生きているのですから、ご両親に相談してもらって、お父さんから出た分は、お父さん名義の口座に戻すのが、一番良い方策でしょう。

しかし、お父さんがなぜ、自分の名義ではなく、お母さんの名義に入金したのでしょうか。

その点をお父さんに確認する必要があります。

自分が死んだ後のお母さんの生活資金の前渡しというのであれば、それは生前贈与になる可能性もありますし、又、お父さんとしてもお母さん名義から自分名義の預金へ戻すことに賛成しないでしょう。

あるいは、税務対策などで、お母さんの名義を利用しているという可能性もあります。

このような場合には、名義をお父さんに変更した段階で税務調査が入るということにもなりかねませんので、その点も配慮が必要でしょう。


【生前の対策(その2)・・出所はお父さんである証拠を残しておく】

現在すべきことでもう一つ、大切なことがあります。

それは、お母さん名義の預金の出所がお父さんであることの証拠をちゃんと残しておくことです。

将来、訴訟になった場合にも役立ちますが、それよりも、ちゃんとした証拠を残しておれば、その証拠を見せるだけで相手方が納
得することも多く、紛争の防止に役立ちます。


【お父さんが死亡したときの対策】

お父さんが死亡した後、お父さんの遺産であることをお母さんが認めず、その預金を全部引き出しそうな場合には、お母さんが預金を引き出さないようにする手続きを取ることもできます。

仮差押えという手続きになりますが、裁判所に申立をして認めてもらえれば、あなたの法定相続分の限度でお母さんの出金をストップさせることも可能です。

ただ、裏付け証拠などを裁判所に提出しなければならず、又、迅速に手続きをしなければならないので、相続に詳しい弁護士に、早期の段階で相談されることをお勧めします。


【参照判例:東京高裁平成21年4月16日】

被相続人の妻名義の預金について、財産の出捐者や当該財産の管理及び運用の状況、妻名義にすることになった経緯等を考慮して、被相続人の相続財産であると認めた。

詳しくは【相続判例散策】被相続人以外の名義になっている財産を相続財産に含めることはできるのか?をご参照ください。

弁護士コメント:同趣旨の判例は上記以外にも他数ありますが、事案の内容によっては反対の判断をした裁判例もあります。

(弁護士 大澤龍司)

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★亡母の賃貸物件の地代の入金口座を探したい【Q&A №515】

2016/07/01



【質問の要旨】

地代の受取口座を調べることはできるか

記載内容  使い込み 不正出金 相続人の口座

【ご質問内容】

母の口座を探しても地代の受取口座が見当たらない

どうやら預金管理の姉がほかにプールしている口座があるらしい。

弁護士にお願いすれば、疑わしい姉名義か同族会社名義の口座(3つぐらい銀行支店名推定)を調査いただけるか

口座の有無、死亡日の残高や過去10年の取引履歴など。

参考ー土地母所有50坪。上物貸ビル7F建(同族会社所有運営)母の地代 年3百万円、H14~計45百万円

H14 父の死と母のひとり暮らし

H17 母要介護中度

H20 脳梗塞入院 意思疎通困難

H28 母死亡89歳

(神原哲)







【他人の口座は確認できない】

金融機関は他人の名義の口座を開示してくれません

兄弟姉妹であってもお姉さんは他人です。

そのため、他人であるお姉さんの口座をあなたが確認することはできません。

(参考までに言えば、相続の場合には被相続人の口座を相続人が調べることができます。これは相続人は、法律上は被相続人と同一人とされているからです。)

調停や裁判になって、相手方に弁護士がついたような場合、弁護士間の交渉で相手方から同意を取り付けて預貯金の履歴を取り寄せしたり、あるいは裁判所から相手方を説得してもらい、相手方が取り寄せした預貯金の履歴を裁判で出させるという方法も考えられます

しかし、これらはあくまで相手方が任意ですることであり、こちらから請求しても相手方や裁判所がそのとおりするとは限らず、むしろ取り寄せに協力しないことの方が多いです。


【私ならこんなやり方でする】

いま、問題となっているのが、賃料が誰の口座に入っているのかという点であれば、私なら次のようなやり方をするでしょう。

① まず、お母さんの持っていた不動産を調査します。

これは市町村に問い合わせをすると回答してくれます(当ブログQ&A №482及び【コラム】名寄帳の取り寄せ参照)。

② 判明した不動産を現地調査し、建物の場合には居住者を、又、土地の場合には土地の賃借人を探し出します。

③ その後、その建物や土地の賃借人に賃借条件や支払方法、口座等を確認します。


【その後の手続きは・・・】

賃料の振込先がお姉さんの口座であると判明した場合、次にどのような手続きを取るかですが、この点については、専門家である相続に詳しい弁護士と相談し、仮差押え等の法的手続きを先行するのかどうかを含めて検討されるといいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)
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★不正出金をした兄に返還を求めたい【Q&A №502】

2016/05/18

【質問の要旨】

母の預金を兄が引き出した疑い

記載内容  不正出金 伝票 キャッシュカード

【ご質問内容】

10年前、兄が母親の面倒を亡くなるまで見るということで、預金を管理していました。私は今後の大変さを考えて、一切を兄に任しました。

1年後、兄が面倒を見切れないということで、母親の面倒を放棄し、私が引き取りました。そのとき、お金はこれしか残っていないということで、300万程の預金を受け取りました。しかし、あることから母親の預金等の金額が、元々4500万程であったことが分かりました。

母親の銀行取引履歴を取り寄せ、調べてみると、兄が母親と行動を共にしだした15年ほど前から預金が次々解約され、母親名義の預金が一切なくなっていました。

私が受け取った300万は母親の介護等の費用で底をつき、仕方なく母親は生活保護をうけざるをおえなくなりました。このことを母親に伝えると返還してほしいと言っております。

預金および面倒を見るということで使った家のリフォーム代・車の購入費用(約1000万円)を返還を請求することは可能でしょうか?

