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ゆうちょ銀行は詐欺罪で告訴しますか?【Q&A №579】

2017/09/13


【質問の要旨】

母の貯金を不正に出金した兄夫婦を詐欺罪で告訴できるか?

記載内容  詐欺罪 偽造 銀行 

【ご質問内容】
 昨年5月に母が亡くなりました。
 相続人は兄と弟の私、2人です。
 母は生前、約13年前に公正遺言証書(私には内緒で、おそらく兄に誘導されて)を作成していました。
 内容は母の死後、初めて、私は知ったのですが、土地、家屋(時価6千万円ぐらい)は全て兄に、預貯金は全て私に、という内容でした。

 その行為が許せなく、弁護士を通じて、立証できた金額1900万円あまりを返却してもらいました。
 つまり、民事的には一応解決となっています。
 然しながら、未だに、兄夫婦の今までの行為が許せなく、刑事的に何か罰則を与えることは、出来ないかと思っています。

 そこで、質問なのですが、兄の妻が、平成23年12月6日に、ゆうちょ銀行の窓口で母の定額預金70万円を解約しています。
 それは、母の委任状(母の偽署名をしたもの)を作成して解約しています。
 その70万円はゆうちょ銀行の母の普通預金口座に一旦入金されていますが、1か月ぐらいで、2~3回に分けてキャッシュカードで全額引き出されています。
 その時、母は介護施設に入所していて、外出することは出来ない状態でした。
 また、介護日誌では、認知による奇怪な行動が解約日の前後に見られます。
 また、認知度の長谷川式テストでも解約の意思表示など出来る意思判断は不可能な状態でした。

 この内容で、詐欺罪は成立しますか?
 ご回答お願いします。
(ultimora)



【犯罪ではあるが処罰されない】
 まず詐欺罪が成立するかどうかですが、お母さんの署名を装ってお兄さんが委任状に無断でサインをすれば、それは有印私文書偽造罪に当たる行為です。
 また、その委任状を銀行に提示してお母さんの預金を引き出せば、銀行に対する詐欺罪が成立しうる行為です。
 また、キャッシュカードでの引き出しについては預金を窃盗したという見方も可能です。
 しかし、これらの罪については、法律上は親族相盗例という制度が適用され、親子間の詐欺罪や窃盗は処罰されません(刑法251条、同244条準用)。

 親族相盗例とは、親子間や同居の親族間の窃盗や詐欺について処罰しないという規定であり、家庭内のもめ事は家族間で話し合って解決するべきであり、警察のような国家権力が介入するべきではない、という考え方から導入された制度です。
 そのため、詐欺罪や窃盗罪で刑事告訴しても、警察が捜査を開始することはまずありません

【銀行は告訴しません】
 次に、有印私文書偽造罪については親族相盗例が適用されないため、銀行などが告訴すれば警察が動き出す余地が一応残っています。
 しかし、銀行は大量の預金事務を処理しているため、告訴による警察の事情聴取の負担などで争いに巻き込まれる事による負担を回避したいでしょうから、銀行が相続人などを警察に告訴することはまずないと考えられるといいでしょう。 

【民事上の争いをするほかない】
 今回の様な不正出金は民事上で争うほかないのが実際のところです。そのため、弁護士を通じて民事上は一応の解決をしているのであれば、立証できた1900万円を返還すれば、これ以上請求できないことになっている可能性が高いと思います。
 おそらくは、民事裁判で不正出金を取り返すことができたのも長谷川式認知テストなどをきちんと踏まえられたからだと思いますし、それ自体は正しい方法と思われます。
 民事上も一応の解決を経ているのであれば、本件ではこれ以上の責任追及を行うことは諦めざるを得ないでしょう。
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
ホームページ  http://www.osawalaw.com/
 
10:08 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★土地の売買と認知症について【Q&A №522】

2016/08/01



【質問の要旨】

認知症の父の土地売買契約書を偽造

記載内容  認知症 告訴 偽造

【ご質問内容】

私は、父の相続人です。

父が生前土地を売る契約をしていました。

父は当時認知症で、土地の売買契約書は父の妹が偽造して作成していました。

この契約を解除できないかのご相談です。

その土地は、現状地目とも田で、買い主がマンションを建てる目的で購入しました。

契約当時認知機能検査MMSEは10でした。

又、父の妹を有印私文書偽造罪で告発は出来ないでしょうか。

よろしくお願い致します。

(choco)







【無効を主張できる可能性があります】

ご指摘の通り、妹さんがお父さんの署名押印(さらには印鑑証明書も無断取得している)を偽造したのであれば、その契約は無効です。

実際の立証は簡単ではありませんが、もし偽造やお父さんが意思能力を欠いていたことを立証することができれば契約が無効であることを主張できるでしょう.



【立証のポイント】

今回の契約無効を立証するに当たっては、お父さんの意思能力の程度が重要となってきます。

具体的には、お父さんの認知症の進行程度や判断能力の状況を病院や介護施設から取り寄せた記録(カルテや看護記録)で分析し、売買契約当時、お父さんが契約の意味を理解したり、印鑑証明書を自身の判断で取り寄せたり(あるいは妹さんに依頼したり)することができたかどうかを確認していくことになります。

そのほか、おそらく司法書士の先生が登記手続に関与しておられるでしょうから、本人確認や契約立ち会い時のお父さんの状況、さらには当時お父さんが署名押印した(とされる)書類の筆跡なども確認し、お父さんがこの契約にどのような関与をしたのかを確認していくことが必要と思われます。

 
【告訴と代金の返還について】

本件では有印私文書偽造罪のほか、買主の方に対する詐欺罪が成立する可能性もあります。

ただ、警察はこういった親族間での問題になかなか立ち入らず、実際に立件する可能性は極めて低いのが現状であることはご理解ください(買主の方が詐欺だとして告訴すれば話は違ってきますが。)。

他方で、契約無効を主張した場合、土地は相続財産として戻ってきますので、その後に遺産分割を行うことは可能です。

ただ、契約が無効であれば(当然ですが)お父さん(あるいは妹さん)が受け取った売買代金を買主の方に返還しなければなりません。

この点にはご注意ください。

(弁護士 北野英彦)

大澤龍司法律事務所
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17:40 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★財産をひとりじめ【Q&A №521】

2016/07/25



【質問の要旨】

司法書士をだまして書類を作成させたが、犯罪ではないのか?

記載内容  印鑑証明 騙す 

【ご質問内容】

相続人が多数いるのに司法書士をだまして相続人全員が本人を相続人代表と同意していると偽り書類を作成させ相続人全員へ書類を送り印鑑証明を取らせ実印を押させ郵送させた

そして預貯金を自分の口座にやすやすと振り込ませ自分の物にした。

これは犯罪ではないの

(ひげ)






【犯罪とは言い切れない】

まず、警察が本件のような親族内のもめ事に立ち入ることは、よほどのことがない限り考えにくいとは思います。

ただ、本件ではそのことはさておき、本件で詐欺罪が成立するか、という観点で回答をさせていただきます。

ご質問によりますと、相続人の一人が「相続人代表者」を名乗って司法書士に依頼し、遺産分割協議書を作成してもらったようです。

たしかに、他の相続人に無断で「相続人代表」を名乗ることは決して良いことではありませんし、ご気分を害されるのもよくわかります。

しかし、実際の遺産分割手続では、遺産分割協議書を全相続人に送付しているようですので、遺産分割の内容自体は全相続人に知らされているものと思われます。

また、印鑑証明書も、偽造したわけではなく、それぞれの相続人が取り寄せたものを送っているようです。

そうしますと、全相続人が協議内容を理解した上で、それぞれの意思に基づいて押印し、印鑑証明書を渡した、という解釈も可能です。

そうすると、事案を第三者的な立場で言えば、必ずしも「騙した」とは言い切れず、詐欺罪が成立する可能性は低いように思います。


【白紙の遺産分割協議書なら無効か】

では、内容が白紙(例えば、誰が預金を相続するかが記載されていない)の遺産分割協議書を全相続人に送った場合であれば詐欺罪は成立するのでしょうか。

結論から申し上げますと、このようなケースでも詐欺罪が成立することはまずありません

それは、白紙の内容について印鑑を押すという行為自体が、分割行為を他人の自由裁量に委ねるということと同一視されるからです。

言い換えれば、他人に内容を勝手に決められるのが嫌なら印鑑を押さなければよく、白紙に印鑑を押した以上は内容に文句は言えない、という言い方もできるでしょう。

もちろん、他の相続人に対し「あなたも預金を100万円相続する分割内容にする。」と言いながら全額自分が相続してしまった場合、理屈上は詐欺になります。

ただ、これも言った言わないの世界であることが多く、その詐欺行為を立証するのはかなり難しいでしょう

(弁護士 北野英彦)
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14:53 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★認知症の母に代わり遺産分割協議書を代筆したい【Q&A No.472】

2015/10/07



父を亡くし、相続人は私と認知症の母二人です。

母に後見人を立てずに、代筆で遺産分割を行うことはできるででしょうか?



記載内容

  認知症 遺産分割協議書 偽造


【ご質問内容】

 父が亡くなりました。

 相続人は、息子の私と、認知症の母の二人です。

 私と母は、相続上、争う関係にあるので、後見人をたてなければならないといわれました。

 しかし、息子は私1人なので、母の財産もいずれは息子が引き継ぐことになるし、ましてや母に不利なことは一切する気もありません。

 できれば後見人ナシで(代筆で)1次相続、2次相続合計で最も相続税が少なくなるような相続分割をしたいと考えています。

 これは、犯罪になるのでしょうか。

 誰も、損害を受けないので、見逃されるのでしょうか。

 証券会社からの通報で、訴えられるのではないか心配です。

 母は、ただいま、病院の療養病棟にて入院中

 身体を動かすこと、意思表示はもちろん、飲み込むことも出来ず、点滴のみにて栄養を得ている状態が半年続いています。

 話を理解しているかも不明です。

 成年後見人が決まる前に、亡くなってしまう心配もあり、できれば、後見人ナシで相続を済ませたいと考えています。

(くんくん)







【成年後見人の選任が必要です】

 認知症にも程度がありますが、お母さんが意思表示できないというのであれば、お母さんは遺産分割協議することができません

 本件ご質問のような場合、代筆して作成された遺産分割協議書には、効力はありません。

 あなたとしてはお母さんの成年後見人選任の申立をし、家庭裁判所が選任した成年後見人との間で遺産分割協議をする必要があります。



【節税目的でも犯罪が成立してしまう】

 本件ご質問のような場合に、あなたがお母さんの署名捺印を代行することは認められません。

 もし、お母さんの代筆をした場合、有印私文書偽造等の犯罪末尾記載の刑法第159条、161条参照)になる場合もありえます。

 なお、節税という理由があっても犯罪が成立することに違いはありません。

 節税をはかる必要があるのなら、成年後見人の選任申立をし、その後見人との間で遺産分割協議し、その際、節税の必要性を説明して、成年後見人の了解を取りつける必要があります



【特別代理人が選任される場合】

 被後見人がお母さんの場合、息子さんが成年後見人になることもあります。

 しかし、今回のように遺産問題があり、利害対立するような場合には、裁判所は遺産とは関係のない第三者を後見人に選任することが多いです。

 もし、仮にあなたが後見人に選任された場合でも、遺産分割に関する限り、あなたはお母さんと利害が対立しますので、裁判所に特別代理人を選任申立をする必要があります

 この場合、あなたは裁判所が選任した特別代理人との間で遺産分割協議をすることになります

(弁護士 大澤龍司)

〔参照条文〕

刑法
159条1項(有印私文書偽造罪)
 行使の目的で、他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

161条1項(偽造私文書行使罪)
 前二条の文書又は図画を行使した者は、その文書若しくは図画を偽造し、若しくは変造し、又は虚偽の記載をした者と同一の刑に処する。

大澤龍司法律事務所
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16:42 遺産分割 | コメント(1) | トラックバック(0) | 編集

★書類を偽造した姉は相続できるのか?【Q&A №461】

2015/08/25



【ご質問のまとめ】

子5人のうち長男が亡くなり、続いて、父、母の順で亡くなりました。

長女に有利な内容で遺産分割がされました。

残りの兄弟は、よくわからないままサインしました。

数年後、長男の財産について、長女が偽造で名義を書き換えていたことがわかりました。

長男の財産を分けるにあたって、長女を外すことはできませんか?

残りの兄弟たちが長女に主張できることはないですか?



記載内容

 偽造 欠格 遺産分割協議


【ご質問内容】

両親と兄と四人姉妹です。

兄は独身で両親より早くに亡くなりました。子供はいませんでした。

亡くなる1年前に兄の不動産は姉名義に変えられており、両親が相続する財産はありませんでした。

その2年後に父が亡くなり、さらに4か月後に母が亡くなりました。

両親を続けて亡くして平常心では無い中、長女が知り合いの税理士と一緒になって遺産分割協議を主導しました。

父は公正証書で母と兄そして長女に不動産を遺贈していました。

母は遺言書を書いてはいません。

父の遺言書の執行と母の遺産分割を同時に行いました。

法律のことをよく理解していなかった妹3人は、遺産分割協議書にサインしてしまい、その協議書の控えを貰えることも知らず、とても不公平な分割を了承していることに後で気づきました。

どうすることもできずに7年が過ぎたころ、長女名義に変えられた兄の不動産は、長女が書類を偽造して勝手に名義変更していた事が分かり、裁判で兄の名義に戻しました。

しかし、その兄名義の不動産を姉妹で相続するにあたり長女は法定での分割を主張して譲りません。

長女に遺産を渡さない方法はないでしょうか。

私達が長女に対して法的に主張出来ることはありますか。

父から遺贈された不動産は特別受益として、今回の遺産に含めることは可能でしょうか。

7年前にもどって遺産分割協議を最初からやり直したい気持ちです。

宜しくおねがいします。

(イーサン)





【お兄さんの遺産分割について】

 お兄さんには配偶者(妻)も子もないのですから、お兄さんの遺産は直系尊属であるお父さんとお母さんが相続することになり、その法定相続分は2分の1ずつです。

※ 本来の相続の流れ

          お兄さん
             
お父さん(1/2) お母さん(1/2)
                  
 子  お母さん       
         
         


【お兄さんの遺産でお父さんが相続した分について】

 お父さんはお兄さんとお母さん、妹さんに不動産を遺贈しているのですから、この遺贈分は特別受益として遺産に持ち戻して、遺産分割をするべきものです。

 ただ、既にお父さんの遺産について分割協議が行われているのであれば、その対象となったお父さんの遺産については特別受益分も含んで解決したと考えるのが通常でしょう。

 遺産分割協議後に(お兄さんの分をお父さんが相続した)新たな遺産が判明した場合には、残念ですが、長女の主張するように法定相続分は渡さざるをえないことになります。



【欠格事由にも該当しない】

 相続人から除外する制度としては欠格制度があります(民法891条:末記条文を参照ください)。

 この制度は被相続人を殺したり、遺言書を偽造したような場合には相続させないという制度です。

 しかし、今回の質問では遺言書ではなく、登記関係書類の偽造ですので、この欠格事由にもなりません。



【遺産分割協議に取消、無効事由はないかを考える】

 結局、既に遺産分割協議をしているというのが一番のネックです。

 事情がわからなかったのならその時点で弁護士等に相談されるべきでした。

 現在、取りうる手段としては、遺産分割協議を何らかの理由で無効にすることです。

 遺産分割協議について、騙されたようなことや思い違い(錯誤)をしているような場合には詐欺で協議を取り消しし、あるいは錯誤で無効とすることもできなくはありません。

 遅きに失した感がなくはありませんが、相続に詳しい弁護士に分割協議時点の具体的な話をしたうえで、協議を無効や取り消しになるような方策がないかどうかを相談されるといいでしょう。

 また、仮にお兄さんの不動産を長女名義にしていた際、長女がその不動産を他人に賃貸しておれば、その賃料を法定相続分に応じて返還請求することも可能でしょう。

(弁護士 大澤龍司)



【参考条文】
民法
(相続人の欠格事由)
第891条
 次に掲げる者は、相続人となることができない。
一 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
二 被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
三 詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者
四 詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者
五 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者
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18:05 遺産分割 | コメント(1) | トラックバック(0) | 編集

★★不正出金の全額返還を請求できるか【Q&A №423】

2015/01/16



【ご質問詳細】

 母親の死後、残された自筆遺言書を原告(長男)、被告ら(弟・妹)立会いの下、検認したところ、原告に、預貯金全額を相続させる旨が確認されました。

 原告は、母親の預貯通帳・カードを母親の近くに住む被告らに厳重保管の覚書を交わし委託しておりましたが(母親の生活費は、年金収入で賄える範囲)、被告らは母親の生前中(預貯金が下されたこの時点では、母親は痴呆も進み寝たきりで、何ら判断能力も無い)、母親が自筆遺言書を作成していたこをを知りながら、無断で、預貯金2千万円を、共謀して、カード限度一杯で、定期的に全額を引き落としておりました(銀行入出金推移表で確認済み)。

 これから、訴訟をスタートしますが、相続分である3分の1ではなく、全額を請求できる戦略・進め方のアドバイスがございましたらご伝授ください。

 なお、原告は代理人無しで、被告らは弁護士を擁立しております。


記載内容

  不正出金 全額

(moriken)





【気持ちはわかりますが・・・】

 被相続人であるお母さんが遺産である預貯金全額を長男であるあなたに相続させる内容の自筆の遺言書を作成したのに、お母さんの生前に弟や妹が無断で出金し、使ってしまったという事案です。

 あなたとしては、預貯金の引き出しがされなければ、預貯金全額を相続できたのにという気持ちでしょうし、その気持ちはよくわかります。

 ただ、法律的に考えると以下のとおりとなります。


【まず、3分の1の主張は可能です】

 あなたもわかっておられるようですが、無断で引き出し使用された預貯金額の3分の1の返還は可能です。

 念のために確認しておきましょう。

 お母さんの預貯金を弟らが無断で引き出して使用したのであれば、お母さんは弟らに対して引き出した金を返還せよという請求権(不法行為に基づく損害賠償請求権あるいは不当利得返還請求権)を持つことになります。

 ただ、この請求権は預貯金そのものではありませんので、単なる請求権(債権)として相続され、あなたが相続できるのは法定相続分(3分の1のようですが)だけです。

 あなたとしては、お母さんの有する前記請求権の3分の1を相続で取得したとして、無断引き出しをした弟さんらに請求することは可能です。


【あなたに対する権利侵害として、全額の返還を求めることはできない】

 ただ、あなたとしては、弟さんらが預貯金を引き出さなければ、預貯金全額を相続できるはずであったと無念に思われており、何とか預貯金額全額の請求ができないかという気持ちがあり、それが今回の質問になったものと思います。

 一つの考え方は、無断引き出しがされない場合、あなたとしては預貯金額全額を相続できたはずであるのに、弟さんらがこれを違法に侵害したので、不法行為による損害賠償請求ができないかということがあります。

 あなたが将来、遺言により預貯金全部を相続できるのに、それを侵害したので不法行為が成立するという考え方です。

 しかし、無断引き出しをされたのはお母さんであり、お母さんが権利侵害として不法行為に基づく損害賠償請求ができるのは前記のとおりであり、それとは別に、あなたが独自の権利を有しているとは考えにくいです。

 もちろん、預貯金がそのままあれば、将来あなたが預貯金を相続できるという期待を持たれたでしょうが、それは単なる《期待》にすぎず、権利とまでいえるようなものではありませんので、不法行為が成立しないと考えられます。


【法定相続人の資格を喪失させることも考えられるが・・・】

 全額取得するための方策としては、弟さんらを相続人でなくするという方向もあります。

 民法上には相続人の欠格(末記の条文をご参照ください)という制度があり、これに該当するなら弟さんらは法定相続人の資格を失います。

 しかし、相続人資格を否定するには、被相続人を殺害した、あるいは遺言を偽造したなどの極めて違法性の高い行為が裁判所で認定される必要がありますが、それは現実問題として主張立証が困難でしょう。

 よって、本件ではやはり相続分を超えて不正出金の全額返還請求をすることは難しいと言わざるを得ないでしょう。


【特別受益などを主張して相続分を増やすしかない】

 結局、あなたの立場としては、弟さんらに特別受益などがあったとして、その相続取り分の減額を主張するしかないという結論になります。

 なお、裁判ですので、あなたの期待を侵害したとして全額返還を請求を(それが認められる可能性は低いにしても)主張することは自由ですし、そのような主張をしていると裁判所が3分の1以上を出さないかと和解で被告を説得するかもしれませんので、存分に自分の気持ちを訴訟に反映させられるといいでしょう。


《参考条文》
相続法 第891条 (相続人の欠格理由)
 
次に掲げる者は、相続人となることができない。
1. 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は 至らせようとしたために、刑に処せられた者
2. 被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
3. 詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者
4. 詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又 は変更させた者
5. 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者


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生前の不正出金を防ぐ方法【Q&A №415】

2014/12/05



 私の父は、私たち子どもとは30年前から別居中で疎遠です。父は、5年程前に脳梗塞で倒れ、現在失語症と軽度の認知症を患っています。

 父が倒れて以降、父の家の近くに住む叔父と伯母が父の家を頻繁に訪れ、父に、父の預貯金、証券、財産を全部よこしてくれと迫っているようです。

 お金に対する執着心が強い父は、今は気丈に「誰が渡すか」と言って何とか断っているようですが、叔父も伯母も隙あらば奪ってやるという姿勢で、通帳や印鑑の場所を調べたり、家の鍵まで保管していて、いつ全財産を奪われるかわかりません。

 特にこれから父の認知も進んできますし、子どものときに別居している私達より、近くに住む叔父や叔母の方が事情に精通しているので心配です。

 私達は父の財産がどのくらいあるのか、どこにあるのかも一切知りません。でも、父は公務員でしたし、退職後は市会議員を20年もしていましたし、株でも大儲けもしたと聞きました。また、母と結婚してからも、家に生活費を一銭も入れたことがなく、大変お金に執着していたので、多額の財産があるはずです。この先どうしたら父の財産を叔父や叔母に奪われないようにできるでしょうか。そしてもし勝手もし勝手に預貯金や証券の名義を変えられたりした場合は、取り戻すことはできるのでしょうか