母親は引き取った当時は老人性うつ病で廃人のようでしたが、現在は元気になり、軽い認知はありますが、受け答えはしっかりしています。

ご教示ください。

(NEKO)







【不正出金を追及する時に調査すべき事項】

遺産からの預貯金口座からの不正出金を追及するときに当方の確認すべきポイントは次の3点です。

① まず、預貯金口座から多額の出金があること

② その多額の出金の使途が不明であること

③ その使途不明の出金をした人が誰かがわかっていること


次にそれぞれの調査方法を述べていきます。


【まず、預貯金口座から多額の出金があるかどうかを確認する】

出金状況については金融機関に問い合わせをするとわかります。

今回は生きているお母さんの口座の照会ですので、お母さん自身が過去の取引履歴を照会するといいでしょう。

ただ、生きている限り、多少の生活費等は当然必要です。

そのため、毎月10数万円が出金されているということでは不正出金とは言えないことが多いです。

ある程度の多額の金銭がまとまって出金されているか確認する必要があります。

私の場合には遺産の規模や被相続人の生活状況によって異なるのですが、低いときには30万円以上の、通常は50万円から100万円以上の出金を重点的に調査します。


【次に出金した金はどこに行ったのかを確認する】

多額の出金があったとしても、それが同一名義人の他の口座に送金あるいは預け替えされていたりすることがあります

又、自宅修繕費等の費用に充てられていることがありますので、このような出金分は使途不明金から除外します


【最後に、その使途不明を誰が取得したのかも確認する】

一番難しいのはこの点でしょう。

この点については、使途不明だと思われる出金伝票のコピーを金融機関から取り寄せするといいでしょう。

その際、その伝票の署名は誰がしたのか、代理人が出金していないか、更に金融機関の方で特記している事項は存在しないか、確認しましょう。

問題となるのは、ATM(現金自動預払機)からの出金です。

このような場合には、キャッシュカードを誰が持っていたのかを確認し、出金手続きをした人を特定していくことになります。

なお、出金時に被相続人(本件の場合にはお母さん)が入院しているとか、意思能力が欠けており出金できるような状態でなかった場合には、その時点で預金通帳やカードを管理していた人が手続きをしていたのではないかという推測も可能でしょう。


【預金および面倒を見るということで使った家のリフォーム代・車の購入費用(約1000万円)の返還を請求することは可能?】

前記のような点について、どれだけ確実な証拠を集めるかで決まります。

十分な証拠が集まれば、訴訟で返還を求めることも可能でしょう。

まずはしっかりと証拠を集め、その証拠を突き詰めて返還を求めるのが一番よい方法であり、それでも返還しないのであれば、弁護士に依頼して訴訟する方策も考えるといいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)
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★亡母の預金を使い込んだ兄の言い分【Q&A №495】

2016/03/10

【質問の趣旨】

建築費用は貸金か贈与か?遺産を公平に分配するには?

記載内容 不正出金 親に貸付 寄与分

【ご質問内容】

家内の実父は、約30年前に他界しており、更に1年前に実母も他界しています。

法定相続人は4人です。

長男は、約35年前に実親の家の新築の折、数百万円を借用書も無しに工面したと言っています。

そのお金を今になって「返して欲しい、しかも年5.5%の35年間の複利運用」条件を提示しています。

長男が中心となって作成した父の遺産相続協議の際、そのような負債があることは明らかにしておりません
し、返済請求書もありません。

従って、あたかも親への贈与と思われてもおかしくないものです。負債なら、膨れ上がる前に手の打ちようがあったはずです。

今やその金額は、母親の預金(5千万円)でも不足すると主張する始末です。

まさかと思って、他の兄弟が、銀行(3行)に確認したところ、案の定、母親の死亡1年前からATMから引出限度額で毎日下しており、残額はゼロと判明しております。

亡き母は認知症の為、介護施設に入っており、その支払い等のため銀行カードを長男に預けていたようです。

本件は、母親の預金額に目がくらみ、総取りのシナリオを後付で描いたように思えます。

公平に遺産相続する方法をご教示頂けませんか

(yuzu)







【まず、お金を渡したということを証明してもらう】

最初に、長男さんがお金を貸したかどうかの確認が必要になります

お金を貸したというのなら、当然お金の動きがあったはずです。

長男さんにまず、お金が動いたことの証明を求めましょう。

もし、長男さんがその点を証明できないのであれば、貸金の主張は無視して、遺産分割をすることになります


【贈与か貸金か】

もし、お金をご両親に渡していることが証明されるのであれば、次にどういう趣旨でお金を渡したのかが問題になります。

返還してもらうという前提ではなかったのであれば、長男さんから両親への贈与になりますし、返還してもらう前提なら貸金になります

建築資金ということですから、通常ならかなりの金額になります。

高額の金額にもかかわらず、借用書も作成していない、これまでの35年間返還されていない、という事実を考慮すると、貸金である可能性は極めて低いと思われます。


【複利はまずない】

長男さんは複利を主張されているようですが、そのように主張するのであれば、長男さんとしては貸金であることに加えて利息は複利であり、その利率は年5.5%で合意されていたということを証明する責任があります。