記載内容

  不正出金 無断 名義変更

(香住)


【結局、お父さんに財産管理を確実にするように説得するしかない】
 人間は誰でも、年齢とともに体力も頭脳も衰えていくものであり、あなた方が心配するのもわかります。
 しかし、お父さんの財産は、お父さんが生きている限りはお父さんのものです。
 お父さんが亡くなった場合には子供らの相続人の財産になりますが、お父さんが生きている限り、相続人(正確にいえば《推定相続人》)であるあなたたちには何らの権利もありません。
 そのため、現段階では、あなたたちがお父さんを説得し、死亡時まで財産確保されるようにお願いするしかないでしょう。
 当事務所が相談を受けたもので、お父さんに女性ができ、その女性がお父さんからお金を引き出そうとしているというケースがありましたが、現実に相続が発生していないということで、推定相続人の立場ではほとんど何も手出しができずに困った案件がありました。

【意思能力がかなり衰えた段階では後見人制度等の利用を考える】
 お父さんが認知症などになり、意思能力が衰えてきたときには、すぐさま保佐人や成年後見人の選任の申し立てをし、財産の散逸を防止する必要があります。
 成年後見人が選任された場合には、お父さんの財産は全て成年後見人が管理しますので、財産の散逸を確実に防ぐことができます。

【現時点ではできることは限られる】
 最初に言いましたように、現時点では、あなた方が法的にできることはほとんどありません。
 そのため、お父さんに主な通帳や印鑑を貸金庫などに入れて厳重に保管してもらう、 お父さんを説得して、《財産を取られないように注意してね》と注意するというようなことしかないでしょうが、長年、別居していたあなたたちが言ってもわかっていただけるかどうか、難しい問題があると思います。
 説得をするということであれば、あなた方より、プロの方が上手でしょう。
 例えば、お父さんが懇意にしていた弁護士がいるのであれば、その弁護士からお父さんを説得してもらうという方法もあります。
 弁護士との間での財産管理契約を締結して、プロに財産管理をしてもらい、その後、お父さんが認知症になった場合には、そのまま成年後見人に就任してもらうシステム(任意後見契約)を作るという方向での財産管理を考えれば、更に安心でしょう。
 もちろん、無料ではありませんが、お父さんとしては一種の保険みたいなものですので、その点を強調してお話をされればいいでしょう。

【預貯金や証券の名義を換えられてしまった場合はどうするか?】
 無断で名義を変更されてしまった場合には私文書偽造になり、警察問題になります。
 しかし、そもそも変更されたということがわからないと警察にも相談できないでしょう。
 仮に、そのような無断変更があったとしても、警察沙汰になるのは別として、お父さんが生きている限りは、あなた方のような推定相続人の立場では裁判をすることもできず、法律的にはほとんど何らの手段も講じることができません。
 ただ、お父さんが死亡した後には、法定相続人として、叔父さん等が無断で名義変更して出金したお金の返還請求をすることが可能ですが、それも叔父さん等の手元にお金が残っていなければ取り戻しようがありません。
 そうならないためにも、お早めにお父さんを説得し、なんらかの形で財産管理方法を整えられることをお勧めいたします。 

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★★生前の預金の使い込みは、隠した者勝ちなのか?【Q&A №395】

2014/08/12
  昨年母が亡くなりました。

 父は10年前に亡くなっており、相続人は私と弟の2人です。

 母の相続に際し、同居していた弟が母の預貯金を勝手に引出していたことが預金履歴の調査で判明しました。

 母は10年前から介護老人保健施設に通入所しており、亡くなる4年ほど前には胃瘻を施し、痴呆も進んでおりました。

 元々生活が質素だったこともあり、施設の費用を含め、生活費は年金で充分賄えていたはずですが、10年間で預金が1500万目減りしていました。

 銀行の取引履歴は全て入手しており、預金の引出しはATMではなく窓口で行われているので、銀行に照会すれば弟またはその嫁が引き出したことは明らかになります。

 調停や訴訟は不可避と考え弁護士に相談していますが、弁護士からは、「相手側は母親に頼まれただのいくらでも言い訳は言ってくるはずで、結局のところ隠した者勝ちになるのが実情なんですよね、、」と言われ落胆しました。

 引出伝票などで弟が預金の引出しをしたことが明らかになっても、使い込みの充分な証拠にはならないのでしょうか?

 ご教示ください。

記載内容

不正出金 使い込み 隠す
(なお)





【そんな弁護士いるんですね・・】

 相談した弁護士が「相手側は母親に頼まれただのいくらでも言い訳は言ってくるはずで、結局のところ隠した者勝ちになるのが実情なんですよね」と言われたとのこと。

 あなたががっかりと落胆する気持ち、よくわかります。

 難しい面があるのは事実ですが、そこを何とかするのが弁護士なのに・・というのが私の率直な気持ちです。



【出金伝票を確認する】

 まず、《誰が引き出したのか》という点が問題になります。

 カードではなく、窓口で引き出したようですので、金融機関に払い戻し伝票のコピーをもらうといいでしょう。

 過去10年間という長い期間にわたる預金の引き出しの場合、私が経験したケースでは、当初はお母さんが引き出していたが、途中から弟さんが代理人として、その後、弟さんがお母さんの署名を偽造して引き出していました。

 もし、伝票の筆跡が弟さんであれば、弟さんが引き出したことになり、その分を不当利得あるいは不法行為を理由として、返還請求損害賠償請求するといいでしょう(当事務所の扱った事件で返還を認めさせたケースは多数あります)。

 次に、弟さんが代理人として引き出した場合にも、お母さんに渡したことが立証できない限り、弟さんが使いこんだという前提で対応するといいでしょう。

 ただ、お母さんの筆跡であるとすると、その分は、お母さんが引き出したということになり、弟さんがお母さんから生前贈与してもらったというような証拠を探す必要があります。

 なお、お母さんが多額の金銭を必要としないような場合、その引き出した金銭は手元現金として残っているはずです。

 その点も訴訟になった場合の争点になります。

 いずれにせよ、まず、出金伝票を取り寄せ、その内容を検討することが第一の作業です。



【使途は何かを確認する】

 次に、《出金したお金を何に使ったのか》という点が問題になります。

 既に死亡しているお母さんから使途を聞くことはできませんので、何に使ったかは弟さんから聞くことになります。

 お母さんが多額の出金をして、弟さんに生前贈与されている場合も多いでしょう。

 もし、生前贈与ならその分を遺産に持ち戻して、遺産分割計算されることになります。

 ただ、同居している弟さんの生活費に使われたというのなら、親子間の扶養義務の履行として、その生活費として支出された分は生前贈与とみなされない可能性があります。




【財産が残っているのかどうかも要確認事項です】

 いずれにせよ、この種の案件は訴訟まで行くことも想定しておいた方がいいでしょう。

 なお、最初から《弱気で逃げを打つ》ようであれば、弁護士を替えることも考えるといいでしょう。

 なお、遺産がほとんどのこっておらず、また、弟さんも財産を持っていないような場合、裁判に勝っても、結局は回収できない場合もあります。

 回収の可能性があるのかどうか、この点も弁護士と相談されるといいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)
大澤龍司法律事務所
電話番号    06-6361-6017
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15:40 遺産分割 | コメント(2) | トラックバック(0) | 編集

★★認知症の母の預金引き出しは違法か【Q&A №383】

2014/06/05
  認知症の母の預金を「本人からの依頼」と言って払い戻しをするのは違法でしょうか?

 母は現在入院中の要介護3で認知が進んできております(ここ一年)。

 特に「認知症」の診断は医師から受けておりません(診断を拒否するため)。

 息子である私は遠方のため、近くにいる母の兄弟が世話をしてくれておりました。特に一番下の妹夫婦が頻繁に顔を見せておりました。

 入院費や生活費は母が管理のもと叔父、叔母たちがやってくれておりました。

 最近、一番下の妹夫婦がかなりまとまったお金を口座からおろしていたことが発覚しました(1,000万円近く)。

 問いただしても「姉さん(母)に頼まれたから」の一点張り張りです。

 母はその時々で言うことが違います。

 ただ、入院中の母は使い道がありません。

 依頼認知症の、診断書かなければ窃盗?横領?とかの罪に問うことは出来ませんか。

 開き直っており「やることはまたまだあるからな」と妹の旦那に捨てせりふのように言われました。

 腹も立ちますが、それ以上のことをしてないか(妹の旦那を養子にする、遺言書を勝手に書かせる)とても心配です。

 成年後見人の申請をするつもりですが、認定をもらうまでの間は手のつけようがないのでしょうか?

記載内容

認知症 成年後見人 預金
(るる)





【窃盗や横領に問うことはできるか】

 お母さんの一番下の妹さん夫婦がお母さんの預金を、お母さんの同意なしに勝手に引き出したということであれば、窃盗や横領罪が成立します。

 この犯罪の成立と、お母さんの認知症との関係ですが、お母さんが認知症であり、意思能力がない場合には、窃盗や横領が成立する可能性が高くなります。

 しかし、お母さんが認知症でない場合には、お母さんの同意があった可能性もあり、窃盗や横領の成立の可能性は少なくなります。

 ただ、いずれにせよ、お母さんとその妹さんの関係は、別居した親族(2親等)になりますので、刑法の規定(末記参照条文:刑法第244条2項)により、お母さんの告訴がない限り、これらの罪で処罰されることはありません。

 参考までにいえば、仮に妹さんがお母さんに無断で出したというのであれば、払戻し請求書のお母さんの署名欄は、妹さんが偽造したものということになり、有印私文書偽造及び同行使の罪にも該当します。

 しかし、いずれにせよ、警察としてはすぐに捜査を開始するようなことは、通常は考えにくいです。


【養子縁組や遺言書の作成への対処】

 《妹の旦那を養子にする、遺言書を勝手に書かせる》ことを心配されているようですが、その可能性はありえます。

 そのため、お母さんの認知症の程度がひどく、物事の判断がつかないような状態であれば、早期に成年後見の申立をし、後見人に財産管理をしてもらう必要がありそうです。

 現在は要介護3ということですが、身体障害であるのか、認知症のような精神的なものであるのかはっきりしませんが、仮に認知症により要介護3であったとしても、ただちに成年後見を付することができるかどうか疑問です。

 ただ、成年後見は財産管理がまったくできない場合ですが、それより認知症の程度が軽い(しかし、完全な財産管理ができない)場合には、裁判所に保佐人の選任申立をすることができます。

 保佐人が選任された場合には、お母さんとしては多額の預金を引き出すような場合には保佐人の同意が必要になります(保佐人の同意を得なかった行為は取り消すことができます)。

 裁判所により保佐人が選任されたということなら、妹さん夫婦にとっては強いけん制になり、勝手な行為が収まるかもしれませんので、検討されるといいでしょう。

 なお、金融機関に、お母さん以外の人には支払いしないように内容証明で申入れすることも考えられますが、このような申入れをしても、妹さん夫婦がお母さんに同行し、預金払戻書を銀行員の前で記載させれば、銀行として払戻しを拒否はできず、結局、有効は手段にはならないでしょう。