借用書も作らないようなとき、複利というような利息の合意が認められる可能性は皆無に近いと思います。


【貸金や贈与と特別寄与の関係】

仮に贈与があったとすれば、両親はもらった金銭は返還不要ですが、長男さんとしては、そのような金銭をあげたことで、長男さんが特別寄与をしたと主張することができます【コラム】寄与分とは?をご参照ください)。

もし、貸金を立証できた場合には、長男さんはご両親に返還を請求できるということになりますが、ただ35年も前の貸付であれば、特段の事由(例えば時効中断等)がない限り、時効で消滅している可能性が高いです(なお、貸金が時効で消滅していた場合でも、長男さんが特別寄与をしたと主張できる余地があります)。


【今後の取るべき対応について】

お母さんの判断能力がない段階で長男さんが預貯金を引き出していたのなら、お母さんは長男さんに不当利得の返還請求権を持つことになります

お母さんが死亡した場合、その返還請求権は各相続人がその法定相続分に応じて取得し、長男さんに請求することができます

長男さんの態度を見ていると、簡単に返還しそうな感じは受けませんので、遺産分割調停や訴訟等の法的手続きが必要だと思います。

ただ、訴訟して勝訴しても、財産がない場合には強制執行もできません

もし、長男さんの財産(例えば抵当権のついていない土地家屋など)があることが判明しているのであれば、長男さんがその財産を隠してしまう前に、財産の移動を禁止する仮差押え等の手続きを取る必要があります

この手続きはむずかしい点がありますので、弁護士に相談されるといいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)
大澤龍司法律事務所
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16:30 寄与・生前贈与 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

未分割の財産について【Q&A №493再質問】※2016/3/3追記あり

2016/03/01


未分割の財産について【Q&A №493】に関する再質問

ただ、実質、金融関係はトラブルを恐れて、法定の引き出しはできません。

また、共同相続登記もすべての相続人の住民票が必要で、住民標は世帯以外のものは、申請できません

よって、それらを拒否されると何もできないというところが本当のところではないでしょうか

(やまおやじ)





当ブログでは、再質問は原則としてお答えしないことにしております。

ただ、前回の回答を再確認しましたところ、弁護士の知識・立場での回答であり、わかりやすい回答ではありませんでした。
すみませんでした。

そのため、今回、補足回答をさせていただきます。ご了解下さい。

※2016/3/3追記あり(回答の赤文字部分)

《再質問:1》

ただ、実質、金融関係はトラブルを恐れて、法定相続分の引き出しはできません。

《再回答:1》
法定相続人がその法定相続分に該当する預貯金の支払いを求めても金融機関は簡単には払い戻しに応じないことはご指摘のとおりです。

死亡が判明した後の相続人の払戻請求についての金融機関の対応は一様ではありませんが、大略、次のとおりです。

① 少額(例えば100万円程度の範囲内)での引き出しなら認めるケース

私(大澤)の経験で、葬儀費用がないというケースで金額は100万円程度でしたが、ゆうちょ銀行が相続人の引き出しに応じたケースがありました。

但し、これは極めて例外的な場合で、私の経験ではこの1例だけです。

かなり前の話であり、現在では、ゆうちょ銀行でもこのような扱いはしていないようです。

※最新の情報を追加します(2016.3.2判明分)

現在、担当している相続案件で、最近、ある大手銀行(メガバンク3社のうちの1社)に法定相続分の請求をしたところ、相続分の支払いに応じると回答してきました。

このケースでの銀行は、そのような法定相続人の一人からの請求があった場合には

1)《法定相続人のうちの一人からそのような法定相続分だけを出してほしいという請求があったこと及び銀行としては請求に応じて支払いをする》ことを他の相続人に郵便で通知する。

2)ただ、他の相続人に《異議があるなら、法的根拠を示して申し出》をすれば、支払い停止をすることもある。
というものです。

3)従って、《他の相続人から異議が出ない》場合、あるいは《異議が出ても法的根拠がない場合》には、銀行は請求した相続人に法定相続分の支払いをすることになります。

このメガバンクの対応は、最高裁判決の趣旨に沿うものですが、これまでの銀行の扱いを大きく変更するものです。

この銀行については、全支店でそのような扱いをしているのか、たまたまその支店だけでの扱いなのかは明らかではありません(ただ、単独の支店だけでそのような扱いはすることは難しいので、全店で同様の扱いをしている可能性が高いです)が、最新情報としてお知らせしておきます。

なお、上記メガバンクの扱い変更がありましたので、ゆうちょ銀行にも念のために確認しました。

その結果、ゆうちょから次の回答を得ました。

1)原則として法定相続分の返還請求は認めないのが原則である。

2)しかし、100%出さないというのではなく、場合によれば払い戻しに応じることがあるが、その場合には各郵便局ではなく、貯金事務センターと協議して結論をだすということです。


② 他の相続人に確認をするケース

一部の金融機関では、法定相続人から法定相続分の払戻請求があったが、これを認めていいかどうかを、他の相続人に郵便で通知し、特に異議がでないような場合には、法定相続分だけの払い戻しに応じる場合もあります。

ただ、このような対応をする金融機関も、現在では少ないです。

③ 訴訟を提起してくれというケース

裁判での結論は別として、他の法定相続人の同意がない以上、裁判で請求してほしいというケース。

金融機関としては、法定相続人の一人を代表相続人と指定することを他の相続人に求め、その代表相続人が預貯金の解約をさせ、分配はその代表相続人の責任でさせるケースがほとんどです

代表相続人が選任されない場合には、訴訟で請求してもらうという対応です

なお、訴訟を起こされた場合、金融機関は他の相続人にその旨を通知し、特に他の相続人から異議がでない場合には、訴訟上の和解で返還に応じるケースがほとんどです。

もし、他の相続人から異議が出た場合には他の相続人にも訴訟に参加させるように手配(訴訟告知といいますが)をし、その後に出る判決に基づき返還に応じます。

本来ならば、預貯金が分割債権であり、相続の時点で各法定相続人に帰属しますので、その範囲での払戻請求なら、他の法定相続人の同意は不要というのが裁判所の見解です(なお、最一小判昭和29年4月8日に関する【コラム】預貯金等の金銭債権は相続開始後どのように扱われるのか?にこの点に関する裁判例を紹介しております。

また当ブログの【Q&A №148】ゆうちょ銀行に対し預金払渡請求ができるのかにほぼ同様の内容の記事がありますので、そちらもご参照ください)が、遺言書が存在するような場合もあるため、金融機関が慎重に対処しているのはご指摘のとおりです。


《再質問:2》

共同相続登記もすべての相続人の住民票が必要で、住民票は世帯以外のものは、申請ができません。

《再回答:2》

法定相続に応じた相続登記であれば相続人の一人の単独申請で登記可能です

住民票は弁護士や司法書士に依頼すると取り寄せ可能ですし、また、戸籍謄本等も同様に弁護士等であれば取り寄せが可能ですので、これらの書類を整えれば、法定相続人一人で単独で登記が可能です。


《再質問:3》

よって、それらを拒否されると何もできないというところが本当のところではないでしょうか。

《再回答:3》

以上に述べたように、(預貯金の場合)訴訟が必要になったり、(預貯金や登記の場合)戸籍等の書類が必要ですが、法定相続人が他の相続人の同意を得ることなく、法定相続分に相当する預貯金の払い戻しをすることも可能であり、また、相続登記も単独申請が可能です。

ただ、弁護士らの力を借りる必要があるということについての説明が不十分でしたので、この点を付け加えさせていただきます

(弁護士 大澤龍司)
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【相続判例散策】預貯金等の金銭債権は相続開始後どのように扱われるのか?

2016/03/01
相続判例散策

預貯金等の金銭債権は相続開始後どのように扱われるのか?


【判例紹介】

損害賠償請求権という金銭債権について、最高裁判所の裁判例で次のようなものがあります。


【事件の概要】

立木の所有権の侵害を原因とする損害賠償請求事件で係争中に原告が死亡し、その妻及び三名の子が訴訟手続を引き継ぎました。

この場合に、この損害賠償請求権は相続により、誰にどのような形で相続されるかが問題となりました。

【判決の概要】

損害賠償請求権のような金銭請求をする債権について、「相続人数人ある場合において、相続財産中に金銭その他の可分債権あるときは、その債権は法律上当然分割され各共同相続人がその相続分に応じて権利を承継する」と判断しました。

最一小判昭和29年4月8日 民集第8巻4号819頁)


【弁護士コメント】

預貯金を金融機関に預けていると、預金者は銀行に対して預貯金の払戻請求権を持つことになります。

この払戻請求権は金銭の請求を求めるものであり、金銭債権の一種になります。

上記最高裁判例は、損害賠償債権という金銭債権に関するものです。

この判例は、金銭債権は相続開始とともにそれぞれの相続人が独自に取得するということを言っています。

この判例があることから、仮に損害賠償請求権額が900万円であり、相続割合が同じ3人の相続人がいた場合、各相続人が300万円を相続することになり、また、他の相続人とは別個に(ということは他の相続人の同意を得ることなく、独自に)請求することができるということになります。

預貯金債権も金銭債権のため、相続開始時点で各法定相続人に分割して相続されます。

そのため、各相続人が独自に金融機関にその相続持ち分に応じた請求をすることができます。

この点を明確にした裁判例としては、預貯金債権について「預貯金は遺産分割を待つまでもなく、相続開始と同時に当然に分割されるのである」とした高等裁判所段階の決定があります(東京高決平成14年2月15日 家庭裁判月報54巻8号36頁)。

ただ、金融機関としては、遺言書があるかどうかなど全くわからない状態ですので、原則として一人の相続人からの払い戻しに応じることは少なく、代表相続人の指定の手続きを求めてくるのが通例であり、金融機関の立場からすればこのような扱いもやむを得ない面があります。

ただ、本来、法定相続分を取得しているのですから、各相続人としては訴訟で払い戻し請求が可能であり、その訴訟をすることについて他の相続人の同意は不要ですし、遺言書が出てきた等の特段の事情がないかぎり、法定相続分の支払いを命じる判決が出されます。

(関連ブログ未分割の財産について【Q&A №493再質問】参照)

(弁護士 大澤龍司)
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14:42 相続判例散策 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