(弁護士 大澤龍司)


参考条文:刑法第244条(親族間の犯罪に関する特例)
1 配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第235条の罪、第235条の2の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。
2 前項に規定する親族以外の親族との間で犯した同項に規定する罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
3 前2項の規定は、親族でない共犯については、適用しない。



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09:54 遺産分割 | コメント(4) | トラックバック(0) | 編集

紛失した父の実印は有効か【Q&A №372】

2014/05/02
 父親が死亡後、あるべき場所から実印が紛失しています。
 数ヶ月後、遺産相続を確認した上で実印を押した偽造借用書などで債務を負わされるのではないかと心配です。
 トラブル回避の方法はないでしょうか。

記載内容

実印 印鑑証明 偽造 悪用 紛失
(わたなべ)


【死ねば実印は無効であるとはいうものの・・・】
 被相続人の死亡後には、《お父さんは死んで、書面作成はできない》から、実印はあってもなくてもどちらでもよいというふうに考えられがちです。
 しかし、誰か、悪意の人が実印を入手したとなると、問題が発生する可能性があります。
 質問にもあるとおり、悪意の人が日付を遡らしたお父さんの借用書を作成することも考えられるからです。
 又、生前、お父さんの不動産の名義を動かしている可能性さえ考えられます。

【対策としては・・・】
 対策としては、警察に盗難の被害届を出すことも考えられます。
 しかし、果たして盗難にあったかどうかが明らかではなく、又、警察が現実に動いてくれることも期待薄でしょう。
 お父さん名義の実印を押した借用書が出てきたときの対策としては次のようにされるといいでしょう。
 まず、印鑑証明書があるのかどうかを確認しましょう。
 実印をつく場合には印鑑証明書の提出を求めることが多いです。もし、その借用書に印鑑証明書が添付されていないのであれば、死後に作成された可能性があります。
 次に、署名がお父さんの筆跡であるのか、又、現実に借用したとされる金銭がお父さんに手渡されていたのかどうかも確認し、その借用書が真実のものかどうかを判断しましょう。
 次に、実印をついたお父さんの生前贈与の書面が出てくる可能性もあります。
 この場合にも、印鑑証明書の有無、筆跡等を確認して、その書面が偽造されたものか否かを判断されるといいでしょう。
 いずれにせよ、実印を押捺した文書が出てきた場合には、紛争になる可能性が高いのですから、早期に相続関係に詳しい弁護士に相談し、そのアドバイスを受け、必要に応じて事件を委任をすることも考えましょう。

【最悪の場合には相続放棄も】
 もしそのような偽造借用書を突きつけられ、裁判でもその借用書を覆す証拠がない場合、あなたは相続人として、その法定相続分に応じた債務の支払いをする必要があります。
 遺産が少なく債務のほうが多い場合には、相続放棄という手段も考慮に入れておく必要があります。
 ただ、相続放棄はお父さんの死亡を知った後3ヶ月以内に手続をする必要があります。
 そのため、借金が判明した場合には、必要なら相続放棄期間の延長(伸長)願いを家庭裁判所に出す等の方法で放棄期間の延長をし、その借金の支払いの要否を早期に判断しなければなりませんが、そのためにも弁護士に早期に相談されるといいでしょう。
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12:55 相続放棄 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★不正出金を疑われた場合の対処【Q&A №360】

2014/04/01
 拙い文章ですが、お知恵をお貸しください。
 遺産整理をしていた兄から連絡があり以下の様な事象が発生しました。
「お前が面倒を見たときから母の預金が2年で500万円減っている。横領などで弁護士を立て訴えるぞと。」
 母親が死ぬ2年程前から私が母の面倒を見ていました。(私の家で私の家族と一緒に生活していました。)
 面倒を見ている間は母の預金通帳を預かり、正確な金額は覚えていませんが預金を利用したのは間違いありません。
(了承を得て私の家族および母の生活費や母の治療費、私の車の頭金。私の子供にお小遣いなど。)
 ここで質問です。
①私が問われる罪は何に該当するのでしょうか。
②了承を得ていたとはいえ、大きい買い物などの領収書などしか保管しておらず、生活費や一部の母親の治療費の領収書はすでにありません。使途不明金として生活費などを不当利得請求された場合、請求されたとおりに支払わなければいけないのでしょうか。
③500万円という金は特別受益に該当するのでしょうか。不当出金に該当するのでしょうか。
④支払いの意志がまったくないわけではなく、私の家族は「面倒をみて了承を得て使っていた金を面倒を見てない人から請求されるのはおかしい。」と怒っています。
⑤来るべき日のためにできることをお教えください。

記載内容

不正出金 横領 両親の面倒 介護費用 特別受益 特別寄与 不当利得
(する)


【刑法上の犯罪としては窃盗あるいは横領罪、私文書偽造等ですが・・】
 他人の預金を無断で引き出した場合には、横領罪又は窃盗罪が成立する可能性があります。
 又、引出に際してお母さんの署名・捺印をしなければならないので、有印私文書偽造・同行使罪も成立する可能性があります。
 ただ、これらの罪はあくまでお母さんに無断でした場合ですので、質問のように《お母さんの承諾があった》ということが証明できれば犯罪は成立しません。
 又、お母さんとあなたは直系血族関係ですので、万一、お母さんに無断でした場合であっても、刑法では親族間の犯罪の特例という規定があり、窃盗罪や横領罪については刑が免除されます(末記条文をご参照ください)。
 従って、警察沙汰にはならない可能性が高いと思われます。

【領収書がない点について】
 多額の金銭は別として、通常の場合、月額で10数万円程度の生活費などは領収書がなくとも認められる場合が多く、不当利得にはならないでしょう。
 なお、病院等の医療機関や介護施設の領収書などが多額になる場合の領収書がない場合には、再発行してもらうか、あるいは支払い額がわかるもの(たとえば医療機関なら診療報酬明細書)等をもらっておかれるといいでしょう。
 ただ、何百万円単位の多額の金銭が引き出されている場合に、その使途がお母さんのために使ったのでない場合には、次項に記載する区別にしたがって処理されることになるでしょう。

【不当利得か特別受益か】
 2年間で500万円が減っているということですが、この金銭のうち、生活費やお母さんのために使ったのではない金銭については
① お母さんから贈与を受けたものである場合には特別受益の問題になります。
② お母さんに無断で引き出した場合には不当利得又は不法行為で返還する必要があります。


【家族の言い分について・・・親の面倒を見たことと遺産分割の関係】
 「親の面倒をみていたのに・・・面倒を見てない人から請求されるのはおかしい。」という主張は、感情としてはよくわかります。
 しかし、法律的にいえば、子は親の扶養義務を負っており、法的には親の面倒を見ることはむしろ当然とされています。
 法律では、相続というのは決して親の面倒を見た報酬やご褒美ではありません、というふうに考えます。
 ただ、相続人である子が親の面倒を見たことで親の財産の支出を食い止め(ヘルパー代や施設代を出さなくてもよかった)、親の財産形成に特別の寄与があった(家業に無償で従事した)といえる場合には、寄与分を主張をし、遺産を余分にもらうことができます。

【参考条文:刑法第244条(親族間の犯罪に関する特例)】
  配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第二百三十五条(窃盗)の罪(・・中略・・)又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。
※横領についても同様の刑の免除の条文があります。
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14:29 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

印鑑を無断盗用した遺産分割協議書【Q&A №340】

2014/01/15
 ①遺産相続協議書の見せられたのは母親死亡後の相続の件時で訪問した平成22年6月29日に初めて知った。弟Aは(平成21年7月死亡)は昭和51年5月1日に遺産相続協議書を作成して所有権移転登記は昭和51年5月30日完了していた。 勝手に弟の配偶者(B)に署名させて印鑑を押印後に印鑑登録を要請、印鑑署名書は代理人申請で取得していた 印鑑登録は昭和51年5月15日です。署名の事実もなく正本も渡されていない。 母親(平成22年5月11日死亡)と父親(昭和37年7月30日死亡)の相続調停で相手方4名は弟Aの相続人配偶者とその子3人 申立人2名は私Cと妹は弁護士に相談して立川裁判所に調停を平成22年7月申請した。調停で父親の相続は訴訟で争うとの回答書に対して申立人弁護士は「父親の相続は経費が掛かる、時効が成立しているから・・
 経費対成果を考えると母親の調停で進めましょう」との事で母親の所有権のある建物の20分の9を相手側が支払うことで調停平成23年5月27日に成立しました。
②配偶者(B)とその子Dは敷地内に弟Aが不正な方法で土地所有権を得た敷地364,52㎡の一部を121,58㎡土地文筆登記平成14年6月14日して家を新築した。 当時弟Aに確認したら借地代として税金分は貰っていると話をしていたのである。調停前平成22年6月17日に配偶者とその子D.E2人持ち分242,94㎡を3/1づつ移転登記され、且配偶者(B)はその子Fは文筆登記された121,58㎡土地移転登記していた。

記載内容

実印 印鑑登録 偽造
(知世子)


【時効制度について損害賠償請求にも時効がある】
 ご相談内容に質問部分が記載されておりませんでしたので、当方で問題点を推測し、回答します。
 まず、お父さんの遺産分割について、あなた(さらには妹さんの)印鑑が勝手に印鑑登録され、その実印が使用されて、遺産分割協議書が作成されたとすれば、それはあなた方の意思に基づかない違法かつ無効な遺産分割協議であり、その協議書を使ってお父さんの遺産である土地等の不動産登記もされたのであれば、その登記も効力がありません。
 ただ、法律では、無効な権利関係といえども、権利者としての外形が長く続くのであれば、その外形を権利として認めようということで、取得時効という制度を設けています。
 又、権利を長く行使しないのであれば、その権利の行使を認めなくする消滅時効という制度も認めています。

【弟さんの行為については不法行為基づく損害賠償請求が可能だったが・・】
 弟さんのした行為はあなた方の遺産を取得することを妨害したもので、あなた方としては不法行為による損害賠償請求ができることになります。
 しかし、不法行為はその行為を知ったときは、知ってから3年間、知らない場合にも不法行為時から20年で時効に消滅します。
 今回のケースでは、その行為があった昭和51年から約40年近くが経過しています。
 あなたの委任された弁護士が時効というのは、その消滅時効のことを言っているのでしょう。
 また、仮に本件が私文書偽造罪などにあたるとしても、やはり公訴時効という制度があり、警察が捜査し裁判にかけることができる期間も制限されています。