亡叔母の通帳を施設が返してくれない【Q&A №490】

2016/02/04

【質問の要旨】

施設の顧問弁護士が通帳を渡してくれない

記載内容

介護施設 遺品 引き取り


【ご質問内容】

先日、叔母がなくなり相続権のある私含め兄弟とのやり取りの中で資産管理は先方の施設で行っていた関係から今回、死去に伴い身元引受人の私が交渉しているのですが、

ようやく私物の方は引き取れたのですが、
本日、施設の顧問をされている弁護士さんとお会いして私と叔母との血縁がわかる戸籍等を提示して通帳等は返して頂けると思った処、
確かに相続者ではあるが銀行に提出する書類等がそろったら一緒に銀行に行きそこで渡すとの事、

尚、その際に入院費で未払いを払って頂きたいとの申し出だったのですが、
私の認識ですとすぐに凍結した口座からの入出金は難しいと思います。

又、先方様には私にご請求書頂ければお支払いしますので入金の方、確認出来てからでいいので通帳等の返却を求めたのですが責任があるとのご回答にてそれも却下されてしまいました。

これが現実的な事なのか分からず今回、ご相談させて頂きました。

お手数ですが宜しくお願い致します。

(ひでと)






【施設の顧問弁護士が通帳を渡さない理由を考える】

施設の側の立場で考えると、相続人からの私物や通帳の引き渡しの申し出を拒む理由は次の2点でしょう。

① 申し出のあった相続人に返還した場合、後日、他の相続人からクレームが出てくる可能性がある。
② 施設の利用料金等に未払い分の回収をはかる口実として、通帳等の引き渡しを拒んでいる。


【他の相続人からのクレームが理由の場合】

あなたは施設に入っていた被相続人の身元引受人ということですが、この身元引受というのは入居者に問題があったときに責任を取るべき立場であっても、被相続人の財産全部を取得するという立場ではありません。

そのため、施設側としては、被相続人の財産に関することは、相続人全員の同意を取ってきてほしいと主張することが可能です。

これは施設が相続トラブルに巻き込まれないための配慮です。

今回は、あなたに私物を返還しているようですので、これが理由とは考えにくいですが、拒否の理由がそのようなものであるなら、あなたとしては相続人全員の同意を取り付けるしかないでしょう。


【未払分の回収を考え、通帳の引き渡しを拒否している場合】

本件では、施設の顧問弁護士は未払金の回収を考えているのかもしれません。

しかし、あなたとしては通帳をもらわなくとも被相続人の預貯金がどこの支店にあるという点さえ確認できれば、その金融機関に被相続人がなくなったことを伝えて、所定の手続きすることにより、預貯金の回収が可能です。

この場合、金融機関としては、相続人が誰であるかがわかる資料として戸籍謄本や除籍謄本等の書類を求め、また、相続人全員からの実印を押捺した解約同意書あるいは代表相続人の指定及び印鑑証明書の提出を求めますが、預金通帳の提出は必須ではありません。

もし、通帳がなければ紛失したとの欄に✔を入れる程度で済みます。

そのため、施設が預貯金通帳を返還しないのなら、預貯金通帳なしで遺産である預貯金を解約して、金銭の払い戻しを受け、その後、施設に未払い分を確認し、その金額を持参して、預貯金通帳の返還を受けるといいでしょう

(弁護士 大澤龍司)

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16:43 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

資産家の叔母の公正証書遺言【Q&A №489】

2016/02/03

【質問の要旨】

公正証書遺言が有効かどうか

記載内容

相続人 同席 カルテ

【ご質問内容】

都内主要駅から徒歩1分の所に住む叔母が、H25に85歳で亡くなりました。

叔母は後妻に入り(前妻病死 前妻の子とは養子縁組なし 実子なし ご主人も父母も亡くなっています)ご主人と工場を経営し、不動産、預貯金等、多額の財産を残しています。

相続人AとBが財産に目をつけ叔母を奪い合い、Aが入居させた老人ホームからBがさらって行った時は警察を呼び、又Aが叔母の取引銀行へ行ってBが財産を狙っているから、お金を下さないで欲しいと話し、聞きつけたBが叔母を窓口まで連れて行き、そんな事はないと言ってのけた強者と、Aから聞きました。

H22にBに全てを相続させる、H25にAに全てを相続させる(こちらは公正証書)全く内容が違い、自分1人に有利に書かせたと疑う私を、Aの弁護士を通して話せと突っぱねます。

H24には、叔母が気力も体力も無くなったとAが話していて遺言を書く頃は相当弱っていたのではと思って診断書などを取り寄せたいのですが、BがAの悪口を病院に触れ回っていて私も不審がられると思い取得できず大変困っています。

以前の電話でAは、他の相続人に言われたら火が噴いて大変だ!証書を作るとき保佐人が、相続人はA1人だから他に言わなくて良いと言われたとパニックでした。

相続人がその場にいて良いのでしょうか。

この事を息子に相談したメールは証拠になりますか?

よく眠れず、苦しいです。

先生、助けて下さい。よろしくお願いいたします。

(晴れたい子さん)





【同席だけでは無効とはならない】

叔母さんの生前から激しい争いがあり、別々の異なる内容の遺言が作られるなど、根深い紛争がうかがわれる案件です。

お互いが疑心暗鬼となり、相続人Aさんが叔母さんに対して、「自分に遺産を渡す遺言を作れ」などと圧力を加えて有利な遺言を作らせたと疑いたくなるのも理解できます。

しかし、公証人は遺言者である叔母さんの意思を確認しているはずであり、その場で脅迫や詐欺まがいのことが行われたことはまずないと考えていいでしょう。

なお、公正証書遺言を作成の際、通常、公証人は同席する人がいれば誰かを確認し、親族や利害関係人であれば席を外すように指示しますが、これは遺言者の真意を確認するためです。

その場に、Aさんがいたことで、叔母さんが《無言の圧力》を感じたという可能性がないわけではありませんが、それだけでは遺言が無効ということまでは言えないでしょう。

なお、同席の件を相談したメールについても、単に「Aも同席した」というだけのメールであれば、それだけで遺言を無効とする証拠とまでは言えないと思われます。

【代理人を通してカルテ開示を求める】

カルテの取り寄せについては、叔母さんの法定相続人(例えばAさん)なら取り寄せが可能のはずです。

Bが悪口等を言ったことで病院にカルテを請求しにくいというのもおかしいことだとは思いますが、病院が出さないというのであれば、弁護士に事件を委任して、その弁護士から弁護士会照会等の方法で取り寄せの手配をしてもらえば、病院としては拒む理由はありません。

いずれにせよ、本件のような案件は弁護士に依頼せずに解決するのはむずかしい案件ですので、早期に相続事件に詳しい弁護士に相談・依頼されるのがいいでしょう


《参考裁判例:こんな判例があります!》

参考までに、(相続人ではありませんが)証人になれない親族が同席して作成された公正証書遺言を有効とした最高裁判所の判例もあります(最高裁判所平成13年3月27日判決)のでご参照ください。

(弁護士 大澤龍司)
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10:01 遺言 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

借名預金は遺産になるか【Q&A №483】

2015/12/16

 【ご質問の要旨】

父の死後、遺産分割協議がされたが、その後、父が貯金していたと思われる義母名義の口座が見つかった。
この口座のお金を、父の遺産として相続することができるか。


記載内容

借名預金 名義貸し 意思能力


【ご質問の内容】

父が平成24年1月に亡くなりました。

私は、外国に住んでいるので、弁護士とやりとりして、情報が金庫から見つからない状態で、父の銀行口座などを昔家で見かけた銀行や郵便局からのタオルやカレンダーを元に銀行の変遷を加味して、幾つかの口座を見つけて、其れを義母と等分しました。

義母は、介護2で気が定かでは有りません。
義母は、老人ホームに入居して、父の会社の年金と国の年金と生命保険で暮らしています。

その後、今年の春、私が日本に行き、家の掃除やごみ捨てや片付けを2ヶ月程している時に、父の思いや毎年口座のお金のバランスや判子や銀行手帳、保険手帳、金庫を開ける数字などが出てきました。 

その中に父が最後迄管理していた父の口座と義母名義の銀行口座が出て来ました。

義母は働いていません。

この口座は父のお金だと思うのですが 半分貰う権利が私にあるのでしょうか

残された家族は私と義母の2人だけです。

(yspads)





 【原則は名義を基準に判断】

今回のような家族の名義を借りた預金を一般に「名義預金」や「借名預金」などといい、一昔前はよく見られました。

このような預金であっても、外形上は名義人から判断され、特に誰も指摘をしなければ銀行は義母の預金であるとして各種手続を進めると思われます。


【預金を行った人物を実質的に判断】

ただ、中身の金銭を積み立てた実質的な預金者が別に存在することが判明した場合、話が変わってきます。

すなわち、預金の中身は、実際に預金を行ったお父さんの財産(遺産)であると判断される場合もあるということです。

この場合、あなたにも法定相続分を相続する権利があることになります。

そのため、この点が裁判で争われた場合に、生前の生活状況や収入状況などを当時の資産(たとえば給与口座の取引履歴など)から判断し、名義預金であったことが認められるケースもあります。

但し、義母のものではなく、お父さんのものであるという点の証明はあなたの方でする必要がありますから、裁判所がお父さんのものであることを十分に納得するような証拠を出す必要があります。

もしお父さんが預金したことに間違いなさそうでしたら、他の預金口座の取引履歴などと照らし合わせ、お父さんの口座からその義母の口座に積み立て(送金など)されていることなどの事情を確認されると良いでしょう。


【意思能力の問題が予想される】 

ただ、実際の手続は厄介なものになる可能性があります。

今回は(少なくとも形式上は義母名義のため)義母にもお父さんの遺産であることを認めてもらい、その旨の書類に署名押印をしてもらって銀行に提出する必要があると思われます。

しかし、義母が気が定かでない状態であれば、義母が意思能力を欠いて署名押印ができない(あるいは、署名があっても無効になる)可能性があります

この場合、義母に成年後見人を付ける申し立てが必要となるなど、面倒な手続が必要となりますので、ご注意ください。

また、成年後見が必要なケースであるとすると、以前にした遺産分割協議も無効になる可能性もあることに注意が必要です。


(弁護士 大澤龍司)
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13:14 遺産 | コメント(2) | トラックバック(0) | 編集

★税務調査で判明した口座【Q&A №480】

2015/12/03

 税務署は被相続人の口座を教えてくれないのでしょうか。

【ご質問内容】

相続が始まると、税務署は被相続人のみならず家族名義の銀行から証券会社の口座をすべて把握するというような話を耳にしたのですが、だとするならば、せめて被相続人の口座ぐらいは相続人に知らせてくれないものでしょうか?