【登記の無効を争うことは可能かもしれないが・・】
 ただ、弟さんのした相続登記が無効というのなら、現在もその点を指摘して、登記無効の訴訟を提起することも可能です。
 しかし、この裁判ではあなた方が、弟さんが不法行為を行ったことを証明する必要があり、それができなければ敗訴することになります。
 あなた方の依頼された弁護士としては、あまりにも過去のことであるので、その点の立証も難しいと考え、お母さんの相続だけに限定したものと思います。
 又、弟さんが登記してから約40年間、弟さん及びその家族はその不動産を自分の名義で使用し、かつ、固定資産税等の税金を支払っており、所有者としての外形を維持してきましたので、取得時効が完成している可能性が極めて高いです。
その判断が正しかったのかどうかは、詳しい事情を知らないためなんとも判断できませんが、約40年近く前の事実を証明するのはかなり困難なことであると思います。
又、取得時効も完成しているものと思われるので、あなた側の弁護士の判断もやむをえないものではないでしょうか。
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遺言無効判決に必要な証拠【Q&A №292】

2013/07/02
 現在私は、公正証書遺言を無効とする判決を得たく努力しています。その公正証書遺言は以下のような手順で作成されたようです。90歳を越えたひとり暮らしの母に長男夫婦が自分たちに極めて有利な遺言を書かせるために母を公証役場に連れて行きました。証人2名は母の甥夫婦で安心させ予め権利書で主たる財産である母の土地建物を自分たちに相続させる内容となっています。
 さて本件公正証書遺言の母は要介護3に認定されたばかりで前記夫婦の力をかりなければ立ち上がることも歩くことも出来ない状だったと思います。このような状況で本当に自分の自由意思を以って遺言書を書いたかどうか非常に疑問に思っています。介護3の認定記録の他にどのような物的証拠があれば遺言無効の判決が得られるか教えてください。よろしくお願い致します。

記載内容

長谷川式認知スケール カルテ 看護記録 認知症 介護施設

(キータン)


【要介護3でも遺言できる】
 要介護3の人でも、それが身体的な理由であれば、遺言をすることが可能です。
 遺言で問題となるのは物事を認知し理解して判断を下す能力(意思能力といいます)であり、足腰が弱っていたこととは全く別物だからです。
 例えて言えば、車いすのお年寄りの方でも意識の明確な方は多数いらっしゃるということです。

【カルテの取り寄せを検討する】
 遺言を無効にするには、次の2つのうちのどちらかである場合が多いです。
① 遺言の偽造など、遺言が本人の意思に基づいていない。
② 遺言者に意思能力がなかった。

 今回の質問では公正証書遺言ということですので、②の問題となります。
 この意思能力の判断では、カルテなどが参考になります。
 お母さんが入院していたのなら、そのカルテを取り寄せして、その記載内容を確認しましょう。
 また、通院していたのなら、念のためにそのカルテを取り寄せしましょう。
 カルテにはお医者さんの所見や看護師の病状記録などがあり、当時のやりとりや健康状態を詳しく記載しており、当時の意思能力を知る上で大変重要な資料として裁判所も重視します。

【認知症の検査結果が重要です】
 最大の決め手となるのが認知症の検査結果です。
 この検査にはいくつかの方式があるようですが、著名なところでは長谷川式認知スケールという検査方法(参照:「相続コラム:意思能力と長谷川式認知スケールに関する判例の紹介」)があり、この検査を当時行っていればその検査結果が重要な証拠として扱われるでしょう。
 この検査結果は、病院で行われ、カルテなどとともに保存されていることがあります。このほか、介護施設によっては、長谷川式認知スケールを定期的に行っているところもありますし、介護施設への入所の際の参考記録として実施しているところもあります。
 そのため、当時お母さんが入院・通院をしていた医療機関や介護施設などに問い合わせてそのような記録がないか調査してみることをお勧めいたします。



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13:10 遺言 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★親の預金を無断で出金することは窃盗か【Q&A №291】

2013/07/02
 父の死後二年経過した時点で、相続行為がなされぬまま、父の名義で株のネット証券に口座を開設し、父の預金を移して株の運用をしていました。その後、遺産相続のため、そのお金を(損出はありませんでした)元の父の口座に戻したあと、自分の口座に全額振り込みました。一部は委任状を自分で作成、残りはATMで処理しました。
 以上は他の相続人の了解はもらっていません。これからそのお金を相続人と分ける予定ですが、私文書偽造、同行使、詐欺罪、窃盗罪に問われるでしょうか?親族相盗で許されますでしょうか?教えてください。

記載内容

不正出金 窃盗罪 親族相盗例 横領

(富士山)


【刑事問題になりにくい】
 遺産は各相続人の共有財産ですので、厳密に言えば勝手に自分のために浪費したり自分の預金口座に移し替えたりすれば刑法上、窃盗や横領などの罪に該当します。
 しかし、質問でもご指摘されているように刑事事件になりにくいのが現状です。
 これは、刑法には、親族相盗例という規定があり、親族間の窃盗や横領、詐欺などは処罰されない(正確には《刑を免除する》という条文がある)ことから、警察も捜査をしないからです。
 警察としては、家族内の問題なので、よく話し合って解決するようにという立場をとるのでしょう。

【銀行に対する関係では犯罪が成立するが・・】
 そのほか、委任状を無断で作成したという点について、有印私文書偽造、同行使罪の成立の余地はありますし、これには親族相盗例というものはありません。
 ただ、問題の実質は結局のところ家庭内の遺産分割問題ということに変わりはありません。
 特に本件では、最終的にお金を持ち逃げしたわけではなく、遺産分割協議に応じるということであれば、他にかなり悪質な事情や銀行からの被害申告でもない限り、警察が動くことも考えにくいと思われます。


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12:01 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

父の遺産を使い込んだ姉【Q&A №269】

2013/04/16
 父、母、私名義1/3づづの土地が有りました。父が死亡して遺産相続手続きはしていませんでした。5年後母が悪徳不動産に借金をしその後、母は破産し、返済できない分を競売にかけられた、土地の母の所有分1/3を悪徳不動産とられ(共有財産となり)、残りの父の所有分1/3を、唯一の姉妹である、姉が、私の同意もなく、法廷相続分の権利申告をし、自分の物としていました。姉1千万円ほどと母はその他全て、父の遺産現金部分ををすでに自分たちの生活の処理(姉は離婚裁判費用など、母は自分の借金くめんなど)に使い果たしていました。
 このような行為は法的に許されるのでしょうか?私が弁護士などを通して訴えれば、父の最後の遺産を私が全て処分する権利は得られるのでしょうか?
 因に、土地の権利書は姉が勝手に隠し持っていて、自分の弁護士に渡して処理をお願いしているからと返してくれません。私にはなにもするてだてはないのでしょうか?

記載内容

不正出金 使い込み 偽造
(こもも)


【相続分の確認】
 お父さんの共有持ち分3分の1は、遺言などがなければ、お母さんの法定相続分が2分の1ですので、お父さんの持分3分の1の半分である6分の1を、お母さんが相続することになります。
 お姉さんとあなたは法定相続分がそれぞれ4分の1ですので、お父さんの持分3分の1の4分の1である12分の1を、それぞれ相続することになります。

【あなたの相続分をなぜ取得できたのか】
 今回の質問では「父の所有分1/3を、唯一の姉妹である、姉が、私の同意もなく、法廷相続分の権利申告をし、自分の物としていました」と記載されています。
 しかし、なぜお姉さんはあなたの相続分(12分の1)を取得できたのでしょうか。
 お姉さんが、お父さんの持分を全部相続する遺言があったのであればともかく、そうでなければ、あなた及びお母さんの同意(さらには印鑑登録証明書も)が必要です。
 あなた達がもし、お姉さんに騙されて印鑑証明書を渡したというのであれば、詐欺などが成立する可能性があります。
 また、お姉さんがこれらの書類をあなたの知らないうちに偽造したということであれば、有印公文書偽造(さらには私文書偽造)等の刑法上の犯罪に該当しますし、相続登記が無効であるとして移転登記の抹消請求をすることができます。

【現金について】
 お父さんの遺産のうち、現金部分についても、前記のとおり、お母さんが2分の1、お姉さんとあなたがそれぞれ4分の1を相続で取得することになります。
 従って、あなたとしては、お姉さんやお母さんに対して、あなたの相続分に相当する現金の引き渡しを求めることができます。
 遺産である現金をお姉さんやお母さんが勝手に使ってしまったとしても、残念ながら親族間の問題として処罰されることはありません。
 返還請求をすることは法的には可能ですが、お母さんが借金を重ねた結果破産したというのであれば、お母さんに返還請求しても返金されることはないでしょう。
 結局、お姉さんに対して、あなたの相続分に相当する金額の返還を求めるしかないでしょうが、お姉さんが返金してくれる可能性も質問を見る限り少なそうです。

【遺産からの返還が現実的である】
 お父さんの遺産として預金などが残っているのであれば、そこから返還を受けるのが最も現実的な解決です。
 ただ、注意するべきことは、あなたが弁護士に依頼しても、お父さんの残された財産が、当然に全てあなたのものになるわけではありません。
 遺産分割調停や訴訟をして、使った分に相当する預金分などを引き渡せという手続きをした場合、その解決方法として、預金など、残された遺産があなたに相続されるようになることをお姉さんなどが認めることがあるというだけです。

【登記の移転を防ぐためには仮処分をする】
 お姉さんが、お父さんの持分3分の1を勝手に自分名義にしたということですので、お姉さんがその持分を第三者に譲渡する可能性がないわけではありません。
 それを防止するためには、弁護士に依頼して《不動産持分の移転を禁止する仮処分の手続》をしてもらうといいでしょう。
 この手続きで、お姉さん名義になったあなたの相続分(お父さんの共有持分の4分の1)について、売却処分などの権利移転を防止することができます。
 質問の事実関係でわかりにくい点もありますし、法律的に整理をする必要もありますので、いずれにせよ、早めにお近くの弁護士に相談されることをお勧めいたします。


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11:46 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

母が勝手に書いた委任状【Q&A №256】

2013/03/12
 父方の祖母が他界した時に、叔父(私の父(他界)の兄。)が家へ来て、「母(私から見ると祖母)の預金を下ろしたいから、委任状を書いてくれ」という説明で、私が不在だったため、私の母が、代筆で委任状を2通書きました。
 8年ほど経ち、祖母の土地の相続はどうなっているのか、疑問に思った私の母が、登記簿を調べたところ、その土地は、叔父の物となっておりました。
 どのような手順で相続したのか、書類の提出を求めたところ、一通の委任状のコピーが届きました。それは、この土地は叔父が相続するという内容の物でした。
 当時、土地相続の相続放棄についての話など一切なく、委任状を書かされたわけですが、その内容は全く見ておらず(半分折りになっており、相続内容が書かれた左面とは逆の右面に署名捺印しており、意図的に、内容を見られないようにしていたのかも?)この委任状が有効なのか疑わしい限りです。
 しかし、8年前の事で記憶もあいまいで、こちらが書類をきちんと確認しなかった事に、悔しい思いです。虚偽の説明で、委任状を書かせた叔父が許せません。
 この委任状は、私の許可なく、母が代筆していますが、それでも有効になるのでしょうか?
 本人が書いてない委任状と、虚偽の説明で書かされたという点から、この書類を無効にすることは、できないものでしょうか?