【Q&A №98】預金の取引履歴を調べる方法を読みますと、「どこの金融機関だけでなく、支店名も調査しましょう。」とあり、口座を見つけるのも苦労する様子が伝わります。

果たして税務署は本当に全ての口座を把握しているのでしょうか?それとも知っていても教えてくれないのでしょうか

記載内容 税務署 相続税

(磯野家)





 今回は税理士業務の問題ですが・・

今回の相談は税務調査の話です。

そのため、詳しいことが知りたいのであれば、税理士にお尋ねいただく必要があります。

ただ、弁護士の理解している限度で以下の回答をします。

【税務署は調査結果を教えてくれないが、修正申告でわかる場合がある】

相続税の未納付がないか、あるいは申告された相続税の内容に誤りがないかどうか、税務署が調査することがあります。

その際、税務署は被相続人のみならず、必要に応じて家族名義の金融機関口座や証券会社などの取引内容を調査することがあります。

ただ、税務署はあくまで徴税の都合で調査するのであり、その内容は他の相続人に教えてくれません

【過去の経験からいえば・・】

私(大澤)は過去に一度、税務署に《節税された可能性がある》との情報提供をしたことがあります。

遺産総額が億を超す事件であり、相手方が被相続人の預金を取り込んだケースでした。

そのとき、税務署は調べた結果を教えてくれませんでした。

ただ、隠された財産がある場合には、通常の場合は修正申告が必要となります。

その際、共同相続(要するに相続人が複数)であれば、隠した人以外の相続人も相続税を支払う必要があり、そのために修正申告書に捺印をする必要があります。

その修正申告書に、新しく記載された財産があれば、それが税務調査で新たに判明した財産だということがわかります。

その限度では、遺産の詳細がわかることになります。

ただ、民主党政権下で国税通則法等の税務関連法が改正されましたので、取り扱いが変わっている可能性もなくはありません。

詳しくは税理士にお尋ねください。

【税務署がすべての口座を把握しているわけではない】

十数年前の話ですが、私が破産管財人に選任された破産事件について、破産者が財産隠しをしているのではないかとして、大阪の全金融機関に対し、関係口座の有無について照会を出したことがあります。

この時には、大阪管内の支店ベースで約900店舗の金融機関がありました。

合併等で現在はそれよりも少なくなっているでしょうが、いずれにしても支店数が膨大です。

税務署がその全てに調査を入れていることはまずないと思われ、被相続人や問題となる相続人の全部の口座を調査・把握している可能性は極めて少ないでしょう。

(弁護士 大澤龍司)

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13:04 遺産調査 | コメント(1) | トラックバック(0) | 編集

相続人の金融機関に対する裁判【Q&A No.471】

2015/10/05



私は相続人の一人です。

他の相続人が、金融機関を相手に訴訟を起こして、預金を手に入れようとしています。

私も弁護士に依頼して訴訟に参加しなければ、預金を受け取れないのでしょうか?



記載内容

金融機関に対する裁判


【ご質問内容詳細】

 初めてまして。

 父が亡くなりゆうちょ銀行に父の預金があります。

 母と弟そして私が相続人ですが相続金の分配が決まり相手方(母と弟)から当事者参加申出書が届きました。

 相手方は弁護士に依頼しゆうちょ銀行を訴えるという恰好で相続金を手に入れようとしています。

 やはり私も弁護士に依頼しなければ相続金を受け取れないのでしょうか?

 独自で依頼して受け取れる方法はないのでしょうか?ほったらかしにしたらどうなるのでしょうか?

 教示お願い致します。

(positive)







【通常の場合の預貯金の分配手続き】

 遺産の中に預貯金がある場合、その支払いを受けるためには、通常の場合、

①法定相続人が誰かがわかる被相続人が出生以降の除籍や戸籍謄本を提出する。

②各金融機関の定める相続人代表者選定届けを出す(各相続人の実印を押捺し、かつ印鑑証明書の添付が必要です)。

ことが必要です。

 この場合にはその代表相続人に指定された人が代表で預貯金の払い戻しを受け、他の相続人に渡すということになります。
(ただ、この手続きは金融機関により異なりますので、予め、どのような手続きが必要かを当該金融機関に確認しておく必要があります)



【相続人が預貯金の分配のための訴訟を起こす理由】

 遺産に預貯金があった場合、各相続人がその法定相続分に応じた預貯金額を相続で取得します。

 しかし、相続人の意見が一致せず、代表相続人が決定できない場合、自分の法定相続分に応じた預貯金を払ってほしいと金融機関に申し出をしても、金融機関がこれに応じることは少ないです(金融機関の中には他の相続人に支払っていいかどうかの質問状を出し、他の相続人が同意する場合には支払ってくれるところもありますが)。

 金融機関としては、例えば《ある特定の人に預貯金を相続させる》などという遺言状があった場合、その相続人から抗議をうけることも想定しておく必要があります。

 そのため、金融機関は、各相続人に裁判をしてもらい、裁判所の判決を出してもらえば何の心配もなく支払いができるようになります。

 これが金融機関が裁判を求める理由です。

 なお、金融機関としては裁判があったことを他の相続人に知らせる手続きをとっていますが、これはその裁判での請求に異議がある人は申し出てくださいということを知たせるためです。



【あなたのとるべき対応】

 訴状のコピーなどがあなたに送付されていると思います。

 あなたとしてはその内容を確認する必要があります。

 今回は当事者参加の申し出書という書面が来たようです。

 これは請求しているお母さんや弟さんがそのような書面送付手続をしたのか、あるいは金融機関がしたのかわかりませんが、訴訟で請求されている内容に異論がないようなら、訴訟に参加するためにあなたご自身で裁判所に出頭し、異論がないことを主張されるといいでしょう