記載内容

委任状 偽造 勘違い 詐欺
(makomu)


【本人の意思に基づかない委任状は無効】
 まず、当然のことですが、本人の意思に基づかない委任状は無効です。
 ただ、代筆であっても、障害で字が書けない人を代筆することもありますし、横で指示して書かせる方式でも直ちに無効というわけではありません。
 問題は、本人が書いたかどうかではなく、本人の意思に基づくものといえるかどうかです。

【黙示の承認ないし追認の可能性はないのか・・】
 お母さんが委任状を書いたとき、あなたがその作成のことを知らず、又、その後もお母さんの代筆を承認しておらず、同意もしていないというのなら、委任状は無効です。
 その無効な委任状に基づきなされた叔父さんへの相続登記も無効になります。
 しかし、もしあなたがお母さんの代筆を知って放置していたとか、お母さんの委任状作成を暗に認めていた(あるいは、母の代筆がもめ事になるのを避けようと思い仕方なく黙認した)というような場合には、裁判で委任が有効と認定される可能性があります。
 なお、叔父さんが相続登記をするには、あなたの委任状だけではなく、その他にあなたの実印を押捺し、かつあなたの印鑑証明書を添付して登記申請をする必要があります。
 叔父さんへの相続登記が完了していたというのなら、誰があなたの実印の押捺をし、又、誰があなたの印鑑証明書を叔父さんに渡したのかという疑問も出てきます。
 登記を無効と主張するには、これらの点も勝手にされたのだということを証明する必要があります。

【詐欺について】
 不動産登記のための委任状であることをはっきりと説明せずに、あるいは虚偽の説明をしたというのであれば詐欺により、委任を取り消しすることも考えられます。
 ただ、8年も前のことであり、記憶がはっきりしないということであれば、この点の証明が可能かどうかという疑問があります。
 又、詐欺で騙されたのはあなたではなく、お母さんということになりますが、その前提で考えるならあえて詐欺という必要もなく、あなたが関与しておらず、あなたの意思に基づく委任状ではないということで十分です。
 結局、登記の無効を主張するのであれば、あなたの意思に基づかないという点を根拠にするのがいいでしょう。 


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不正をした相続人の除外【Q&A №220】

2012/12/17
亡くなった父の預貯金全て長男一人占め

 8年前に父が他界、母はもういません。痴呆症と足切断のため寝たっきりだった父の預金全てを、兄が自分名義に変えておろしていました。このことを、1か月前に調べてしりました。私と姉は、この事を、許す事ができません。刑事告訴できますか?
 又父名義の土地と一緒に、この預貯金の分割できますか.さらに、違う人の相続もあるのですが、この猫ばば行為をした兄を相続から外す事できますか。私と姉は、命をかけて戦いたいのです。
記載内容

預金の無断引出し 刑事告訴 不当利得返還請求 不法行為損害賠償  
(のろまのカメ)


【警察の動きはにぶい】
 お父さんの生前に、その預金が全部、お兄さんよって引き出されたというケースです。
 お父さんが同意していないのなら、お兄さんの行為は有印私文書偽造、同行使などの刑法上の犯罪に該当する可能性があります。
 又、お父さんが《同意していても》、認知症の程度がひどく、意思能力を欠くという場合にも同様な犯罪に該当します。
 ただ、犯罪に該当するからと言って、警察がその犯罪を取り上げてすぐに捜査をするわけではありません。
 警察は、殺人や強盗というような犯罪は優先的に捜査しますが、親子間の問題については動きが極めて鈍いと考えておく必要があるでしょう。

【不当利得として返還請求が可能】
 生前に、お父さんの預金を全額引き出していたのであれば、お父さんはお兄さんに対して不当利得あるいは不法行為により、返還請求ができます。
 お父さんが死亡した後は、その返還請求権は相続人に相続されますので、あなたは法定相続分だけ、お兄さんに対して返還請求権を持つことになります。
 お父さん名義の不動産もあるようですので、家庭裁判所に遺産分割調停を起こして、その中でこの返還請求分を請求することも考えていいでしょう。
 ただ、お兄さんがその返還に応じないというのであれば、通常の場合にはお兄さんを被告として、引出した分のうち、あなたの相続分の返還請求をするといいでしょう。
 ただ、お兄さんが引き出した預金全部を使い切っている場合も考えられます。
 その場合、遺産分割調停を先にしていいのか、あるいは訴訟を先にしたほうがいいのか、難しい法律判断があります。
 この点については、相続に詳しい弁護士に相談され、そのアドバイスに従うといいでしょう。

【相続人からの除外】
 お兄さんを、相続人から除外する方法としては、法律上、《欠格》と《廃除》という2つの制度があります。
 《欠格》は、お父さんを殺害した場合や詐欺強迫により遺言を書かせた場合などであり、《廃除》というのは、被相続人(今回はお父さん)自身が遺言や裁判所への申し立てなどをしてお兄さんの相続人の地位を否定する制度です。
 しかし、今回はおそらく遺言もないでしょうし、どちらの制度も使うことができないと思われます。

【別人の相続は別の問題】
 しかし、別の人の相続については、その被相続人についての関係で《欠格》や《廃除》があるかどうかが問題になりますので、今回のお父さんに対する非行等の行動は問題とはならず、お兄さんを相続人から外すことは現段階では不可能です。


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★だまされて渡した実印と印鑑証明書【Q&A №214】

2012/12/14
 騙されて渡した実印と印鑑証明

 父親が死亡後、兄夫婦から父名義の銀行預金を解約するので、実印と印鑑証明を急いで欲しいと言われ、渡してしまいました。ところが、それを使って遺産分割協議書を偽造され、サインは第三者によるものでした。
 兄夫婦はずる賢く、実印と印鑑証明を渡すということは承諾したと同じであると主張し、自ら家裁に調停を申立て、自己の正当性を主張し、父の遺産を開示すらしません。私のサインでないことは証明されているので告訴をしたいのですが、争点が明確でないと言われて、なかなか告訴ができません。

記載内容

実印 印鑑証明書  
(のぶ)


【告訴をしても、警察は簡単には動かない】
 亡くなったお父さんの預金を払い戻すために、お兄さんに渡した印鑑証明書などが悪用されて遺産分割協議書を作成されたというのであれば、有印私文書偽造、同行使等に該当する可能性があります。
 ただ、実際にこれらの罪で告訴しても、警察は《民民》のことであり、できれば弁護士を入れて裁判をされたらどうですかというアドバイスをしてくれるだけで、積極的な問題解決に役立つ可能性は少ないです。

【実印を渡したのは不注意ですが・・】
 実印と印鑑証明書は、重要なものであり、署名をする書面に自分で実印を押捺するのが通常であり、兄弟といえども、実印自体を渡したことはあまりに不注意だったというべきでしょう。
 ただ、第三者のサインであることが明らかであるということなら、あなたが書面(遺産分割協議書)の内容を了解していたのではないという証明になります。

【自ら調査するべきですが、専門家への依頼も考える・・】
 お兄さんが自ら家裁に調停を申し立てているのであれば、裁判所に対して、遺産目録を提出しているのが通常だろうと思います。また、調停委員からも、他に遺産があれば開示するよう言われているはずです。
 ただ、お兄さんが遺産の内容を明らかにしようとしないときには、調停委員もそれ以上に強く開示を求めることはありません。
 そのため、遺産の調査は、あなたの方で積極的にする必要があります。
 あなたは相続人ですので、被相続人であるお父さんの遺産を調べることができます(預金等の調査方法については、遺産調査 の記事をご参照ください。)

 ただ、本件ではお兄さんの態度に非常に問題があります。
 素人であるあなたでは、遺産の調査も難しく、又、交渉も難しいのではないでしょうか。
 遺産総額がどの程度かわかりませんが、ある程度の額になるのであれば、相続に詳しい弁護士に相談し、事件を委任された方がよいケースのように思います。
 ご検討ください。

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10:54 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

偽造された署名【Q&A №213】

2012/11/14
 偽造された遺産分割協議書の署名

 昨年春、父が亡くなりました。ある日突然、兄から一方的な書類が届き、そこには遺産の分配が書かれていて、兄が全体の半分を、残りを私と弟でという勝手なものでした。しかも、遺産分割分割協議などしていないのに、書類が勝手に作られ、私の住所、氏名も他人が書いたもだということが分かりました。弁護士に依頼しているのですが、なかなか進まず、家裁でもう1年近く揉めています。私はどの方法でも訴訟を起したいのですが、最近になって、弁護士が誰が署名したのか鑑定で証明できなければ、訴訟はできない裁判しても負けると言って訴訟になりません。私の署名でないことは鑑定の結果証明できたのですが、それでも訴訟は起せませんか?
 どこの誰が書いたかのか証明などできすはずがないので、困っています。助けてください!

記載内容

偽造 署名 押印 
(ちび)


【偽造した人を特定する必要はありません】
 今回、署名があなたのものでないことが証明されたということですが、それにもかかわらずあなたが依頼している弁護士は誰が記載したのかを明らかにしないと勝訴しないと言っている点に疑問を感じます。
 まず、あなたが署名したものでなければ、遺産分割協議書は《無効になることがあります》。
 決して、あなたの署名を偽造した人を特定する必要はありません。
 その意味では、あなたの依頼している弁護士の発言は間違っています。

【本人の署名がなくとも有効な場合があります】
 ただ、わざわざ、《なることがあります》と記載したのは、遺産分割協議書は必ずしも本人の署名が必要ではないからです。
 具体的に言えば、氏名欄がワープロ打ちでも遺産分割協議書としては効力を有する場合もあります。
 又、署名欄が仮に他人の署名だとしても、あなたが納得して実印を押捺し、印鑑証明書を交付すると、遺産分割協議書が効力を持つ可能性があります。

【実印が押捺されているのか?印鑑証明書が添付されているのか?】
 遺産分割協議書であれば、あなたの実印が押捺され、又、印鑑証明書が添付されているはずです。
 質問には記載されていませんが、これらの点はどうなっているのでしょうか。
 もし、あなたの実印が押されており、印鑑証明書も交付されたということなら、署名は他人がしたとしても、あなたが承諾して印鑑を押したのだとして、遺産分割協議書が有効になる可能性もあります。

【弁護士とは納得できる打合せを】
 弁護士はあなたの利益のために頑張るのが仕事です。
 その弁護士が、勝訴が難しいというからには、何らかの他の理由があるのではないでしょうか。
 このブログで回答できることには限度があります。
 現在の弁護士の方針にどうしても納得できないというのであれば、資料を持参して、相続に詳しい弁護士に法律相談をし、それをセカンドオピニオンとして活用されるといいでしょう。

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★死亡前後の他人による預金引出しに責任追及は可能か【Q&A №189】

2012/08/22
相続権の無い叔父

 困っていますので、質問させて頂きます。先日私の父が亡くなったのですが、私が葬儀の段取りなどで、バタバタしているときに叔父(父の弟)が父の預金から300万円を引き出していました。私達、相続人に一言も言わず黙っていて3日後に判明、委任状も無しに引き出させる銀行に対して、叔父に対して法的手段は有るでしょうか?300万は私達が窓口に来たため、慌てて叔父から返金して、口座凍結されました。特に叔父に対して立腹しています。父の愛車(軽トラ)は自分が乗るので、貰うと、勝手に言い張って、車検証、鍵も私に渡しません。どうかアドバイスをお願いします。