 そうすれば、裁判所としては請求の内容に従って、金融機関にお母さんと弟さんに対する支払いを命じるだけではなく、あなたの分についても支払いを命じるようにする手配をするか、和解で支払いをしてくれるような手続きをしてくれるでしょう。

 なお、請求に異論があれば早急に弁護士に相談された方が良いでしょう

(弁護士 大澤龍司)
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17:49 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★亡弟の預金を母が法事の費用に使ってしまった【Q&A No.466】

2015/09/11



【ご質問内容】

 私の母のことで相談させていただきます。

 13年前に亡くなった弟の預金、約50万円を銀行で相続手続きをしないまま、弟の法事や、弟の友人の冠婚葬祭の費用に充てる為に引き出していたことが分かりました。

 約10万円を使い、残金は40万円の様です。

 このような場合、今後どのような手続きをすれば良いのか。

 また、母に対し罰則等はないのか心配しております。

 ご教示の程宜しくお願い致します。


記載内容

  不正出金 法定相続分 親族相盗例

(ななこ)







【息子の死後にその預金を引き出した母は処罰されない】

 被相続人である息子(弟さん)の死亡した後に、そのお母さんが遺産である預貯金を引き出した場合、窃盗等の犯罪が成立しますが、刑法で親族間の窃盗は処罰しないと定められていますので、お母さんが処罰されることはないでしょう(この点については過去のブログ【Q&A №389】不正出金による窃盗罪は成立するかに詳しく記載していますのでご確認下さい)。



【今後、遺産分割協議をする】

 今回の質問では、相続関係が不明です。

 お弟さんに配偶者(妻)がいるのかどうか、また、子がいるのかどうかが明らかではありません。

 もし配偶者や子がおれば法定相続人になりますので、その人らの間で遺産分割協議をすることになります。

 法事の費用は相続費用ではありませんので、お母さんが相続人でないとした場合、他の相続人はお母さんが引き出した50万円の返還を求めることができます。

 ただ、そのうち、10万円は弟さんの法事費用ということであれば、その分を除外して残額を返還してもらうという解決もあり得ますが、この点も含め、法定相続人間で遺産分割協議で解決するべき事項でしょう。

 お母さんが法事費用に支出したということのようですので、弟さんには配偶者も子もいないということかもしれません。

 その場合には、お母さんが直系尊属として法定相続人になりますし、お父さんが生きておられるのであれば、お母さんとお父さんの間で遺産分割の協議をすることになります。


(弁護士 大澤龍司)
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18:00 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

相続放棄はいつから数えて3か月【Q&A №455】

2015/07/15



【質問のまとめ】

「相続の開始があったことを知った時から三箇月以内」の「知った時」とは、いつですか?

戸籍謄本類は、それぞれの相続人が各自揃えて提出すべきですか?



記載内容

  借金 起算日 3ヶ月


【ご質問内容】

 「相続の開始を知ったとき(日)」がいつに当たるのかがわかりません。

 最初に銀行からの手紙が来ました。

 亡くなった叔父の件で重要な案内があると、書かれていました。

 詐欺かなにかと思い、銀行へは電話せず、叔父の家族へ問い合わせました。

 それはもう済んだことだから放っておいていいと言われました。

 しかし、翌日になって直ぐに相続放棄の手続きをしてくれと言われました。

 このときに、初めて叔父に借金があり、叔父の家族は全員相続放棄をしていたことを知りました。

 1週間後に銀行へ電話をして、叔父の借金の額と、相続人である私に返済して欲しいと言われました。

 この場合、叔父の家族が相続放棄をしたと知った日なのか、それとも銀行の手紙が届いた日なのか、どちらになるのでしょうか?

 また、戸籍謄本類のことなのですが、同順位の相続人が先に提出していた場合でも、各自が揃えて提出した方がいいのですか?


(はちわれ)







【相続の開始を知ったときとは】


 相続放棄については相続開始を知って3ケ月以内家庭裁判所に放棄の申し出をする必要があります。

 第一順位の法定相続人の場合には、被相続人が死亡した日(正確に言えば、被相続人の死亡を知った日)が起算日になります(なお、初日を算入しないことになっていますので、例えば1月1日に相続の開始を知った場合には、4月1日が期限になります)。

 次に先順位の相続人が相続放棄をした場合には、その相続放棄があったために、あなたが相続人となったことを知ったときが起算日になります。

 銀行から手紙が来たとしても、その内容が「叔父の件で重要な案内がある」というだけでは、あなたが相続人になっていることは読み取れませんので、その手紙が来た日は起算日になりません。

 あなたが叔父の家族の全員が相続放棄をしたことを知ったという時点までいくと、あなたが相続人になったことが判明しますのでこの日が起算日になります。



【提出通数について】

 家裁に相続放棄の申立をする場合には、あなたと死亡された被相続人との間に相続関係があることを証明する書類(戸籍謄本や除籍謄本)の提出が必要です。

 提出通数ですが、違う時期に放棄をする場合にはその都度、戸籍等の謄本の提出が必要になります

 同時に一緒に申し立てをするのであれば一通で足りますが、同順位の相続人であっても、別々に申し立てるのであれば、通常は、それぞれの方が戸籍謄本類を提出する必要があります。

(弁護士 大澤龍司)
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13:36 相続放棄 | コメント(1) | トラックバック(0) | 編集
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