記載内容

預金 口座凍結 無断引出 責任追及 

(HIRO)


【責任追及は刑事と民事とがある】
 責任追及には、刑事と民事の2つの方法があります。
 警察に被害届をだしたり、告訴したりと、警察や検察庁の捜査が始まり、裁判で懲役や罰金等の処罰があるのが刑事の責任追及です。
 これに対して、受けた損害の賠償を求めて裁判をするのが、民事の責任追及です。

【銀行に対しての責任追及は難しい】
 まず、銀行の刑事責任について考えましょう。
 刑事責任を追及するには、その前提として処罰する法律(殺人なら、刑法の殺人罪の条文)が存在することが必要です(これを法律用語で《罪刑法定主義》といいます)。
 しかし、少なくとも刑法には、過失で財産的損害を与えたときに、その加害者を処罰する条文はありません(ただ、銀行法等、金融関係の分野でも様々な法律があり、その中で罰則が定められていますが、《私の知る限り》では過失で払い戻しをした場合に刑事責任があるとした条文は知りません)。
 なお、銀行が引き出す者(本件では叔父さん)に何ら権限がないということを知っており、故意があったというなら詐欺罪等の幇助犯の可能性はあります。
 次に民事責任では、引き出された300万円が返還されているのですから、損害自体がないということになり、損害賠償は難しいでしょう。

【叔父さんに対する刑事責任追及はできなくはないが・・】
 叔父さんが、無断でお父さんの預金を引き出したというのであれば、刑事での詐欺罪や有印私文書偽造、同行使等の犯罪に該当する可能性があります。
 引き出した金銭は返還されていますが、既にお金が引き出されていますので、犯罪としては既遂になります。
 返還したからといって、成立した犯罪がなくなることはありません。
 ただ、被害届や告訴をしても、既に被害が回復されていることから、警察がすぐに動くことは少ないと考えておいた方がいいでしょう。
 民事では、現行の場合と同様に、引き出された預金分が返還されているので、損害がなく、賠償請求は困難です。

【車検証や鍵の返還問題】
 車検証や鍵はお父さんのものなのに叔父さんが返還しないということであれば、法的手続きを取らざるを得ないことになります。
 この場合には、民事で車検証や鍵の返還を請求するとともに、使用できなかったことの不利益を金銭に換算して損害賠償請求をすることになります。
 なお、裁判で請求する方法もありますが、素人でも簡単に申し立てができる民事調停という制度がありますので、お近くの簡易裁判所に行き、裁判所の調停担当の方と申立の方法などを相談されるといいでしょう。

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13:41 遺産分割 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

養子先の兄弟姉妹にも相続権はあるのか【Q&A №182】

2012/08/06
 今年父が亡くなり遺産問題についてです。
 父は生後すぐ生母の母と養子縁組、その後生母の妹A(私の祖母)に引き取られま
した。彼には生物学上の妹‐生母と父親違いの、戸籍も異なる妹Sがいます。祖母Aが生前その妹Sに宝石毛皮等買ってあげていました。「私が亡くなった後お金の事で揉めない様に今買ってあげてるんだ」と祖母の友人に話していたそうです。しかし祖母Aの死後形見の品で揉めたり、Sが交通事故で保険金を手にする為、母が経営する店に勤めていないのに勝手に就業している書類を作成し印鑑を偽造されトラブルになり、父は大層怒り、それから「自分が死んでもSの家族に知らせるな、戸籍は他人だから何もやるな。」と脳出血で意識が無くなる前まで言っていました。ただ遺言書を作成している途中だったので、遺言書がありません。法的に妹Sに相続権利が発生するか知りたいです。宜しくお願いいたします。

記載内容

養子縁組 父親違い 遺言 

(林家二階建)


【お父さんの相続における立場】
 お父さんは「生母の母と養子縁組」されたということですので、生母さんや生母さんの妹さんと兄弟姉妹関係になります。
 したがって生母さんのお母さんが死亡した場合には、生母さんや生母さんの妹さんと同様の立場で相続人になります。
 しかし、養子になっても、お父さんがあなたの父であることに変わりはありませんし、あなたがお父さんの子であることにも変わりはありません。

【Sさんはお父さんの相続人にはなれない】
 今回の質問で、《お父さんの遺産》が問題になっているのだとすると、その相続人は子であるあなた(他にお父さんの子がおれば、その方も)とお父さんの配偶者です。
 なお、お父さんに配偶者がいなければ、子であるあなた(他にお父さんの子がおれば、その方も)だけがお父さんの遺産を相続できます。
 お父さんの兄弟姉妹であるSさんがお父さんの遺産を相続することはありません。

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14:14 相続人 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

★【コラム】《後妻と先妻の子》の激しい相続争いを避けるために

2012/05/10
 Loだよりイラスト3当事務所が扱う相続案件の中で、最も激しく対立するのは
《後妻と先妻の子》の争いです。

ほとんどの場合、《遺産はすべて後妻に相続させる》という遺言書が作成されている。
先妻の子側では「お父さんがそんなことを書くはずがない」、「遺言書が偽造された」と争うことになる。
また、残された財産が少ない場合、更に紛争が激化する。
「後妻が財産を取り込んで、隠している」と考えるからです。

そこで、弁護士からのアドバイス…
 
LOだよりイラスト2相続人が後妻と先妻の子である場合には、遺言書を絶対に書いておきましょう
また、遺言書の内容にも次のような配慮が必要です。
① 遺言書は公正証書遺言にする。
② どんな相続人にも、遺留分程度の財産は渡す。
③ 財産がどのような形であるか(どこの銀行のどの支店に預金がある…等)も記載する。
④ 遺産の分配内容について、「なぜそのようにしたのか」という気持ちを書く。

せっかく、がんばって、財産を残したのに・・・それが家族間の紛争の種になる。
そんな不幸を避けるために、ぜひ遺言書をお作りになることをお勧めします。
(大澤龍司法律事務所だより№2より)
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10:24 遺言書 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

偽造された遺産分割協議書は有効か?【Q&A №131】

2012/03/13



 父が亡くなり、兄弟3人が相続しました。現在誰も住んでいない実家ですが、先日登記簿を確認すると、父から兄への相続登記がされ、兄の単独名義になっていました。
 しかも、法務局で閲覧したところ、遺産分割協議書に私たち兄弟の署名と捺印がありました。以前白紙の紙に何も説明されずに署名、捺印した覚えはありますが、説明はされませんでした。
 遺産分割協議などしていませんし、控えもありません。しかも、遺産の実体も不明で、兄が独り占めしています。弟は兄を全面的に信じてしまい実印と印鑑証明書を渡してしまった為に、署名まで他人により偽造されていました。
 このような場合、全てを元に戻すにはどうしたらよいでしょうか? 


記載内容

  偽造 遺産分割協議書 登記

(nimoのパパ)



【偽造された遺産分割協議書に基づく登記は無効である】
 合意ができていない遺産分割協議書で登記されたということですので、この登記は無効です。
 あなたは、相続分(3分の1)の限度であなたの登記名義にすることをお兄さんに請求することができます。

【訴訟をする前に仮処分が必要かもしれません】
 合意ができていない遺産分割協議書で登記するようなお兄さんですので、あなたが登記を戻せと言っても簡単には応じないでしょうから、登記を戻すには訴訟が必要になる可能性が高いです。
 又、あなたから登記を戻せとの請求があれば、急いで他人に売却してしまう可能性もありそうですので、他人に売らないように、不動産を処分できないような手続き(不動産処分禁止の仮処分)が必要になるかもしれません。
 いずれにせよ、できるだけ早期に弁護士に相談し、依頼することが必要な事件だと思います。
 なお、相談の際、仮処分の手続きをした方がいいかどうかも是非、確認されるといいでしょう。
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★相続人の預金を調べることはできるのか【Q&A №93】

2011/10/04


 調停が始まりました。最初に、申立人側の者の預金額について、本人のものか、間違いないか?質問がありました。
相手側からの質問です。生存している人間でしかも申立人の預金の内容を違法な手段で入手することは、調停の時点で、影響はありませんか? 弁護士に聞くと、絶対に相続では生きている人間の口座は調べられないとの事ですが・・・・。何か訴えることはできますか?


記載内容

  遺産調査 偽造 預金 
(キャッシー)


 遺産分割調停で相手方から「申立人側の相続人名義の預金口座が、その名義人のものに間違いないか?」という質問があったという前提で回答します。

【質問をすることは何の問題もない】
 遺産分割調停で、相手方から、このような質問がよく出されます。
 被相続人が、相続人である子の名義で預金することがあるからです。
 したがって、このような質問をすることについてはなんら問題もなく、違法とかプライバシーの侵害にはなりません。

【口座の開示を求められた場合の対応】
 口座の開示を求められた場合には、開示するかどうかはその口座の名義人が独自に判断することです。
 口座を開示することが調停手続を円満に解決し、かつ、口座名義人に不利益がないということであれば開示に応じてもいいでしょう(但し、無制限に応じるのではなく、口座を限定し、それ以上はしないとの前提で開示する必要があります)。
 逆にプライバシーだから応じられないという対応もありますし、相手方の預金口座を開示するなら、当方も開示するという反論の仕方もあります。

【強制的に開示を命じられる場合があるか】
 現在の金融機関の扱いでは、弁護士会の通じての照会でも、名義人の同意なしに口座の内容を開示することは、原則としてありません。
 又、調停でも、あなたの同意なしに、強制的に口座の内容の開示を命じられることはないでしょう。
 但し、遺産の範囲が明確でないとして、調停が不調になり、訴訟にでもなれば、裁判所の決定により強制的に開示を命じられる場合があります。

【違法な入手の確認について】
 相手方が口座の内容を入手していると思われるなら、口座のある銀行に確認し、違法なことが行われていないか、確認をするといいでしょう。
 あなたの名をかたり、署名捺印を偽造した場合には、私文書偽造等の刑法上の犯罪になりますので、告訴することも可能です。
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老舗かばん店「一澤帆布」のお家騒動に見る相続問題(第4回)

2010/02/04
本物かニセ物か、どちらの方がいいですか?
自筆遺言証書サンプル      
自筆遺言証書サンプル【筆跡鑑定が決め手となった?】
最初の裁判では、第2の遺言書が本物だという結論を出した。
警察の科学捜査研究所OBから3通の筆跡鑑定書が出ており、いずれも第2の遺言書を本物とする結論だったという。

【筆跡鑑定とは】
私の理解するところでは、筆跡鑑定とは、筆跡にはその人特有の癖があり、文字の形態(縦長か横長か、角ばっているかや丸いのか)、筆順やはね・止めの仕方などを比較して同一の人が書いたかどうかを判断するものである。
しかし、同じ人でも年齢や状況で字形が変化するし、筆順も筆勢も変化する。
たとえば、元気なときとパーキンソン病や脳梗塞などになったときでは字が変化するし、日記と遺言書や年賀状では文字を書く丁寧さが異なるであろう。

おそらく一番の問題は、偽遺言書は、死んだ人の関係者(相続人である子供)かその道の専門家が作るということである。
裁判になって筆跡鑑定がされることが当然予想されるから、どのような筆跡かを事前に綿密に調査し、かつ似た筆跡になるように練習もするだろうし、もともと血がつながっているから筆跡が似ているということもあるかもしれない。
筆跡鑑定自体には限界があるように思われる。

【筆跡鑑定についてはこんな経験がある】
遺言書が偽造だという事件で、科学捜査研究所のOBの先生に遺言書の筆跡鑑定をお願いに行ったことがある。
鑑定料が弁護士費用より高かったことにも驚いたが、もっと驚いたのは、その鑑定の先生から「本物かニセ物か、どちらのほうがいいのですか」と質問されたことだ。
「当方はニセ物だと考えています」と申し上げたら、その後、「あの遺言書はニセ物でした」という連絡があった。

当然のことながら、その先生に筆跡鑑定を依頼した(もちろん、高い鑑定料を支払った)。しかし、その事件を担当して約35年も経過した今でも、解けぬ疑問がある。
もし、あのとき、「当方は本物だと考えています」と申し上げたら、その先生は「あの遺言書は本物でした」という連絡をくれたのではなかろうか?

ちなみに、事件の相手方からは遺言書は本物だという鑑定書が出た。
相手方の鑑定人も「本物かニセ物か、どちらのほうがいいのですか」と質問したのであろうか。

ついでにひとこと。
昔の映画でアラン・ドロンがニセのサインの練習をしている場面があったように記憶しているけれど、あれは何という映画であったろうか?

注:掲載している遺言書の写真は、サンプル用に作成した架空の遺言書です。
  依頼者からお預かりする遺言書に関しては、秘密を厳守いたしますので、ご安心ください。
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老舗かばん店「一澤帆布」のお家騒動に見る相続問題(第2回)

2010/01/21
残された2通の遺言書。偽造されたものかどうか…

大澤photo6【一澤帆布は閉店している】
この正月に知恩院に行ったときに一澤帆布の店の前を通った。
店は閉められており、店の扉には「お知らせ:申し訳ございませんが、当分の間、休業させていただきます」という貼り紙がしてあった。
その閉まっている店から左3軒目には「一澤信三郎帆布」店が営業していた。
ショーウインドウにはあのなつかしい帆布のかばんが飾られている。
寒い日であったにもかかわらず、店の外にも、店の中にもお客さんが入っていた。
一体どういうことになったのだろうか?

【さて、お家騒動の中味は・・】
一澤帆布は個人商店ではなく、「一澤帆布工業株式会社」が正式な名称である。
先代一澤信夫氏の引退後、三男の信三郎氏が社長となって、家業を引き継ぎ、発展させてきたが、長男は銀行に勤めており、店の経営には全く関与していなかったという。
ところで先代は三男らに会社の株式を相続させるという内容の遺言書(最初の遺言という)を書き、弁護士がその遺言書を保管していたようだ。
しかし、先代が死亡した後に、長男が、会社の株式は長男らに相続させるという、全く正反対の遺言書(第2の遺言という)を持ち出した。

第2の遺言が有効であるとすると、それより先に作成された最初の遺言は効力を失うことになる。
株式を相続したものがこの繁盛している店の経営権を握ることになる。
店を実際に切り盛りしてきた三男は当然のことながら第2の遺言に納得しない。
「これは兄貴が勝手に作った、偽造の遺言だ」(と三男は言ったであろう)ということで、長男と三男との間に争いが発生し、当然、2人の間では調整がつかず、裁判沙汰となった。
裁判の主な論点は、「第2の遺言は有効かどうか?」である。
ストレートに言えば、「第2の遺言書は偽造されたものかどうか?」である。
さて、裁判の結果はどのようなものだったか、これについては次回に・・

                                  (2010年1月9日記:R)
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13:12 実例で見る相続問題 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

【コラム】実例で見る相続問題:遺言書作成のヒント

2009/08/18
なぜ、兄弟間の激しい争いが起こったのか?大澤photo6

前回(実例で見る相続問題:深い傷を残さないように)は遺言書偽造の事件が兄弟間の深刻なトラブルを引き起こした事件のことを記載しました。
なぜ、このような兄弟が憎みあうというようなことが起こったのでしょうか。
遺言書が偽造でなかったと前提とした場合、問題は次の点にあったように思われます。

1 偽造防止のために・・自筆ではなく公正証書遺言にする。
問題のケースでは、遺言書は自筆でした。
もし、公正証書遺言であれば、公証人が作成し、かつ保存するのですから、遺言書の偽造ということは考えられません。
自筆の遺言書だから、偽造ではないかという疑いが生じ、訴訟にまで発展しました。
遺言書を残そうと思う人はそれなりの財産を有しておられることと思います。
遺言者の作成のために公証人に支払う費用は、そのような財産に比べれば少額です。可能であれば、是非、公正証書遺言をされることをお勧めします。

2 紛争防止のため・・相続人には、最低限の遺産を与える。
遺産のすべてを特定の人に与えるということになると、当然ですが、もらえなかった相続人の側から不満が出ますし、場合によれば訴訟等の紛争が起こることになります。
このような相続人の不満をどのように対処するのかが、遺言書作成の大問題です。
まず、財産を全く(あるいは少ししか)もらえない相続人としては、財産をもっと欲しいという申し出が可能です(慰留分減殺請求)。
そうだとすれば、遺言で特定の人に遺産を多く与える場合にも、他の相続人にも法律上認められる慰留分程度の遺産を残してあげるべきでしょう。
相続人としても、自分も遺産がもらえるという事実があるために、遺言書を作成した人の相続人に対する配慮を感じることができますし、しかもそれ以上は法律的に請求できないとなれば、遺産をめぐる紛争は起こしたくてもできないということになります。

3 相続人の納得のため・・遺言による財産分けの理由を説明する。
遺言書は、遺言者が後に残された相続人に対する最後の言葉というべきものです。
遺産の分け方を記載すれば十分だという考えもあるでしょうが、なぜ、そのような遺言をしたのかという理由を記載することも紛争防止に役立つことがあります。
例えば、結婚した長女や次女には多額の持参金を持たしたので、家業を継ぐ長男には余分に遺産を分けるというような説明があれば、相続人の方でも納得できる場合があるでしょう。
特定の相続人に多くの遺産を相続させるのであれば、他の相続人が納得するような説明を記載して、少しでも紛争の種をなくしておく、これが遺言をする人の最後の仕事というべきものでしょう。
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【コラム】実例で見る相続問題 :深い傷を残さないように

2009/08/18
ここまで憎しみ合うものか・・

亡くなったお父さんの遺言書が偽造かどうかが争われた事件を担当したことがありました。
35年も前のはなしです。
結局、この事件では遺言書は偽造ではないという判決がでました。
ただ、その訴訟の最中に、遺言の偽造者と言われていた相続人(次男)が急死しました。
相手方の長男が述べた一言は次のようなものでした。
「ざまぁみろ、バチがあたったんだ!」
兄弟間の相続争いで、実弟が死亡しても、悲しみを感じるどころか、むしろそれを喜ぶという、そこまで憎しみを持つものかと深く印象に残りました。
この事件は、遺言書を作っても、トラブルは発生し、兄弟間に深い傷を残す場合があるのだということを教えてくれます。
せっかく遺言書をつくるのであれば、後にトラブルが出ないようにする必要があります。
次回に、この事件を例にどのようにすればよかったのか、問題点を検討していきます。
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10:00 遺言書 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

【コラム】実例で見る相続問題:遺言書の偽造

2009/07/29
前回は遺言書偽造の事件が兄弟間の深刻なトラブルを引き起こした事件のことを記載しました。
では、どこに問題があったのかを検討しましょう。

まず、第一の問題点は、自筆の遺言証書であったという点です。
本人いない
だれが署名してくれるのか・・・

① 遺言書は公証人役場で作るのが望ましい。
 公証人役場で作成した場合、公証人は遺言する人の本人確認をしますので。偽造という問題は発生しません。

② 相続人間の紛争が生じないように、内容を工夫する必要がある。
 例えば長男だけに相続させるというような内容であると、財産をもらえなかった長女や次男等から不満が出ることが多く、紛争に発展していくことが多いものです。

遺言というのは、自分の死を想定して作成するものであり、「縁起でもない」として作成に踏み切る気持ちになれないという気持ちはよくわかります。
しかし、残された子供たちが遺産をめぐって、争いをするのはとても不幸なことです。
財産をお持ちの方については、是非、遺言書の作成をお勧めします。

又、作成については相続問題に詳しい弁護士に相談し、その内容をどのようにするかという踏み込んだ相談をされることをお勧めします。
大澤photo6
さて、最後に、私ですが、現段階では遺言書は作ってはおりません。なにせそれほど財産を持っていないですから。

しかし、こんな声も聞こえそうです。

知人:「財産があるかどうかは別として、早く作っておいた方がいいよ。もう、そんなに若くないんだから・・」
私「・・・・・・・・・」
                                     (龍)
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15:39 遺言書 | コメント(0) | トラックバック(0) | 編集

【コラム】秘密証書遺言とはどういうものか?

2009/07/22
【一体、何が「秘密」なのか?】
今回は、秘密証書遺言について説明します。
秘密証書遺言とは、その名のとおり、遺言の内容を秘密にしておける方式の遺言です。

【自筆証書遺言との違い】
具体的に述べてみましょう。
まず、遺言者が遺言書を作成しますが、これは、自らが書くことはもちろん、パソコンで印刷したものでも構いませんし、また、友人に依頼して作ってもらったものでも構いません。
この点では、内容を自ら手書きしなければならないので自筆証書遺言と大きく異なります。
なお、遺言者は、作成した遺言書に署名し、捺印しなければなりません。
署名捺印は、必ず遺言者自身がしなければならないので、署名できない人は秘密証書遺言を作ることはできないことになります。
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【公正証書遺言との違い】
次に、遺言者自身が遺言書を封筒に入れて、遺言書に捺印したものと同じ印鑑で封印し、それを公証人及び証人2人が確認した上で、封筒に公証人らが署名捺印することによって、秘密証書遺言が完成します。
公証人が遺言の内容を確認する公正証書遺言とは異なり、公証人は封筒に署名捺印するだけで、内容を確認するわけではありません。
そのため、公正証書遺言では家庭裁判所において検認手続を行う必要がありませんが、秘密証書遺言ではこの検認手続を行う必要があります。

【秘密証書遺言の最大の欠点】
ただ、秘密証書遺言を誰が保管するかという点は法律ではなんら定められていません。
公正証書遺言であれば公証役場で保管しますが、秘密証書遺言の場合、公証役場は遺言をしたことを記録するだけで、遺言書自体は保管してくれません。
また、公証役場では、遺言の内容は記録されないので、きちんと保管していなければ、自筆証書遺言と同じように、偽造されたり、破り捨てられたりする危険があるので、注意しなければなりません。
そのため、遺言者の方で、死後に確実に発見され、かつ破棄されないような安全な保管方法を考える必要があります。
このように、秘密証書遺言は、公正証書遺言のように手間がかかるのに、自筆証書遺言と同様なデメリットもあるので、遺言としてはあまり使われておりませんし、お勧めできるものでもありません。
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